ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
しかしエロなし。
……じ、次回こそはっ!
あ、今回、あの人出ます。
一足先に向かうつもりが、結局博士たちと一緒に行く感じになってしまったけど……まあいいとして。
トウカの森を抜け……その途中で、なんか、赤いフードが特徴的な服装の、柄の悪い奴に絡まれている研究員っぽいおじさんを助けつつ、カナズミシティへ向かった。
そしてその研究員さんが、目的地のひとつである『デボンコーポレーション』の研究員さんだった。何ていうか、縁ってものを感じる。
助けたお礼ってことで、そのままちゃっかり案内してもらえたし。
それにしても、森で戦ったあのへんな奴……何者だったんだろう?
ただのチンピラじゃないような気がする。グループ名か何か知らないけど、『マグマ団』がどうのとか、組織だって動いてるようなこと言ってたし……
……前に旅した2つの地方にも、似たような連中が出てきただけに……不安だわ。
いわゆる『悪の組織』的な連中か……関わるとロクなことないのよね……。
具体的には、エロとかエロとかエロとか。
……ラジオ塔やグリーンフィールドでこっぴどくやられてもうアレだから、嫌なんだけどなーぶっちゃけ。その保養もかねてこの地方に来てるんだし。
せめて、団員がショタならまだ……ごにょごにょ。
『マグマ団』だっけ。後でちょっと調べておこう。
はー、先が思いやられる。
……それに、もう1つ気になってる点もある。
なんか、森を歩いてた時……視線、みたいなものを感じた。
周りを見回してみたけど、特にそれらしき人影はいなくて……けど、その違和感はいつまでもなくなってはくれなかった。
誰か、いたのかな……? それとも、私の気にしすぎか……
☆☆☆
「……あー、もしもし? カガリ隊長? こちらヒダネ。これよりフェイズ2に入ります。前回先輩が取り逃がしてたパーツの確保は必ず……はい、はい、もちろん。了解しました、吉報をお待ちください…………あと隊長、その会話の端々に謎に英語が混じる癖ってちょっとなん……あ、切れた」
一瞬前まで起動していたらしい通信機を耳から放して懐にしまう、1人の少女。
ふぅ、と一息ついて、その少女は近くにあった岩に腰かける。
そこは、カナズミシティ郊外の、人気のない一角。
これから開始されるであろう、彼女の属する組織による……言ってしまえば強盗作戦。
その実行犯の1人である少女は、間もなくここにかけてくる仲間を待つ間、しばし私事を多分に含んだ思考にふける。
「やれやれ……こんなパーツの強奪1つまともにこなせないとは。世界を救う正義の組織が聞いてあきれるね……それを本気で信じてる点も含めて、だけど」
口からこぼれ出たのは……自分が属している組織を、目的ごと盛大に否定するセリフ。
それはすなわち、彼女自身はその組織に属していながら、そこを見ていないという事実を指す。
先程までの口調や態度と比べて、かなり違和感のある独り言は、まだ続く。
「まあ、最悪時間をかければ自前でもどうにかできるものでしかないから、コレはいいんだけど……他の分野でも足踏みされるようじゃ、この先ちょ~っと困るかな~。せっかくホウエン有数の2組織を手ごまにしても、それそのものが無能じゃね……しゃーない、もうちょっと他の角度からも動けるように保険かけとくか?」
言いながら、少女は……ふと、少し脇の方の光景に目を向ける。
そこでは……野生のポケモンたちと一緒にあそぶ、彼女がいつも連れている1匹のポケモンがいた。
薄桃色の小さな体躯に、長い耳が特徴的なポケモン……ゴニョニョ。
特段珍しいポケモンではない、このあたりでは野生で普通に、特に『カナシダトンネル』という洞窟に行けば、よく見かけることのできるポケモンだ。
現に今、彼女のゴニョニョは、野生のゴニョニョたちと仲よく遊んでいる。
それを少女は、ほほえましそうに見ている。
「ふふふっ、よかったなーヒガナ、友達ができて……このへんのポケモンたちは優しいね。鈍感、って言ったら失礼なのかもだけど、ヒガナが普通のゴニョニョとはちょっと違う、ってことに気づかない。……いや、気づいた上で、受け入れてくれてるのかな?」
別に、ゴニョニョに聞いているわけではなく、そもそも聞こえるような声量ではない。
もっとも、耳のいいポケモンなので、もしかしたら聞こえているかもしれないが……彼女は、特にそこに興味はなかった。
返事がない点も含めてだ。自らが『シガナ』と呼んだそのゴニョニョが楽しそうなら、それでよかった。
そして彼女は、ふたたび視線を虚空に戻す。
その目には……確固たる意志や決意を感じさせる光が、力強く、しかしどこか暗く宿っていた。
(必ず、成功させる……この子たちのためにも……そのためには……)
脳裏に思い浮かべるは、自分が暗躍している先である組織。
それに加えて……あらかじめ調べておいた、他にも利用できそうな組織や個人が、いくつか。
目的に合わせてそれを選別しつつ、少女は懐に手を入れ、通信機を取り出した。
ただし……先程まで使っていたものとは、別なものだ。
それのスイッチを入れようとして……ふと、少女の頭に、ある1人の人物が思い浮かんだ。
「……そういや、さっき作戦を邪魔してくれたトレーナー……彼女も、利用しようと思えば。うん、先輩方が頼りなすぎた点を除いてもかなり強そうだったし……使えるかも。気になる点があるとすれば、私と同じで、他の地方から来たっぽい……ってくらいか」
大した問題じゃないけどね、と締めくくりつつ、少女は通信機を起動した。
「……もしもし、こちらコサメ。ウシオ隊長ですか? 次の作戦のことでひとつ……はい、はい、わかりました……あーすいません、そういうのは私得意ではなくて、はい。できれば、というかむしろ女のコがいない場所でどうかひとつ。いや『ウホッ♪』じゃなくてですね。私一応真面目に話を……あ、切れた」
先程と同じように、懐に通信機をしまいつつ……少女は、
「…………なんか、どっちの組織も……上司が濃いんだけど…………いや、まあ、実力は確かなんだし、気にしてもしゃーないか」
遠い目でそんなことを言い、ためいきをついたが……少しして、何かを振り切るようにしつつ立ち直る。
「とはいえ、やっぱり手駒は増やしといた方がよさそうだ。となると、最有力候補は、デボンの誰かを買収するか、あるいは、この地方に近々進出を考えてるっていうシルフとかいう企業の……ん?」
考えていた途中に、少女の目が……少し離れたところの舗装道を走る、2人の人間と1匹のポケモンをとらえた。
何か、荷物をもって逃げている……自分と同じデザインの服を着た男。
それを追いかけて疾走する、茶髪の少女と、彼女のポケモンであるヘルガー。
この地方でよく見られる『ポチエナ』や『グラエナ』と同じように、犬型の悪タイプのポケモンだが……この地方にはいない種類だ。
それが印象づいたこともあり……少女は、彼女をよく覚えていた。
何せ、先程まで『手駒』候補に挙げていたのだし。
(……あーあー、あれじゃじきに捕まるな。事前に打ち合わせしてた逃走ルート思いっきり無視してるし……忘れたか? しょーがないなもう、うちの先輩方は……)
ため息をつきつつ、少女は……疾走する茶髪の少女・アイカをじっと見て、
(保険……一応、かけとくべきかな。そのためにまずは……調べてみないとね。彼女が……何者なのか)
すでにこの作戦の失敗を確信できてしまった少女は、持ち場をあっさり放棄し……自分の目的のために動き出すのだった。