インフィニット・ストラトス 〜まどろむ狼たち〜 作:ラグ0109
また一つ、私はあなたと夜を明かすの
深夜零時。
私は今、鏡の前で上機嫌で化粧をしている。
特別な日、特別な始まりに心躍らせている為だ。
お母様の執り成しと言う名の言い包めの甲斐あって、お父様が正月の仕事を一手に引き受けてくれたから。
更識家の三が日は、その全てにおいて心休まる暇がない。
と、言うのも私の家の性質が原因だ。
暗部を担う都合上、政界財界問わずパイプ作りをしていかなければならないし、その為の交流も行わなければならない。
セクハラ紛いの絡み方をしてくる男たちの相手をすると言うのは、想像以上に堪える。
もちろん、嫌がるそぶりも喜ぶそぶりもしてはならない…調子づかれても困るし。
だが、今年は…今年からは違う。
そう言った都合を無視してでも優先しなければいけない案件が、私の手元にあるからだ。
それは、銀 狼牙との交流…と言う名の骨抜きだ。
いや、骨を抜かれてるのは私
狼牙君は、今世界の関心の中心に居ると言っていい。
IS操縦者としても、保有している専用機にしても…そして、その特異な交友関係においても。
篠ノ之 束博士と密接な関わりがある彼は、博士の手綱を握れる現状唯一の人間。
博士の今後の暴走に対するストッパーと、あわよくば技術供与の橋渡し役として飼い殺しにしたいのだ。
…絶対、無理だけど。
おかげで、私と簪ちゃんに美味しい役回りが来ているのは有り難いことよね。
「簪ちゃんは明日合流だったわね?」
「うん…お姉ちゃんが羨ましいけど、明日は時間をくれるんでしょう?」
親愛なる妹である簪ちゃんは、不仲だったのが嘘だったかのように甘えるように私の膝に座って抱き着いてくる。
今までの反動と、狼牙君との夜とを一緒に過ごしてきたからか、少しばかり過剰なスキンシップの時がある。
時折、狼牙君の持つサドっ気が簪ちゃんにもある気がしてくるのは、きっと気のせい…だと思いたい。
簪ちゃんはそんな私の心の内を知ってか知らずか、ぬくもりを求める幼子の様に強く体を抱きしめてくる。
「こっちは、お父さんが逃げ出さないように、キチンと見張っておく…お姉ちゃんはいつも仕事漬けなんだから、今日くらいはね?」
「ありがとう、簪ちゃん」
簪ちゃんは、首をふるふると横に振って笑みを浮かべる。
過去にいた、おどおどとした不安そうな少女の面影はそこになく、一人のしっかりした女性の顔がそこにあった。
こんな顔をするようになったのも、狼牙君のおかげなのかしら…?
「…お姉ちゃんと、こうして居られるのって、なんだか不思議。ほんの少し前まで…届かない人だと思ってたのに」
「私たちは、たった二人の姉妹なのよ…届かないなんて事は無いの。ただ…少しすれ違いがあっただけ」
互いの掌を合わせて指を絡ませながら握り合えば、クスリと笑う。
私は口下手で…キチンと想いを伝えることができなかった…けれど、今は違う。
大切な人に大切だと言えるし、愛している人に愛していると心の底から伝えられる。
もう、子供でもないから。
「うん…それじゃ、お姉ちゃん…楽しんできてね?」
「えぇ、明日は遅刻厳禁よ?」
「お姉ちゃんじゃないから大丈夫」
「時折、簪ちゃんの言葉がナイフの様に鋭いわ…」
これでも、遅刻はした事が無いのだけれど…。
私たちは、クスクスと笑って一緒に部屋を出る。
今日は特別な日…新年の始まりの日だから。
家を出て、狼牙君と一緒に初詣を済ませてから手を繋いで夜道を歩く。
冬の夜風はとても冷たくて、キチンと着込んできたにも関わらず、私の頬は朱に染まっている。
あまりの熱さにくらくらするくらい。
手を繋ぐことなんてなんてことは無い。
だって、デートの時はいつだって手を繋いでくれるし、歩きづらくたって腕を組んだって付き合ってくれる。
そう、本当になんてことのない行為で心がポカポカで、そして、恥ずかしい…。
一本のマフラーを共有するように、互いの首に巻き付けているからだ。
…まるで、首輪を互いにつけて繋げられているようだ。
「刀奈、口数少ないが…大丈夫か?」
「えっ…う、うん…その…自分で提案しておいて、恥ずかしいなぁって…」
私は狼牙君の手を強く握り直しながら、顔を俯かせる。
子供の時に漫画やドラマで見たこの行為…憧れではあったのだけれど、いざやってみると他人の視線が気になって仕方がない。
主に、生暖かい視線が。
「…お前のそう言うところは中々見れんからな、しっかりと目に焼き付けておくか」
「んもう!狼牙君は時々意地悪よね!」
私は唇を尖らせながら、握っている狼牙の手に爪を突き立てるように握る。
狼牙君は痛くも痒くもないと言った体でハハハと笑うだけで、嫌がる素振りを見せようともしない。
…意地悪、と言っても、狼牙君は私や他の恋人達の我儘にキチンと付き合ってくれる。
私達を大切に見てくれるから…私達はその好意にズルズルと甘えてしまう。
本当は、狼牙君に甘えてほしいのにね。
暫らく歩いていると、人気のない…と言うより、人除けを徹底的にしてある山道に入る。
少しだけ私が先を歩くようにして、その道を歩くと一軒の二階建ての豪邸が見えてくる。
「…こちらは洋風なのだな」
「お母様の趣味よ。せめて別荘くらいはってね」
大きな門の前に立って、カバンの中からリモコンを取り出してボタンを押すと、ゆっくりとした速度で門が開いていく。
この家は更識家が保有している山の中に建てられた、いくつかあるセーフハウスの一つだ。
徹底的な人除けは、私と簪ちゃんの邪魔をさせないため。
学園に戻るまでの四日間を初日は私が、二日目に簪ちゃん…そして、三日目以降を姉妹そろって狼牙君と過ごすのだ。
セシリアちゃんとラウラちゃんには悪いけど、クリスマスは譲ったわけだし…まぁ、これくらいはねぇ?
一人、ニヤっと笑みを浮かべると後ろから狼牙に抱きしめられる。
「すまんな、避難先の提供をしてもらって」
「気にしないの…私や簪ちゃん達はいつだって貴方の味方なんだから」
避難先…この言葉は語弊でも何でもない。
と言うのも、狼牙君が孤児院に戻ると、ここぞとばかりにマスコミ関係者が孤児院へと押し寄せるようになってしまったのだ。
学園にいる間は、学園自体が壁となってマスコミをシャットアウトできるけど、そうでない時はマスコミも接触し放題になるから…。
ある意味世界の中心にいる彼は、後ろにいる人物こそ凄まじいものの、本人にはなんの権力も与えられていない。
武力では勝っていても、社会的な力が全然無いのだ。
こちらからもマスコミには圧力をかけてはいるものの、効果が出ることはなかった。
と、なると孤児院に迷惑をかけたくない狼牙は、家に帰ることができず…かといって学園も正月中は全面的に休校状態になるので寮に居るわけにも行かず…私に相談してきてくれたと言う訳。
海外に出なかったのは、何か問題を起こしたときに対処しきれなくなる可能性があったからでしょうね…言ってはなんだけど、狼牙君語学苦手だし。
「お前たちには頭が上がらんよ」
「報酬は、きっちり貰うわよ?」
「いつもしている事だろうに…」
「んふふ~、それはそれ、これはこれよ!」
私は狼牙君の腕をぐいぐいと引っ張って敷地へと入る。
滞在期間中は、基本的に私と簪ちゃんしかこの家に居ない。
気分的には新婚生活のそれかもしれないと思うと、心が浮足立ってしまって仕方がない。
「引っ張るな引っ張るな…」
「や~よ、旦那様?」
「っ…ノリノリだな…刀奈?」
私の顔を見た狼牙君は、クスリと笑って肩をすくめるのだった。
夜遅くと言うこともあってシャワーを軽く浴びて、同じベットで抱き合うようにして就寝した翌朝…私は一足先に目を覚まして、幸せそうに眠る狼牙君の唇に触れる。
新年の朝は快晴…窓から差し込む陽の光はほんの少し眩しい。
抱き合って寝ている形になっているせいか、お腹の辺りに固いものが当たっているのが分かる。
寝ているだけなのに硬くなるのって、本当に不思議よね…?
大切な大切な狼牙君の…旦那様のために、私は一つ悪戯を思いついてモゾモゾと体を動かして狼牙君から離れる。
「…すー…ンン…フ…」
「んふ~…久々にいい夢見ているようね…」
穏やかな寝顔を見せ旦那様を尻目に、私は布団の中にもぐりこんでパジャマのズボンごと下着をずり下ろし、一気に口で少しだけフニャっとしたペニスを咥え込む。
朝一から何してるんだろうとも思うけど、今日は一日中淫蕩に耽ると決めていた私は、ここで止めようとは思わない。
丁寧にペニスを舌で嬲って行くと、徐々に口の中で膨らんでガチガチに固くなる。
旦那様はまだ夢の中なのか起きる気配はない…それでもびくびくと反応を示しているところを見ると、体は素直みたいね。
「んっ…はぁ…んん…」
玉袋を手で優しく揉みながら、頭を上下に振って喉奥まで犯してもらう。
口の中はカウパーで雄の匂いが染みつき始めている。
私は行為と匂いとで興奮しきり、股がぐじゅぐじゅに濡れているのを感じてしまう。
息が苦しくなってペニスから顔を離そうとした瞬間にいきなり掛布団をはぎ取られ、上から手で押さえつけられて離すことができなくなる。
「んっ…んんっ!!」
「…新年の朝に何をしているか…?」
「んぶっ…ふぐっ…!!」
…旦那様はどうやら起きてしまった様で、少しばかり怒った様な口調で私の口をまるでオナホの様に扱ってくる。
息をする暇もなく喉奥を突かれていく。
苦しさに涙を流しながら、だけど…この行為に悦んでいる。
「っく!!」
「んんっ…んくっ…ケホッ…!…んあ…」
唐突に喉奥に絡みつくような濃さの精液を放たれると、あまりの量に口から吐き出してしまい、旦那様の腰を汚してしまう。
ようやく顔を離すことができれば、私は旦那様のペニスを扱きながら、吐き出してしまった精液を舐めてきれいにしていく。
「ん…れろ…ね、旦那様…今日は…繋がっていたいの…」
「随分と…発情しているのか?」
「だって、二人きりだから…他人のこと、気にしなくていいから…っ」
私は着ていたローブを肌蹴させて、何も身に着けていないことを旦那様に見せれば、射精したにも関わらずガチガチのペニスに跨ってそのまま挿入する。
たっぷりと濡れていた下の口は容易く旦那様のペニスを咥え込み、きゅうきゅうと締め上げていく。
「んっあ…ふふふ…」
「随分とエッチだな…」
「だって…っん…シたかったし…姫はじめっだし…!」
私は、刺激を絶えず与えるように腰をグラインドさせて快楽を貪っていく。
狼牙は私の手を引いて体を密着させるように抱きしめてくる。
「っ…だからって、朝っぱらはどうなんだ…?」
「やっ…今日は、いっぱい、甘えるんだからっ!」
私は息を荒げながら、腰を擦り付ける様にして動かしていく。
普段ならば、朝からあいさつ回りをし、作り笑いをし、仕事に励んでいる頃合い。
だけど、今日は違う…今日は一人の女で居られるから、こうして積極的で居られる。
誰にも邪魔さえず、本心を見られることなく、全てを旦那様だけに見せつけることができる。
びくっと体を痙攣させると、頭の中が真っ白になって、達してしまう。
「んんっ!!だ、だから…今日、だけは…繋がっていたいのっ!」
「まったく、俺とて限界はあるからな…?」
旦那様はそれだけ言うと、優しくキスした後に舌を滑り込ませながら体を起こして持ち上げてくる。
私はしっかりとしがみついて、旦那様から離れないようにするだけ。
別荘である家を見回るように、練り歩きながら突かれる。
何度達しても体は旦那様の体を求めて燃え上がり、私にまともな思考なんて許さなくなってくる。
リビングで、キッチンで、書斎で、はたまた玄関で…。
私は場所を問わず嬌声を上げ、旦那様に犯され続ける。
お腹の中はすでに白で染まり切っていて、旦那様との結合部からあふれ出してしまっている。
「あっ…んあ…だ、旦那…さま…んんっ!!」
「っく…はっ…もう、出ない、ぞ…!」
陽が落ちるころに寝室へと戻ると、ベッドに仰向けに押し倒されて乱暴に奥を突かれていく。
ぼんやりとした頭で何度もキスをねだり、舌を舐られ、体をのけ反らせて達する。
望んだとおりに淫蕩に沈み、旦那様に愛され続ける…堕落しきっているけども、そこに幸せを感じずにはいられない。
惚れたとか、そう言うことではない…本能的に愛を求めて仕方ないのかも…。
私が達すると同時に旦那様も果てて、息も絶え絶えに私に伸し掛かる。
「…もう、すっからかんだ…」
「ん…うれし…こんなにシたの…初めてよ」
「で、なければ困る…」
旦那様はクスリと笑って私に優しくキスをすると、ゆっくりと離れて隣に体を横たえる。
私は少しだけ寒くなって、旦那様の体にしがみつくようにして身を寄せる。
「ひどい、匂いね…お風呂と、おそうじ・・しなきゃ…」
「明日にしよう…今は…ゆっくり…」
旦那様は私の頭の下に腕を通して、腕枕をしてくれる。
まるで、甘い誘惑の様に眠気が襲ってくると、私はそのまま眠りについてしまうのだった。
久々のエロ更新。
しかも正月(時季外れ)
もう初夏だっていうのに