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~ヒロインSide~
朝からハイテンションな一心さんとそれにうんざりしている夏梨ちゃんのやりとりは、いつもの様でいて、それでも少しでも明るくふるまおうとしているのがよくわかるものだった。
一通りお参りも済んで自由行動。
夏梨ちゃんは遊子ちゃんとどこかへ行き、一心さんは住職さんのところ、そして私は一護と真咲さんの墓前に残った。
住職さんとの話が終われば集合の合図を送ると一心さんが言っていた。
墓前で一護は何を思っているのだろう。
きっと一護の事だから真咲さんを護れなかった事への謝罪と、何があっても夏梨ちゃんと遊子ちゃんを護るっていう決意を告げているのだろう。
私には、私自身が護るべき家族はもういない。今の私には一護しかいないから、一護が護りたいと願うモノを共に護っていこうと思う。
『一護、私には護るべき家族がいない。でも、今の私にとっては一護の家族が家族だから、私も共に護るよ。』
~一護Side~
おふくろの墓前で家族や友人を護ると決意を固めていたら、真由美が話しかけてきた。
「一護、私には護るべき家族がいない。でも、今の私にとっては一護の家族が家族だから、私も共に護るよ。」
…参ったな。こいつには今俺がおふくろに誓った決意がわかっちまうらしい。
『真由美…。』
でも俺はこいつが一番護りてえんだがな…。
「一護が私を護りたいと思っている事は知ってるよ。でも、私がただ護られるだけの存在になり得ないのは一護がよく知ってるでしょ。」
『ああ、そうだったな。』
「だから、一護が私を護り、私が一護を護りながら共に大切な他のモノを護ればいいんだよ。一人じゃ大変でも二人ならどうにか出来るもの。」
『真由美、ありがとう。お前も他に護りたいモノが出来たら言えよ。俺も共に護っていきたいから。』
「うん。ありがとう、一護。」
『さて、そろそろ行くか。俺に分かる範囲でこの寺案内してやるよ。』
「よろしくお願いします。」
真由美を伴い境内を廻っていると、笛の音が響き渡ってきた。
「何?これ。」
『集合の合図だ。親父曰く”父ちゃん’sグレイト笛“だそうだ。』
「あははははは、幼稚園じゃあるまいに集合の合図が笛って…。まぁ、でもよく通る音ではあるわね。」
『とりあえず親父んとこ行くぞ。』
「はぁい。」
ピーヒョロー ピョロロロロロローーー
『うるせぇぞ、親父。そんな吹かんでも聞こえてるっつーの。』
「ちょっと吹き過ぎですよ、おじさま。」
「おっ、来たか、一護に真由美ちゃん。」
『あれっ、遊子と夏梨まだ来てないのか。』
「だからまだ吹いてんだよ。真由美ちゃんはともかく、お前が来ないんだったら吹くのやめて先に帰ってるよ。」
『ああ、そうかい。』
「一護。捜しに行こう。何か嫌な予感がする。」
『しょうがねぇ、行く…か…?』
ドクン… 嘘だろ…虚の気配だ。
『真由美、急ぐぞ!』
「うん。」
真由美と共に虚のもとへ向かう。途中、ルキアと合流し、死神化して先に行く。
くそっ、たのむ、間に合ってくれ。……見えた!
~夏梨Side~
ヒゲの笛の音が聞こえた直後、生きた人ではないモノがいるのに気がついた私は、住職のもとへ行くように言いに行った。
ところがそれは普通の幽霊ではなかった。白い仮面のバケ物、それが見えたモノだった。
…何なの…あれは?
私も遊子も、ソイツに殺されそうになった。私は踏み付けられ、遊子は今にも絞め殺されようとしている。
…だから来んなって言ったのに…。
……誰か、遊子を… 助けて……
ズドン! 遊子にからみついていた手の様な物が切り飛ばされた。
え…嘘…でしょ。私は何を見ているのだろうか…?
ズバァ! 今度は私を踏んでいた足の様な物が切り飛ばされた。
ほんの数瞬。私も遊子も助けられた。黒い着物を着て、身長くらいはありそうな太刀を持った一兄に。
そして、私達はそのまま気を失ってしまった。
~一護Side~
虚のもとへ着いてみれば、襲われていたのは遊子と夏梨で、早急に二人を助け岩陰へと退避させた後、虚と向き直った。
『お前は……6年前の…やっと…見つけた。 グランドフィッシャー!』
「お主は以前ワシに会うた事があるのか…しかも名前まで知っておるとは…面白い小僧よ。」
グランドフィッシャー、6年前おふくろを喰った虚。昨夜真由美がそう教えてくれた。 …これで仇をとれる。
「それにしてもよくワシの名を知っておったのう…小僧。」
『教えてくれた奴がいてな、6年前に俺をかばったおふくろを喰った虚の事をな。…あんたが女性を好むというのは本当か?』
「ほう、よく知っておるのぅ。その通りじゃ…母がお主を庇うたと言うたか…なるほど、その女を喰ろうてその時のワシは満足したのじゃな。それ故にワシはお主まで喰らう事をせなんだか…。」
すべて真由美の推測通りだった。
『そうか…。仇討ち、させてもらうぜ。』
~ヒロインSide~
一護から少し遅れて虚のもとへ着いた。
その手前の岩に遊子ちゃん・夏梨ちゃんが寄りかかって気を失っていた。
良かった。間に合ったのね、一護。
「姉さん、あれ一護だ。」
「あれは……」
『グランドフィッシャーだね。ルキア、コン、二人をここから移動させよう。今回はいつも以上に手を出しちゃダメだから。』
「わかった。」
「わかりました。」
一護の体に入ったコンくんが遊子ちゃんを、私が夏梨ちゃんをおんぶして移動する。
そう遠くない場所にお堂があったのでそこを使う事にした。
少しして、夏梨ちゃんが気が付いた。そして一護のフリしているコン君と会話している。
コン君表情作るのつらそうだなぁ。
案の定早々に出て行った。
「…眠ってたならどこからが夢だったのかな…、ねぇ…、…一兄…。」
という夏梨ちゃんのつぶやきが聞こえてきた。夏梨ちゃんの力もかなり強いから、虚も死神も認識出来てるのね。
ずっと、黙っている訳にはいかなそうね。…一護に相談かな。
~一護Side~-フィッシャー視点
いったいどうなっておるのだ、この小僧は。体さばき・スピード・こちらの動きへの反応、どれをとっても全く勝てる気がせん。
特に霊圧。いくらなんでもあの強さは異常だ。しかも異常なのはそれだけではない。
先ほどのやり取りから考えてもこやつは人間のはずだ。それなのに何故、死神になれる?
「終わりだよ、フィッシャー。」
あ…嫌だ、イヤ…だ…。消えたく…な…い…。
仮面と疑似餌両方を両断されわしの意識は途絶えた。
最後に思ったのは、“何故それさえも知っていた?”だった…。
-一護視点
『終わりだよ、フィッシャー。』
真由美から疑似餌もまた本体であると聞いていた俺は、仮面だけでなく疑似餌も両断した。
…終わったよ、母ちゃん。カタキ、討ったぜ。
Part5 END NEXT Part6
グランドフィッシャー撃破。やっぱりこの設定の一護が取り逃がす事にムリがあった。
次回は夜編。そしてR-18指定です・・・。