ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
○Side アイカ
「……とまあ、そんなわけで、ナツメに宣戦布告されちゃったのよね」
「……それ……僕に話す? 普通……」
「? 何かまずかった?」
と、まあ、
レストランの向かいの席で、ハンバーグステーキを食べてるナオヤに……ナツメに会って、予知夢だのなんだのって話して、結果的に超弩級の恋敵になったことを報告。
ちなみに、今私がいるのは……『マサラタウン』から南に海を渡るとたどり着く、小さな島……『グレン島』。
ここのジムリーダー・カツラさんが帰ってくるのを、ここで気長に待つことにしたわけ。
……で、偶然、ナオヤに会った、ってわけ。
「……とまあ、そういうわけで、ナツメと本格的にナオヤの奪い合い、って感じになったのよ」
「……久しぶりに会った幼馴染(ナツメ)相手に、何でいきなりそんなことになっちゃってんのさ……もうちょっと、他に話すことあるでしょ?」
「しょうがないじゃない、2人ともアンタのこと大好きなんだもん」
「……素直に嬉しいんだけど、言ってくれるテンションが変だよ、アイカ……」
はあ、と、ナオヤ、ため息。どして?
そしてこのナオヤだけど……カントー地方のお見合い巡りも、残す所あとわずからしい。
お金持ちのお嬢様や、各地の女性ジムリーダーなんかの、このポケモン社会において様々な意味で『一流』と呼べる女性達とのお見合いの数々。
そのお見合いも、残す所あとわずかなんだとか。
その1つが……ナツメ、ってわけだ。
ヤマブキシティで執り行われる予定のそのお見合いは……まだちょっと日程的には先のことらしいので、少しはゆっくりカントーを巡れる、とナオヤはこぼしていた。……どうやら、かなり忙しいペースであちこち回っていたらしい。
「あー……ごめんねアイカ……お見合い、まだ全然終わんなくてさ……」
「んー……ま、いいわよ。ナオヤが一番苦労してるな……ってのは、私も理解してるから」
「……うん、ありがとう……。僕も、1日でも早く、全部のお見合いに決着つけるからさ」
「ふーん……じゃあ……」
「? 『じゃあ』?」
「そのお見合いの後、たまに朝ちゅんになったりするのも、もう会わないだろうから遊んでおきたいから、ってことだったり?」
「ぶほっ!?」
口に含んでいたメロンソーダを噴き出すナオヤ。汚いわねもー。
まあ……予想できたから、私はしっかり、食べ終わったライスの皿(こぼすものが何もない)でガードしたけど。
そのあと数秒間むせ返っていたナオヤは、どうにか息を整えると、
「なっ、は……げほっ……ち、違っ……いきなり何言って……!?」
「? 何、どうかした?」
「どうかしたじゃないよ! 何いきなりとんでもないこと聞いてくるの!?」
「……だって、事実じゃない?」
……お見合いの後、その場の雰囲気に流されて……そのまま朝までピ―――なことになった……っていう展開も、何度か聞いた。
いや、まあ……そんなにしょっちゅう聞くわけじゃないけど……2,3回くらい?
最近だと……タマムシジムのエリカあたりとか……ね。
ま、あの子は特別、小さい頃から交流もあったしね……。
「や、あ、あの、それは、その……エリカさんは、ええと……遊びとかじゃなく、ホントに僕に礼節を尽くしてくれるつもりで……いや、僕はアイカのことを、って心に決めてるけど、その場その場の雰囲気っていうか、その……」
「あーもー、そんなみっともないくらいに慌てなくていいわよ。気にしてないから」
「……はい……ありがとうございます……」
まあ、前にも言ったけど……私としては、彼氏もとい未来の夫の、そういう一面もおおらかに容認するスタイルでいるつもりだしね。
よく『浮気は男の甲斐性』だの『英雄色を好む』だの言うし……そうじゃなくても、ナオヤはその……容姿もいいし、魅力的だから……思いを寄せてくる女の子も多いだろう。
そこに、こいつのこの、気弱というか何というか……流されがちな性格だから……しばしば、そういうことになるかもな、っていうのは……イッシュ地方で、コイツと付き合うと決めたその日にはもうわかっていたこと。
……あの時点で、アララギ博士に、マコモさんに、カミツレさんに……私以外の結っっっっっ構な人数の女の人と、そういう関係になってたし……。
……けど、
ホントに見てくれてるのは私だ……ってことがわかるから……そこまで悔しくも悲しくもないし、危機感も感じないのよね。
だから……多少の浮気なら、笑って流すくらいの寛容さを持って接しよう、と思ってるのよ、私は。
と、そのことをあらためて話すと……ナオヤは、安心したのと同時に……ふと、ちょっと不安というか、複雑そうな顔になった。 ? どしたの?
「……えっと、さ……そうやって、心を広く持ってくれるのは、僕としても嬉しいんだけど……」
「だけど……何?」
「……僕も、そうした方が……いいのかな?」
「は?」
「……いや、だからさ……アイカが、その……浮気とか、しちゃった時に、笑って許すような……あいたっ!?」
「何の心配してんのよアンタは」
でこぴん一閃。のけぞるナオヤ。
……あのね、妙なこと考えなさんな。
私は別に、そんなアンタ以外の男に積極的に抱かれようなんて思ってないんだから。浮気心なんてもの、覗かせる予定もないし。
私は……毎日でも、たまにでも……あんたの隣にいられれば、それで幸せなんだから……さ。日常生活でも……ポケモンバトルの時でも……ベッドの上でも。
アンタ以外の男が、その代わりになってくれるなんて想像もしてないし……望んでもいない。だから、私にはあんただけ……そんな心配は無用だってのよ。
……まあ……
その意思とは全然関係ない所で、色々なトラブルに巻き込まれて……予想の範疇超えていろんな人達に、私の体を堪能されちゃったりしたことはある……っていうか、そうなることも多いんだけど……ね……
そこはホラ……不可抗力だから、関係ないから。私が望んだわけじゃないし。
と、そうきっちり説明すると……ナオヤ、露骨に安心したような顔で、胸をなでおろしていた。
「はぁ……よかった……」
「もお、安心しすぎよアンタ……そりゃ、私、色々とえっちなトラブルは多かったけどさ……そこまで尻軽にやってるつもりないからね?」
「あー、うん、ごめん……」
「全くもー……まあでも、そういうケースで強いて言うなら……」
「え゛!?」
……んー……そうね……
「し、強いて、言うなら……?」
「んー……まあ、お気に入りのポケモンと、とか……」
「ああ、うん……なるほど、そういうことね……」
……恥ずかしながら……やっぱりやめらんないのよね……『ポケ姦』は……。
ああ、それと、後は……
「……トレーナーとしても少年としても、まだまだ未熟で年端もいかない幼い男の子を、ちょっと年上の魅力でからかってあげたりとか……そういう程度かな?」
「……ちょっと危なくない? っていうかアイカ……そういう趣味あったの?」
失礼な、人をショタコンみたいに。
いやまあ、あのくらいの……スケベ心に忠実かつ、まだ未発達でいじりがいがある子供って、その……そういう意欲をそそられるというか…………いやいやいや、何考えてんだ私。そんな恥女みたいな。
と、ともかく……私の浮気心なんて、あってもそんなもんよ。だから、あんまり深刻に考えなくてもよし!
……あんたが私のことを見てくれている限り……私も、ずっとアンタのこと、見てるから……さ。
……あ、そういえば……
私が、よく悪の組織に犯されたり色々されたりしてる……ってあたりで思い出したんだけど……
「どんな記憶のつながりで思い出してんの?」
「いいから聞け」
いや、私が言いたいのは、私が犯された云々じゃなくて……『悪の組織』の部分。
このカントー地方の悪の組織といえば……『ロケット団』。
そのロケット団が……最近、ヤマブキシティ近辺で盛んに活動してる……っていう、うわさが、まことしやかに流れてる。
そして、同じ内容を……この前、ナツメに聞いたばかり。
……何か、大変そうだけど……そんな中でも、ナツメとのお見合いは行われるんだろうか? ナツメ、すごく忙しそうだけど……
……っていうか、そもそも……私達で、何かナツメを手伝えるようなこと、ないのかな……?
「……そういや、父さんからも……最近、ロケット団の動きが活発になってるから、気をつけろ……って言われたっけな……。近々、何かやらかすつもりなのかも……って」
「……何かって、何だろ?」
「さあ……それがわかれば、苦労無いんだけどね……ともかく、僕らも注意しよう」
「そうね……」
……私達は、もちろんそうだけど……
……ナツメも……何も、物騒なことにならないといいけど……