※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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 一色の御胸に抱かれてから30分ほどゆらゆら。

 そろそろ行かないとなーでもまだもうちょっとーと、平日の朝の寝起きみたいな問答をしていると、耳元で柔らかな声がした。

「えへへ……先輩、こうしてると赤ちゃんみたいですねえ……」

「…………」

 …………。

 こんにゃろう……。

 胸の谷間(ある程度はある)から恨めし気な目を向けると、一色が目を細めて穏やかな表情を浮かべて俺を見つめた。あ、あれれ? 怒るに怒れないぞ……?

 ううむ、反応に困るなあ……と思っていたら。

「ほ~れほれ、よしよし~」

「…………」

 頭をさすさすと撫でられた。

 え、なにこの羞恥プレイ……?

 一色の声音は明らかに俺をからかう時のそれで、恥ずかしいやら悔しいやらこいつ可愛いなやら色々な感情が入り乱れる。

 うん、これは反撃せねば。

 汗ばんだ一色の身体から、ほんわりと漂う甘い香りにくらくらしながらも、どうしてやろうかと考えを巡らせる。

 思考中。

 思考中。

 思考――

 よし、決めた。

「ひあっ!?」

 行動に出た途端、一色が驚きの声を上げた。

 胸の突起に吸い付いてみたのである。赤ちゃん扱いされたから、折角だから便乗してみた。

 ……まあ、外から見た絵面は気にしない、うん。

 ちゅぴっ、とわざと音を立てながら突起を舌で転がすと、俺の頭を抱く腕がふるふると震える。

「あ、あん……先輩、だめですよお……? そろそろ行かない……と……ひんっ、ひうう……っ」

 ほんのついさっきまでは穏やかだった一色の声音が、平静を装いながらもみるみる色を帯びていく。

 口に含んだ突起を舌先でつつき、もう片方の突起を人差し指と親指できゅっと摘まむ。

 びくん、と。

 一色の身体が一瞬跳ねて、身体の震えが増した。

「いううう……! せ、先輩、だめ、だめですって、やんっ、ほ、本当に……ひんっ、あっ、あっ、あっ……」

 じっとりと汗ばんで、桜色に染まっていく柔肌に益々昂揚する。やばい、ほんのちょっと反撃したらやめるつもりだったのに、やめるにやめられなくなってる……!

 まあ、どうせならもう少し楽しもう。

 舌を左右に往復させながら、摘まんだ指に更に力を込めると、

「ひああああっ!? だめ、だめだめだめ、だめ、おかしくなっちゃう、……スイッチ、入っちゃうよお……」

「……っ!」

 耳元でこんな、男の理性を簡単に焼き切るようなセリフを、とびきり甘い猫撫で声で囁かれるなんて……と、一瞬、それだけで気持ちが昇天してしまいそうだった。

 まずい、非常にこれはまずい。

 本当に、襲ってしまいそうだ。

 双丘に更に顔をうずめて、もう少しだけ、もう少しだけ――と、止まれなくなる予感を抱きながらも行為を進めようとすると。

 ――こつん、と。

 おでこに心地良い硬さのものが当たる。

「……?」

 見上げると、一色がおでこを当てていた。互いの睫毛が触れ合う程の距離にまで迫ると、一色が色めいた目を細めて、ゆっくりと口を開く。

「もうちょっと……待って。……ね?」

 可愛く首を傾げて、おでこにちゅっと軽くキスをする。

「~~~~~~~~っ!」

 わー! きゃー! わー!

 タメ口は今までは喘ぎ声の中にだけ混じっていて、普段はきっちりと敬語を使う一色なんだけれども(律儀なやつだなあと思う。その分、色っぽい声でタメ口を使われた時の破壊力がいちいちえげつない)……こんな、こんな風に……うおああああ!

 尋常でない程興奮すると同時に、はっと目が覚めた。まだ返事をしていない。

「……はい」

 何故か敬語で答えてしまったが、

「わかったのならよろしい! ……えへへ……」

「うぐ……」

 あの……おでこをこすこすするのやめてもらえませんかね……またなんか、理性がぶっ飛んで同じ流れになりそうで怖いです、はい……。

 

       ×  ×  ×

 

 ようやく起き上がると、一色が下着を着替えたいと言ったため、今は俺はベッドの上に座り、一色が着替える間後ろを見るようにしていた。壁とお喋りするのは慣れてるから平気である。平気っていうか正気じゃねえなそれ。

 ……うーん。

 さっきの「……ね?」が、頭の中を反芻する。

 一言どころか、一文字の破壊力。ううむ……恐るべし、一色いろは。

 後ろから微かに聞こえる、下着と肌がしゅるしゅるとすれ合う音がものすごく想像をかき立ててくるので、必死で他の考え事を……と思ったのだけれど、結局一色のことを考えていた。ううむ……恥ずかしい。

 下着を替えるだけならそんなに時間は掛からないか。でもちゃんと選ぶのならもう少し時間がかかるのかなー……などと考えていると。

 ――しゅる……ぱさっ。

「……っ」

 静かで乾いた、落下音がした。

 聞き慣れたようで聞き慣れない、微かなのに強く脳髄に染み込む音。

 ……今、一色は……。

 知らず知らずの内に身体は強張り、こくりと喉を鳴らした。

 ――と。

「……ん?」

 得も言われぬ感覚が突如押し寄せてきて、小さく疑問の声を漏らす。

 何か音がした訳ではないし、この空間に居るのは俺と一色だけ。その事実も変わらない。

 なのに、この感覚はなんだ?

 そう言えば、一色は何をしているのだろう? てっきり、着替えを取りに行って下着を着けるとばかり……まあ、何も着ないままそんな行動をするというのも変な話だけれど……などと思っていると。

 今度は、得体の知れない感覚がもっとはっきりとしてきた。

 熱を持った何かが近付いてくる。

 一色はどこだ? なんで何も音を立てない? もしかして何かあったのか? 疲れて倒れてたりしないだろうか?

 頭の中を様々な思考が、複数放ったねずみ花火の如く激しく入り乱れる。

 ――これは、振り向いて様子を見た方が……。

 そう思い、背筋を伸ばしたその時。

「……え」

 ふっと視界が暗転した。

 ……んん?

 瞼の上に、柔らかな細長い感触がある。

 ……何事だ?

 先程までの混乱も伴い、脳がキャパオーバーになって思考停止状態になる。

 すると、背後から、気の抜けた声が聞こえてきた。

「だーれだ?」

「…………」

 …………。

 ……俺のシリアスな展開風モノローグに費やした時間を返せこんにゃろう……。

 しかし、そんな雰囲気を引きずっていてもしょうがない。さっさと思考を切り替えて、こいつの悪ふざけに付きあってやるとするか。

「こんな可愛いことをするのはアレだな、小町だな」

「うわ、ここで妹さんの名前を出す神経を疑います……ていうか、あれ、今可愛いって……」

「あ、や、それはちょっと、その」

「『その』、なんですか? 今の言葉はうそなんですか?」

「お前明らかにからかってるだろ。絶対にやにやしてるだろ、今」

「えー、そんなことないですよー? 先輩がうそついたのかと悲しんでる所ですー。えーんえーん」

「やめろやめろ、心がこもってないセリフを言ってウソ泣きしながら、指をもぞもぞさせるのやめろ。目が休まっちゃうだろうが、気持ち良いだろうが」

「ノリノリじゃないですか……」

 と、こんなやりとりをしている間も、依然として視界は暗転したまま。

 そして背中に柔らかい感触が。ぽちぽちと2つのものが……んん?

 あ、そうか、あの音がした後、結局――

「先輩、わたし今、何も着てないんですよ?」

「なっ……」

 ある程度予想していたとは言え、こうやって本人からはっきりと告げられると、鼓動が一気に高鳴る。

「ふふ……」

 一色が、慌てる俺の様子を見て楽しそうに笑う。

「……っ、お、おい……?」

 一色が、俺の目を片手で覆って、解放されたもう片方の腕を俺の首にしゅるりと回す。

 それと同時に、身体の密着度を更に強め、身体が満遍なく触れ合う。

 ……満遍なく……上も、下、も……。

 一色の下腹部の想像が勝手に頭の中を駆け巡る。

 頭の中に浮かぶのは下腹部が薄白い靄に包まれた一色の裸体だ。ついさっきまで見ていた分、強く鮮明に思い浮かべる事が出来る。

 現在進行形で背中に感じる柔肉の感触と、頭の中に想起される一色の裸体とで、頭の中がすっかりかき回されて、思考がまとまらないままに本能だけはきっちり反応して、肉棒がぎちぎちに反り返っているのが感覚で分かった。

「……ちゅっ」

「……っ!?」

 一色の唇が、耳にそっと触れる。

 びくっと震えると、一色が小さく笑った。

「……あは、先輩の、すごいですね……」

 言って、首に回した手でしゅるしゅると胸板やお腹を撫でる。その手は下腹部に及びそうで及ばない。

 期待と焦れったさに震えていると、一色の手が胸板の上でぴたりと止まる。

「……見たい、ですか?」

「……っ!? う……あ、や、その……」

 指の腹で乳首をさすりながらの、突然の誘惑。

 思いがけぬ言葉に、どう返したら良いかと答えに詰まる。

 しかし、俺の迷いをあざ笑うかのように、一色がくすりと笑う。

「……あは。だめですよー? ……今は、まだ……ね?」

 甘く囁くと、再び首に腕を回し、両手にきゅっと力を込めてくる。

 そして、耳に口を近付けたかと思うと、

「ちゅっ、ちゅぴっ、今は……はうっ、ちゅぱっ、まだ、……んふうっ、ぴちゃ、ダメですけど……ちゅぴゅ、ちゅぱ……その分、ちゅぴ、ちゅっ、んはあっ、ちゅっ、……後で、んちゅるっ、ちゅぽっ、……いっぱい……ちゅっ、……可愛がってくださいね?」

「~~~~~~~~~~~~っ!」

 耳に舌を入れられ、信じられない程いやらしい誘いと共に、水音が幾度と無く弾ける。

「ちゅぴ、ちゅぴゅ……ふふ、……わかりましたか? わかったら……」

 ぱっ、と視界が明転する。

 実際経過した時間よりも妙に長い時間目を覆われていたように思えて、久しぶりに感じる電灯の眩さに目を細める。

 視線を横に滑らせると、一色の艶めいた表情をした顔が俺の肩に乗っていて、頬と頬が触れ合っていた。先程までの異様な興奮とはまるで違う、幸せなくすぐったさが身体に染み渡る。

「……わかったら、キスしてください」

 そこだけ妙に可愛らしくおねだりされて。

「……あいよ」

 我ながらやけに素直だなと思う即答をすると、軽く口付けを交わした。

「……んっ。えへへ……じゃあ、着替えますから、もう少し我慢しててくださいねー……んっ」

「ちょっ、おい……っ!?」

 離れ際に、身体を屈めて亀頭にキスをするという信じられない事をしてきた一色に、理性が吹き飛びそうな予感を覚えながらも、何とか見ないように、襲わないようにと我慢して、耐え忍んでいる内に一色の着替えが終わった。

 耳から脳内に直接送り込まれた一色の甘い言葉と、離れ際の亀頭へのキスが脳裏を過ぎる。

 ……や、もう、小悪魔のレベル、越えてますやん……。ちょっと可愛すぎて訳分かんない。

 耳をさすりながら、ぽへっと正面の壁を見つめる。

 耳に残る湿り気が、つい先程までの婀娜やか(あだやか)な時間が決して夢ではないことを告げていた。

 

 

 

 続く。




やや久しぶりのいろはすでした。いろはすを書き過ぎて、1週間も書いていないと「前書いたの1ヶ月前かなあ……」みたいな感覚に陥ります。
いろはすが近付いてくるシーンを書いてみて、こういう緊張感の伴うシーンをもっと書いてみたいなーと思いました。

この作品の初期~中期くらいの頃に、感想で「ヒロイン視点も見てみたい」「5~6年後を見てみたい」などというリクエストを頂き、当初は「確実にやらないと思います」なんてことを言っていた気がするのですが、最近それも良いなあと思うようになりました。
ヒロイン視点は1話の中で八幡視点と交互に出してみたりと、エピソード中全部を通して完全にヒロイン視点になるようにはしないで、バランスを見てみたいと思います。
また、大学編や社会人編に関しては、いろはすについてはもりもりとアイディアが浮かんでます。現在書いている本編・アフター・大学編・社会人編を合わせたら……いろはすだけで、誇張抜きに150話とか書けそうです。何それえぐい。既にいろはすアフターで書きたいエロネタが溜まってるから、150話で収まるかすら分かりませんが。
……まずは、きちんと本編を書き切らないとですね。
更新頻度は落ちても、以前も言ったように、恐らく原作が終わってもしばらくは続くかと思います。書きたい事があって、しかもそれを通じて自分の表現を磨けると分かっていますので(^^)!

今日は残業があまり無く、テンションが上がって帰宅後速攻で走りに行きました。ちょっとしか走ってないので足がびきびきです。

早起きして仕事前にほぼ1話分書き終えているので、帰宅後がかなり気楽になりました。この話を投稿した5時間後には起きている予定です。今頃夢の中でしょう。

感想の返信がものっすごく滞っております。申し訳ありません。週末にはなるべくお返事します。

それでは、平日の中日(なかび)も頑張りましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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