倉庫街の騒動のあと朝まで飲みまくったエドガーは吸血鬼には到底起こることはあり得ない二日酔いという症状に悩まされながら夕方にアクアエデンの中で一番大きい病院に向かっていった
そして真っ先に昨日の夜の青年のことをある医者に聞いていた
「おい、昨日のガキはどうなっている」
「ひどいなぁエドガー君、僕のことを放置してあの子に夢中だなんて、いけないんだ♡」
「テメェ、寝ぼけたこと言ってるとアクアエデンの海に投げ捨てるぞ!」
ふざけた発言をする扇元にゲンコツをするエドガー
しかしその一撃も快感に感じたらしく扇元は声を荒げていた
(こ、このバカにはどんな薬も効かねぇんだな…ハァ)
trrrrrrrrr
ナースコールが二人がいる部屋に鳴り響く
「おや、昨日の子が目を覚ましたようだね」
「扇元、俺も昨日のガキに会いに行きたいのだが、構わないか?」
「構わないけど、どうしてだい?」
「昨日の件でガキは吸血鬼になっているのだろ?」
「そうだね、その事実は今から話そうと思ったんだ」
「ダメだ、医者のお前がそれを言うとかえって不安をあおる可能性がある、ここは吸血鬼の俺に任せてくれ」
「分かった、一応僕も付き添いさせてもらうよ」
エドガーについていく形で扇元は昨日の青年が入院している病室に向かった
病室にて
「よぉ、昨日のガキ、起きたか?」
「は、はい、あ、貴方は?」
「俺か?俺はエドガー・オレゴヴィッチ・アヴェーン、昨日の事件の時にいた一人だ」
「そ、そうですか、俺は六連佑斗です……その、今何時ですか?」
「今?16時50分だぞ、扇元っていう医者が言うにはお前、吸血鬼になってしまってるぞ」
「吸血鬼!?そ、そんな……く、倉端はどうなったのですか?あ、あいつ…風俗店に行くとか言ってたのですが…」
「その、そいつは…もうこの島にいない…どうやら強制退去させられたらしい、まぁ永久追放じゃねぇから安心しな、暫くしたらまた来るさ」
「そ、そうですか…」
「じゃあ、俺はこの矢来さんと用事があるから席を外すぞ、行くぞ」
「えぇ……わかったわ」
矢来と外に出た
病院屋上にて
「六連というガキのことだが…見舞金は出るにしろ、行き場所がないのだが…充てはあるのか?」
「そ、そうね…貴方のところは頼れるのかしら?」
「頼れるといいたいのだが…今はどの物件も満室だから……すまねぇな、力になれそうにない」
「そ、そう……」
「あっ…たしかアイツ…まだ高校生だったな」
「そうだったわ、転入手続きは私の方がやっておくわ…貴方は寮の子たちに事情を説明しておいてくれないかしら?」
恐ろしい笑みを浮かべて脅しを入れてくる
「人使いが荒いなまったく……分かったよ、分かりました!行ってきますよ!」
近道をするために病院の屋上を飛び下り近場に止めてあったBNR34に向かっていった
trrrrrr
寮に向かう道中一通の電話がエドガーのiPhoneに入ってきた
「俺だ、エドガー・オレヴィッチ・アヴェーンだ……って、小夜じゃねえか、どうした?」
「ようやくでおったか、バカモノ、今日は何の日か忘れたわけじゃなかろうな?」
「小夜との飲みの日か?」
「違うわ、バカモノ!それは昨日だったじゃろう、今日は定期報告の日であろうが……まったく……お主というやつは」
「あー!そうだった!定期報告のデータひっさげて今そっちに向かってるから10分ぐらい待ってろ!」
「待っておるぞ」
エドガーは通話を終了するとアクアエデン一大きい建物へ向かった
巨大ビルにて
小夜が待つ巨大ビルに到着したエドガーは受付に話を通し彼女の待つ一室へと向かっていった
「よぉ、小夜、約束通り来てやったぜ……って車いすの嬢ちゃんはどうした?」
「アンナは今、病院に行っておる」
「そうか、まぁ報告書だ、読んでくれ」
エドガーは小夜に報告書を手渡す
「報告書を見た限りではあ奴らはまだ動かぬようじゃな……で実際にお主が本土に行って感じたことはないのかのぉ?」
「って……それも言わないとダメか?」
「当然じゃ!エドガー、お主に裏の王の座を与え特別に島の外に出る許可を出しておるのはワシの代わりに直接本土の奴らの動きを探ってもらうためじゃからな!」
「この2~3ヶ月の間に奴らは小さいながらコミュニティを作ってやがった」
「コミュニティとな?」
「あぁ、その連中は吸血鬼は世界に必要のないゴミだと日本のあちこちでバカみてぇに演説をしてやがった、あれは放置しとくとめんどくさいことになると思うぞ、俺は」
「そ、そうじゃな……しかしまだ戦うのはよしておいた方がよさそうじゃな」
「あぁ、俺も不用意に戦うのはやめといた方がいいと思う、奴らの兵力は未知数、下手に喧嘩を吹っかけてもこっちが不利になるだけだからな」
「情報はそれだけか?」
「そうだな、俺と小夜、俺たちのパワーバランスを保つことこそ、このアクアエデンを活性化させることになるのだ」
「ふっ、でかい口を叩くようになったのぉ、WWⅡのころは本気で三日三晩殺し合いをしただけのことはある」
「そうだな……小夜、お前とはプライベートでいろんな意味でまたやりあいたいな」
「そうじゃな……その、来週は空いておるのか?」
「空いてるがどうしたのだ?」
「お、お主と……ま、また戦いたくなった……その、この島の闘技場に来てくれぬか?」
「分かった、来週のこの日に闘技場だな……武器や能力の使用は?」
「当時のシチュエーションでやりたいからのぉ、ワシは武器を使うがエドガーは武器の使用は無しじゃ、能力の使用は無しにしようかの」
「分かった、俺もここんとこ、マトモに戦ってなくて退屈していたんだ……その条件に付き合ってやるよ……血と因縁には逆らえないって奴かな」
「なら決まりじゃな……楽しみにしておるぞ」
「じゃあ俺は行くところがあるから今日はこの辺で」
エドガーは部屋を後にして外に駐車してあるBNR34で月長学園の寮に向かった
月長学園学生寮にて
愛車のBNR34で月永学園の学生寮に到着したエドガーは料理の材料とお土産を持って寮の中に入って行った
「おーい、このエドガーが来たぞ~」
エドガーは叫ぶが誰も来やしない
恐らくみんなはねているのであろう
「fu~しょうがねえ奴らだ……朝飯でも作ってやるかな」
エドガーはお土産を冷蔵庫に入れて厨房に料理の材料を置きエプロンを着用して寮のメンバーの朝食を作り始めた
「さて、俺やエリナの故郷の味でも作ってやるか……えーっとまずは牛肉を塊で切ってっと」
牛肉を塊で切り始める
それから覚えているレシピ通りに調理をしていると誰かが目を覚ましてフロアに降りてきた
「イイ匂イ…アノ匂イだ~」
「エリナ、起きたのか」
「うん……他のみんなはまだ寝てるよ~、まぁ、アズサは仕事に行ってると思うけどね~」
「そ、そうか……それよりこのビーフストロガノフの味見をしてくれないか?」
「うん、いいよ~」
エリナは小さい肉塊を一つ口にする
「ど、どうだ?久しぶりに作るから味に自信がないのだが」
「そんなことないよお兄ちゃん、故郷の味がちゃんと出せてる」
「そ、そうか…ならいいんだ…なぁ、エリナ…他のみんなも起きてないし…」
不意を衝くようにエリナを押し倒すエドガー
「えっ……お兄…ちゃん?」
不意打ちで押し倒されたエリナは大きく動揺する
「エリナ、お前をこうやって押し倒したのは四年ぶりだ……四年前はヤれなかったが、今なら……」
「ん……おにぃ……ちゃ…んっ…」
二人は濃厚なキスをする
二人は次の段階へ移ろうとした瞬間、閉ざされていたはずの玄関が開いた
「あれ?真っ暗ね……まだみんな寝てるのかしら?」
矢来は入ってきて暗いリビングを見渡す
(ヤ……ヤバい…こんなところ見つかったらこ、殺される…何とか切り抜けなければ)
テーブル下にエリナを引きずるようにして隠れようとするが支柱にぶつかってしまい物音がしてしまう
「そこにいるのは誰っ!?」
エドガー兄妹は矢来に見つかってしまった、しかも互いに上半身の服がはだけている状態で
「エドガー……貴方…こんなに部屋を暗くしてナニをしているのかしら?」
「それは…その…なぁエリナ?」
「ス、スキンシップだよ…ミュー…ナニ想像してたの?」
「ナ…ッ……ナニって…エドガー、ちょっと表に出て話でもしましょうか」
エドガーは矢来に外に連行されていった
ドガッ!バキッ!ボコッ!ドン!
ものすごく鈍い音が鳴り響きエドガーはある意味重傷を負って戻ってきた
「前から確信はあったのだが……矢来…アイツぁ、究極のSだ」
「ア……アハハ…でも、明日は学校も仕事もお休みだから…一日中…シてあげてもいい…よ?」
「い…いいのか?」
「うん、いいよ~」
「なら、俺の会社の社長室の合鍵を渡しとくから、準備ができたらいつでも来てくれ」
エドガーは自分の会社の社長室の合鍵をエリナに手渡した
それからしばらくして六連佑斗が布良とともに入ってきた
「エドガーさん、いつもお疲れ様です」
「梓ちゃん、もう仕事が終わったのかい?」
「はい…今のところはですね」
「そ、そうか…で、君が六連佑斗君だね、改めて自己紹介をするが俺はこの島である会社の社長をしているエドガー・オレゴフ・アヴェーンだ」
名刺を六連に手渡す
「何かあったらこの名刺の連絡先に連絡を寄越してくれ」
「は、はい…名刺は後日に渡すので今は連絡先をそちらに送るだけでいいですか?」
「構わねえよ」
連絡先を受け取った
「『朝食』ができたからそろそろ食わねぇか?」
「イイですね!」
「うむ、朝の生贄であるか」
「二コラちゃん、今起きたのか」
「これはこれは、我が盟友、エリナの兄上か」
「今日は俺が腕によりをかけて作った朝食だ、遠慮するなたんと食え」
「エドガーさん、スイマセン」
「いいんだぜ、稲叢、俺のエリナが世話になってるんだ、これくらいたまにやって当然なくらいだ」
「で…でも……」
「いいんだ、それより、お前の店で今度飲むから特上なやつをボトルキープ頼むよ」
朝食後
布良はあることをエドガーに頼んできた
「その、エドガーさん…頼みがあるのですがいいですか?」
「頼み?」
「本部から風紀のほうに回ってきた情報なのですが…V-ウイルスがある吸血鬼だけがこの島から消息を絶っている事件があるのです」
「ほぉ、それは興味深いな…どれ、詳しく聞かせてみろ」
「はい…エドガーさんが先日相手にした一団の女性吸血鬼から取引で入手した情報なのです、ここ数日で12~3名の吸血鬼が大型トラックに詰め込まれて拉致されたらしいです…風紀班では闇市場で高値で取引されているとかいないとからしいのです…その、エドガーさんにはこちらとは別捜査を行ってほしいのです」
「分かった、俺の方からも何とか手をまわしてみよう」
「あ、ありがとうございます!」
「じゃあ、俺は帰る」
「またねーお兄ちゃん」
エドガーはエリナの見送りに手を挙げて応えると寮の外に出た
「エドガー、貴方正気なの?相手は巨大な闇組織なのよ」
寮の近くに止めてあるR34の近くに矢来は立っていた
「さぁな、今の俺は正気から吹っ飛んでいるかもしれねえな」
「そ、そう…言っておくけど相手は巨大よ、せいぜいやられない様にね」
「ご忠言ありがとよ、情報が入ったら送ってやるから楽しみにしてな」
R34に乗ると自分の部屋であり仕事部屋でもある会社に帰って行った