インフィニット・ストラトス 〜まどろむ狼たち〜 作:ラグ0109
兵器から人へ
人から女へ
私はこうも変われたのか
クリスマス…私にとってこの聖夜と言う存在は、特別な意味を持たなかった。
それもそうだろう…私は
祖国の為に戦うために調整された、所謂試験官ベビーと言うやつだからだ。
私の存在はそこで帰結してしまっている…と、思っていた。
私は今、そわそわとしながら優秀な副官であるクラリッサや、他のシュヴァルツェア・ハーゼの隊員の皆が選んでくれた衣服に身を包んで空港のロビーに立っている。
今日は特別な
私の便宜上の父である人は、そんな私の為に無理をして休暇を取り付ける始末…こうしてみると、私は父に愛されていたのだろうと思う。
厳格な軍人としてでしか見ていなかった父について、少しばかり見方が変わるような一瞬だったな。
…しかし、恥ずかしいな。
私は、愛機と同じく黒の衣装に身を包んでいる…それも所謂ゴシック・ロリータと呼ばれる類の衣装だ。
以前、シャルロット達に着せ替え人形にされた臨海学校の買い物の時に送った写真が、私の所属する基地内で大きな反響を呼びちょっとした騒ぎになったそうだ。
夏休みに祖国に帰った時に、やたらと写真撮影があったのだが、どうやらその写真が原因だったのだな…。
ともかく、私を色々着せ替え隊なる怪しげな部隊が非公式且つ極秘裏に設立されたため、基地に戻ると私は服に困らない状態に陥っている。
陥ってるのだが、どれも機能美とはかけ離れたものばかりで、げんなりとしてしまう。
「父様はまだだろうか…?」
行きかう人々の視線にさらされながら、父様…いや、銀 狼牙の到着を待つ。
IS委員会付きの専用機持ちとなった狼牙は、国籍を剥奪されていた身から自由国籍持ちとなり、自由に海外へ足を延ばすことができるようになった。
勿論、所謂大義名分は必要だが…。
今回のドイツ入国の理由は、ドイツ空軍特殊部隊への教導だ。
同年代の若い専用機持ちのみならず、非公式での二代目ブリュンヒルデとの戦闘は各国から注目を集めるのには十分だった。
ましてや第三次形態移行を唯一行った男性操縦者ともなれば…。
現在、この狼牙に近しいとされる国は我が祖国ドイツの他にセシリアの英国、楯無のロシア、簪の日本の四ヵ国だ。
言うまでも無く、狼牙が囲っている女性が所属している国家だ。
私達からすれば囲われていると言うよりも、私達『が』囲っていると言った方が正しい。
そんなわけで、親密であることを他国に知らしめるチャンスと政府は捉えているのだろうが…まぁ、私としても少しばかりセシリア達より良い目を見たいので、このクリスマス・イヴと明日のクリスマスを狼牙と過ごせるように頑張ったわけだ。
…前置きが長くなったが、銀 狼牙と言う人物が、私に戦う存在以外の在り方を示してくれた。
最初は親子…そして今は…。
「待たせたな…ちょくちょく連絡は取っていたが…」
「父…いや、狼牙。ようこそ、ドイツへ」
狼牙は旅行用のトランクを引きながら、此方へと小走りでやってくる。
私の方からも駆け寄って行きたかったのだが、一応…そう、一応部隊の皆が見守る中で恥ずかしい真似はしたくないので堪えている。
…さっきから見られている視線の中には、護衛と称したシュヴァルツェア・ハーゼの隊員の視線もある。
無論、皆遊び半分なのが部隊長として悲しい所なのだが…休みをもらっている身としては何も言えまい…うん。
「そう、堅苦しくなるな…教導訓練は明後日からだし、今日と明日はオフなのだろう?」
「そ、そうだが…」
「可愛い服に身を包んでいるのだ…何時もの様に接してくれなければ…まぁ、なんだ…寂しいだろう?」
「~~っ!」
狼牙は私の気を知ってか知らずか…多分、知ってて笑みを浮かべながら慈しむ様に私の頬を撫でていく。
温かく、優しい手…それが私の頬を撫でていくだけで、部隊長としての矜持は脆く崩れ、女としての私が表に出てくる。
それでも必死に私は取り繕って、顔が真っ赤なのも分かっているが澄ました顔で狼牙を見上げる。
「み、皆が見ていない所なら…できる…」
「中々、二人きりと言うのは難しいだろうに…兎に角、教導が終わるまでの間世話になる」
「あぁ、大船に乗ったつもりでいてくれ!」
私の頬を撫でていた手が離れていくと、少しばかり名残惜しく感じるが…まぁ、それでもこれから二人だけの時間と言うのも作れるのだ。
少しばかりは我慢すべき…そう思い、先導するように先を歩こうとすると後ろから手を繋がれて思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
「ろ、狼牙!?」
「恋人同士で、クリスマスなのだから…それとも、我儘に過ぎるかな?」
「い、いや…かまわ、ない…くぅ…!」
まったくもって私らしくないが私らしい…ドイツでの日々が始まろうとしている。
疲れた…。
とにかく、疲れた…。
私には、シャルロットや簪が貸してくれるコミックのヒロインの様には振舞えないようだ。
狼牙にドイツの首都であるベルリンの観光案内をしいていたのだが、やはり…こう、クラリッサ達の視線を感じると学園よりも接しづらい…。
だが!
狼牙の宿泊先のホテルの中までは流石にクラリッサ達も監視はできまい…これで、どうどうと狼牙に接する事ができる。
無論、今日明日とオフである私は、外泊許可も抜かりなく取ってある。
何時もの様に自然に狼牙の隣を歩き、自然に狼牙の部屋へと入り込んで急いでカーテンを閉める。
高層階のホテルの部屋とは言え、クラリッサ達が覗いていいないとも限らない。
入念に部屋のチェックを済ませて、異変が無い事を確認すればホッと胸を撫でおろす。
「流石に、束さんが背後にいると言うのに喧嘩を売る馬鹿もおるまいよ…?」
「いや、万が一があっては困るからな。セシリア達にも顔向けができないし、後悔をするくらいならば…えーっと…そうだ、石橋を叩いて渡るくらいの慎重さがあってもいいだろう?」
「そういう実直な所は、非常に部隊長らしいんだがなぁ…」
「む…含む言い方だな?」
私とて、学園内での振る舞いに関しては自覚している。
しかし、狼牙が傍に居ると甘えたくなる…理性と自制があってこその軍人ではあるが、どうしても本能に逆らえない。
狼牙も狼牙でそんな私をしっかりと受け止めてくれるので、余計に歯止めが効かないのだ。
私は狼牙へと小走りで歩み寄って、力の限り抱きしめる。
ウサギは寂しがり屋…と言う話を聞くが、なるほど…黒兎とて寂しがり屋に変わりは無い。
狼牙の温もり、狼牙の匂い…その全てを身体全身で感じていく。
「漸く、いつも通りか?」
「…私とて部下の前ではカッコつけたいんだ…その目が無ければ構わないだろう?」
「俺としては、学園でのラウラを見せてやりたいとも思うんだが…」
狼牙は優し気な笑みを浮かべれば、此方へと顔を近付けて唇を重ねてくる。
キスの味は甘酸っぱい、ミックスベリーの味がする…と言うような話をシャルロットとした気がする。
まさしく、そんな味だ…狼牙にキスをされるだけで心臓が爆発しそうなくらい高鳴り、そして締め付けられる様に切なくなる。
私は狼牙の首に腕を回して背伸びをし、自分から意気込んで舌を狼牙の中へ入れる。
狼牙は私を受け入れ、互いに息をつかせる暇もないままに舌を絡め合い、互いの唾液を混ぜ合わせていく。
私と、狼牙が混ざり合っていく…そんな感覚さえ覚える頃に漸く互いに顔を離して見つめ合う。
「ラウラ、どうにも抑えが効きそうにない」
「構わない…私とて女だし、狼牙であればいつでも…」
「まったく、悪い父だな…俺は」
「私の旦那様になるのだろう?」
私はフフン、と鼻で笑いながら狼牙から離れて衣服を順に脱いでいき下着姿になる。
最初、クラリッサに衣装どころか下着まで提案されたのだが、所謂『勝負下着』とやらくらいは自分で決めたかった。
どういう下着が雄を刺激するのか、そう言う事を考えるのは…まぁ、楽しかった。
私を見て、愛する人が興奮してくれると言うのならば、これ程うれしい事は無い。
私は簪よりも…幼児体系だしな……いや、いつか私とて他の人間の様にもっと女性らしくなる、はず…。
私は薄い紫のシースルーのキャミソールと所謂ローレグパンティー、それにガーターベルトとニーソックスと可能な限り狼牙の嗜好を白蝶から聞き出して身に着けている。
このガーターとやらは、狼牙の好みらしいのだが…どうなのだろうか…?
「…白だな?」
「…昔の嫁の事は良く分かる様だな」
すぐに勘付かれてしまい、少しばかり不満に思って唇を尖らせてソッポを向く。
すぐにそうやって分かってしまうのは、付き合いの長さがあるからなのだろうが…。
「いや、すまん…あまりにも好みを突いてくるものだからな…良く似合っている」
「まぁ、良いだろう…ただ、今夜は…私だけを見てもらえないだろうか?」
「あぁ…二人きりなのだからな」
狼牙は私に近づいて優しく頬を撫でれば、体を抱きかかえてベッドまで運び覆いかぶさってくる。
私は狼牙の温もりが欲しくて、首に腕を回し離れない様にする。
「その…優しくしてくれ…いっぱい、愛してくれると…嬉しい」
「もういらんと言っても愛するさ…これで利己的だからな」
狼牙は私が引き寄せようとする動きに逆らわずに顏を近付けさせ、まるで貪るようなキスをする。
口の中を狼牙が蹂躙していくだけで頭の中が蕩けていく…。
私は必至に狼牙の求めに応えながら、狼牙の衣服に手をかけて脱がせていく。
幼いころにできた傷と、最近できた傷…。
まだら模様の様に正常な肌が少ない狼牙の肉体は、同年代の誰よりも鍛えられていて、まるで彫刻のよう。
私は狼牙の体に手を這わせて温もりを求めていく。
織斑教官が与えてくれた温もりとは違った温もり。
教官が軍人としての私を救ってくれたのならば、狼牙は私に人間を与えてくれたのかもしれない。
「んっ…ふぅ…ちゅ…あつ…」
「ん…そんな恰好をするからだ…」
布越しに分かる、狼牙の股間…いきり立って苦しそうにしているそれを布越しに撫でて刺激していく。
もっとも、布越しでは満足できないもの…私は直ぐにベルトに手をかけて、狼牙のいきり立っている股間を外気に晒して直に触れていく。
ドクドクと脈を打ち続ける股間を優しく手で擦りながら、玉袋を空いた手で優しく揉んでいく。
刺激を与えるたびに先走りが先端から溢れ、にちゃにちゃとした感触を私の手に伝えてくる。
私は狼牙と体の位置を変えてベッドに寝転がってもらい、狼牙の頭に跨る形で覆いかぶさって匂いを嗅いでいく。
「すごい…におい…」
「随分と、興奮しているみたいだな…っ…」
狼牙は夢中になっている私をよそにパンティーの上から私の割れ目を指でなぞり、シミをつくっていく。
もどかしく、けれども触れられているのを感じるだけで背筋をゾクゾクとした快楽が駆け抜けていく。
声を押し殺しながら私は狼牙の股間を頬張り、舌を這わせ味わっていく。
狼牙の味が口いっぱいに広がり、それだけで軽く達してしまって身震いしてしまう。
「んんっ…んぐ…ろう、が…ぁ…」
「っく…随分、積極的だな…っ!」
一心不乱に狼牙への奉仕を続けていると、狼牙も一方的に攻められるのは性に合わないのか下着をずらして私の中に指を入れ、クリトリスを押し潰す様に刺激してくる。
いきなり与えられた刺激に私は思わず口を離し、びくびくと体を痙攣させながらもっともっとと腰を振る。
まるで、淫売か何かの様だ…けれども、狼牙の前ではそうならざるを得ない。
狼牙が欲しくて、狼牙が感じたくて…そう願っているから。
「もうぐちゃぐちゃだな…」
「い、言うなぁ…っあ!」
狼牙はワザと音が鳴るように激しく私の膣中をかき混ぜ、与えられる快楽に耐えられず腰を突き上げる形で狼牙の上に倒れ込む。
何度も何度もイかされて私は息も絶え絶えで、狼牙は意地の悪い笑みを浮かべながら私をベッドに寝転がし、愛液のついた指を舐める。
「まったく…やたらと上達してて焦る…」
「っう…はぁ、はぁ…ひ、ひどいでは、ないか!」
「俺は悪い男、なんでな?」
私は、ゆっくりと息を整えながら力の入らない腕を振り回して抗議する。
狼牙は、我関せずと言った体で私の腕を掴んで眼帯を取り外し、忌まわしくも愛しい左目を外気に晒す。
狼牙と同じ、金の瞳。
私を落ちこぼれにせしめた金の瞳。
「お揃い、だな」
狼牙の言葉に、静かに頷く。
狼牙と同じ色の目…それだけで繋がりがあるようで私は酷く舞い上がってしまう。
単純かもしれないが、とても大事な事だ。
「狼牙…寒いから、温めてくれ…」
「あぁ…そうだな…」
狼牙は私の言葉に頷き優しくキスした後に、私の両足を掴んで優しく開かせてゆっくりと膣中に股間を埋めていく。
充分に濡れているとはいえ、体格差もあって無理矢理押し広げられるような圧迫感と、凄まじい快楽が私の体を支配していく。
根元まで入りきったころには、強い快楽に口をパクパクと魚の様に動かし体が痙攣しつづける。
私は、今、狼牙で、いっぱいになっている…。
「動く、ぞ…?」
「あぐっ…んああっ!」
普段では考えられない様な淫らな声…完全に発情したウサギの様に私は狼牙の腰の動きに合わせて腰を動かし、一緒に快楽を貪っていく。
今この場に居るのは、獣だ。
快楽と言う快楽を貪り合う淫らな獣…本能的に互いを求め合い、何度も何度も体を重ねていく。
戦うだけではない事に意義を感じられる…人の様に愛し合って良いのだと実感できる。
歪んでいたものが正されて、私は私だと改めて認識できる。
「いっ!ひぃっ…ろう、がぁっ!」
次第に腰を打ち付けられる速度が速くなり、私は打ち付けられる度に達し続け何を言っているのか、どんな声を出しているのか正常な判断が出来なくなる。
狼牙の体に必死にしがみ付き、離れない様に背中に爪を立てながら必死に意識を保つ。
「っく…ラウラっ、出る…!」
「そ、そのままっ、ああああ!!!」
ぐりっと奥に擦り付けらると同時に狼牙が果てて、私の中に子種が注ぎ込まれると頭の中が真っ白になって体中の力が弛緩する。
ぼんやりとした意識の中、何かが引き抜かれると同時に、下着が一気に湿っていくのを感じる…どうやら力を抜きすぎて失禁してしまったようだ…。
「ろう、がぁ…もっと、シて…」
「イヤでも愛すると、言った…」
狼牙の顏を両手を伸ばして挟み込む様にして触れ、もっととせがめば狼牙は笑みを浮かべてキスをする。
夜は始まったばかり…今日は、しっかりと刻み付けてもらおう…。
「ココアでよかったか…?」
「……」
私は恥ずかしさのあまり、無言で頷いてココアの注がれたマグカップを受け取った。
…兎は発情すると、性器が傷ついても子作りすると言う話を聞いたが…そこまで似たくない…。
結局朝まで体を重ね、私のお腹の中は狼牙の匂いが染みついて離れなくなっている。
いや、幸せなのだけども…もうすこし己を律しなければ駄目になってしまいそうだ…。
ちびちびとベッドの上でココア飲んでいると、後ろから狼牙が抱きしめてくる。
「ラウラ…」
「なんだ…?見損なってしまったか?」
「まさかな…ただ、無性に愛するお前の名を口にしたかっただけだ」
愛する…たったその一つの言葉だけで、私の胸の中は一杯になる。
単純な物なのだろうが、女としてはとても大切だ。
獣欲を満たすためだけではなく、愛するからこそ交わる…女としてこれ程幸せな物は中々無いように思える。
…そこまで人生経験豊富と言うわけではないが。
「今日はゆっくり休んで、明日に備えるか…」
「教導と言ってもアレだ…学園でやってる訓練をそのままやるだけだ。相手が全員軍人になるが」
「俺がやって良い事ではないと思うんだがなぁ…まぁ、やれと言われたらやるしいかないが」
「狼牙は胸を張っていいと思うぞ」
私は狼牙に背中を預けてクスリと笑う。
今日はクリスマス本番…きっと、私にとっての特別な一日が始まる。
聖夜、ラウラ編
全員分書きます…えぇ、書きますとも←
なお、苦情は受け付けないスタイル(ぁ