ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
「……何度目かな、この展開ってば……」
「こっちのセリフだけどね……ま、無事でよかったわよ、うん」
目を開けると、知らない天井だった。
けど、あの『屋敷』の天井じゃなかった。
そしてすぐに……視界に見知った顔が入ってきて、耳慣れた声をかけてきてくれた。
アララギ博士に聞かされた。ここはどうやら、あの屋敷からそんなに遠くない所にある病院らしい。
あの『結晶』の調査のためにたまたま来ていた博士が、病院に運び込まれた私を見て驚いて……それで、その後診察その他を担当してくれていたとか。助かった……。
そして、私があのエンテイ(?)に犯されて眠っていた、というより気絶していた間に……今回の事件は全部終わっていた。
何があったって……私の旦那様が暴れただけらしいんだけどね。
結晶塔に私がさらわれた後、ナオヤが突入して私を助け出してくれたそうだ。そしてその途中に、妨害するために襲ってきたエンテイを返り討ちにしたとか。
で、そのエンテイだけど……やっぱりというか、本物のエンテイじゃなかったそうだ。
正体はなんと……遺跡で発見された謎のポケモン『アンノーン』の力と、ミーちゃんのイメージによって、結晶によって形作られた幻想だった。
「アンノーンは、人の気持ちや感情を察知して、それを力に変えて具現化するような能力を持ってたみたいなの。限定的な条件下でしか発揮されないようなんだけど……どうやら、その力がミーちゃんの思いに反応して、エンテイの『パパ』を作り出したみたい」
と、アララギ博士。さすが、いつものことながら分析が早いなあ。
「本当のお父さんはその『アンノーン』と、その遺跡の研究をしてたみたいでね、研究中に行方不明になってたのよ。ミーちゃん……さびしかったんでしょうね」
「そっか……でも何でお父さんのイメージがエンテイなの?」
「力強さと頼りがいのある感じを重ね合わせてたみたいね……寝室の絵本にエンテイの描いてあるページがあったから、お父さんと一緒に読んでいたのかも」
「なるほどね。……どうせなら、もうちょっとくらい小柄なポケモンだったほうが私としてはありがたかったんだけど」
はぁ、とため息をつきつつ……お腹の辺りをさする私。
うぅ……今回も、痛かったし苦しかったなあ。大きさもそうだけど……なんかソッチ系に頭が弱い感じだったから、そのせいかも。
例えるなら……モノは巨根なのに、性知識が小学生以下で、乱暴にズコバコ腰を振るしか脳がない、みたいな……いや、それはそれでよさがあるんだけど、今回のはさすがに限度超えてるっていうか……
せめてかわいくて純粋なショタっ子だったらまだマシだったのになー……。
「……聞きたくもない下劣な欲望を病院のベッドの上で垂れ流さないでくれるかしら?」
「あ……声、出てました?」
「思いっきりね。全くもう……心配要らないみたいね、コレはコレで安心したわ」
ため息混じりにそんな皮肉を言う博士。
「全くもう……ショタっ子の前にあなたの恋人をちゃんと満足させて上げなさいよ。せっかく会いに来といて即拉致られなんかしちゃって……」
「そこは拉致の犯人に文句言おうよ博士……まあ、毎度のごとくナオヤや博士に面倒かけちゃったのは悪かったと思ってるけどね」
「ホントよ。おかげで昨日の夜、久しぶりにナオヤ君に慰めてもらうしかなかったじゃない」
「ちょっと待てコラ、さらっと何言ってんのよ年下好きオイ」
また食ったのかこの人は……
ついこないだ、幼馴染のチェレンも毒牙にかかったらしいし……しかも、研究仲間のマコモさんと二人がかりで……
『美貌の才女』なんてポケモン学会系雑誌で騒がれてるその実態が、週一から月一ペースで年下食ってる肉食系――それ以前の何か問題歩きがするけど――だって知れたらどうなることやら。
ま、いいけどね……アイツが女に流されるのは今に始まったことじゃないし。
「あ、そういえばアイカ、知ってる? こないだナオヤ君、フスベシティのジムリーダーのイブキさん食べちゃったんだって」
けどもうちょっと自重してくれてもいいと思わなくもなくもなくないんだけどね!
「ま、そのへんのどうでもいい話はおいといて……」
「置いとくんだ……まあいいや。あーもう、猥談してたら久しぶりにショタ食べたくなってちゃったじゃないですか」
「何の発作よ……勝手に食べてきなさい。幸いというか、今回の一件であんたの懸念してた『発情期』の一件、なんとかなったみたいだから」
「え? どういうことですか?」
バカ話の最中に割り込んできた、割と重要そうな情報。
思わず私は、マジの目になって博士に聞き返した。
「あなた、エンテイに犯されたんでしょ? それも……『子供作る』って言って。しかも、結晶由来の擬似的なものとはいえ……膣内射精もされた」
「あ、はい……」
「不幸中の幸い、といったところかしらね。その精液によって、あなた、おそらく妊娠した……と、体が勘違いしたのよ」
……はい?
え、どゆこと?
噛み砕いて説明してもらった所によると、
1.私の体は、ちょうど妊娠するために『発情期』を迎えていた。
2.エンテイの精液は、『妊娠させるため』にアンノーンの力で作り出されたもの
結果、それを注がれた私は、擬似的に『妊娠』した。
4.『発情期』の目的達成。『発情期』終了。
5.ナオヤによりエンテイ、アンノーン撃破。幻全部消える。
6.私の妊娠も、『幻』の1つだった精液の消失でなかったことになった。
「こーゆーことよ。だからもうしばらくは安心、ってわけ」
「そっかー」
よかった……ホント、不幸中の幸いだわ……面倒だった『妊娠』のリスクも同時に消えてくれたわけだ。
いやまあ、またいつか来る可能性もあるわけだけども……少なくとも今は安心。
でも、アララギ博士が研究続けてくれてて……私の変異した体質にも有効な避妊薬を近々作れそうらしい。そりゃ助かる!
……ってか今まで何で私そういうの飲んでなかったんだろう……?
「ま、いいや……何にせよ、コレでひとまず一件落着ですねー」
「そうだけど……あなたせっかくだし、このまま休暇、っていうか療養したら? ポケモントレーナーとしての活動に精力的なのはいいけど、さすがに最近キツ過ぎるでしょ?」
と、ビッチだけどきちんと人を心配して思いやることはできるアララギ博士のそんなありがたい言葉が、私の胸にしみた。ビッチだけど。年下好きだけど。
でも、休暇・療養かあ……それもいいかもなー……
何だかんだで最近疲れること多いし……心配事が結果的に解消された今の時期が逆にいいタイミングかもしれない。
イッシュ地方の実家帰ろうかな……それか、どこか緑……というか、自然の多い所で生き抜き生活をしばらく送るのもいいかも……
……緑が多いって言えば、グリーンフィールドは……うん、やめとこ。
結晶が消えて緑の多い土地に戻ったらしいけど、あそこはもう当分行きたくないわ。
私にとってあそこは、心が穏やかになるどこ炉じゃない思い出がある場所だ。
将来的に、ナオヤの会社が保養施設の1つでも建てたらいく、くらいでいいか。
すると、そんな私を横目で見ていたアララギ博士が、ふと思い出したように、
「ならさあ……ホウエン地方はどう?」
「え? ホウエン地方?」
「そうそう。今度、学会がらみの調査で行くんだけど……一緒に行かない? 自然も多いし空気もきれいだし。何より……連れて行く助手のバイト探す手間省けていいわ」
「おい、休ませる気あるんですか博士ちょっと」
「大丈夫よ。せいぜい書類整理くらいだし……あと、ポケモンが絡んだトレーナー向けの作業もあるからちょうどいいのよ。あなたなら腕は申し分ないしね。それに……」
それに?
「……色々あったからね。しばらくは目が届く位置にいてくれたほうが、こっちとしても安心だし……何かあった時に対応しやすいわ」
「…………はい」
……全くもう、不意打ち気味に優しさだ済んだから、博士は……
しかし、ホウエン地方か……たしかに、自然がいっぱいなところだって話聞くなあ。
(……案外、ありかもなあ……次の行き先……『ホウエン地方』っていうのも)
「かわいいショタとかいますかね?」
「知らないわよ…………あ、でもいたら私にも紹介しなさい」
「おいおい」
ナオヤとエンテイのバトルシーンはあとから書くかもです。
それ書けなくて話が進まなくて……いっそ一旦切っちゃおうかな、ということに。
そして、アイカの新たな行き先にスポットライトが当たりました……やっとだよ、やっと。