チート召喚勇者男性妊娠現代転生もの 作:さくらんぼ
勇者召喚されてゲームキャラで異世界転生した。
帰宅を餌にされ、頑張って魔王を襲撃した。そして、当然のように裏切られて殺された。詳しくいうと、決戦前に遅効性の毒を盛られていたのだ。私もそれは予測してた。送還魔法も自力で用意していた。ついでに言えば、魔王は前代の勇者だった。私は前代の勇者から謹んで魔王の座を頂いた。
ただ、召喚魔法陣は研究材料としてアイテムボックスで偽物とすり替えていたので、もう勇者召喚はできない。ザマア。
そして前魔王様……武さんはゲーム拠点で研究材料としてお眠りいただいた。
転生したあとすぐにゲーム拠点をチェックして、魔王が凶暴化する現象の解決を確認。私に残されたやるべき事は、この世界から「お土産」を分捕ることと帰ることだけ。魔王の側近達も出して相談した。私と旧魔王様について日本にいくか、この世界に残るか。全員、日本に行くことを選択。
魔王の側近達に「お土産」の準備をお願いして、後は異世界を満喫しようかと学校へ行った。
そこで私は絶対の美の化身にあった。
「はわー!」
首席挨拶で挨拶したのはアーク様だった。
王様の子で、奴隷のハーフエルフの子供だから王族カウントはされないらしい。
白銀の髪、ちょっと長い耳、蒼い瞳は星のよう。
あの人じゃん! あの推しキャラじゃん!!!
ウッソこんなそっくりな事ある!?
私は一瞬で虜になった。
しかもクラスで一緒になった。しかもいきなり委員長と副委員長になって二人きりである。成績の関係らしい。ば、ばかな。見えすぎる目を休めるための目隠しまで一緒だと!?
「トール。君が次代の魔王様で、前代の勇者様だね」
ひゃー声までエロい!
「ふふふ、ぜーんぶバレてるよ♡ ねぇ、最初の眷属は僕にして欲しいな……」
「はいいいい!! アーク様のお望みのままに!」
直立してそういうと、アーク様は目を丸くして、笑った。可愛い。可愛すぎるだろ王子様。
私は即座にアーク様を眷属にして影の護衛をいっぱい配した。
「ふふっ トール。君って可愛いね」
可愛いのはあなた様です!
「ねぇ、魔王様はこの国を滅ぼすのかな……?」
「滅相もありません! 帰る方法見つかったので、お土産しこたまもらって故郷に帰ります!」
「は? え、嘘。でも魔王は凶暴化する。君の故郷を焼いちゃうよ?」
「解決済みです。この世界は魔力を生み出す存在を失い、ドラゴンもエルフも弱体化してやがて消えて行くでしょう。そして我が故郷は魔力を手に入れるのです」
私にだって故郷への忠誠心ぐらいある。日本に、あの豊かだけど貧しい国に、そして暗い所を突き進む地球に、魔力を持って行ってあげたい。安心と希望をお届けしたい。
「アーク様も来ますか? 2度と帰ってこれないですけど」
「君は、怒ってないのかな。召喚されて、戦わされて、殺されて、魔王にされて」
「戻る方法を用意されてないのも、魔王が元勇者なのも察してましたよ。最初に予測して狙ったように、首尾よく魔力を持って帰れそうで何よりです。代償分くらいは稼いで帰りますよ。というかもう、いつでも帰れるので私は観光モードです。こっちの学校通うの楽しそうだったから来ただけで……」
ぽかんとしたアーク様は、笑った。
「くく……はははっ……いや、失敬した。勇者様を見誤っていた。どうか私も勇者様の故郷に連れて行ってほしい。代わりに私が渡せるのは」
「渡せるのは?」
「学生恋愛の思い出だ……どうかな?」
「ふおおおおおおおおおおおおお!!!!」
私は手の甲にキスをされて悶絶した。
た、大変な学生生活になりそうだ……!