紫煙を燻らす色呆け野郎 作:ユッケ
ですが、今回は性描写はありません。
第17話 〜彼女の手段と瓦解する決意〜
俺は今、宇宙船を操縦している。
目的地はフライパン山。要はチチに会いに行く最中なのだ。
こうしてチチに会いに行って、互いの欲情を解消するのが、ブルマとのデート前の定番となっている。
前世を思えば宇宙船を足代わりに使うなんて、ある意味では贅沢の極みと言えるだろう。
「それにしても……せっかくの宇宙船だと言うのに、殆ど車代わりだ。機能を無駄にしてると思うと、どうにも心苦しいな。」
以前買ったエアカーに至っては、ブルマとのドライブデートで一度使った以外には乗る機会すら無い。
……これではどちらも宝の持ち腐れだ。
「まぁ、宇宙船の使い方は追い追い考えよう。それより……俺は今日もまた、チチに圧倒されてしまうのだろうか……?」
毎度の事だが、チチの体力と性欲は底なしだ。
今日のように抱きに行く度、俺はひたすら搾り尽くされるばかり……。
今回ばかりは修行で身体能力の上がった成果を発揮して、フラフラにならずに帰りたいものだ。
「充分に身体も休めたし、体力も万全。……これなら、チチの欲求に圧倒されずに済むかもな。」
そう意気込んでチチを抱きにフライパン山を目指した。
のだが……。
「……酷い熱だ。お粥か何か作ろうか?」
いざ着いてみれば、なんとチチが体調を崩して寝込んでいた。
いくら底なしの体力があるとは言え、流石に病には勝てなかったらしい。
「コホッコホッ……タケルさ……。でも、今日はお尻の日だべ……。」
「馬鹿言うな。こんなに辛そうなチチを抱ける訳ないだろう。」
「うぅー……。でも……おら、1週間も我慢して……。」
「今日はダメだ。チチが元気になるまではお尻はお預けだな。」
そう言って体温計を脇に挟ませ熱を計る。
すると、計り終えた体温計を見れば、39℃近くもある高熱だった。
まったく、あんなビキニアーマーをずっと着ているからだ。
そろそろ違う服を着るように言わないとな…
幸いにも宇宙船で来ていたので、その船内には備え付けられていた常備薬がある。
中には風邪薬や解熱剤なんかもあるので、いち早くチチに飲ませてやるべきだろう。
そう考えて、俺は急いで宇宙船から薬を取りに行き、すぐさまチチにその薬を飲ませてやった。
結局チチを抱く事なく、俺は今日1日をチチの看病にあてる事にした。
やはりチチが寝込んだままでは、帰宅しても心配で修行に励もうにも身が入りそうにない。
俺がしっかり看病してやるべきだろう、と判断したのだ。
そうして、しばらく看病している内に次第に熱も下がっていき、顔色も良くなっていく。
どうやら薬が効いたようだ。
これで良くならなかったら病院に連れて行こうと思っていたが、恐らくこれで一安心だろう。
「ふぅ、ただの風邪か……。 とにかく大事にならなくて良かった。」
熱が引いて楽になったのか、チチは穏やかな顔でスヤスヤと寝ている。
それにしても、まさか汗をかいたチチの身体を拭いている時にまで愚息が立ち上がってしまうなんてな……。
我ながら病人に欲情するなんて、愚息の見境の無さには辟易する。
その時は、出番だと勘違いして張り切る愚息を我慢させようと、無駄に苦労する羽目になったのだが……それがチチに気付かれなくて良かった。
万が一ガチガチの愚息に気付かれたら、体調なんて御構い無しに、嬉々として咥えてきそうだからな。
それだけに、やむを得ないとはいえ今日は抱いてやれなかったのが悔やまれる。
俺もそうだが、抱いてやれないとなるとチチもかなり鬱憤が溜まるだろう。
次に来る時は、出来得る限りチチの期待に応えてやらないといけないな。
「また来週、だな。」
俺はそう言いながらスゥスゥと穏やかな顔で眠るチチの頭を撫で、起こさないよう静かにその場を離れ、西の都郊外へと宇宙船で帰って行った。
翌日。
予定通り、俺はブルマと共に巨大テーマパークへとやって来た。
今日のデートではいつもより早めに待ち合わせて、開園と同時に入ったテーマパーク内をブルマと恋人繋ぎをしながら歩き回っている。
「ねぇ! 次はあの乗り物に乗らない?」
「ああ、そうだな。なかなか迫力がありそうだ。」
そう言って2人して絶叫マシンに乗る。
乗りながらキャーキャーと叫ぶブルマの姿は中々に可愛いらしい。
こんな姿を見れるのは、恋人である俺の役得だろう。
同じように次々と別のアトラクションを巡ったが、どのアトラクションでもブルマは非常に楽しそうにしていた。
喜んでくれて何よりだ。
やがて日も沈みかけてきた頃、俺たちはブルマの提案で観覧車の前で手を繋ぎながら順番待ちの列に並び、しばらくして乗り込んだ観覧車の中でゆっくりと景色を眺めていく。
「あー楽しかったぁ。 ね、タケルも楽しかった?」
「ああ、また来ような。……さて、そろそろ日も沈むし、観覧車を降りたら家に帰ろうか?」
そう言うと、ブルマは少し悲しそうな表情を見せた。
最近ではデート時に俺が帰りを促すと、毎回こんな表情をするようになった。
当初から寂しそうにはしていたが、こんなに悲しそうなブルマを見ると胸が苦しくなる。
やはり年頃の女の子には、夕方までのデート止まりではいくらか物足りなく感じてるのだろうか?
俺としてもブルマといるのは楽しいので、いつかは夜のデートも経験させてやりたいとは思うのだが……。
しかし、これ以上はブルマが危ない。
特に今回はデートは、前日にチチを抱いていないので俺の愚息が暴走して、ブルマの貞操を散らしてしまう危険が大いにある。
これまで耐えてきたとはいえ、流石にこれ以降の時間帯では愚息を抑えきれる気がしない。
やはり帰宅時間をズラすにしても、次のデートからだ。
それも愚息を落ち着かせた状態でなければならないのだから、どの道今日は早く帰さなければ。
「今日も、ダメなのかしら。」
息を吐くような声でブルマが呟く。
しかし、その呟きは考え事をしていた此方の耳には届かなかった。
「まだ帰りたくないのか? だが、帰りが遅くなるとブリーフ博士も心配するだろう?」
「……そうね。でも、最後にこれだけはいいでしょ?」
そう言って、物憂げな顔をしながら顔を寄せてきた。
そんな夕日に照らされているブルマが、此方に唇を向けてそっと目を瞑る。
俺はその求めに応じて、下り始めた観覧車の中でチュッと唇を合わせてやった。
………………
…………
……
テーマパークを出て、帰宅時のお決まりとなったブルマのエスコートをして屋敷の前まで送り届けた。
そしていつものように、来週のデートの約束を取り付けようと話しかける。
「それじゃあ、また来週だな。次は映画でも観に行こうか?」
「……。」
しかし、ブルマは無言のままに黙り込む。
早い帰宅に不満を感じているようにも見えるが、何処か俺に何かを言おうとして迷っているようにも見える。
「……タケル! ちょっと来てっ!」
ブルマがそう言って、唐突に俺の手を引き敷地の中へと連れて行こうとする。
俺はそのまま庭までグイグイと手を引かれながらも、ブルマの行動に戸惑いを隠せないでいた。
「な、なんだ? どうしたんだブルマ??」
そんな俺の疑問の声に耳を傾ける事なく、ブルマは先へ先へと突き進む。
そして……
「さあ、この中に入ってちょうだい。」
たどり着いたのは、例の離れだった。
不意にパンチーさんを抱いた日の光景が蘇り、記憶に強く残っていた喘ぐパンチーさんの姿に、隣に居るブルマが重なった。
同時に、激しく求めてきたパンチーさんの具合を思い出し、それによってズボンの中で愚息が自己主張し始めた。
……ハッ⁉︎
いかんいかん! 欲情したら駄目だ‼︎
一旦、ブルマに行動の意図を聞いて冷静にならなければ。
「なぁ、ブルマ? 俺に何か用事があるのか?」
「いいから入ってっ!」
ブルマはグイグイと俺の背中を押して、離れの中へと入れようとする。
なすがままに離れに入れられた俺は、流れるように何時ぞやのソファへと座らされた。
「ここで待ってて! すぐ、飲み物持ってくるから!」
「あ、ちょっとブルマっ……!」
俺の制止の声も聞かずにブルマは離れを出て行った。
やむなくタバコを取り出し、火をつけて深く紫煙を吸い込んだ。
「フゥゥ〜〜……。いや……まさかとは思うが、な。」
離れで待機する俺。
飲み物を持って来るというブルマ。
この状況が、何時ぞやのパターンを連想させる。
……ここまでされたら、パンチーさんの時と同じ用件なのではないか? と思わず下世話な推測をしてしまう。
だが今回はパンチーさんではなく、ブルマなのだ。
いくらなんでも、そんな安易な展開にはならないだろう。
そんな事を考えていると、ガチャリと離れのドアが開いた。
そちらを見ればブルマが離れに入って来ており、その手には見覚えのあるお盆が持たれていた。
やはりその上にはオレンジ色のジュースとおしぼりが乗っている。
……偶々だ。
家族揃ってあのジュースにハマっているだけに過ぎない。
きっとブルマは、俺にもそのジュースを飲ませたいだけなのだ。
「おまたせタケル! ね、このジュース美味しいのよ? ほらっ! 飲んで飲んで!」
「あ、あぁ……頂くよ。」
ひとまずタバコを消し、手渡しでブルマからジュースを受け取ろうとする。
しかし……
「うおっ⁉︎ ズボンがっ⁉︎」
ブルマの手から不自然にジュースが溢された。
よりにもよって股間辺りにかかった所為で、まるで漏らしたかのような有様だ。
「ごめん、こぼしちゃった! ……えっと、確かこの後は……あ、あの場所を、おしぼりで拭けばいいのよね///」
そう呟きながら、ブルマがおしぼりをちょんちょんっと股間に当ててくる。
おしぼりが当たる度に、愚息が硬度を増していく。
……やはり、パンチーさんに教わったか?
だとすると、ブルマが俺に求めているのはただ一つ。
そして、今の俺がブルマに求めているのも……ただ一つ、だ。
堪らず俺はブルマの手首を掴んで引き寄せ、背中に手を回してギュッと抱きしめた。
「きゃっ⁉︎」
急に手を引いた所為でバランスを崩したブルマが、俺に体を預ける形になった。
そうして密着したブルマの胸から、跳ねるような鼓動が俺に伝わってくる。
その鼓動を感じながら抱きしめ続けていると、やがてブルマからも恐る恐る抱きしめ返してきた。
「これ以上は……我慢出来ない。」
俺はそう言って、ブルマの唇に貪りついた。
「ん゛んっ⁉︎」
俺が観覧車の時のような優しいキスではなく、貪欲に相手を求めるディープキスをした事に、驚きと戸惑いが混ざったブルマの声が上がる。
……もう原作なんて知った事か。
こんなにも分かり易く求められているのに、俺がブルマをこのまま抱かない訳がないだろう。
据え膳食わぬは男の恥、だ。
彼女を抱きたい。
今の俺の頭にあるのは、ただそれだけだ。
ようやくブルマのターンです。
……しかしまだ次回分を書き終えておりません。
21日までには投稿する予定で作成しておりますので、もう暫しお待ちください。