第15話 説得
大らかな態度でランスを出迎えるホ・ラガに、ランスは警戒心を忘れず尋ねる。
「シィルの治し方を教えろ」
そう言ったランスの眼光は、さもなくば殺す、ということを言外にホ・ラガに分からせるような鋭さだ。
「シィル…… ふむ、君の奴隷の少女か。魔王の呪いによって二年以上氷漬けなのだな」
ホ・ラガはランスの言葉の後、本棚から抜き取った一冊の本をパラパラとめくり、確認を取った。ランスは予めホ・ラガの知識のことを聞いていたが、それでもあっさりと事情を飲み込んだことに内心驚嘆していた。
パタン、と手にしていた本を閉じ、ホ・ラガが言葉を続ける。
「造作もないことだ。だが、教える代わりにこの老人の願いを一つ聞いて欲しい」
「いやだ!!!!」
ランスは話し続けるホ・ラガにかぶせて強く言い放つ。自分をターゲットに定める同性愛者に、彼は一切隙を見せない。
「そんなに警戒しなくとも、ここで一晩共に過ごしてくれればいいだけだよ?」
「それ以上に嫌なことなんぞあるか!!! 知っているぞ!! お前がホモだってことはな!!」
ホ・ラガの提案をランスは大声でさらに拒否した。
「お前は見返りなんぞ求めず、この史上最高の英雄、ランス様に無償で情報を提供すればいいのだ!! というか、それが嫌なら殺す!!!」
ランスは懇願どころか請願も飛び越えて脅迫に移行する。カオスも抜き、表情も本気だ。
「ちょっと、ランス君! 駄目だよ、お願いする立場なんだから!」
カフェは二人の間に割って入り、ランスをどうにか宥めようとする。常識的なことを言っているに過ぎないのだが、ランスと比べれば聖人的ですらある。
「ホ・ラガも今はその悪い癖やめて! ランス君困ってるよ!」
「こんな老いぼれのささやかな願いだ。叶えてくれてもバチは当たらないだろう?」
ホ・ラガもやはり曲者で、ランスの脅迫に態度を変える様子はない。
「どけ、カフェちゃん! そいつを殺す!」
「駄目だってランス君! お願いホ・ラガ! 昔一緒に旅した仲間のよしみで!」
いよいよホ・ラガの息の根を止めんとランスが動くのを必死で止め、必死の懇願をするカフェ。しかし、ホ・ラガの顔色は優れない。
「困ってる人がいるんだよ!? きっとあの人だって力を貸そうとするよ!!」
カフェの放ったその言葉は乗り気でないホ・ラガに発破をかける一言だ。ランス達はカオスを除き、あの人が誰を指すのかは分かっていない。
しかしそれは、世界に興味を失ったホ・ラガの心を揺さぶる数少ない思い出だった。
「……仕方ない。カフェ、君の顔に免じて今回に限り、情報をあげよう」
一つ溜め息をつき、ホ・ラガは手にしていた本があったの所とは別の棚に向かう。
抜き出した本をパラパラとめくり、口を開いた。
「いくつかある解呪法でも難しい部類だろうが、無償の情報だ。文句はないだろう」
「なに!?」
文句を言おうとするランスを無視してホ・ラガは続ける。
「呪いをかけたのは魔王なのだから、魔王自身にそれを解かせればいい。とはいえ、現在のなりそこないの魔王では自身の中の絶大な力を御することは不可能だろう。せいぜい、氷と一緒に中身も破壊するのが関の山だ」
「じゃあどうすればいいのか聞いてんだ!」
「落ち着いて話を聞かんか。かつての魔王、ガイは自身の力を操るため様々な研究をしていた。比較的穏やかな魔王だった。その理由はとある一人の少女と、二重人格にあったと言われている。しかし、穏やかな人格の方の彼にも力を振るうと凶暴な人格を呼び起こしてしまう傾向があった。魔王としての威厳を保つ為、魔王の凶暴性を抑えつつ、その力を制御するためのアイテムを作り出した。それが魔王城の奥に安置されている鎧だ」
ホ・ラガの話にようやく合点のいったランスは目に輝きを取り戻し始めた。
「魔人にその鎧を着用するものもいない。かといってその価値と危険性を知らない彼らには破壊するような理由もない。今では魔王城の宝物庫にしまわれている」
「つまり、そいつを美樹ちゃんが着ればシィルを治せるのか!?」
「ああ。魔王としての力を全て使いこなせるわけではないが、氷の解凍程度なら問題なく行えるだろう」
ホ・ラガははっきりと断言する。ランスがこれまで聞いていた情報は、結局のところ「らしい」という言葉で締めくくられる噂程度のものばかりだったが、全てを知っているというホ・ラガは確信しているのだ。
「よし! そうとわかればこんなホモ臭い小屋に用はない! 帰るぞお前ら!」
ランスは恩人に対して礼の一つも述べずに後ろ足で砂をかけるように去ろうとする。しかし、そこでランスについてくる者がいない。
「おい、何をもたもたしている。さっさと行くぞ」
「……またあの吹雪の中を?」
そう言ったかなみはランスに現実を思い出させた。
「……あ」
ホ・ラガから逃げたい一心で小屋を出て行こうとしたが、塔の外は激しい猛吹雪だ。ここに来るまでも激しく体力を消耗させられているのに、このまま休息をとらずに帰ろうとすれば最悪、凍死する者も出かねない。
「いいじゃない、ここに泊めてもらえば。ランスのベッドは用意されてるんですよね、ホ・ラガさん?」
「もちろんだとも」
志津香の問いにホ・ラガは満面の笑みで答える。そのベッドがランスが一人で使うためのものか、それともホ・ラガのものか。いずれにしてもランスの身に危険が及ぶのは間違いない。
「ふざけんなーーーー!!! お前ら、小屋の外でキャンプ張るぞ!! こんな狭っ苦しい小屋では寝られん!!」
今度こそランスはホ・ラガの小屋のドアを勢いよく開け、外へと出て行った。吹雪の中や同性愛者のいる小屋に比べれば、ランスにとっては普通の野宿くらい全く苦ではない。
「かなみ! さっさとテント張れ!」
「はいはい」
「あ、手伝います」
かなみとサチコがてきぱきとテントを準備する中、カフェがランスのところへとやってきた。
「ランス君、私はホ・ラガのところに泊まるね」
「はあ!? なんでカフェちゃんはあんな奴のところに行こうとするんだ!? ま、まさか、あいつのこと……!」
「ち、違う! 本当に違うよ! ほら、あんなでももう殆どいない私の昔の仲間だから……」
そう言ったカフェの顔は少し暗い。1500年を生きる彼らには昔馴染みという存在は本当に稀有なのだ。
「……まあいいや。別に構わんぞ。明日には出発するからそのつもりでな」
一瞬ランスはカフェを止めようとしたが、なんとなく小屋での宿泊を認めた。無償で情報を提供したホ・ラガへの負い目か、ホ・ラガとの仲を取り持ってくれたカフェへの恩義か。
当然そのどちらでもなく、なんとなくだ。強いて言うなら、そろそろランスは性欲を誰かで発散しようと思っており、カフェへの注意が散漫になっていたのだろう。
「あ、ついでにカオスも借りていくよー?」
「おう、もってけもってけ。よし、そんじゃあ今日は誰を可愛がってやろうか……ぐふふ」
ランスはもうカフェを気にしていない。しかし、幸運なことにランスは自身への夜這いの防衛策を張ったことになる。
「コラ、カフェ! 引きずらないでちゃんと持て!」
「えー。カオス重いんだもん」
カフェはずるずるカオスを引っ張って行き、カオスはそのことに文句を言っていた。
「よし! 今日はマリアとやるぞ!」
ランスは冷えた体をマリアの抱き心地のいい体で暖めようと思い、そんな選択をした。
翌日、ランス一行はキャンプを畳み終え、塔を後にしようとしていた。カフェとカオスもランスに合流し、ホ・ラガは見送りに小屋から出て来ていた。
「また何か困ったことがあれば訪ねるといい。格安の報酬で情報を提供しよう」
「誰が来るか!!!」
ホ・ラガの言葉にランスは大声で怒鳴ってさっさと塔を出て行く。
「ありがとうね、ホ・ラガ」
「……まあいいさ。懐かしい顔を二人も見れたからな」
カフェの礼にホ・ラガは苦笑いで返す。
「早くこーい!」
「はーい! じゃあ、またね」
「ああ。達者でな」
カフェがランス達と共に去っていくのをホ・ラガは笑顔で見送っていた。
猛吹雪を抜け、一行がシベリアに到着したのはその日の夜だった。宿屋に泊まりようやく人心地つくと、ランスが口を開いた。
「魔王城ってどこにあるんだ?」
考えてみればランスは魔人領に行ったことなど当然ない。世界を股にかける彼も、魔王城の所在は知らなかった。
「えっと、昔からの言い伝えだとヘルマンの西側にあるみたい。ずっと場所が変わってないみたいだから、多分今もそこじゃない?」
答えたかなみも頭の中の世界地図に照らし合わせたので、あまり自信はない。とはいえ、その場の者達も無言でうなずいてかなみの答えがあっていることを示していた。
「ふーん。じゃあヘルマンの奴らに協力させて一気に攻め込むか」
「ええっ!? いや、それは無理だよ! ヘルマンの人達も戦争が終わったばっかりでそんな余裕ないよ!?」
ランスの考えをマリアが止めた。
「そんなことは知るか。国を救った大恩人の頼みだ。断れないだろう。ガハハハハハ!」
「ちょっと待つでござるよ、ランス」
「ん、なんだ」
高笑いするランスを止めたのは鈴女だった。
「色々頑張ればヘルマンも動いてくれると思うでござるが、それにしたって今の疲弊した状況じゃ大した数を出せないはずでござるよ。魔軍の余力を考えたら正直心もとないでござる」
「む、じゃあどうするんだ」
「そんなの鈴女じゃわからんでござるよ」
「散々引っ張っておいてそれかー!!」
「けど、どうすればいいか知ってそうな人には心当たりあるでござる」
二日後、ランス達はリーザス城にいた。
「なるほど、魔王城を侵攻するために軍事力が欲しい、という訳ですね」
相談相手はマリスだった。リーザスは魔人の侵攻を受けておらず、国力には比較的余裕がある。その上、ランスに対して最も友好的な国でもあるので、相談役としてはこの上ない。
「ねーダーリン! なんでリアには聞いてくれないの!?」
「やかましい。少し黙ってろ」
いじけるリアをランスは適当にあしらい、マリスの話を促す。
「……現状、すぐにその要求を叶えるのは難しいです。いくつかの手順を踏む必要があるでしょう」
「ほうほう」
マリスが右手の人差し指を立てる。
「まず第一に、ゼスの混乱の収拾。ゼスの問題は我々人類にとって眼の上のたんこぶであり、あれを解決しないことには魔人領への侵攻は様々な面から見ても不可能でしょう」
「健太郎の奴が来たんじゃなかったのか? まだ片付いてなかったのか」
ゼスの魔人侵攻はヘルマンほど大規模でなく、一度に来る増援もそれほど多くはないためにランスにとっては随分と緩く見えた。しかし、手強い魔人の侵攻にゼス・リーザス連合軍と健太郎は随分てこずっているようだった。
「はい。情報によると魔人レイがゼス侵攻に加わり、攻めきれずにいるようです」
「うげ、そういえばあいつ殺してなかったな」
マリスが右手の中指も立てる。
「第二に、戦力の不足。各国が魔人戦争に全力を傾け、厳しい消耗を強いられました。結果として、一時的に侵攻を退けても逆に侵攻する余力がありません」
「そんなもん気合でなんとか……」
「なりません。一部の将軍ならまだしも、一般の兵の士気は否応なく下がります。常にモンスターと遭遇するリスクが予想される魔人領で士気の低下は深刻な問題です」
「ぐ……じゃあどうすればいいのだ」
マリスに自身の案をあっさり論破されたランスは悔しそうに続きを促す。
「同時に解消する方法があります」
「そんな簡単な手があるのか!?」
「簡単かどうかはランス様次第です」
そこで一旦言葉を切り、続ける。
「まず、ゼスの魔人を仲間に引き入れましょう。少なくともカイトは緑の里に思い入れがあるのはわかってますし、うまくいけば仲間にできるかもしれません」
「えー…… あんな筋肉だるまを俺が説得するのか」
筋肉だるま以外なら大丈夫だというような口ぶりだが、ランスは相手が美女であるほうが明らかに失敗する確立は高いだろう。
「最悪説得しなくても構いません。ミドリ病がランス様に治せることを証明すれば彼の心は動くでしょう」
「じゃあ俺は女の子とえっちしまくればいいだけか。楽勝だな!」
ガハハと高笑いするランスに構わずマリスが続ける。
「魔人をいくらか寝返らせ、ゼスの平定を済ませてからが本番です。当然魔人は再び攻めてくるでしょうが、その進路は一つに絞られる可能性が高いと思われます。戦力は確実に減っていますし、あちら側も無限の人材を持つわけではないのでしょうから」
ランスはバボラとケッセルリンクの討伐に成功しているし、マリスの作戦通りにいけば、さらに魔人を寝返らせてこちらの戦力に引き込める。いかに魔人とはいえ被害を無視することはできないと思われる。
「そして、彼らが選ぶ侵略候補地はやはりゼスよりヘルマンの方が確立が高いでしょう。この半年間での実績を見れば、マジノラインのせいで二割程度しか支配できなかったゼスに比べて、ヘルマンは番裏の砦があってもほぼ壊滅というところまで追い込んでいます」
ヘルマンはゼスに比べると国内の問題が片付いていないという不利があったものの、圧倒的な魔法の砦であるマジノラインの恩恵の有無は国家防衛において絶対的な差があった。
「ヘルマンに魔人との防衛戦を行って貰っている間にランス様は一軍を率いてゼスから魔人領へ侵入。多少遠回りになりますが、警戒の薄い南から北上して魔王城を目指します。以上が私の提案する魔王城侵入作戦の概要です」
「ふん、なるほどな。いい案だ」
ランスはニヤリと笑ってそう言った。彼の心はマリスの作戦で決まったようだ。
「じゃあダーリン、ゼスに行っちゃうの?」
リアは寂しそうに上目遣いでランスを見やる。
「おう。ちゃっと片付けて魔王城も攻略してくる。だがその前にリーザスでリアとマリスを抱く。3Pだ。ガハハハハハハハハ!」
その夜、ランスに同行する仲間たちで集まり、話し合っていた。ランスは宣言通り3Pに励んでいる。
「なんかすごいことになっちゃったね……魔王城に侵入って、そんなこと人間にできるのかな……」
マリアが口を開いた。
人に伝わっていない歴史上で少なくとも二人は魔王城に乗り込んだ人間がいたが、その場にそのことを知る者はいない。
「私達の時代には考えられなかったことだよ。あの頃は、魔人や魔王に逆らおうと思ってもその手段がなかったし……」
カフェが遠い目をして答える。彼女の時代とは、史上最悪の魔王との呼び声も高い魔王ジルの時代だ。人間の命は徹底的に軽んじられ、いつ命を落としてもおかしくなかった。
(そう考えればカオスと日光があんな姿になった甲斐も、少しはあったのかな……)
カオスと日光を操るものが今や人類の希望だ。彼らの望みは歪んだ形で叶えられたが、それでもその想いは無駄にはならなかったということだろう。
「今だってそうでござるよ。ランスがいなきゃJAPANはザビエルに為す術なく大陸ごと沈められてたでござる。手段だけじゃなくて、それを実行できる人間がいたからこそでござる」
鈴女の言う通り、ランスがいなかった場合でもJAPANには健太郎がいたが、魔人ザビエルに彼一人で対抗しうるとは到底思えなかった。
JAPANを率いて立ったランスだからこそザビエル打倒は成せたのだ。
「ホントすごいよ、アニキは! さすがアタイのアニキ!」
「否定しきれないのもあの人のすごいところだな。結局、ヘルマンの混乱もあの人なしでは解決し得なかったんだ」
「褒めすぎだと思うけどね…… 頭のてっぺんから足の先まで性欲しか詰まってないただのアホでしかないんじゃないかしら?」
ランスを褒め称えるアルカネーゼと戦姫に志津香が呆れ気味に突っ込む。
「それもまた事実だ。だが、それ以外のものも彼には多分に含まれているんだろう」
「…………」
あまり人を褒めるようなタイプではないはずの戦姫の言葉に、志津香は少し怖くなって黙り込む。
「まあ、ランスの褒めあいっこは一旦置いといて、みんなはこのままランスについてくの? これからの戦いはヘルマン以上にすごいことになりそうだけど……」
このままでは埒が明かないと、マリアが話を進めた。この場にランスの仲間達が集まったのは、旅の続行を望むのかを無意識ないし意識的に彼女らが確認したかった為なのだ。
「やめる理由がない。私にとっては戦いは望むところだし、それがあの人の助けになるならより好都合だ」
「同じく。あの人の手助けをしていきたい」
「にょほほ、ここでやめたらきっと鈴女はもう成仏できないでござるよ
戦姫と謙信は即座に答えた。
「んー、どっちでもいいんだけど、ランスが一緒に来て欲しいって言ってるんだから行くよ」
「……私もよ」
ミルの答えを聞いて気が重そうにランも答えた。ランにとっては保護対象であるミルやマリアがランスに同行するなら、選択の余地はない。
「私は……怖いけど、行きます! きっと今なら力になれますから」
「アタイも行くよ! アニキの弟分として臆病風に吹かれるわけにはいかないからね!」
「がうがう!」
サチコ、アルカネーゼ、キバ子が元気よく続行を希望した。
「うん、私も行くよ。 ……志津香はどうする?」
マリアはできる限り無理強いしないように優しく尋ねた。そんな気遣いも志津香には断りづらくなる一因となるものだが、今回の彼女には明確な目的があった。
「ランスと一緒っていうのが嫌だけど、ナギの無事もわからないし、あの子を助け出すまではついていくわ」
強い意志に瞳を輝かせてそう答えた。
「ありがとう……! みんなで頑張って戦っていこう!」
彼女たちはその覚悟を確認しあってその日を終えたのだった。
「ダーリン、起きて! そろそろ出発だよ!?」
リアはベッドに眠るランスをゆさゆさと揺らす。昨晩かなり張り切ってたのでよく寝ていた。
「んあ、わかった、起きてる、むにゃ……」
ランスは目も開けずに適当に答えている。寝言には聞こえるが起きてるようにはとても見えない。
「嘘! ダーリン寝てるじゃない! 起きてったらー! ……あ! そっか! ダーリンこうして欲しかったのね」
リアは持ち主が寝ているにも関わらず元気なハイパー兵器を見て、それをいじり始める。
「ふふ、こうやってやらないと起きないんでしょ?」
「……んお、なんか気持ちいい…… ってリアか! なんか知らんが朝っぱらからグッドな展開だ!」
いきなりパッチリと目を覚ましたランスはガハハと笑う。
それを見てリアも嬉しそうにハイパー兵器を口に含んだ。心から愛おしそうにランスのものを愛撫している。
「おー、慣れない子のフェラもそれで味があるが、やはりリアは上手いな」
ランスの言葉に喜んだのか、リアの愛撫は一層激しくなる。
「よし、そろそろ発射するぞ。とーーーー!」
ランスは前日に散々楽しんでいた割りに、その影響を微塵も感じさせない量の皇帝液をリアの口内に放った。
リアは必死に零さないよう飲み込んだが、それでも口から溢れた分を手で受け止める。口の中のを全て飲み干した後、手に零してしまった分も綺麗に舐めとる。
「ガハハハハハ! 朝からグッドな起こし方だったぞ!」
「えへへ、褒められちゃった」
リアはすっかりと蕩けた表情になる。しかし、二人が二回戦に入ろうとするのを止める声があった。
「おはようございます、ランス様。既にお仲間の皆様が準備を終えてランス様を待たれています。満足したようでしたら、急ぎ準備をお願いします」
マリスがやんわりとランスに準備を促す。
「おう。……ん? マリスとリアも行くのか?」
ランスは着替えながらリアとマリスの服装を確認する。王族らしく華美ではあるが、普段より動きやすそうな様子であった。
「うん! ゼスにはリーザス軍もいるし、私達も行ったほうが士気が上がるからって!」
「ふーん。まあいい。よし、じゃあゼスに行って問題を片付けるか!」
旅装を調えたランスはリアとマリスを伴って進み始めた。
はい、以上15話でしたー。
本当に申し訳ない! とにかく遅くなりました! 作者の都合によりこんなに遅くなってしまいました。せっかくの新章なのにいきなりこれだけ待たせてしまってひたすら申し訳ない!
ぶっちゃけ書いてなかっただけなんですが、前からちょくちょくあった書きたくないとこでだらだらとしてしまうという状態を続けてました。具体的に言うとマリアとかがランス抜きでしゃべってる辺りです。
と言うわけで今回から新章です! 三つのルートのうちのグッドエンドルート『果てし無き闘争』編です。これは三つのルートにするために急遽考えた話なんで、他の2ルートよりもあっさりかつそれほどの衝撃もなく終わると思われます。というか早く終わらせてバッドの『暗黒の時代』編とトゥルーの『黎明(仮)』編を書きたいです。
というか、この一話を書いている間に01発売&9の情報発表ですもんね。はやく終わらせないとやばい……!(設定の齟齬的な意味で。シーラとかどうなんだ)
コメントを下さったDOMOさん、ありがとうございます! 実のところ、今日(11月21日)たまたまここを覗いて評価にコメントを付けてもらえることを初めて知りました! 指摘頂いたところは直しておきます。完全に茶道と華道を混同してました……
作者がこのコメントに気付いたから今日投稿しようと15話を完成させました。まだ見ててくださるようでしたらこれからも暖かく見守っていただけるとありがたいです。
以下解説。
魔王の鎧
反逆の鬼畜戦士オリジナル設定。とはいえ、魔王の鎧にはガイの二重人格を押さえ込む効果があったとどっかで見た記憶があります。それにもうひとつ効果を加えた形になりますね。力を操るといっても、全力を引き出せば問答無用に魔王の人格が現れてしまうものです。あくまでシィル解凍専用アイテムですね。
魔王城
所在は鬼畜王など参照。ちなみに没設定として、魔王城は魔王誕生、つまりはククルククルの時代からあったものであり、その地下深くには止めを刺されることなく封印の憂き目にあった二代目魔王、アベルがおり、展開しだいでその封印を解こうかと思いました。しかし、魔王を登場させるとランス達がその打倒に全力を傾け、それでも可能か怪しいという展開は避けがたく(マギーホア登場も案としてありましたが、現在の彼は動向が全く読めないのでこれも没)、物語の無駄な引き伸ばしになりそうだったのでお蔵入りになりました。
魔王城に乗り込んだ人間
ガイとシルキィ・リトルレーズンの二人。ガイはカオスを持って魔王ジルに戦いを挑みましたし、シルキィは人間の虐殺をやめるように魔王ガイに直談判しに行きました。とはいっても、ガイが魔王城で戦ったかは定かではありませんが……
ザビエル打倒
そもそもランスがいなければザビエルは復活してなかったかもしれませんが…… ザビエルに限らず、6におけるゼスの災害やクエストにおけるカラーの里の事件もランスがいなければ起きなかったかもしれません。壮大なマッチポンプと言えなくもないですが、それと一緒に様々な事案を解決してしまっているのがランスクオリティ。ゼスの差別社会を壊すのに多大な貢献をしましたし、JAPANは長い戦国時代を終え、ペンシルカウはあれがなきゃクルックーが法王になれなくて世界がバッドエンドルートまっしぐらに陥っていたわけですね。まあこのお話はそんな事件があってもバッドエンドルートなわけですが。