チート召喚勇者男性妊娠現代転生もの 作:さくらんぼ
瑠璃と優人が別々にやらかしたらしい。
いつまでも秘密に出来るとは思ってなかったけど、アーク様紹介して即全世界に拡散するとか思わないやん……やっぱり今の子って怖い。
優人は掲示板、瑠璃はSNSに拡散し、その合わせ技であっという間に特定されたよう。
今、マスコミを掻き分け掻き分け、政府の人が来てるみたいだ。
はええよ、帰ったの昨日の夜だぞ。
なんで朝っぱらから問題が発生してるんだ。
とにかく帰宅する。
ちなみに妹達は今日は学校へ行かず謹慎だ。
「あっ 帰ってきたわね! こっちこっち!」
「母さん」
母さんに誘導され、リビングルームに。
そこにはピシッとしたスーツの人達がいた。
「初めまして、伊織です。おはようございます」
「これはこれは、私、外務省の竹中浩三と言います。よろしくお願いします」
名刺をもらう。
「さて、この度は異世界人とのご結婚なさるという事で、おめでとう御座います」
「ありがとうございます」
「日本の安全保障上、お話しさせていただきたい事があります。まず、アークキャッスルは日本の領海上空にあります」
「あ、はい、どかして貰います。あと、正式名称はまだ決まってないです」
「日本に加入する予定ですか、それとも別の国として?」
「税金が面倒なんで、別の国とする予定です」
「なら、交易や条約など結ばせていただきたく思います」
「お手柔らかにお願いします」
面談の約束をして、日本が最低限結んで欲しい条約の詳細を聞く。
出入りは空港に限定してほしいそうだ。仕方ない。やむを得ない場合や緊急時を除いて空港からの出入りを約束した。
今はやむを得ない場合ね。仕方ないので家を引き払って家族の受け入れもする事になった。一旦引き払って、空港に滞在する形である。父さん達は引き継ぎなしで辞める事になる。大変に申し訳ない。
自宅では荷物の宅配とか色々頼みたかったのに……。
結婚式やデザイナーなど、国交のないアークキャッスルに出入りする関係上、国に決めさせてほしいとのこと。
その代わり融通は利かせてくれるらしい。金貨でのお支払い可、ネット回線、空港に宅配窓口創設などがそれである。空港もホテルをしばらく取ってくれるらしい。
総理を招待してくれれば日本としても贈り物をしてくれるとのこと。
アークとも相談だが、法律や罰則も決まってない状態で要人受入は怖いので日本大使クラスでどうにかならないか聞く。
それではその方向で調整しますという事で、息をついた。
ただ、国際情勢の問題に巻き込まれるのは嫌なので日本だけにしてもらった。
戦争一歩手前という状態が続いていて、とてもバチバチやってるので。
一方だけの招待をするなら、両方招待しない方がマシということだ。
互いにおおまかな要望を渡し合い、面談は一週間後という事になった。
竹中さんを見送る。
「はぁ。ごめん。父さん。母さん。口止めしてなかった」
「言っていい事と悪い事も教えられなかった私達が悪いわ。荷造りして不動産に連絡をしないと……」
「えっ 本当に引っ越しちゃうの?」
「こんなマスコミが詰めかけてる状態で生活できるわけがないだろ。ご近所さんにも謝らないと」
「インタビューは?」
流石に父さんは優人の頭を叩いた。
「お父さん達は引き継ぎなしで仕事辞める事になったんだぞ! 普通にわかるだろ、騒ぎになるなんて事は! 2度と掲示板なんてするなよ!」
「魔法は無理だな、力を与えるなんて怖すぎる」
ちょっと短慮すぎて驚いた。魔法は慣れれば反射的に扱えてしまうので、これでは魔法を教えるなんて絶対に無理だ。
「なんで!」
「自分の頭で考えなさい! 引っ越しの準備するわよ!」
父さん母さんが電話越しの引き継ぎで大変なので、私達は丸一日引っ越しの準備に追われた。
夜、ようやく落ち着いた。
「大変だったね」
アークはお茶を出してくれる。
「いや、こっちこそ妹と弟がごめん」
私は深々と頭を下げる。
「その年齢でのミスは少し怖いね。3歳がするミスだ」
「とはいえ、もう両親が仕事辞めさせられてるし、引っ越しだし、学校もなしだし、これ以上叱るのもね……」
優人と瑠璃は普通に向こうでは一人前とされる年齢である。
というか、貴族は5歳である程度の社交ができる。14歳のミスが子供だからと許される事はない。
「それで、名前をどうする?」
「辞書を用意してくれただろう? 色々考えて、天の華と書いて天華城と船は何処までも行けるということで彼方号、苗字は永遠を願って久遠はどうかなって」
「いいと思う」
それから、私達は決まり事を一つ一つ固めていったのだった。