ここまで長期的なストーリーを優先した作品も珍しいと作者自身思います(苦笑)
長ったらしい話になるでしょうが、どうか堪忍してください(汗)
4/5:誤字修正 ×ジャガ→○シャガ
アイリスが裏社会の存在を知り、背徳的な行為を体感した日から数日後。
成り立て故に知名度が低いチャンピオン・アイリスに初めて長期的な仕事が入った。
今日はその打ち合せで、ソウリュウシティのシャガ宅にてその依頼者と対峙する。
「……なるほど。お話は解りました。こちらとしても是非」
緊張しているのかガチガチに固まっているアイリスに代わって書類に目を通したシャガが頷き、遅れてアイリスもコクコクと頷いた。
「おお、受けてくれますか。ありがとうございます」
そんな2人が了承してくれた事で表情を綻ばせる、チャンピオンに仕事の依頼をした白髪混ざりの好々爺・トク。
ゼブライカのような白髪混ざりの髭を蓄え、立ち上がって握手を交わす姿は普段から鍛えているシャガに劣るものの随分と若々しい。
「かのポケモンビジュアルムービー社会長直々の頼みとなれば断るわけきもいきますまい……むしろアイリスに世間を勉強させる良い機会です」
握手を交わしながら嬉しそうに言うシャガ。それほどの好条件だったのだ。
ポケモンビジュアルムービー社。略してPBM社。ニュース番組を始めとした様々なテレビ番組を手がけるテレビ企業だ。
「善い所も悪い所も余すことなくお伝えする」をモットーとしており、様々な視点で物事を撮影・論議していく。
ポケモンの育て方やバトル講座なども取り扱っており、上記の方向性もあって視聴者からの評判も高い。
そんなPBM社がアイリスをスカウトし、幾つかの番組にゲスト出演して欲しいと依頼してきたのだ。
中には各地を旅しながら撮影するという長期間の仕事もあるが、アイリスが世間を学ぶにはむしろ都合が良いとシャガは思っている。
それにアイリスも積極的に賛成しており、ここしばらく元気がなかったのが嘘のような積極性を見せていた。
「ではアイリスさん。暫くの間、よろしく頼むよ」
「は、はひっ。よろしくお願いしみゃすっ」
にこやかに笑って握手を求めるトクに対し、アイリスは噛みながらもトクの手を握ってブンブンと振る。
(これほどまでに大きな仕事は初めてなのだ。緊張するのも無理はない)
シャガはそんなアイリスを見て思う。
この間もタンスの肥しにしていた可愛らしいワンピースを自分から着ていたし、自立の意志を感じさせてくれた
(……これが旅立つ娘を見送る親の気持ちなのかのぉ)
徐々に祖父離れしていくアイリスを想うと胸に寂しさが沸き、ポロリと涙を零すシャガなのであった。
一方のアイリスは、目の前で笑顔を浮かべる好々爺を見ながら冷や汗を掻いていた。
緊張している理由は初仕事でも重役相手でもない。彼の正体を改めて知ったからだ。
(聞いていないよ……このお爺さんが、こんな偉い人だったなんて!)
そう―――アイリスはあの日、この老人と既に出会っていたのだ。
―――
時は遡って数日前。ガバイトと初エッチし処女を破られて数時間後の話だ。
「……まさか本物のアイリスちゃんだっただなんてねぇ……サインもらえるかい?」
「あ、はい……いいですけど」
時刻はお昼頃。心身共に回復したアイリスはカレツと共にコーヒーショップ「ダンデ・グライオン」で昼食を取っていた。
先ほどまでの惨状やこれまでの悩みが嘘のように気持ちは晴れやかで、マスターから受け取ったサイン色紙に意気揚々とペンを走らせている。
対してカレツとマスターの表情は暗い。アイリスの正体を知ってしまったが故に。
「はい、どうぞ」
「はいよアリガトさん」
「あと、サンドイッチのお代わり頂戴!美味しかったよ!」
「嬢ちゃんのような美少女が喜んでくれるなら喜んで」
「マスター。ほのぼのしている場合じゃない」
アイリスとマスターのカウンター席越しのやり取りを見て憎げに睨み付けるカレツ。絶賛不機嫌中だった。
そんなカレツを見て溜息を吐くマスターと、サンドイッチを銜えながら不思議そうに首を傾げるアイリス。
「ねぇカレツさん、なんでそんなに機嫌悪いの?……サンドイッチ食べる?」
ツナマヨサンドを差し出すアイリスだが、カレツは長い為息を吐くばかり。
やがて意を決したように表情を正し、アイリスと向き合う。
「悪いことは言わねぇ。今日のことは全て忘れて出てけ。そして明日から二度と来るな」
「……ふぇ?」
真顔でそう宣告されたアイリスは目を点にしてマヌケな声を出した。
あんな目に合わせて最終忠告までしておきながらこのような事を言われ、混乱している。
アイリスは慌てて、横を向いて視線を合わせようとしないカレツに問い詰めようと身を乗り出す。
「ど、どうして?オノノクスとエッチできるようになるまで教えてくれるんでしょ?」
「おいおい嬢ちゃん、口を慎みな。ここだから大丈夫だが」
「はう……け、けどなんで?」
「嬢ちゃんがチャンピオンだからだよ」
慌て出したアイリスを落ち着かせるようにマスターが口を挟み、黙り込むカレツの代わりに説明しだす。
「お前さんが良くても周りがダメなんだよ。一般人がじゃなくて、俺達みたいな裏に通ずる人間がな。
俺達は強くて偉い人に悪い事をしたくなるし、逆にされたがる奴もいる。しかしジムリーダーやチャンピオンとなると……逆に怖いんだよ」
「怖い?」
「本当はスパイで入ってきたんじゃないかって不安になるんだよ。
俺達は悪い事だと解っても悪い事をしたがる連中だから、バレないように色々な工夫をしているんだ。
もしも凄く強くて偉い人が入っていたりしたら、内側からバラされちまうかもしれねぇ。そしたら皆まとめて逮捕だ」
そう言ってマスターは、親指で自分の首を切るような仕草を見せてアイリスを脅す。
ビクっとなるアイリスを見て小さく笑い「冗談だよ」と言ってから説明を続ける。
「だから自分から申し込んできたとしても、ジムリーダーやチャンピオンが相手なら受け入れる前に突っ返すもんなんだ。
……ところがどっこい、この性悪坊主ときたら、嬢ちゃんの素性を確かめもせずに受け入れちまってなぁ」
「やかましい」
じと~っと見ながら指差すマスターに堪えられなかったのか、カレツが不機嫌そうに睨み返す。
コワいコワいと茶化してからアイリスと向き合い、困ったように肩を竦める。
「だから俺達の為にも、そして嬢ちゃんの為にも……嬢ちゃんには日常に帰って欲しいんだよ」
せっかくなのにな、と残念そうに呟くマスター。そして黙ったままのカレツ。
この2人の反応からして本当の事なのだろうとアイリスは思い、しばらく視線を下にして考え込んでしまう。
このままなら自分は帰れる。けどこのまま帰れば自分は後悔するかもしれない。
されどこのまま残ればこの人達が困るし、何より居場所が無くなってしまう。
そんな様々な思考を頭の中で巡らせながら、アイリスは出されたサンドイッチとカフェオレにすら手を出さず、じっと黙り込む。
マスターは客が少ないことを理由にグラスを磨き、カレツは黙々とコーヒーとサンドイッチを食う。
そうして静かな時が流れていき―――1人がカウンター席を叩いて立ち上がった。
音に反応して見ると、その人物は周囲を注意深く見渡してから、2人に言い放つ。
「このまま私を帰らせたら、私はこの場所を皆にバラすよ!」
立ち上がった人物……アイリスが大胆な事を言い出し、マスターとカレツは身の毛が弥立つほどの驚愕を味わった。
マスターは驚きのあまりグラスを落とすが、カレツはなんとか冷静に対応しようとアイリスに詰め寄る。
「何を考えてやが――」
「絶対にバラす!ジャガの御爺ちゃんにもアデクの御爺ちゃんにも、シロナさんにもカミツレさんにもフロウさんにも、ヤーコンさんにもアーティさんにもバラす!」
「―――おいコラ、調子に乗んな!」
まるで死刑宣告のようにペラペラと喋り出すアイリスの肩を掴み、カレツは秘密兵器である写真を突き出す。
「オナニーしていた時だけじゃねぇ。ガバイトとセックスした写真もある。てめぇはチャンピオンの名に泥を塗る事に」
「それでもバラす!みーんなに話しちゃうもんね!私は脅されたんだから仕方ないし、チャンピオン辞めてもいいもん!」
「話を聞きやがれガキンチョ!」
話を聞いていないのではない。話を聞く気がないのだ。チラチラとカレツを見ているのがその証拠だ。
マジだ―――カレツはアイリスが本気であることを悟り、顔から血の気を引いた。マスターもアワアワし出す。
アイリスは2人を見てニヤリと笑みを浮かべ、カレツと向き合った。カレツはアイリスの笑みを見て歯軋りし、何を言い出すのかと身構える。
「だからカレツさん―――アイリスをチョーキョーしないと!」
「……は?」
今度はカレツが目を点にする番だった。呆然とするカレツを余所に、アイリスは堂々とした顔で言葉を続ける。
「アイリス知っているよ!こういう時、悪者は秘密を握った子供をエッチにチョーキョーするんだって!」
「どこでそんなこと知った!」
「ある人のベッドの下に隠していたエッチなマンガで」
そのある人が誰なのかは敢えて語るまい。1つ言うとすれば、その人は地方中を旅したことのあるトレーナー、ということか。
あまりにも堂々としている相手をどう対応すべきかと躊躇する2人だが、アイリスは構わず、目尻に涙を浮かべて言う。
「私だってエッチな悪者だもん!チャンピオンだけど、私だって悪い事もっと知りたい!感じたい!エッチしたい!オノノクスとエッチできるようになりたい!」
やがてアイリスは我慢できなくなった子供のように駄々をこねはじめ、バタバタと暴れ出す。
徐々に声色が安定しなくなったこともあり、どうやら本気の「泣き」が入っているようだった。
「だからアイリス、
「に、肉奴隷、だと?冗談も大概に」
「冗談じゃないもん!エッチできるんなら何にでもなるもん!チャンピオンのお仕事もするし、良い子にだってなる!全部全部、私の叶えたい事だからぁ……!」
嗚咽が混ざり、目尻に浮かんだ涙の量が増え、顔を真っ赤にして我侭を申し出るアイリス。
子供らしい我侭な申し出に頭を悩ませる、カレツは後悔と苛立ちで満ちた頭を抱え出す。
「……ふぁっはっはっは!こりゃ参ったわい!」
突如として大笑いし出したマスターに驚き、視線を集中させるアイリスとカレツ。
実に楽しそうに笑い、やがて笑いが止んだマスターはカウンター席に設置された扉を潜ってアイリスに近寄り―――
「実はワシ、君みたいな幼女が大好きなんじゃよ♪」
―さすさすと尻を堂々と擦ったのだった。
「ひゃあぁぁぁんっ!」
「ほっほっほ、イヤーではなくヒヤーか。結構結構」
お尻を触られて悲鳴を上げたアイリスを見て笑うマスター。ギロリと睨まれるが、「元気でよろしい」と笑うだけだった。
「観念せぇカレツよ。この子の執念は本物のようじゃ」
「しかしマスター……」
続いてカレツの横に並び、ポンポンと宥めるように肩を叩く。
対するカレツは不服そうにマスターを見るが、当人はそれを無視するようにアイリスと向き合った。
「よろしい、君の願いを叶えてあげよう。このトクにドンと任せなさい」
張った胸をトンと叩いてまた笑い出す、コーヒーショップのマスターことトク。
今度は2人が置いてけぼりにされて唖然とし出すが、トクは気にせず楽しそうに笑うのだった。
―――
そして数日後。この間に様々な契約や打ち合わせをした後、トクはジャガの前で正体を晒したのだった。
「コーヒーショップのマスターとは趣味の姿。その正体は、割と有名なテレビ会社の会長・トクじゃったのじゃ!」
「さっき知ったよ?」
「ソコはホレ、お約束って奴じゃよ」
白く染めていた髭を洗い流し、ゼブライカのような鋭い髭を擦る老人・トクを睨むアイリス。
2人は自家用だというヘリに乗ってソウリュウシティを飛び立ち、子会社があるというヒウンシティへと向かっていた。
野生の鳥ポケモンの為に設計されたからかローター音も静かなもので、快適な空の旅を堪能している。
「さてさて、これから忙しくなりますぞチャンピオン殿。研修、社会見学、撮影などスケジュールがテンコモリなんじゃからな」
「はーい」
すっかりトクに慣れたアイリスは暢気に返事するが、同時にワクワクが止まらないらしく、足をプラプラと揺らしている。
小さな窓から見える景色を眺めているアイリスの顔を見ながらトクは笑みを深め―――アイリスの太ももをそっと撫でる。
「それともう1つのスケジュールもチェックしておくようにの」
「……うん」
アイリスに嫌悪感は無い。期待と不安で胸が一杯でそれどころではなかったからだ。
スケジュールは2種類ある。1つはチャンピオンとして。もう1つは志願者として。
この日よりアイリスは、表と裏の世界を学び、様々な【悪意】を学んで立派に成長していく。
それは本人の知る由ではないが、少なくとも彼女にとっての節目になったのは確かだろう。
ハードだけど合意だともっといいなぁと思ってこんな展開。我ながら強引な理由だと思っています(汗)
それでも止められない止まらない。それが妄想だもん(ぉぃ)なお、PBM社は作者の独自設定で原作とは全く関係無し。
次回よりアイリスの社会勉強と調教が本格的にスタート。様々な陵辱や快感がアイリスを襲う。
次回からエロを増やして行きます。合意かつ研修でもあるので、ダーク要素は低め。
お手本としてモブトレーナーが陵辱・調教される様子も出す予定。
プロットを作成して安定していく予定(書き溜めして貯蓄したわけにあらず)ので、
後ほど活動報告にてリクエストを設ける予定です。お暇でしたらご意見等ください。