ポケットモンスター Erotic Generation 作:破戒僧
最初の話はエロなしですが。どうぞ。
第1話 ワカバタウンと新たな旅立ち
「ジョウト地方よ、私は帰ってきた!」
「……お父さん、お母さんはアレ何言ってるの?」
「見ちゃダメだよメイ、アレは人類の進化の失敗例だから」
こらそこ、娘にいらんこと吹き込まない。
まあ、ノリで定番な発言かました私も私だけどもね。
とまあ、黒歴史はスルーして……やってきました、ジョウト地方はワカバタウン!
トキワシティから22番道路とか突っ切って。トージョウの滝もシャワーズに乗って突破して。
☆☆☆
4のしまでカンナさんから『カリンからよ』って受け取った船のチケットは2種類。
封筒の中に2つ入ってた。
1つは……アサギシティ・クチバシティ間を結んで運行する高速船『アクア号』のフリーパスチケット。
そしてもう1つは、そこに来航する豪華客船で開かれる船上パーティの招待チケット。
同封されてた手紙によると、四天王(今はチャンピオンだけど)ってことで招待状が何枚か届いたんだけど、別にお姉ちゃんには特に誘う人もいないらしいので、私たちが招待されたということらしい。
お母さんとお父さんはイッシュ地方だし……一応声かけたけど『いい』って言われたそうな。
それて次に順番が回ってきたのが私ってわけだ。
お姉ちゃんいわく、『たまには帰ってきて顔見せなさいよ』だそうで。
まあ、この機会に里帰りするのもいいかなって思ったし、お言葉に甘えることにしたんだけど……里帰りの際の足はきっちりこっち持ちなのよね。
全くもう、どうせならクチバ港からアサギ港までの定期船のチケットかなんかでも同封してくれてもよかったのに。
そんなわけで、せっかくなのでナオヤとメイも一緒にジョウト地方に行くことにしたわけだ。で、今に至る。
「ああ、話は聞いてるよ。君か、カリンくんの妹さんの、アイカちゃんっていうのは。僕はこのワカバタウンでポケモン研究者をやってます、ウツギです。よろしくね」
「あ、はい、どうも。えっと、こっちが……」
「お久しぶりです、ウツギ博士。ナオヤです」
「メイです。初めまして!」
そんなわけで自力でワカバタウンまで来た私達は、とりあえずこの地方のポケモン研究の権威である、ウツギ博士に挨拶しておくことにした。
まだ若く、年齢で言えば私達と10歳と違わないらしいこの人は、オーキド博士の弟子で……専門分野はポケモンの卵に関する研究なんだそうだ。
そしてついでに言えば、お姉ちゃんの大学の先輩らしい。ゼミとかでよく議論を交わした中だ、って聞いたことがある。
ちなみに妻帯者で、お子さんもいるそうな。ワカバタウン在住。
それと、ナオヤとはポケモン関連の学会その他で会ったことがあって、すでに知り合いなんだそうだ。
シルフカンパニーそのものがポケモン学会の支援企業になってるから、その関連もあるんだろうな。
「イッシュ地方とカントー地方を旅して、バッジは16個も集めたんだって? いやあ、姉妹揃ってすごいなあ、僕はポケモントレーナーとしての才能はなかったから、うらやましいよ」
「いえいえ、それほどでも。ポケモンたちが優秀だからですよ、私なんて彼らに助けられてばっかりの、まだまだな未熟者です」
「そういう謙虚でひたむきな姿勢が大事なんだろうね。で、そっちの女の子がメイちゃんか……」
すると、ウツギ博士は私の耳元に顔を近づけて、
「……アララギ博士から話は聞いてるよ。君の『娘』なんだって?」
「っ!? は、はい……よくご存知ですね」
驚いた。何でそのことを、この人が知ってるのかと。
アララギ博士から何も聞かされてなかったから……てっきり知ってるのは、ナオヤと博士、私のお母さん、そしてナツメくらいだと思ってた。ゲーチスたちを除けば。
聞けば、ウツギ博士はあの事件――初めて私がポケモンの卵を産んだ、古代の城のあの一件――の時、アララギ博士から頼まれて、私のメディカルチェックを担当したらしい。
あの事件の時、病院関係者や捜査関係者に知らされたのは、私とアララギ博士がレイプされた、ってところまで。
私が『産んだ』ことまでは知られていない。
というのも、私のその『出産』に関連するメディカルチェックを、アララギ博士が誰にも話さず、秘密裏に知り合いの信頼できる研究者に依頼したからだ。
それは聞いてたけど……それがまさか、ウツギ博士だったとは。
ウツギ博士は、ポケモンの繁殖やポケモンの卵、進化前のポケモンなんかの研究にたずわさっているらしく、その方面での知識が豊富なんだそうだ。
それを生かして、あの時は私の子宮内のポケモンの生殖細胞の痕跡その他、私の体への影響なんかについて調べてくれたらしい。私のプライバシーのことを考えて、誰にも言わずに。
「そうだったんですか……ありがとうございました」
「大変だったね……。何か僕に出来ることがあったら、遠慮なく言ってくれ。カリンくんには色々と世話になっているし、できる限りの協力をさせてもらうよ」
そう優しく声をかけてくれるウツギ博士。
……この人が若くして人望もある研究者になった理由が、ちょっとわかる気がする。
まあ、私はナオヤ一筋だから……人間としてウツギ博士に好感は抱いても、女として惚れることは無いけどね。
ともあれ、そう言ってもらった所で、こういう類の話は長引かせたり尾を引いてもいいことは無いので、ここでおしまいにした。
するとウツギ博士は、『あ、そうだ』と思い出したように言って、
「アイカちゃん、メイちゃんをこのジョウト地方につれてきたってことは……一緒に旅をする予定なのかな?」
「あ、はい。そうです。メイもだいぶ一般常識を学習しましたし、人生経験を積ませることを考えれば、旅もありなんじゃないかな、と思いまして。早い家では、10歳でポケモントレーナーとしての修業の旅に行かせる所もあるみたいですし」
「生後1年経ってないんだけどね、うちの娘は」
と、ナオヤ。いや、まあ……そうなんだけどさ。
「ふむ……なら、パートナーポケモンをここで選んでいったらどうかな? 一応僕は、その役目も担ってるからね」
と、ウツギ博士。あ、そっか、この人だっけ、この地方の新人トレーナーにポケモンを渡す役目を担ってるのって。
新人のトレーナー……厳密に言えばトレーナー『志願者』の子供がポケモンをさ最初に手にするパターンっていうのは、いくつかある。
親兄弟や親戚から譲ってもらうパターン、卵をもらってそこから育てるパターン、野生のポケモンとモンスターボール無しで仲良くなるパターン……その他色々。
その中の1つが、その地方で新人トレーナにポケモンを渡す役目を担ってる、ポケモン博士から貰うというもの。
カントー地方ではオーキド博士、イッシュ地方ではアララギ博士(と助手のベル)、そしてここジョウト地方ではウツギ博士が担当している。
その流れもあって、うちのメイにポケモンはどうかな、って言ってきてくれたんだけど、メイは丁重に断っていた。
まあ、それもある意味当然ではあるかも。メイにはもう、ウルガモスがいるから。
同じく『古代の城』で巻き込まれた事件の際に私が『産んだ』、いってみればメイの弟とも呼ぶべき存在。メラルバから進化したウルガモスが、メイのパートナーポケモンだ。
今後はメイは、ウルガモスと一緒に自分のポケモンを増やしていくことにする……って、事前にメイから聞かされてる。私もナオヤも。
……新人トレーナーが持つには明らかにオーバースペックな気がするけど、そこは気にしなくていいか。
そんなわけで、今後の方向性も決まった所で……ん?
「どうかした、アイカ?」
「……今、窓の所に誰かいなかった?」
「? いや、気付かなかったけど……」
……見間違い、かな?
窓から誰かがのぞいてるような気がしたんだけど……
なんかこう、赤っぽい髪が見えたような気が……すぐ引っ込んじゃったけど。
でも、ナオヤも博士もメイも頭の上に『?』を浮かべてるし……気のせい?