※この作品はR-18です。

ポケットモンスター Erotic Generation   作:破戒僧

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閑話22.5話 ポケモントレーナーの慰め方

 今現在、私がいるのは……あの事件の後で、放心状態だったうちに連れ込まれた、ライモンシティの病院。

 どうやら、アララギ博士が運んでくれたらしい。

 

 ……自身も酷い目に合わされたには変わりないっていうのに……頭が下がる。

 

 ともかく、この総合病院で……私もアララギ博士も、検査を受けた。

 

 基本的な検査の他、アララギ博士は……産婦人科の検査も。

 仮にも、相手が人間だったわけだし……一応、大丈夫かどうかを検査するため。

 生々しいけど……妊娠の可能性を……ね。

 

 といっても、昨日の今日ので妊娠したかどうかなんてわからないから……博士の体が、危ない時期か大丈夫な時期か、っていう検査になるらしく、

 ……どっちにしても、予防用の『お薬』は飲むらしいけど……

 

 同じくらい、博士のメンタルも心配だった。だって、仮にもレイプされたわけだし。

 それも、何回りも年上の、嫌悪感すらおぼえるような男を相手に。

 

 ……まあ、そこは年の功なのか……平気だったみたい。よかったら精神科に紹介状を書く、って言ってたお医者さんにも、けろっとしてた。

 ……ちょっと、無理してるみたいだったけどね。

 

 でも、こういう時に腫れ物扱いしたりすると逆効果だから、普段どおりに接している。

 

 ……それよりも……

 

 

 

 重症なのは……私の方だったんだけど。

 

 

 

 未だに、ちょっと退院を許可できない……ってお医者さんに診断食らって、私はあの事件から1週間がたった今日も、病室のベッドの上か、庭に気分転換に出るくらい。

 博士よりよっぽど……っていうか露骨に腫れ物扱いされる毎日。

 

 検査―――事情が事情だったので、必要そうな検査を片っ端から受けた―――では、疲労の蓄積と、軽度の栄養失調以外は特に異常もなかったのに。

 ちなみに、栄養失調は……妊娠・出産の際に、子供に栄養をもっていかれたからだろう、とのことだった。

 

 ……まあ、自覚はしてる。退院はまだ無理だって。

 

 だって……あんな目にあったんだし。そりゃ、常識的に考えて……心の傷も深いだろう。

 

 あれだけの数―――途中から数えてない―――のポケモンに、とっかえひっかえ犯されて……ありったけの欲望と精液のはけ口にされた。

 まるで、同種の雌を相手にするような激しい交尾の相手をさせられた。1日のうちに、何度も。

 

 何度もイって、気絶して、

 

 お腹の中を奥までえぐられて、裂けるんじゃないか、ってくらいの大きさのものをねじ込まれて、

 

 ヒダが全部なくなっちゃうんじゃないかってくらいに擦り上げられて、

 

 …………最後には

 

 

 ―――孕まされて、

 

 

 そのまま……卵を産んだ。

 

 ポケモンの卵を。

 

 私は、

 人間なのに。

 

 相手がポケモンか人間かを問わず、レイプにはもう経験はあった。

 輪姦も、されたこともあった。

 それでも、ちょっと休めば、平気な顔でいられた。もともと……引きずるタイプでもないし。

 

 ……けど、

 

 正直……あれは、きつかった。

 

 何がショックだったかなんて、上げればキリがない。大から小まで。

 

 自分に擬態したポケモンに強姦されたとか、

 

 遺伝子が操作されてたとはいえ、ポケモンに……ポケモンの精液で……孕まされたこととか。

 

 そのまま……卵を産み落とすことに……人間の赤ちゃんより先に、ポケモンを妊娠して出産することになったとか。

 

 その瞬間を、プラズマ団の連中に見られて……しかもその後、

 

 間違いなく、私が産んだ……私と血肉を分けた、『私の子供』だ……って、断言されて、再確認させられたこととか……。

 

 ……それら全部がショックだった。

 だって……まるで……

 

 

 

 ……私があの瞬間から、人間じゃなくなったみたいに思えるんだもん。

 

 

 

 だって……そうじゃない?

 人間って……普通に人間と恋をして、セックスもして、妊娠して……人間の子供を産むじゃない。

 

 だけど私は……そんな、生物学的に考えて当たり前すぎる大原則を破った。

 人間でありながら、ポケモンと交わり……その子を産んだ。

 

 人間は哺乳類。だから卵は産まない。そんなところまで覆した。

 あの……自分の中から卵が出てきたのを見た、あの瞬間に。

 

 ……私は……

 ……人間、と名乗っていてもいいんだろうか。

 人間でいる資格が、あるんだろうか。

 

 普段からポケ姦にいそしみ、

 今回、ポケモンの母にまでなった、私に。

 

 

 博士や、お医者様の先生、それに……お見舞いに来たチェレンやベルの、腫れ物を触るような態度も……何気にきつかった。

 そんなつもりない……って知ってるのに、よそよそしいように感じて。

 それが……要らぬ方向に、脳内で解釈されて、

 

『……あぁ、みんな……私が人間じゃなくなっちゃったから、こんな態度なんだ……人間として、見てもらえてないんだ……』

 

 人間を捨てたケダモノを見る目で見られてる……なんて思えて。

 今回、ポケモンに犯されて、出産までした……っていう情報自体、博士とお医者様以外は知らない、伏せられていることだ、って知ってるのに。

 

 それでも……私の心の中は、自虐的だった。

 

 

 ……今、庭。気分転換中。……できてないけど。

 しかも、看護師さんが付き添って……車椅子で。過保護すぎじゃない?

 まあ、心に傷がある患者さんは、突然腰が抜けて動けなくなることもあるらしいから、仕方ないことみたいだけどさ……。

 

 モンスターボールから出てるヘルガーが、ぺろぺろと手を舐めて元気付けてくれてるけど……ごめんね、多分まだ無理。

 

 この……体の髄まで……それこそ、お腹の奥の奥、子宮の中にまで刻み付けられた……心の傷……なのかな? が、癒えるには……まだまだ遠そう。

 

 今まで……どんな辱めも、すぐに吹っ切ってきたのに。

 数え切れないくらい陵辱されて……それでも、きっちり前に進めてたのに。

 さすがに……妊娠はきついか。それも……その後まで、環境やら人の目やらが尾をひくとなると……

 

 お医者様の話では、何ヶ月単位での長期入院も視野に入れて……だそうだけど……

 これだと、ホントにそうなっちゃかもね……なんて、

 

 思ってた…………その時、

 

 

 

「……久しぶり、アイカ」

「……! ナオヤ……」

 

 

 

 散歩してる中庭の、正面から……ナオヤが歩いてきた。

 あ、お見舞い……来てくれたんだ? 素直に嬉しいかも。

 

 ……でも……何だろう……

 

 ナオヤの目……何だか、いつもと違う……?

 いつものナオヤと……ううん、それだけじゃない。他の、お見舞いに来てくれた人や……お医者さん達とも。

 

 そのまま、ナオヤは……私の目の前に来た。そして、顔を覗き込んで……ちょ、ちょっと近いわよ?

 ナオヤの……童顔だけど、イケメンと言っていい整った顔がどアップ。

 

「えっと……な、ナオヤ?」

「……聞いたよ、博士から。大変そうだね」

「えっ……」

 

 ナオヤの目は……何もかも知ってる、と言いたげな目だった。

 

 ……あ、そうか……博士、もしかしたら、親しい人には話しておくかも……って言ってたから……家のお母さんとかに話して……

 それを……ナオヤが聞いてたのかな?

 

 なるほど……知られちゃってたわけだ。全部……

 

「ははは……大丈夫よ、ちょっとびっくりしたけどさ……もう大丈夫」

「ううん、大丈夫じゃない」

「えっ? ……や、そんなことないから……」

「いや、大丈夫じゃないよ……アイカ」

 

 ……真剣な目で、私の目を見て言ってくるナオヤ。

 ……心配して言ってくれてる……のかな? 目つき……他の人とは随分違うけど……

 

 嬉しいけど……いいよ別に……

 やめてよ……あんたまで、私を腫れ物扱い……と、思ったその瞬間

 

 

「よいしょ、っと」

「えっ!?」

 

 

 いきなり……ナオヤは、車椅子に座っていた私を……お姫様抱っこで、しかしやや乱暴に抱え上げた。

 そしてそのまま歩き出す。ちょ、ちょっと!?

 

「な、ナオヤ!? 何……」

「はぁ……今のアイカ、正直見てらんないから……ちょっと荒療治だけど我慢ね」

 

 は!? どういう意味!?

 

「ヘルガー、耳貸して」

 

 さらに、ヘルガーに何かささやいて……ちょ、ヘルガー!? 何、どこに走ってくの!?

 

「さて……行こっか」

「どこに!? ちょっ……ナオヤ!? 説明し……」

 

 そのまま、私は拉致られた。唖然としてる看護師さんを残して。何で!?

 

 

 ☆☆☆

 

 

 そして、連れて来られたのは……病院に併設されてる、リハビリ施設。

 その一角にある……ポケモンバトルコート(大)。

 

 そして、私は……パジャマ姿で、コート内に白線で描かれたスクエアの中にいた。バトルの時、トレーナーが入ってポケモンに指示を出す位置だ。

 

 すると、ヘルガーが……私の病室に保管されてるはずの、私のモンスターボールを全部持ってきた。

 これって……

 

「説明なんかいらないよね? ポケモンバトル……やるよ、アイカ」

「な……何なの? いきなり、こんな……」

 

 まだ困惑気味の私を置いてきぼりに……今までにないくらいの闘気……というか、覇気と言っていい気すらする……を見せるナオヤ。

 な……何、この状況!? こいつ、何でバトルなんか……

 

 するとナオヤの口から……予想外の言葉が出た。

 

 

 

「できるでしょ? アイカは、ポケモンと『一緒に戦う』側……人間なんだから」

「!!?」

 

 

 

 見透かされていた。

 私の……悩みの内容を。

 

「そ、それは……」

「……お見舞いにこれなかったのは、悪いと思ってる。でも、いつまでも退院してこないから、どんなことになってるのかと思えば……全くもう……」

 

 呆れたようにいいつつも、ナオヤの口調は真剣そのものだ。

 

「全く……いつまで、そんなことで悩んでるのさ、アイカらしくもない」

「……っ……そんな言い方ないでしょ! 私……仮にもレイプされてるのよ!? ポケモンに! 何回も! しかも、あんなことまで……」

 

 『あんなこと』の内容は……ちょっと口に出すのはつらい。

 けど、今のは……至極当然の反論だったと思う。だって、レイプっていうのは……女に、死と同等の屈辱・恥辱を与える責め苦だから。

 

 ……が、それに対してナオヤが言ったことは、

 

「だって……『そこ』じゃないじゃないか、君が悩んでるのは」

「!」

 

 ……自分でも意識していなかったところを……見破られた。

 

 ……そうだ……私、変なこと言った。今。

 

 だって私……レイプ『された』、出産『した』ことよりも……その後の、自分自身についての考え方で悩んでるんだ……

 

 ……思いっきり、自分の問題じゃん。

 

 それを……こいつは見抜いてたんだ。

 博士やお医者様、チェレンやベルが……そして、私自身、気付けもしなかった、その盲点を。

 

 と、

 ずんずんと……コートを縦に突っ切って、ナオヤが私のところに来た。

 

 そして、両手でガシッと顔をつかむ。まるで、キスするみたいに。

 

「僕の目を見て、アイカ」

「な、ナオヤ!? 何……」

「見ろ!!」

「っ……!?」

 

 み、見ろって……言われても……

 

「何が見える?」

「え? そ、そりゃ……ナオヤの目……」

「その中!」

「中? え、えっと……私の顔……」

 

 映ってるし。黒目に。

 

「……誰の顔?」

「え? だから、私の……」

「どこ出身の、誰の顔?」

「……? 何でそんなこと」

「どこ出身の、誰の顔?」

「……エンジュシティ出身の」

「どこ地方のどの町出身の誰の顔?」

「……ジョウト地方、エンジュ……」

「どこ地方のどの町出身、何月何日生まれ何座で何歳で性別は何で夢は何で職業は何の誰の顔?」

「……っ……!」

 

 ……いい加減にイラッときた私は、半ばやけっぱちになって、

 

 叫んだ。

 

 

 

「ジョウト地方エンジュシティ出身! 1月28日生まれみずがめ座! 今16歳の女の子で将来の夢は世界最強&おねえちゃんに追いつくこと! ポケモントレーナー・アイカの顔よっ!!!」

 

 

 

 ……あ。

 

 今、私……

 

「……そうだよ、アイカ、君は……」

 

 私、今……

 

「君は……ポケモントレーナーだ」

 

 呆然とする私の心に……今までとはうってかわって、優しい口調でゆっくりと言うナオヤの言葉は……しみこんできた。

 ひび割れてた心が……元通りになっていくのがわかる。

 

 ナオヤは今度は、私の顔を横に……横にいるヘルガーに向けて。

 

「……ヘルガーは、君をどんな目で見てる?」

「……いつもの、私を見る目」

「そう……自分を導いてくれるトレーナーを見る目だよ。彼も……」

 

 そう……ヘルガーも、言ってくれてる。

 私は……トレーナーだ、って。

 

 この目……多分、今ボールの中にいる他の子たちも、同じ目を向けてくれるんだろう。

 いつも通りの……目を。

 

 独り相撲してた私に……至極当たり前のことを、教えてくれている。

 

 

 私は……人間。

 

 ポケモントレーナー。

 

 彼らの……友達。

 

 

「…………ふふっ……」

 

 

 それが理解できた瞬間、

 私は、なんかもう……どうしようもなくなって、笑ってしまった。

 

 そして……ゆっくりと、深呼吸。

 

「……ふぅ」

「……調子、戻った?」

「…………まあ、あとちょっとね」

「?」

 

 ナオヤが聞き返すより早く、私は……小走りに、コートを一旦出た。

 

 そして、

 

 

 

……病人着のパジャマから、いつもの、冒険の時に着る服に着替えて……戻ってきた。

 

 

 

 で、最後の仕上げ。

 

 ボールの中から、ポケモン達を全員出す。

 そして……全員の目を見る。

 

 頼もしいトレーナーを見る目で見てくる、ゼブライカ。

 

 忠誠心バリバリの目で見てくる、ハリテヤマ。

 

 中のいい友達を見るような目の、オクタン。

 

 一緒に遊ぼう、とでも言いたげな、チルタリス。

 

 しょうがないな、って感じの目の、スリーパー。

 

 

 ……うん……みんな、いつも通りっ!

 

 

 この瞬間、私は……

 

「~~~っ…………」

 

 ためて、ためて……

 

 

 

「完・全・復・活っ!!!」

 

 

 

 した。

 よし……元気100倍! もう何にも問題なし!

 

 私は……ポケモントレーナー・アイカだっ!!

 

 

 正面に立つナオヤの視線も、安堵をはらんだものに変わっている。

 

 その気持ちに……そして、私を、病床から引きずり戻してくれたその心に……私は、行動で答えてあげることにした。

 

「さて……戦ろっか?」

「……そうだね……せっかくこうしているんだし……久しぶりに戦ろうか!」

 

 ほー……ナオヤも、珍しくノリノリだ。

 ま……嬉しいけどさ、その方がっ!

 

「よっし皆! 一気に行けぇっ!」

「えっ!? ちょ……六匹同時!? 普通1対1か、あっても2対2とかじゃ……」

「いいの! せっかくだし、どうせなら派手に! ナオヤも早く!」

 

 ナオヤは、はあ……と、一瞬だけ頭を抱えて……

 しかし、次の瞬間には、『まあいいか!』と笑みを浮かべて、

 

「仕方ないなもう! 皆出てこい!」

 

 全てのポケモンを場に出した。

 私の合わせて、合計12匹。6対6(同時)の大乱闘だ、おー壮観。

 

 じゃあ……私の復活記念! 派手に行きますか!!

 

「ヘルガー! ハリテヤマ! ゼブライカ! オクタン! チルタリス! スリーパー!」

 

「ポリゴン! シャンデラ! スターミー! ゴルーグ! ジバコイル! メタグロス!」

 

 

「「行っけぇっ!!!」」

 

 

 

 結局その日、

 

 私とナオヤは、昼過ぎまで……1時間以上もオールスター大乱闘を繰り広げ、

 

 その後、医者の先生に文句なしのメンタルの回復具合を見せ付けて……即時退院した。

 

 

 

 ふふっ……ナオヤには今度……きっちりお礼しないとね。

 

 

 

 

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