ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
ライモンシティに来て早々、出鼻くじかれた気分だったけど……どうにか持ち直して、私はジムに行き、ジムリーダーのカミツレさんに挑戦した。
結果は私の勝利。ボルトバッジゲット。
地面タイプのポケモンがいなかったからちょっと苦労したけど……なんとかなった。
それに、予想外の展開もあったし……
ん? 何かって? それはね……
「行っけぇっ、ハリテヤマ!」
「迎え撃って、ゼブライカ!」
……とまあ、こんな感じで……マクノシタがハリテヤマに進化した。それも、バトルの最中に。
そのお陰で、劣勢だったカミツレさんのゼブライカとの戦いも逆転できたわけ。
すごいパワーとタフネスだったな……電撃食らっても突進されても平気っぽかったし。
……最近少なくなってきたとはいえ……夜、相手してもらうとき、大丈夫かな……とか、思っちゃったのは内緒で……ははは……。
その後、
上がっちゃってた跳ね橋を、カミツレさんの仲介で下ろしてもらうことになった。よかった……これで次の町いけるよ……。
……そこに行く途中でのこと。
なんと、イッシュ地方のポケモンチャンピオン・アデクさんに会った。
……なんか、方々旅してる遊び人って感じだったけど……カミツレさんいわく、すごい人らしい。トレーナーとしても……人生の先輩としても。
そしてもう1つ。
その広場で……予想外の光景に出くわした。
それは……
チェレンとナオヤが、広場の真ん中でポケモンバトルを繰り広げている光景。
それを見て、あら、とカミツレさんが驚いていた。2人とも、カミツレさんに勝ってバッジをゲットしていたらしいのだ。……早い。
カミツレさんいわく、将来有望だと思えたんだとか。
私から見たら……チェレンはちょっと堅物だし……ナオヤはうじうじして草食系だけど。
で、その2人のバトルはどうなのかというと……
……ナオヤが優勢だった。それも……けっこう圧倒的っていうか……。
……予想通りといえば、そうかもだけど……
「シャンデラ、『きあいだま』でとどめだ!」
「っ……! レパルダスっ!?」
3on3で行われているらしいバトル。
さっき、ナオヤのヒトデマンが、チェレンのバオップをみずでっぽうで倒してた。
それは……まあ、納得できる。タイプの相性もあるし。
実際、チェレンも……『仕方ないか』って顔してた。
しかし、このシャンデラVSレパルダス……ゴーストタイプVSあくタイプの戦いで、よく考えられた戦い方でタイプのハンデを克服して、しまいにはきっちり弱点もついて勝利……ナオヤの采配は、見事としか言いようがない。
この時点で2対0。ナオヤの勝ちなんだけど……最後までやるみたい。
チェレンが出してきたのは……予想通りフタチマル。たしか……チェレンが最初にもらったポケモン(当時はミジュマル)だったはず。
やっぱり……一番の古株&切り札できたか。まあ、ファイナルだし。
……となると、ナオヤの方も『最初』の……ああ、やっぱり。
「出番だよ、ポリゴン!」
ナオヤの切り札……っていうか、私が唯一知ってたあいつのポケモン……バーチャルポケモン・ポリゴン。
……よりによって最初の1匹がコイツ? ってのは何度も思ったけど……まあ、当人が納得してるし、別にいいわよね。
そしてその戦い、さすがにフタチマルも、チェレンのエースなだけあって、素早い動きと鋭い攻撃で奮戦した。
けど……やっぱりというか、あいつのポリゴンにはかなわなかった。
攻撃ほとんどかわされるわ、『みがわり』や『かげぶんしん』でさんざん翻弄されるわ、ダメージ通っても『じこさいせい』されるわ……昔と変わらない、相手にペースを握らせないバトル。
素早く飛び回りながら『サイケこうせん』とか撃ってくるし。さながら戦闘機。
そして疲れとダメージで動きが鈍くなったところに……隙ありとばかりに『ソーラービーム』叩き込まれ、フタチマル、あえなく撃沈。
チェレン、結局3戦全敗。
……やっぱ、強いわね……ポリゴンも……ナオヤ自身も……。
思えば、あいつのポリゴンとは、デルビルもよく戦ってたんだけど……勝率は芳しくなかったのを覚えてる。技も多いし、動きが読めないし……。
せいぜい、10回やって3回とか……旅に出る直前には、五分五分くらいになってたかもだけど……。
カノコタウンにいたころは、私とナオヤで2トップだったからなあ……。
……それ考えると……今更だけど……結構すごいのかしら、ナオヤって……?
バトルが終わって、ポリゴンをボールに戻した所で……ようやくナオヤたちが私達に気付いた。
「ぅえぇっ!? あ、アイカ!? アデクさんにカミツレさんも……み、見てたんですか!?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない」
いくら、幼馴染だけじゃなく、ジムリーダーとチャンピオンまでギャラリーに加わってたからって。
その、今の戦いを見ていた2人からは……ナオヤにもチェレンにも、惜しげもない賞賛の言葉が送られていた。
前途有望だとか、見ていて学ぶことの多い戦いだったとか……チェレンは、負けたことに落ち込んでへそまげて、相変わらず堅物な対応だったけど。
……と、その隣で、赤くなってる草食系と目があった。
「「あっ……」」
不意にそんな声が漏れる。
……思えば……ナオヤとは、ヒウンシティで『しちゃった』んだっけ……あぁ、この微妙な空気の原因って、これか……
……な、何か私まで恥ずかしくなってきたような……いや、まあ、コレが正しいっちゃあ正しい反応なのか……。
けど、ぎこちなく接したりなんかしてもいいこと無いので、普通に話しかけようとしたら、
「あ、あのさ……アイカ?」
「ん?」
「そ、その……どうだった? 僕の……えっと……戦い?」
「? ああ、まあ……そうね、よく考えられてたし……ポケモンもしっかり鍛えられてたっぽいし……」
……そう、ね……一言で言っちゃうなら……
「……うん、かっこよかったわね」
「ほっ……ホント!?」
「ホントホント」
「よ、よかった……」
そう言って、ほっと胸をなで下ろすナオヤ。……何をそんなに緊張してたんだか……。
……でも……けっこう、こいつもたくましくなったかもね……。
背もまあ、人並みくらいにはあるし……わかりにくいけど、筋肉もついてるし。
そして、ポケモンに関しても文武両道……知識もあって、トレーナーとしての実力もある。
……いつのまにか、頼りがいがある感じになったんだなあ……コイツも。
……あとは、あの早漏が直れば文句なしかもね……アララギ博士の時もそうなのかしら?
ちらちらとナオヤの方を見ながら、私はそんな事を考えていた。
「……どう思います、アデクさん、あの2人?」
「ふむ……2人とも前途有望、立派なポケモントレーナーになるな」
「いや、そうでなくてですね……まあ、それには同意しますが……あの『2人』のことですよ」
「うむ? ……ああ、そういうことか……ふむ……」
「………………」
「……一言で言うなら、」
「言うなら?」
「…………『青春』だろうな」
「……なるほど」
…………?
遠くの方でアデクさんとカミツレさんが何か話してたような……気のせい?