死国でのランス達の拠点は小さな集落だった。そこには碌な軍備はなく、住民たちが協力し合って鬼に立ち向かっているらしい。
そんな寂れた場所にいるランス達がいる理由は「死国から出るとめんどくさいからとりあえず死国中の美女とヤッて回っているのだ。ここにいるのはまぐれ」との事だ。彼らしいくだらない理由だった。
集落のテントの中、ようやく落ち着いて話せる体勢になってランスがかなみに問いかける。あてなはテントの外で見張りをしていた。
「で、お前は結局何しに来たんだ。ああ、俺様のハイパー兵器が恋しくて抱かれに来たのか」
「あんたは本気でそういうこと考えてるとこが最低なのよね……」
「誰が最低だ! 俺様は人類最強の超英雄だぞ!!」
超英雄様はAL教に追われたりはしないだろう、という言葉は口に出さずにかなみの胸の中にしまうのだった。
「今回はリア様からの依頼できたのよ」
「護衛でござるか?」
鈴女はテントの中で風船猫お化けの状態になっている。
「いえ…… ランス、リア様はあなたがリーザスに来ることを望んでいるわ。魔人を倒して人類を救うためにはあなたの力が必要なの」
「おお! 是非行こう! 魔人斬りたい斬りたい!」
かなみの言葉に答えたのはランスではなく、彼の魔剣カオスだった。魔人を殺すために剣となった彼は魔人を殺すことに対して異常に執着する。
「うっさい馬鹿剣! 俺様の許可なく勝手にしゃべるな!」
「ランスさんはあの抹殺命令のせいで大陸じゃろくに外も歩けないんですよ? どうにかなるんですか?」
「う、それは……」
正直、かなみもその懸念はあった。本来ならそこら辺を聞いておくべきだったのだが、かなみは何も聞かずにリーザスを飛び出してしまい、答えようがなかった。
「だ、大丈夫よ! ……多分。リア様が言い出したことだし、マリス様にも何らかの考えがある……はず」
語尾に全く自信がなさそうなのが浮き出る頼りない台詞だった。
「まあ、ランスに関わったリア姫がどれだけ頼りになるかは分からんでござるが、マリス殿なら何らかの考えがあってもおかしくなさそうでござるな」
旗色の悪いかなみに鈴女がわずかながらの救いの手を差し伸べる。
「そ、そう! だからお願い、ランス! 私と一緒に来て!」
「やだ」
「「「ええ!?」」」
驚きの声を上げたのはかなみ、サチコ、カオスだった。
「この話の流れでそれはないだろうよ心の友~。魔人斬らせてよ~」
「うるさいわ! 俺様が一年半も惨めな逃亡生活をする羽目になったのは誰のせいだと思ってやがる!? 大陸の馬鹿共のせいだ!! なんで俺様がそんな奴らのために戦わにゃならんのだ!!」
珍しくランスにしてはまともな意見だった。かなみ自身逃亡生活の悲惨さは目にしていたし、それでランスのストレスが大いに溜まっていたことも知っている。
だが、ここは決して譲れないところだった。例え口にしたくなかった言葉を使ってでも。
「お願い! 言うこと聞いてくれたら私に何してもいいから!!」
「わ、私からもお願いします! 大陸には家族もいるんです!」
「……む、行かんって言ったら行かん!」
少しかなみとサチコの言葉に心を動かされかけるランスだが、相当大陸の民への恨みが深いのか、なかなか首を縦に振らない。
「……ランス殿、私からもお願いしたい。いま戦わなくては手遅れになってしまう」
「謙信ちゃんまでそんなこと言うのか! 俺様以外の奴のことなど知ったことか!!」
このときかなみはシィルの不在を惜しんでいた。こういう時、彼女が懇願すればランスが頑なに拒否していることでもなんとかなってきたのだ。
やれやれと、黙っていた鈴女が見かねたのかランスに話しかける。
「けどランス、考えようによってはチャンスでござるよ?」
「なんだと? どういう意味だ」
「今までランスはすごいことしてきたけど、色んな事情で世間に知られていなかったでござる。今みたいな人類のピンチを救ったらどうなると思うでござるか?」
「む、もったいぶるな。どうなると言うんだ」
「そりゃあもう本当の超英雄でござるよ。大陸中の女の子達がランスに抱いて~って頼みに来てもおかしくないでござる」
「な、なんだと!? 毎日か!?」
「毎日毎日。当たり前でござる。むしろ来る人数が多すぎてランスがへばっちゃうかもしれんでござるな」
「俺様がそんなことになるわけないだろう!! 毎日20P…… ぐふ、ぐふふ」
鈴女の甘言にランスは涎をたらして妄想し始める。
「しょうがない、かなみ!!」
「は、はい!?」
「この史上最強の超スーパー大英雄ランス様が馬鹿な大陸の奴らを助けてやる! 感謝しやがれ!! がはははははははははははは!」
鈴女に踊らされたランスはあっさりと意見を覆し、人類を救うことを決めるのだった。
「ランスは相変わらず単純でござるなあ。まあ、そこもいい所でござるが」
鈴女は嬉しそうにそうつぶやいた。
「よかった、本当に……」
この説得すら失敗していたらかなみはリアにどんなオシオキを受けさせられたか分からない。心からの安堵におもわず溜め息がでた。
「ところでかなみ、お前の何でもするって言うのは取り下げさせないぞ」
「ええっ、嘘!?」
「当然だ。俺様が大陸に行かなくてもいいのか?」
「ううっ、わかったわよ……」
今度は涙目で落胆と諦観の溜め息をつくのだった。
「そうと決まれば早速リーザスへ向かうぞ!」
「あ、ランス待つでござる」
「ん、なんだ?」
「魔人たちとの戦いとなれば総力戦になるでござる。先にJAPANに協力を要請してから大陸に帰るといいでござるよ」
「それもそうだな、ついでに尾張で適当な女の子とセックスするか。がはは、一石二鳥だ」
かくして見当かなみも加わったランス一行は一路、尾張城へと向かった。
「おかえりなさい、ランス兄様」
「おう、ただいま香ちゃん」
尾張城に帰るやいなやランスは香姫の下へと向かった。ランスの表情を見て香姫は心から安心したように微笑んだ。
「謙信さん、サチコさんにあてなさんもお元気そうでなによりです」
「うん、心遣い感謝する」
「わわ、恐れ入ります……」
「出迎えごくろーれす」
「うむ、またかわいくなったな。いいぞいいぞ、もうやってもいいかもしれん」
「もう、駄目ですよランス兄様」
「「「絶対駄目じゃーーーーーー!!!!!!」」」
ランスの言葉を香は柔らかくたしなめ、突如襖を開けて現れた3Gが大声で一喝する。
「あーやかましいのまで出てきやがって」
「黙れ獣めが! 香様、この男に一人で近づいてはなりませぬぞ!」
「心配しすぎですよ3G」
実際、香姫は年齢を重ねたことで幼女から少女へと変わりつつある。今、同じ布団で眠ればランスが手を出す可能性は高い。
「まあいい、香ちゃん、今日は頼みがあってきた」
ランス一向に見当かなみが加わっているのを見て、その用件は香姫にも予想できた。
「はい、JAPANの軍勢を大陸に出したいのですね」
「うむ、その通りだ」
「全く、むちゃくちゃな話だ。大体どうやって軍を移動させるのだ? 維持にも金がかかるし、通行の問題もある」
「こうるさい爺め。いいからさっさと軍を貸せばいいのだ」
「そのための準備はすでに始めております。明後日、この織田城にJAPANの当主すべてが集い、大陸への派兵について話し合うことになっています」
「さすが香ちゃん! 話が早いぜ。どっかの妖怪爺とは大違いだな」
「「「なんじゃとー!!」」」
ランスと3Gが喧嘩し始めるとなりで香姫は穏やかな表情で見つめていた。
「本当によかったです。かなみさんが兄様の元へ向かったときは兄様が大陸行きを決意してくれるか不安でしたが、余計な心配だったようですね」
「がはははは! 俺様はいつまでも小さいことでくよくよしないのだ! なんせ超スーパー大英雄、ランス様だからな!!」
大笑いするランスの後ろでかなみが小声で「よく言うわよ」とつぶやいた。
「さて、じゃあ俺様は少しシィルのアホを見てくる」
「はい、分かりました」
そう言ってランスは立ち上がると、その場を後にしてシィルの安置されている部屋へと行った。
その部屋には一面にJAPAN中から贈られた花が飾られ、一人眠るシィルを美しく彩っていた。
「全く、ご主人様の一大事と言うのに呑気に氷の中で昼寝しやがって……」
言いながらランスはシィルの眠る氷をげしげしと蹴る。氷は欠けも解けもしない。
「ふん、まあ俺様が超スーパー大英雄になればお前を助けるくらい楽勝だ」
以前、一度逃亡中に立ち寄ったカラーの里ペンシルカウにてランスにかけられた禁欲モルルンを解いてもらったが、情勢が不安定だったこともあってまだシィルの氷をパステル・カラーに溶かしてもらっていなかった。
「そっから出てきたらひんひん言ってもやりまくってめちゃくちゃ恥ずかしい思いをさせてやる。せいぜい楽しみにしてろ」
そう言うとランスはシィルの氷が置かれた部屋から去って行くのだった。
二日後、織田城にはJAPANの各当主達が一同に会していた。
「あれ、毛利は?」
だがその中に西の強国、毛利の当主は来ていなかった。本来なら幽霊の毛利元就か、その娘のてるあたりが来ている筈だ。
「毛利はすでに軍を率いてヘルマンで魔軍と戦っておる」
そう答えたのは3Gだ。毛利は非常に戦いを好む家であり、劣勢であるヘルマンに戦いを求めて向かったと思われる。
「うはー、相変わらず戦い好きだなあ」
「さて、そろそろ会議を始めましょう。議題は伝えてあるとおり、JAPANの大陸派兵についてです。3G、状況の説明をお願いします。」
「はっ、現在大陸ではゼス、ヘルマンに魔軍が侵攻しておる。ゼスはマジノラインが機能しているのにどういうわけか魔人の侵入を許している。ただ、一度に来る数が限られているようでまだ被害は比較的に少ない。じゃが、ヘルマンの方は油断していたのと首都カスケードバウが近いこともあって魔軍の侵攻で大混乱に陥った。一時期国土も8割を失い降伏間近だったようじゃ。だが、そこから失脚していたと思われていたパットン・ヘルマンがヘルマンの戦力を纏め上げ、各国の支援もあって多少持ち直しているのが現状じゃな」
「なんだと? パットンがヘルマンのトップなのか」
「知り合いか? その通りじゃ。現在では正当なヘルマン王室の跡取りとして名乗りを上げておる」
パットンはランスがゼスでクーデターを起こした際に知り合った男だった。ヘルマンの王子だったが、失脚したため各地に潜伏していたはずだ。祖国の危機に立ち上がったのであろう。
「話を続けるぞ。持ちこたえているといっても両国ともにジリ貧には変わりない。なんせ魔人を討つ具体的な手段がないからの。そこでここにいる獣」
「なんだと!?」
「……もといランス殿が魔人討伐に名乗りを上げた。実質JAPANを統一したのはこの男じゃし、魔人がJAPANに現れたときには窮地を救われた恩もある。そこでランス殿と共に軍を上げ、JAPANも魔人討伐に助力しようというわけじゃ」
「ありがとう。ここまでで何か質問がある者は?」
そこで名乗りを上げたのは浅井朝倉家当主、朝倉義景だった。優れた政治手腕で戦国の世を戦った異色の武将であり、内政に関しては右に出るもののいない人物だ。
「軍を上げて、とは言うが実質全軍ではないな? とはいえ魔軍と対する以上、半端な数ではないはずだ。行軍にかかる資金も馬鹿にならんし、行ったところでそれだけの大軍を受け入れてくれる先はあるのか?」
否定的な意見ではあるようで、現実的な問題を提議する質問であった。彼はランスに対して今は悪しからぬ感情を抱いているし、魔軍との戦争は早期に解決せねば取り返しのつかない事態になるとも理解していた。それはこの場に集った者達も同じであるはずだ。しかし、誰かが考えなくてはならない問題なので彼が代表して問うたのだった。
香姫は立ち上がり、質問に答える。
「当然全軍ではありません。JAPANの治安を維持するのに必要なだけの兵力は残していきます。また、政宗さんと朝倉さんにはJAPANに残ってもらうつもりです。妖怪の統治と内政の維持に必要な方ですので」
「了解した」
「わかった。それとすまないが、お町もJAPANに残すぞ。それ以外の嫁は大陸派遣もしよう」
返事は朝倉義景と独眼流政宗。独眼流政宗は妖怪王として妖怪達の頂点に立つ妖怪であり、お町とは政宗の妻であり前妖怪王だ。彼ら二人が抜けるとJAPANで人間と妖怪間のバランスが崩壊する恐れがあるゆえの選出だ。
「また、資金面は織田家が全費用の2割を負担します。申し訳ありませんが、残りの8割は各大名で負担お願いします。JAPAN軍の受け入れ先としては今のところヘルマンを考えています。国の内情を考えれば彼らに断る理由はほとんどないでしょう」
「いや、リーザスだ。かなみ!!」
「はっはい!」
香姫の話にランスが割り込み、見当かなみを呼び出すと慌てて天井裏から現れた。
「リアに手紙でJAPANを受け入れる準備をしとくよう言っとけ」
「ええっ!? は、はい……」
一瞬拒もうとしたかなみだったが、自分に注目するJAPANの首脳陣に気圧されるように返事をしてからすごすごと屋根裏へ帰っていった。
「……ということで、ひとまずリーザスへ向かうことになりました」
「すいません、私からもいいですか?」
ここで挙手したのは直江愛。上杉家の腹心であり、上杉謙信の親友でもある女性だ。上杉家の当主ではなく現当主候補の補佐として勝子、虎子と共に出席している。
「はい、なんでしょう」
「行軍についてです。ひとまずリーザスに向かうのはいいとして、途中で自由都市地帯を通過する必要があります。その際に何らかのトラブルが生じる可能性は?」
JAPANの大軍に自国内を通過させるとあらば当然通過される側に余計な緊張感を与えることとなる。それを嫌って通過を嫌がる場所も場合によってはあるはずだ。
「それに関しては……」
「問題ない。コパ帝国を通ればいいのだ。あそこのボスは俺様の女だから余裕だ。がはははは」
コパ帝国は自由都市地帯で最も大きな勢力であり、財力は三大国に次ぐものを持っている。総帥のコパンドン・ドットは稼いだ金でランスを買い取ることを目標にする女性である。
「……行軍経路に関してはこれで以上です。他に何かある方はいますか? ……以上ですね。では細かい経費などの計算に関してですが……」
ここからは小難しい話となったため、ランスは一番の上座でぐうすか居眠りをし始めてしまうのだった。
「…………ぃさま、おきてください。ランス兄様」
「……ぉあ? 終わったか?」
「はい。細かい段取りは済みました。一週間後、JAPAN連合軍5万を出発させます」
会議を終えた香姫がランスを起こしてそう伝えた。まだ解散はしておらず、一同はランスに注目していた。
「よし。じゃあちゃちゃっと魔人どもを片付けにいくか」
ランスの言葉に彼らはにわかに活気付く。
「それでは、以上をもってJAPANの当主会議を終わらせていただきます。本日はお集まりいただきありがとうございました。この後、宴の準備をしてありますので皆さんよろしければご参加ください」
「香ちゃんの団子はないんだよな?」
「も、もう! 兄様はからかわないでください!」
「がははははは! 料理はうまいから期待しているぞ!」
ランスの笑い声に釣られてか、その場も和やかな空気が漂うのだった。
宴会は織田城の大広間で行われた。会議では出席していなかった各大名らの重心も交えての大人数だ。
「相変わらずよく食べるわね」
「む……愛」
黙々と宴席の料理を食べる上杉謙信に直江愛が話しかけた。
「どう? 結構大変だったみたいだけど」
「うむ、つらい旅だったが、あの方の役に立てたことはとても幸せだ」
「はあ…… そこらへんも変わらないのね」
「おお愛ちゃんではないか。謙信ちゃんも一緒か。今晩は俺様と久しぶりにやるか。謙信ちゃんと3Pもいいな。がはは」
宴に出ている女の子を口説いて回っていたランスが二人に気付いて近寄ってきた。
「あなたが一番変わってない様子ですね。実際のところどうなんです? 現在の状況を考えるとJAPANのときとは比べ物にならないほど困難な戦いになりそうですが」
「愚問だ。俺様を誰だと思っている。魔人なんざ何匹いようが楽勝だ。がはははははははは! で、そんなことよりどうだ? 超スーパー大英雄ランス様に抱かれるのは?」
「お断りします。じゃあ謙信、またすぐ会うでしょうね」
「ああ、近いうちに会おう」
「おい! 俺様のありがたい提案をあっさり断るな!」
愛は謙信にしばしの別れを告げると、二人から離れていった。
「むむ、照れ屋さんめ。まあいい。お、その肉うまそうだな」
「あ…… うむ、とてもおいしい。よかったら食べるといい」
ランスが気になったそれは、味噌で肉と野菜を炒めたものだった。宴会の料理は謙信がいることを考慮してかどれも大量に作られており、その肉料理も大量であった。
「おう。だがそんなに食えんから少しでいいぞ。他のも食うしな」
「む……このくらいか?」
「いや多い多い。小皿にいくらか盛るだけでいいぞ」
マンホールの蓋ほどもある大皿に山盛りになってる肉料理の約3分の1を別の皿に移してランスによこす謙信。以前の彼女から考えると控えめになっているが、普通に考えれば十二分に多い。
「了解した」
「おう。うむ、うまいな。JAPANの料理の味付けは面白い」
「ああ、わが国の誇る技術だ」
普段その料理にお世話になってる謙信はとても誇らしげだ。
「お久しぶりです、ランス殿、謙信殿」
「おお、久しぶりだな五十六ちゃん」
「む、元気そうで何よりだ」
むしゃむしゃ肉を食うランスと謙信はランスの子を産んだ女性、山本五十六に話しかけられた。彼女はJAPANでも屈指の弓の使いであり、没落した山本家再興のためにランスの子種を身篭ったのだ。
「お二人も息災のようで安心しました」
「がははは! 当然だ! まあどうでもいいことなんだが、俺様のガキは元気か」
「はい、さすがはランス殿の息子です。すくすくと元気に育っております」
「うむ。まあどっちでもいいがな」
ランスは子供がそのまま大きくなったような人間なので自分の子供への接し方がわかっていなかった。だが、あしからず思っているのは確かであり、それをうまく表現することが出来ないだけであるようだ。
「よろしければ乱義に会っていただけませんか? あの子も父の顔を見たいと思っていることでしょう」
「む、今度だ今度。そんなことより五十六ちゃん、今夜二人目を作る気はないか?」
「にゃはは、照れてるでござる~」
話を逸らそうとするランスをいつの間にやら現れた鈴女が茶化す。
「照れてないわ!」
「す、鈴女殿ですか? その姿は一体……」
風船のようなお化け姿の鈴女に五十六は動揺を隠しきれていなかった。
「にゃはは、鈴女死んじゃったんで幽霊なんでござるよ」
「それは……ご愁傷様と言ったらいいのだろうか……」
「お気になさらず、でござるよ。寿命でござったし。それにこうやって鈴女の姿を見て驚く人を見るのも中々楽しいでござる」
「鈴女殿らしいですね」
あまり悩んでいる様子のない鈴女に、五十六は微笑んだ。
「で、どうするのだ五十六ちゃん」
「あ、はい。精一杯務めさせていただきます」
「相変わらず堅いな。セックスはもっと楽しむもんだぞ。まあ、俺様が存分に楽しませてやるがな。がはははは」
その後ランスは宴会を楽しんだ後、JAPAN統一の際に使ったランス屋敷で五十六を存分に味わうのだった。
「がははははははは!! グッドだー!!」
「さて香ちゃん、俺らは先に大陸に向かうぞ」
「え?」
翌日、ランスは香姫に会うやそう言った。
「な、何故ですか? もうすぐJAPAN軍が出発しますし、その時でもいいのでは?」
「いや、自由都市地帯に少し用があるのだ。コパンドンにも会っときたいしな」
「そ、そうですか」
ランスと一緒に旅が出来ると期待していたのか、香は少し残念そうだ。
「まあどうせすぐ会うのだ。気にするな」
「……はい。ではまた大陸で会いましょう」
「うむ」
こうしてランス、謙信、鈴女、かなみ、あてなは一足先に大陸へ向かうのだった。
はい、以上やたらと長い2話でしたー。
まずお詫びを。
かなみちゃんがランスをリーザスに呼ぶときリアとかがAL教対策をしてるのかちゃんと確認せずに飛び出しちゃったせいで彼女がアホっぽくなっちゃいました。いや、ちゃんと手は考えてるんですが、プロットが適当だったせいで2話でのランスとかなみちゃんの会話でこんな事になるとか考えてませんでした。けど、アホっぽいのもかわいいかなと思うので修正はしません。
あと今更ですが、R-18だけどエロ描写に力入れるつもりはないです。すいません。
けどR-18じゃないランスは考えられないのでこうなりました。ランスには遠慮なくセクハラさせてやりたいし。
鈴女便利。困ったときの鈴女が癖になりそうです。逆にあてなが困ります。好きだから出したはいいけど、行動が予測できなくて全然うまく動かしてやれません。謙信ちゃんも全然じゃねえかと言われそうですが、個人的には無口な子だし、あれでいいかなとか思ってます。魔人との戦闘では大活躍の予定です。
JAPAN編はひとまず終わりですが、正史じゃなくなると出てくるあいつは出したいなあと思ってます。思ってるだけで終わるかもしれませんが。
以下解説
大体のランスの逃亡履歴
自由都市地帯(ランス城)→リーザス→ゼス→自由都市地帯(主にコパ帝国)→JAPAN
かなみちゃんは二度目の自由都市地帯あたりではぐれてます。ゼスでは旧アイスフレーム拠点に潜んでましたが、近くの町で女漁りしてたら隠れ家がばれてしまい包囲作戦を食らって大ピンチになったりもしました。
魔剣カオス
彼は約1500年前、史上最悪とまで言われた魔王ジルを倒すためのパーティーの一員でした。そのパーティーはエターナル・ヒーローと呼ばれ、いまだに史上最強のパーティーだと言われているそうです。ただ、当時は魔王を倒す手段が人類にはなく、彼らはその手立てを得るためにも神の中でも最高クラスの三超神、プランナーに会ってその願いを伝えます。カオスと日光は復讐のために魔王や魔人を殺せる力を望みました。結果、カオスと日光は剣にされてしまい、自分達では魔人や魔王を殺せなくなってしまいました。また、それ以外のメンバーも神に色々と歪められたせいで不幸な目にあっています。カオスの魔人への殺害衝動は最初の復讐心が一端と思われます。これは作者の個人的な意見ですが、彼らが魔剣と聖刀を持ってたとしても魔王には敵わないと思ってます。
3G
織田家の家老的な妖怪。妖怪なので寿命がなく、昔から織田家に仕えてきたようです。見た目は顔が三つ並んだ爺さん。ランスが香姫に近づくのを警戒している。あんたの判断は正しい。
パットン・ヘルマン
キャラ紹介ではパットン・ミスナルジでかいてた気がします。ミスナルジは母方の姓です。実際ランス本編ではまだミスナルジだと思いますが、彼自身がヘルマンの王家に戻ったらヘルマン姓を名乗るとか言ってたはずです。反逆の鬼畜戦士では王家の正当後継者として魔軍との最前線で戦ってます。パメラ・ヘルマンという妹がいますが、彼女は生き延びてパットンの保護下で生活してます。ちなみにヘルマン勢は基本的に鬼畜王から設定を受け継いでるのでシーラもかなりひどいことになってます。シーラ・ヘルマンに関してはまた登場したときに説明します。
毛利元就
毛利家当主。戦大好きの爺さんで、軍としても個人としてもかなり強い。だが、だいだーらという妖怪の呪いで寿命が半分になる代わりに巨大化する。ランスらによってそれを解除されたが、仲間になったあと寿命によって死亡。だが、鈴女のように幽霊となって復活した。しかも姿はだいだーらの呪いで巨大化したまま。
毛利てる
毛利家長女。毛利家の娘は3人全員そうだが、戦好き。また、母親に女として誇れるものが一つでもあるようにと掃除を徹底的に叩き込まれており、掃除が趣味となっている。ランスクエストではランスの子を身篭る。
朝倉義景
浅井朝倉家当主。政治手腕で戦乱の世を戦った爺さん。敵としては全く恐ろしくないが、味方にすると個人的に謙信よりも頼もしかったりする。ちなみに20人以上の子供を持つ絶倫。
独眼流政宗
現妖怪王。見た目は80cmくらいの目玉の親父が甲冑着てる感じ。そんな容姿だが、めちゃくちゃ男前でかなり強い嫁が四人もいる。しかも本人も非常に強い。戦国ランスではその嫁が一人ずつ出てきたため、攻略が容易だったが、政宗含む5人が一遍に出てきてたら多分武田を超える難関になったと思われる。
お町
前妖怪王。人間の都合で生み出された人間の憎悪を集中するための存在。色々あって政宗に惚れて妖怪王の座を譲った。戦国ランスではゲームバランスをぶっ壊すほどの強キャラ。
直江愛
上杉家の軍師。謙信の無茶な進軍を叶えていただけあってかなり優秀。上杉家で謙信の叔父の県政が謀反をした際にとらわれた謙信や上杉家家臣の貞操を守るために自ら体を差し出したりした。
山本五十六
足利超神に仕えていた武将。大名じゃない。弟の太郎が超神(こいつは別に三超神とか関係ありません)に殺されたことにより、存続の危機を迎えた山本家の跡取りを生むのに躍起になっていたところをランスが引き受け子種を授かる。戦国ランスではヒロイン格の一人であり、五十六ルートエンディングで息子の乱義が十年後、魔軍と戦うランスの支援のためにJAPANの軍を率いて大陸へと向かう。
補足設定
ランスクエストでヒロイン(と呼ぶのが正しいのか疑問だが)達ががんがん孕みましたが、それはなかったことにしてます。まだ原作で子供の描写されてませんし、オリジナルで書きたいとも思いませんし。また、今後ランスの子供を妊娠することは基本的にないと思います。思いたいです。