荊棘の受難
クロノは目を覚ますと何もない白い無の世界にいた。さっきまでいたハイザキとグレイの姿はなく、クロノの両腕は後ろから有刺鉄線で縛られていた。
『気がついたようだな』
後ろから声がして、振り返るとクロックハンズの4時のキンスケがいた。
『キンスケ、これは一体…』
『やっと二人っきりになったなぁ。クロノ』
キンスケはクロノに近づき、胸ぐらを掴む。
『キンスケ…』
『何度叩きのめしても[俺を助ける]とかいうんだ。傾向を変えて絶望を与えようと思ってな。』
『え?』
突然、クロノの両腕を縛っていた有刺鉄線が動きだし、増殖し、クロノを襲う。
『なっ痛っ…っ!!』
増殖する有刺鉄線はクロノの服を引き裂き、身体の肉を食い込み、鮮血が散る。
クロノは有刺鉄線に縛られ吊るされる形になった。
無限に繰り返される氷の廊下で印象に残っているのは、半裸で凍傷になりながらもギンを温めて語りかけ、繋ぎ目を探すクロノだった。
自分はその姿が忘れられなくてクロノへの思慕が憎しみに変わってからは劣情の象徴になった。
あの美しく高潔な姿を穢したくて、辱めたくてたまらなかった。
『いい様だな、クロノ。』
キンスケはそう言い、うっとりと目を細めてクロノの顎を指で持ち上げる。
『キ、キンスケ…』
有刺鉄線に囚われたクロノの身体は鮮血に染まり、真紅の薔薇を咲かせていた。
綺麗だ…
まるで奇跡を目の当たりにしたかように、
エクセスタシスに酔うキンスケ。
キンスケはクロノの血まみれの身体に指で血を掬って、クロノの唇に塗りたくる。
おまえの口にくちづけするよ、クロノ
キンスケはクロノの唇に唇を重ねた。
無限聖食
2052年のワダツミ島。
エンドレスで無限夢発動後、
4時は無限夢の中でクロノと色々と遊んでいるようだ。
5時もかつて4時だった頃、クロノを無限夢の中に閉じ込め、陵辱した。6時は何も語らないが奴も無限夢で何かしらやったのだろう。
有刺鉄線でクロノを縛り上げ、鮮血の薔薇を咲かせた後、一旦クロノを下ろして両腕を有刺鉄線で縛ったままズタボロになった服を脱がした。ボロボロの服は赤く染まり、露出した肢体は痛々しく傷だらけになっている。肢体の傷の一つ一つに唇を重ねた。まるで聖なるものに畏れを抱くように。傷に滲む血は甘い味がした。
『あ…ん…』
胸の蕾に口付ければクロノから甘い声が漏れた。
『感じているのか。これから嫌というくらい責苦を与えてやる。』
形の良い指を唾液で濡らして、クロノのホトに挿入する。ホトの中を弄ると、中は潤みじゅくじゅくと濡れていく。
4時は気をよくしたのか舌なめずりをして熟れたホトに顔を埋めた。
『キンスケッ!ダメぇ…』
『五月蝿い黙れ』
『あ"あ''ああっ!!』
ギチギチと両腕を縛る有刺鉄線が肉に食い込み、鮮血が滴る。両腕の痛みとホトの快楽が綯い交ぜになってクロノを苦しめる。
舌でクロノのホトの実を舐り、甘露を啜る。
どこもかしこも甘い。真紅の鮮血もホトの甘露もクロノの何もかもが4時を酔わせる。
穢れを知らぬ高潔なマシアハの受難は
背徳の聖餐に変わった。
『あぁっっ…あっ!ああぁぁぁっっ!!』
4時の激しい挿入で苦痛と快楽がクロノを襲う。
『お前の中は締まりがいいなぁクロノ。さっきからすげぇいい香りするし、そうやって他の巻戻士を誘惑してたんじゃないだろうなぁ。あのハイザキみたいによぉっ!』
『ち、ぢが、うぅぅっ…』
苦痛と快楽から歯を食いしばって否定するクロノ。それに反して、クロノのホトは中を嬲る4時のホコを離さない。
こいつを味わい尽くしたい
毛先から骨の髄まで喰らい尽くしたい
お前は俺のモノだと思い知らせてやりたい
4時の与える苦痛と快楽はクロノの心と身体を蝕む。まるで自分は何か別のものに変化しているのではないかと錯覚する。
今の自分は4時に喰われているのだ。
それも良いと思えてきた。
それでキンスケの心が救えるのなら、自分は贄に捧げられても良い。
『キンスケェ…』
クロノは切なげに舌を差し出す。
4時はそれに応えるようにクロノの唇に喰らい尽く。
受難の果実は4時の元に堕ちた。
4時は熟した果実を頬張る。
これから待ち受ける無限の受難の運命を受け入れるように。
これは聖体を愚弄した罰なのか、復讐への福音だろうか、
次の4時も、その次の4時も、クロノを喰らい尽くして殺すだろう。
だが運命は変わらない。キンスケはギンの復讐の為にクロノを殺し続ける。
今の4時は今頃クロノを喰らい尽くしているだろうと、かつて4時だった5時はあのクロノの唇の甘美な味を思い出してほくそ笑んだ。