チート召喚勇者男性妊娠現代転生もの 作:さくらんぼ
アーク様と結婚しました。
ハネムーン期間は頑張った。
1日目は奉仕のメイドプレイ。
2日目はアナルプラグ尻尾のにゃんにゃん獣人プレイ。
3日目は踊り子エルフプレイ。
4日目はクッころ姫騎士竜人プレイ。
5日目はお薬ドリアッドプレイ。
6日目は道具を駆使したドワーフプレイ。
7日目は魔法も使ってサキュパス魔族プレイ。
アーク様はとても喜んでくれた。
8日目に懐妊がわかり、えっちはしばらくできないねとなったら絶望するくらい喜んでくれていた。
その後もアーク様はベッタベタひっついて来るようになった。
お仕事が心配になるくらいベタベタしてくる。
アーク様はガッチガチの独裁制から自治をある程度許容する方向に舵を切り始めた。あからさまにイチャイチャする時間を捻出する為である。
プレイヤーハウスを引き払い、天華城に居を移したのだが、朝は一緒に起きるし、食事も一緒。仕事の合間には必ず会いに来てくれるし、夕方は一緒に日本語のレッスン。夜は当然のように同じ寝室へ帰ってくる。
しかも、隙あらば抱きしめてくる。
アーク様はどんどんえっちが上手くなって、私はすぐに翻弄されるようになった。
もちろん最後まではしていない。でも、セクハラはすごいされるのである。
「トール、おはよう」
「おはようございます」
目を覚ますと、目の前にアーク様の顔があった。
白い髪が枕に広がり、綺麗な碧眼が私を見つめている。
おお。朝から美しい。私は思わず見惚れた。
「どうしたんだい?」
「アーク様が格好良すぎるので、見惚れていました!」
「……朝から嬉しいことを言ってくれるね」
アーク様が笑った。
そして、私の額に口づける。
「……もう少し、このままでいてもいいかな」
「もちろんです!」
アーク様が私を抱き寄せた。
そして体を撫で回してくる。あっ♡ このままって言ったぁ♡ もっとしようなんて言ってない♡
◇
新婚生活が始まったとはいえ、アーク様の仕事が減ったわけではない。
むしろ、増えている。
引っ越しは完了したものの、住んでから色々と足りないものに気づくもの。
例えば、食事。
エルフとドワーフと獣人では、食文化が全然違う。
当然、必要な食材も違う。
竜族に至っては、食べる量が桁違いである。
しかも、魔族の皆さんまで加わるので、もう大変。
「……食料の供給量を、もう少し増やす必要があるね」
「はい!」
私は、アーク様の隣で設計画面を開いた。
農地。牧場。果樹園。養殖場。そして、食料倉庫。
農地は作っただけでは食料は得られない。どうしたって実るまでの時間が必要だ。
何を植えるかの問題もある。
意外にも農業の中心はドワーフだ。ドリアッドは光合成、エルフは採取、獣人は狩猟、竜族は両方。
魔族なんて略奪である。武さんが正気を取り戻した以上、させないが。
そんなわけで、酒の原料である農作物を作るのにドワーフが一番乗り気だったのだ。
人間少ないしね、天華国。
もちろん家畜や種の類は持ってきてもらっているが、たとえば木とかは育てるのに何十年と掛かる場合もある。育成計画は重要だった。
「これでどうでしょう!」
「……ありがとう。ただ、農地を増やすだけでは、収穫まで時間がかかるからね」
「なるほど!」
「当面は、備蓄と交易で補おうと思うんだ」
アーク様が、地図を指さした。
「それから、各種族が自分達で食料を生産できるようにしたい。トールに頼りきりでは、国として成り立たないからね」
「もちろんです! 私はあくまでお手伝いですから!」
「……うん。分かっているよ」
アーク様が微笑んだ。そして、私の手を取った。
「……でも、君がいてくれて、本当に助かっている」
「アーク様!」
私は嬉しくなって、アーク様の手を握り返した。
◇
そんなある日のこと。私は、アーク様に相談した。
「……アーク様」
「何かな?」
「実は、そろそろ帰還の準備も進めたいんです」
アーク様が、少し真剣な顔になった。
「……そうだね」
「はい。送還魔法を使って私が向こうで転生すると、この世界の魔力の源が失われるので、彼らは私が連れて行きます」
「……うん」
「天空島をアイテムボックスに収納して、それから送還呪文を使おうと思います。もちろん、子供を産んだ後に」
アーク様が、少し驚いた顔をした。
「……天空島を? 天華国も、天翼国も」
「はい! アイテムボックスに収納できるので!」
「……それは凄いね」
私は、胸を張った。
「便利でしょう!」
「……本当にね」
アーク様が笑った。
ただし、問題もある。
無理やり連れていくわけにはいかないから、最終確認を取る事が必要だ。
「……まずは、各種族の代表者達と相談しよう」
「はい!」
「飛空艇を巡回させるようにして、亜人を探して彼らの意思確認もする。希望しないものまで無理矢理連れて行かない」
「そうですね。まあ、日本に馴染めずとも広大な天空島で生活すればいいだけなんで問題も起きないでしょうけど」
アーク様が、私の手を握った。
「……トール」
「はい!」
「……君の故郷へ行くのが、楽しみだよ」
「私もです! 早く帰りたい」
私は、嬉しくなって笑った。
「日本には、面白いものがいっぱいありますから、いっぱいデートしましょうね」
「そうだったね」
「映画! 漫画! ゲーム! 美味しいご飯! 温泉! 旅行!」
私は、指折り数えた。
「アーク様に、いっぱい楽しんでいただきたいです!」
アーク様が、優しく微笑んだ。
「……君と一緒なら、きっと何でも楽しいよ」
はぅっ 嬉しい。
◇
矢のように時が過ぎた。
エルフの皆さんは、服を縫ってくれた。
ドワーフの皆さんは、赤ちゃん用の家具を作ると言い出した。
獣人の皆さんは、毛皮のベッドを用意すると張り切っている。
竜族からは、守護の宝玉を贈るという申し出があった。
魔族は魔物の牙から魔除けのお守りを作ってくれるという。
赤ちゃん、まだ生まれてないのに大人気!
そして。
アーク様のお母様が、私のところへ来た。
「……トール様」
「はい!」
「……おめでとうございます」
「ありがとうございます!」
お母様は、少し複雑そうな顔をしていた。
でも、以前ほど冷たくはない。
なお、複雑な目線は私からアーク様に移動している。
「……アークは、幸せそうですね」
「はい!」
「……無茶を言うようなら、私に言ってくださいね」
おお、注意されてしまった。気遣ってもらえて嬉しい。
「でも、あの子が、あんなふうに笑うのを、久しぶりに見ました」
私は、嬉しくなった。
「私も、アーク様が幸せそうで嬉しいです!」
「……そうですか」
お母様が、私を見た。
そして、静かに頭を下げた。
「……どうか、あの子をよろしくお願いします」
「もちろんです!」
私は、元気よく答えた。
お母様が、少し笑った。
◇
その夜。
私は、アーク様と一緒に寝台に入った。
アーク様が、私のお腹にそっと手を当てた。
「……だいぶ大きくなってきたね」
「魔王の子供は成長が早いですから」
「……不思議だね」
「そうですね」
私は、アーク様の手に自分の手を重ねた。
温かい。幸せ。
「……アーク様」
「何かな?」
「……赤ちゃんが生まれたら、いっぱい可愛がりましょうね!」
「もちろんだよ」
「それから、日本にも一緒に行きましょう!」
「……うん」
「家族で、いっぱい楽しいことをしましょう!」
「……必ず、転生してもまた会おう」
アーク様は私を優しく抱きしめた。