あ、そうそう読みたいと言ってくださった方、ありがとうございます。
6年前の6月17日、天気は雨、俺は9歳だった。
おふくろが死んだ。何があったのかその当時は全く理解出来なかった。解るのは、おふくろが俺を庇って死んだ事だけ。
川べりにいた女の子。生者も死者も同じ様に見えてしまうが故に区別がつかなかった俺は、どっちにしろ危ないと思って声をかけようとした。
その時、おふくろの声が聞こえて、その刹那暗転。
気がつけば、血まみれで俺に覆いかぶさっているおふくろ。すでに息をしていなくて、頭では死んでいる事を解っていても心が否定していて。
それでも妹達に心配をかけたくなくて無理して笑って。
そんな俺が、逆に心配をかけている事に気付かぬまま幾日か過ぎて。
妹達と親父のおかげですべてを受け入れ泣ける様になった頃、俺はそれに出くわした。
白い仮面の化け物。
周りの人に見えてなかったから生者ではない。されど何だか分からない物。
ただ分かるのは、逃げないといけない事。
だから、とにかく俺はひたすらに逃げた。
逃げて、逃げて、逃げて。
そうしたら、声が、聞こえた。
「何故、お前は逃げる?」
『え、誰?』
「今一度問おう。お前は【何故】〈ナニユエ〉に、逃げる?」
『分からない。ただ逃げなければいけないと思った。』
「では何故そう思った?」
『………。あれが何だか分からないからだと思う。』
「では、教えよう。あれは“虚”という。」
『ホロウ?』
「そうだ。あれは死した者が己の本能に呑まれ姿形を変えた物。そしてお前の母を殺した物の同類だ。」
『!? 母ちゃんはホロウに殺されたの?』
「そうだ。」
『あれは何で、俺を追いかけるの?』
「虚は霊的濃度の高い魂、簡単に言えば死者が見える者の魂を喰らう。」
『だから俺をねらってるんだね。』
「その通りだ。どちらにせよ、このままでは喰われるのも時間の問題だろう。」
『………。』
「お前は生きたいか?母の仇をとりたいか?そして、同じ様に虚に襲われる者達を護りたいか?」
『当たり前だ。あるのか、その方法が。』
「なれば、我が名を呼べ。我が名は…」
『斬月』
頭に流れた“名前”を叫んで、ふと気付くと俺の手にはでかい刀、服は黒い着物……
『って、なにこれ?』
「後で説明しよう。かまえろ、一護。来るぞ。」
『分かった。どうすればたおせる?』
「仮面を割れ。そうすれば消える。」
『あの白い仮面を切ればいいんだな。』
「そうだ。では、行くぞ。」
『おう。』
俺を喰らおうと襲いかかってくる虚。その攻撃をかいくぐり、ジャンプ。そして一閃。
その一撃は見事に決まり、虚は消えた。
『やった。今ので良いんだよな。』
「初戦にしては上出来だ。」
『説明してくれるんだよな?』
「もちろん説明はする。だが、ひとまず家に帰り、体を休めていろ。それに、家の方がゆっくり説明する事も出来よう。」
『それもそうだな。じゃあ後でな。あ、そういやどうやって会いにいけばいいんだ?』
「私はお前の内にいる。自分の内側に意識を向ければ来れるだろう。」
『言ってる事、なんとなく分かるけど、今の俺には少し難しいかな。』
「ならば私の事を考えるだけで良い。迎えに行こう。」
『分かった。じゃ、今度こそまたな。』
この後、俺は疲労の為、帰宅してすぐ眠ってしまい、斬月との会話は翌日にされた。
斬月は斬魄刀と呼ばれる物であり、俺の力である事。
斬魄刀を死神と呼ばれる者達が持っている事。
黒い着物姿の俺が死神化している状態であるという事。
そして、何で俺に死神の力があるのか、という事も教えてもらった。
その日から、俺と斬月の修業が始まった。
第1章 End NEXT 第2章
はい、というわけで第1章はここまでとなります。
一護、自分の斬魄刀と邂逅する の巻でした。
第2章は・・・大暴露大会となります。
要するにこの作品における一護とヒロインの設定のネタバレ章です。
2章の更新は月曜からいたします。