音無キルコは、元傭兵の婦人警官である。
それゆえ、放置社会である日本ではおよそ考えられないトラブルを起こす。
ToLoveるなんてもんじゃなく、ガチのトラブルである。
常に背中に背負っている、長年の相棒である『トンファブレイド』という名前の武器と、それを用いて繰り広げられる、苛烈極まりない乱闘の数々。
『殺られる前に殺る』という戦場論だけが信条の彼女にとって……日本の警察官に求められる規律やら法律やらは、まどろっこしい以外の何物でもなかった。
それゆえに、しばしば短絡的な行動に出て、町の色々なもの……それこそ、個人が破壊なんてしようと思っても普通出来ないだろ、というようなものにまで被害を出す。
……先日などは、コンビニの前で乱闘になり、不良グループ全員が病院送りになり……その後の下着泥棒騒ぎでは、彼女の『ド本気』により、アスファルトの道路が前方数十mにわたって、掘削機でも通ったのかってくらいに荒々しく破壊された。
……そのたびに、先輩であり教育係でもある、安錠春樹は……連帯責任に頭を抱え、下がる一方の給料を嘆く。
きっちりとそのことを(私怨含めて)キルコに諭し、叱るのだが……頭では反省し、理解するものの、戦場育ちで行動原理そのものが違って形成されているキルコは、一向に改善の兆しを見せない。
そのことに堪忍袋の緒が切れた春樹は、最早恒例となりつつある仕事後の説教に、少しでもキルコが行動を改めてくれることを祈りつつ……でもやっぱり無理なんだろうな、とか思いつつ……今日も腹から声を出していた。
「何度言ったらわかるんだよ!? その凶器(トンファブレイド)が……あのー……ホントは完全に銃刀法違反なのは見逃してやるから、基本使わずに警察官らしく事件解決に当たれ、っていつも言ってんだろ!?」
「だってだって、今回は仕方なかったんですよ! 夜の歓楽街をパトロールしてたら、押元おぼつかない不審者が凶器振りかざして襲い掛かってきたんですよ!? 反撃以外の対処法があるっていうんですか!?」
「そう言われて俺が来てみたら、酔っ払いがお土産片手に千鳥足でキャバクラの客引きに絡んでるだけだったじゃねーか! お寿司の詰め合わせで人が殺せるか!? あぁ!?」
「で、でもその、一見なんでもない物に見せかけた小型爆弾なんかを使うのは、戦場では常套手段で……千鳥足も、ドラッグ使用者の特徴の一つとして警戒されてたし……」
「この法治国家でんなもんそこらにあるわけねーだろ! あの人もう完全にトラウマになったぞアレ!? 多分二度と寿司買って帰れねーよ!」
「でもでもっ! あんな不審者によってこられたら、普通の女性なら怖くて不安になってついつい持ってる武器で反撃しちゃうことだってありますよ!」
「武装してる時点で普通じゃねーっつーの! お前ちっとはその『普通の女性』のこと自分でも勉強してみろこの社会不適合者コルァァ―――っ!!!」
いつもの説教だったが……その中で、音無キルコは……ある1つのことに気付いていた。
『普通の女性』……自分でも、何気なく使ってしまったフレーズなのだが……その一点において、先輩である春樹の説教は、的を射ていた。
長いこと戦場で暮らしてきた自分は……この現代日本における『普通』というものが……いまだに理解できていない部分が多い。
それを勉強せずして、自分のミスに、そして先輩のお説教と給料カットに歯止めをかけることは出来ない……と、キルコは悟り……一念発起、その『勉強』を日ごろから心がけることにした。
……それから数日後の、ある日のことである。
☆☆☆
通勤途中の、電車の中。
そこで、音無キルコは……私服で満員電車に乗り、揺られていた。
前日起こった事件(という名の乱闘)の際、制服が汚れてしまい……今、クリーニング中なのである。
春樹に『予備の制服を着ろ』と言われ、こんなこともあろうかと用意していた、傭兵時代のミリタリー柄の服を着て行って……春樹にゲンコツを貰って、
で、『婦警』の制服の予備が無いという衝撃の事実が発覚、説教。
昨日急いで注文して、今日署に届くのだが、それまで―――と言っても、通勤時間だけなのだが―――私服で過ごすことになったのである。
そんな中、
―――ぴとっ、と、
電車内で、キルコは……自分のお尻に、誰かの手が当たるのを感じた。
驚いたキルコだが、とっさに『痴漢だ!』と気付き……愛用の武器に手を伸ばしかけて……はっとする。
……いつものパターンだと……この後、やりすぎて先輩の説教だ、と。
多分……痴漢を全治1ヶ月程度の怪我で入院させて……その際、満員電車だから周りの人も巻き込み兼ねなくて……最悪、列車が破損するレベルになる、と。
そこに思い至って……キルコの脳裏に、先輩に注意された『普通の女性のことを勉強しろ』という言葉がよみがえる。
非力な『普通の女性』なら……どうするか、この機会に考えてみよう、と思い……伸ばした手を引っ込めた。
しかし
(あれ!? 反撃しちゃダメなんならどうすれば!?)
普通の女性なら思い浮かぶ……『痴漢です』と叫んで、手首なんかをつかんで捕まえる、という手段が思い浮かばない。
加減を知らない彼女にとって対応は『殺るか殺らないか』でしかなく……反撃がNGとなると、それ以外の対処法がガチで見つからなかった。
(て、手首の関節はずすくらいならいいかな? で、でもそれじゃ逃げられちゃうかも……でも、それ以上だと加減がわかんないし……ああっ、先輩に『骨は何本までならOKですか?』って聞いておけばよかっ……っきひっ!?)
思考に集中している間に……痴漢の手が、だんだんと前の方に伸びてくる。
戸惑っている所に、さらにそんなことが起こり……戦場で鍛え上げたはずのキルコの強靭な精神も、だんだんと揺らぎつつあった。
法律、秩序、やりすぎNG……これらが、邪魔をする。
私服ゆえに、動きやすさ重視で短めのスカートであるキルコの……服の無防備な隙間から、手が侵入し、女性の秘密の場所をまさぐっていく。
下着がじんわりと濡れていく感触を味わいながら……キルコは、警察官的にNGな歯層しか浮かばず、だんだんと働かなくなってきた頭を抱える。
その、無抵抗な様子が……痴漢の嗜虐心を刺激してしまったのか……恥部をまさぐるその手は、さらに大胆な行動に出た。
「……っ……!!」
突然……ひんやりと冷たい空気が、キルコの股間を直接なでる。
下着をずり下ろされ……スカートの中で、彼女は前後の恥部をあらわにしていた。
そこに襲い掛かる、痴漢の魔手。
前と後ろの穴に……同時に手の指が入り込み、くちゅくちゅと音を立てて……濡れてきている彼女の秘裂を、手馴れた手つきで攻める。
もうこの際、反撃してしまおうか、と、眼帯で隻眼になっている視線だけで、背後にいる痴漢をキッと睨む。
(こんな酷いこと……普通の女の子なら、怖くて電車に乗れなくなっちゃうじゃ……あれっ?)
その時、である。
キルコは……あれだけわからなかった、『普通の女性』の心理が……ごく自然に、自分の中で理解できた……というより、普通に考え付くことが出来たことに気付いた。
(……! もしかして、追い込まれたことで、人間の女性が本来持ってる思考が……私の中にもあった、眠ってたそれが自然に出てきた、とか……? ……だったら、これを利用すれば……!)
キルコの脳内には、今のこの追い込まれた状況を利用して、先輩に言われたとおり、少しでも『普通の女性』の心を勉強する機会になるんじゃないか、という思いがあった。
その際、感激のあまり……警察官としては致命的なことに……『逮捕しなければ!』という思考が、思わず押しのけられてしまったことに、彼女は気付かない。
その時から……素振りでも態度でも、完全に無抵抗になったのを悟った痴漢は……止まることのない指使いで、キルコを責める。
秘裂を、菊門を……指が第2関節まで埋まるほどに深く入れ、かき回す。
女性が気持ちよくなるところを適確に責め……少しでもその指が前後に動くたびに、キルコの体の中を……快感の電流が走る。
キルコは、その中で……無力な女性の心理を必死で探求する。
(……っ……ふ、普通は……そうだ、恥ずかしくて、怖くて……抵抗できないんだ……! 多分、声を上げることも……何も出来ずに、なすがままなんだ……! だったら、私も……な、なりきらなきゃ……!)
たまたま近くにあった手すりに、両手で捕まり……無力な女の子になりきる。
同時に……手がふさがり、抵抗という手段がなくなったことにも気付く。
(それに……こんな姿見られるのが恥ずかしいから……逆に、気付かれないようにするんだ……何もせずに、極力自然体で……声も、出さないように……)
『普通』の思考のトレースには、皮肉なことに成功していた。
いつしか、反応までもがそれにそったものになり……足も、電車の振動で、よく見ないとわからないが……かたかたと震え始めている。
その様子に、いよいよ抵抗する気力も何もない、と悟ったのか……痴漢は、最後の仕上げに取り掛かった。
ふいに、その両方の穴から、手が抜き取られたかと思うと……
背後からは……カチャカチャ、ジーッ、と……何か金属同士がぶつかるような音が。
それが何なのかわからないキルコのスカートがまくりあげられ……直後、その秘裂に……熱くて太い何かが、押し当てられた。
その感触に、ぎょっとして……キルコは、その正体に気がついた。
(に、日本の痴漢って、こんなことまでやるの……!?)
戸惑うキルコの、下の口の入り口をこじ開け……痴漢の剛直は、ゆっくりと膣内に沈んでいき……もともとやや小柄なキルコとの体格差もあって、ほとんど全て、根元までその中にうずめた。
そのまま……欲望に任せて、腰を振り……彼女の膣内を、肉壷を堪能する。
(こ、こんなとこ……普通じゃなくても……私でも、見られたくない……っ! こんな、恥ずかしくて、悔しくて……っ……でも、勉強になる……っ!!)
自分よりもやや大柄であるらしい、痴漢の男の肉棒が……いくら体が強靭でも、鍛えようが無い部分を蹂躙する。
それに、むしろ歓喜するかのように……キルコの恥部は反応し、ぐちゅぐちゅと音を大きくして……愛液を溢れさせる。
外で雨が降っていたわけでもないのに、その足元には……水溜りが出来つつあった。
反り返って、中で震えるその逸物は……本能のままに、彼女の膣内で己の役割を羽田さんと、鉄のように硬くなって暴れまわる。
普段なら、暴漢など何十人いた所で、触れることも出来ないであろう彼女の体を……たった1人の中年男は、スペースが限られている中とはいえ、好きなように嬲っていた。
吐息が耳に当たり、鼓動が聞こえそうなほどに密着して……コレでは足りないとでも言わんばかりに、胸に両手を伸ばして揉みしだく。
上から下から快感を与えられ、生娘のように震えるキルコに……いよいよというか、だんだんと、最後の時が近づきつつあった。
痴漢が腰を振るペースが速く、強くなり……電車のゆれが些細なものに思えるほどに、激しく彼女の陰部に叩きつけられていく。
そんな状況でも、こういう時の無力な女の子の気持ちを体感することに集中しているキルコの膣内で……次の瞬間、
―――どくんっ、と、
膣内で何か、熱いものがはじけて……同時に、痴漢の腰が、ピストンを止め……ぐっと押し付けるような形で固定される。
その、刺さっている肉棒の切っ先から……断続的にほとばしる、熱い感触。
余韻を味わうように……痴漢の男は、いつまでも肉棒を奥に置いて、動かさない。
膣内の、奥の奥……子宮の中に流れ込むそれの感触を味わいながら……キルコは、ようやくこの時間が終わったことを悟っていた。
手すりに捕まり、息を荒くして……今感じているこの困惑が、悔しさが、『普通』の考え方なんだろうか……と、乱れた思考をめぐらせるうちに……ゆっくりと、その肉壷から肉棒が抜き取られた。
あやうく倒れこみそうになるところを……どうにかこらえるキルコ。
(こ、これで……少しは、先輩に言われたとおり……『普通』に近づく努力とか、できた……かなあ……?)
この教訓を、今後どう生かそうか……などと考えながら……
……結局、己の仕事の本分を思い出せず、次の駅で降りる痴漢を取り逃がしてしまうキルコであった。
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