ゼロの伴侶 もしも才人が夜這いに成功したら 作:tonebon
泣いた。泣いちまった。
ルイズが地球の俺の親に挨拶する、なんて言うから。
いや、違う。
ルイズから、地球に帰る方法を一緒に探すと言われた時。
自分の頭の中のなかから、記憶があふれてきたのだ。止められないほどの勢いで。
地球での日常。日本の日常。
青い空に白い筋を引いて飛ぶ飛行機。自動車や電車、都会の喧騒。
高校の日常生活。
照り焼きバーガーの味。
通いなれた道路。
懐かしい、自分の家。
自分の部屋。
両親。
母さんが作ってくれた味噌汁の味。
ハルケギニアに召喚されて、今までほとんど思い出さなかったのに。
まるで、なにかに抑えられていた封印が解かれたかのように、思い出があふれて。
そしたら、胸がいっぱいになって、心が熱くなって。
両眼から流れる涙を抑えられなくなっていた。
ルイズが才人の黒髪を抱いている。両腕で、優しく。
乱れたネグリジェ姿のルイズは、片脚の脱げかけパンツ以外、ほぼ全裸。
対する才人は完全に全裸であった。
涙で濡れた才人の顔が、ルイズの小さな胸のあいだに収まっている。
ちっちゃな胸だけど。でも、たしかに膨らんでる胸。
今のルイズからは暖かい、なにかを感じる。
この前までのルイズとはぜんぜん違う。
まるで、母さんみたいだ。
鼻水をすすると、花のような良い香りがした。
石鹸の香り?
昨日、夜這いをして…ルイズの寝こみを襲った時は気が付かなかった。
ルイズ、いい匂いだな。
ルイズが胸に抱く才人の後頭部の髪を、優しくなでる。
泣く子を安心させる魔法の手のひら。
それは女性の母性が生み出す、魔法であった。
その感触に、才人がルイズの胸のあいだから顔を上げた。
涙で濡れた視界をルイズの顔が埋めた。
桃色の長い髪の下に、今まで見たことが無いような、優しい笑顔があった。
その笑顔は才人に一大決心を決めさせるには充分すぎた。
決めた。いや、あらためて決意した。
「…ルイズ」
「なに?」
才人は右手で涙を拭い、ずずっと鼻水をすすった。
そして、ルイズの両肩に手をのせ、ゆっくりと、顔をルイズの胸から上げる。
ベッドに女の子座りするルイズの両肩に手をのせたまま、才人はルイズの瞳をみつめた。
「いまさらだけど…ルイズ、俺も、お前が好きだ」
「…うん。昨晩も聞いたわ」
しまった、してる間に、俺、ルイズが好きだって言ったんだよな。
げ、ルイズの笑顔がジト目になってきてる。
「ご、ごめん。でも、あらためて誓います。俺、ルイズが好きで好きでたまらないです」
少しジト目気味だったルイズの顔が少しづつ、赤く染まってきた。
「お前を見ていると、胸がドキドキしてくる。これって好きだって事だよな」
後先だけど、襲ってからなんだけど。
ルイズを幸せにする。守ってみせる。
今の俺なら、相手が10人だって戦ってみせる。
100人以上の敵とかは無理かもしれないけど、頑張ってみる。
「お前だけが好きだ! お前の事、絶対守るから! 子供できたら、二人共守るから!」
ルイズの両手が才人の顔を優しく包む。
「…嘘だったら、殺すからね」
言葉の内容は恐ろしいが、そんなルイズは、満面の笑みを浮かべていた。
「…それと、子供できたよ。わたしにはわかるもん。だから…」
そして、その微笑みは才人に、そっと口づけした。
くちびるだけがつながる、優しい、暖かいキス。
「わたし達をお願いね?」
ふっと離れた唇から放たれた言葉と、頬を赤らめてにこりと笑ったルイズを見て。
さらに、その先の舌を絡めるキスを経験してしまった才人には。
もう、止められなかった。
「ふぁいず!(ルイズ!)」
キスしながらルイズの名前を叫んだ才人は、小さなルイズの身体を抱きしめる。
背中を抱いた腕でルイズの腰まで伸びた長い髪をかきあげ、手のひらを首の後ろに添えた。
荒々しく唇をしゃぶり、ルイズのくちびるを舌でわる。
「むご!」
ルイズは両腕で才人の胸を押して逃れようとしたが、才人の力は強かった。
くちびるをぬるっと越えてきた才人の舌が、怯えて逃げるルイズの舌に接触する。
ルイズも、昨晩の熱いキスを体験してしまっていた。
舌と舌をからめるキスの味を覚えてしまっていた。
才人の唾液の味を覚えてしまっていた。
あの、あついキスをまた、したい。
しかし、しかしだ。
だめ! 今はだめ!
ルイズの脳裡にはシエスタの言葉があった。
「女の子の匂いと精液の匂いが凄いです。そのままじゃバレちゃいますよ」
わたし、臭うのよ。わたし、今、臭いのよ!
そんなのたまらない。
お風呂に行かなきゃならないのよ!
授業も受けなきゃならないのよ!
貴族としての身だしなみという物があるのよ!
それに、才人。あんたの前で…臭うのは恥ずかしいじゃない。
しかし、火がついた才人はルイズの身体に夢中だった。ちんこの痛みを忘れるほどに。
才人の舌がからみつく。唾がルイズの唇から顎を伝う。
才人の右腕が背中から強く抱きしめ、空いた左腕の指先が胸の先の乳首を弄び、
そのまま、お腹を伝って、へその脇を通り、下腹部に進む。
ルイズの敏感なところに才人の指が触れるたびに、舌が水音を立ててからみつくたびに、
ルイズはそのまま流されてしまいそうになっていた。
恥ずかしさと敏感な感覚で、ルイズの思考が桃色に麻痺しかけている。
そして、才人の指先がルイズのかすかに生えた陰毛をかきわけた時。
ちんちん!
そう、ちんちんよ!
ルイズの腕が才人の股間に走った。
そして、ルイズの細い指が才人の肉棒を握りしめる。
「うぎゃ!」
キスからの流れで忘れていた痛みが才人に帰ってきた。
才人は腰が引けて、うずくまった。
ルイズの手のひらの中で、みるみる小さくなるちんちん。
「な、なんで!?」
才人は、こんどは痛みで涙目になっていた。
「今はだめ!」
ルイズは手の中の皮をかむったちんこを指でふにゃふにゃしながら、顔を赤らめて俯いていた。
「わたしだって、その、まだ、お腹、痛いし」
そんなルイズを見て、弄ばれるちんこの痛みと快感を同時に覚えながら、才人は自分を恥じた。
「あ、ご、ごめん。俺、お前の事を考えていなかった」
「うん。それより、才人」
「なに?」
ルイズが顔を上げた。赤い。その瞳がわずかに震えながら、才人を見つめている。
指はちんこをふにふにしている。
「その…あのね?」
「うん?」
「わたし、臭う?」
才人にとっては唐突な質問だった。
そして、瞬間的に浮かぶのは、ルイズの胸で嗅いだ、花のような石鹸の匂い。
「うん」
瞬間、ルイズの表情が固まった。
ちんこをもむ指に力が入る。
「臭う?」
「う、うん」
「そう」
ルイズはちんこから手を離し、すっくとベッドに立ち上がった。
「才人、支度しなさい。お風呂に行くわよ!」