ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
《三人称視点》
アイカ達がNとの激戦を繰り広げる一方、
地上でも……大きな戦局の変化が起きていたりする。
チェレンとベルが、『コバルオン』『テラキオン』『ビリジオン』の3匹をひきつれて帰還し、戦線に乱入したのだ。
世界の危機に、同じように『伝説』の名を冠する3匹のポケモンは、チェレンとベルの呼びかけに答え、力を貸してくれていた。
ジムリーダーや四天王たちも、この勢いに乗り……プラズマ団の軍勢を押し戻していく。
次第に、破壊の損害は、プラズマ団の城のほうにまで及んできていた。
……ついでに、さりげなくナオヤが放っていた『ボルトロス』『トルネロス』も、好き勝手に暴れていたりした。
ともあれ、これにより……プラズマ団の敗北は、大局でも、トップの戦いでも、決定的なものとなりつつあった。
《三人称視点 OUT》
☆☆☆
「……まさか、こんなことになるなんてね……」
さっきまで、Nがこの世界の頂点に立つ切り札として君臨していた……レシラムとゼクロム。
その2匹が……そろって倒れ伏していた。
その様子を、呆然と見下ろす……N。
キュレムとランドロスを従えて、その様子を見る私達。
てっきりこの後、Nの他のポケモンと総力戦にもつれこむと思ってたんだけど……どうやら、Nはそんな気力もなくしてしまったらしい。
……最強と恐れられる2匹のドラゴンを手に入れた時点で、自分が負ける想像なんかしてなかったんだろう……心ここにあらず、って感じかな。
「……世界は……僕じゃなく、君達を選んだのか……」
「そういうキレイごとじみたセリフがそもそも違うってのよ。何よ、その……この戦いで負けるのが、自分の運命だった、みたいな言い方」
「……ポケモンバトルで、僕らが勝った……それだけだろう」
「……それでも、これで僕の夢は潰えた……そこに変わりはないからね……」
疑いはしてたものの……はっきり自分の目標として掲げてた『ポケモンの開放』……それが事実上阻止された今、Nはコレからどうしていいかわからないんだろう。
今まで……それしか見てなくて、それしか見れない中で生きてきたはずだから……
小さい頃から抱いてきた『目標』と『信念』を、疑うことができなくて。
それを正当化するために……ポケモンや、私にすがろうとして……
けど、結局……そのどれもこれも、手から零れ落ちてしまった。
……そういう意味では……こいつも、ちょっとは被害者なのかもね
……が、
そんなこの場の空気を読まない……正真正銘の『黒幕』が、もう1人いた。
「……ふん、それでも私と同じ、ハルモニアの王家の血を引く者か、ふがいない息子め」
……こいつが。
敗北に茫然自失となるNを慰めるどころか、ゲーチスは侮蔑するような目でにらみ……
「せっかく王に仕立て上げ、一流の教育も施し、伝説のポケモンまで持たせてやったのに、敗れるとは……」
「……ゲーチス……?」
「本性が出たわね、狸ジジイ」
余裕も無いが、優しさも消えうせた、どすの利いたにらみ顔で……ゲーチスは私とナオヤに向き直る。
頼れる部下だったはずのゲーチスの変わりように、Nは唖然としている。多分……状況を飲み込めてない。
けど……どうやら、フォローする時間はないみたいね……。
ゲーチスは、私達の方に向き直り……
「ここまで来て諦めるものか! プラズマ団を組織し、人々からポケモンを取り上げて世界を征服するという私の夢を! 貴様らのようなガキ共に邪魔されてなるものか!」
「……やっぱり……お前達のあの綺麗事じみた目的は、方便だったんだな……」
「その通りだ! 全ての愚かな民は、我が命令にしたがっていればいいのだ!」
ナオヤの指摘に、開き直るゲーチス。
「誰がポケモンなどという便利な道具を手放すものか! ポケモンは……世界を支配する我々だけが使えればいいのだ! そのために、我々プラズマ団は今日まで活動を続けてきたのだからな!」
「……敵も味方も散々騙してきて……それがばれたら、今度は開き直りとはね……!」
「ふん。ナオヤ……Nはお前のことをライバルとして認め、お前に勝つことで自分の強さの証明をするなどと言っていたが……思えば、それがすでに愚かだったわけだ。自分に自信をもつ必要などない、私に従っていればそれでよかったのだからな。人も、Nも!」
そして、今度は私に向き直る。
「最後の最後まで、生意気なマネを……アイカよ……お前もお前だ。せっかくこの私が、肉奴隷に調教して、その体を役立ててやろうと思っていたというのに」
「なっ……ゲーチス!? 彼女は、僕の花嫁にするのでは……」
自分が愛を注ぐはず、と思っていた私までも否定され、Nを更なるショックが襲う。
「表向きはな! 裏では、私直属の肉便器兼、プラズマ団の公衆便女にするつもりだった……! お前ははしたなく、裸で腰を振っていればそれでよかったのだ!」
「……こんの、下衆……っ!」
奥歯が、ぎりっ、と鳴った。こんな奴に、私は……
「ふん、お前だけではない。世界が私のものになった暁には……私はNにハーレムを作るつもりだった……世界中のめぼしい女を集めて……Nの愛を注ぐという名目でな! カミツレも、シキミも、カトレアも、フウロも、そしてアララギも……! そしてそれら全員、裏で、私の元で、淫乱な肉奴隷にしてやると決めていた!」
……こいつ……そんなことまで……!
「ふん……諦めるものか……! レシラムもゼクロムも、Nが英雄を名乗るのに箔をつけるために利用していたに過ぎない! 負けたのならもう用はない……私自信の力で、全てに決着をつけてやるまでだ!」
「……もうこれ以上、話すことなんかないわね……」
「ふん、生意気を……来るなら来い!」
ゲーチスは、懐に手を入れ、ボールを6つ一気に取り出す。
放り投げたその中から……ゲーチスの最強メンバーだろう……
デスカーン、キリキザン、ガマゲロゲ、バッフロン、シビルドン……壮々たる面子だ。
そして……私を犯した、あのサザンドラが姿を現した。
「ナオヤ、お前は力でねじ伏せてやろう……二度とポケモンバトルをする気も起きんように徹底的にな! そしてアイカ、お前はまた調教しなおしてくれる! 二度と立ち直れんように、念入りに心を壊して、また肉奴隷にしてやろう……毎日白濁にまみれて、名も知らぬ男の子供を何人も孕むがいい! お前らにはそれがお似合いだ!」
聞くに堪えない……さっきのナオヤのプロポーズで、全部すっきりしてたってのに、またいらいらしてきちゃったじゃない……。
ナオヤも、大体そんな感じ。臨戦態勢。
「伝説と言えど、所詮ポケモン……私に勝てるものか! さあ来い」
「……勘違いしないで、あんたにはランドロスとキュレムは使わないわよ」
「彼らはあくまで、ゼクロムとレシラムの対策だったからね」
「何ぃ……?」
……あんたをぶっ倒すのは……あたし達自身の力でよ!
「ヘルガー!! ゼブライカ!! ハリテヤマ!! オクタン!! チルタリス!! スリーパー!!」
「ポリゴン!! シャンデラ!! スターミー!! ゴルーグ!! メタグロス!! ジバコイル!!」
いっせいにボールから飛び出す、私達の頼れるたびの仲間たち。
「ふざけるなぁぁああああ!! このような下賎に……私が、負けるかぁあああ!!」
アンタなんかに、伝説のポケモンは必要ない……
長旅で連れ添った、私達の最高の相棒がいれば……十二分にお釣りが来るのよっ!!
スリーパーとメタグロスの『サイコキネシス』が、デスカーンの『シャドーボール』を正面から粉砕して、
突撃してきたバッフロンは、ゴルーグとハリテヤマが力で叩き潰して、
シビルドンの電撃を、ゼブライカが『でんきエンジン』で吸収して、その勢いに乗せて……ジバコイルと一緒に、更に強力な電撃で吹き飛ばして、
ガマゲロゲの攻撃は全てかわされて……チルタリスの『りゅうのはどう』とスターミーの『サイコキネシス』の餌食になって、
キリキザンは……最大出力で放たれた、シャンデラの『かえんほうしゃ』とオクタンの『ハイドロポンプ』の前に、何もできずに一撃で沈んだ。
一匹、また一匹と手持ちが倒れていく間に……ゲーチスの顔はどんどん険しくなっていって、
残りは、サザンドラだけ……
「ふざけるな! 私の夢が! プラズマ団の世界制服が……こんなところで!」
「まだこんなこと言って……あんたもたいがい哀れね」
「……ま、悪人の末路なんて、こんなもんだよ」
……もう……終わりでいいわね……
うっさいから、続きは……刑務所で叫んで来い、この下衆野郎!!
「ヘルガー!」
「ポリゴン!」
号令と共に、2匹が同時に技を繰り出す。
見せるのは……カノコタウンで修行中によくやった……私達だけの『合体技』。
ポリゴンが『ロックオン』で狙いを定めると……その周囲に『きあいだま』がハンパない数浮かぶ。
同時に、ヘルガーが『れんごく』を使って……そこにさらに、ポリゴンが『ねんりき』をかけて操作する。ヘルガーの炎を。
昔は、『ひのこ』と『サイケこうせん』でやってたこの技……旅を重ねて、威力も段違いになってるんだから!
そして、
サザンドラの『りゅうのはどう』を、ヘルガーとポリゴンが『かえんほうしゃ』と『チャージビーム』で粉砕した直後に……技が発動。
『ねんりき』で統制された『きあいだま』と『れんごく』の炎が……四方八方に散らばる。敵を……囲んで。
しかし……『ロックオン』で、最終的には正確に飛んでいく。
サザンドラと……ゲーチスのもとに。
「行っけええぇっ! 『全方位・煉獄気合玉』ぁあ!!」
「ぐぎゃぁあああああああっ!!」
私が即興で叫んだ技名に重なって、大量のエネルギーがこもった大爆発の轟音と、ゲーチスとサザンドラの断末魔が響き……そして、静かになった。
その日、
プラズマ団は……人々の強い思いと結束の力の前に、壊滅という末路をたどった。