それでは、どうぞお楽しみください(^^)!
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1.
「ん、どうした、比企谷? 顔が赤いぞ」
「いや、だって、その……」
職員室横にある応接室で、俺はひたすらに動揺していた。
先生と、まあ、その、アレな関係になってからの、二人で過ごす時の彼女の態度の変化は凄かった。それはそれはもう素晴らしかった。
そう、なんだけれども。
それ以外でも、周りの人が先生をぱっと見ただけでも分かる、明らかな変化が起こっていた。
それはもう、とてつもない変化だ。
簡単に言うと、先生がスカートを履いた。
学校で。
今まではパンツスーツに白衣を着てぴしっとキメていたため、美人でスタイルが良くても、その姿を見た多くの人は「かっこいい」と評していた。
しかし、ここに来てまさかの、突然の、黒のタイトスカート。
改めて、いや、むしろここに来て初めて強調された先生の女性としての魅力に、女子生徒は顔を赤らめて羨望の眼差しを向け、男子生徒はなんかもう色々とやばい視線を向けている。
多分、恐らく、生徒だけでなく他の先生も含めて、彼女の薬指に指輪がないか確認しただろう。
1千人以上の人が居るこの学校で、一人の女性がスカートを履いたというだけでこんな騒ぎになるのだから、彼女の認知度や人気は以前から相当なものだったのだろうと改めて実感した。
なんか、むずむずする。
ちなみにうちのクラスでもこの件はしょっちゅう話題に上るようで、本を読んでいても戸部が「やべーよ、最近の平塚先生。っべー。マジっべーわー」と元気に言っているのが聞こえた。相変わらず薄いな、お前の感嘆の台詞……。
と、まあ。
そんな平塚先生、もとい静さんなのだが。
以前からも教育的指導及び若干ただの雑談目的で、俺を呼びだすことはあったのだけれど……この関係になって、そして先生がスカートを履き始めてから初めて、俺を呼びだしていた。
んー。
ちょっと、緊張で訳分からん状態です。
「ふう……まだ慣れないな、これは……」
言うと、先生は黒のストッキング越しにその長い足を艶めかしく揉みほぐす。
生足でもやばいのだろうけれど、ミニスカ黒ストッキングという組み合わせも破壊力がえげつない。
聞き耳調査だと、ミニスカになって先生の胸の破壊力に初めて気付いた愚か者が男女問わず一定の率で存在しているが、足の魅力に今頃になってようやく気付いた愚か者も相当数いるようだった。
先生のことをどれだけ説明するんだ、俺。
まあ、要は。
静さんが、尚更に可愛く、綺麗に、色っぽくなっているということだ。
「や、先生……一体どうしたんです? 学校中先生のことで話がもちきりですよ」
足をなるべく見ないようにしながら、それでもある程度チラ見しながら、先生に話を振る。
すると、先生は一瞬だけ眉を上げ、そしてふっと微笑んだ。
ああ、これだよ、もう。
大人のお姉さん特有の、この柔らかで余裕のある笑み。
くっそ、もう、くっそ!
すぐ近くに先生がごまんと居る状況じゃなかったら、絶対先生に何かしてんのに! 何かってなんだ俺!
「ああ。……その、なんだ、私も、折角君とこういう関係に……なったのだし……」
だから、と。
「その、もっと女らしさを磨いてみようと思ってな。学校という場は、きちんとした服装である限りは、見られるという練習をするにはもってこいの環境だろう? ふふ、まあ、教師としての本分は絶対に忘れないけどな。それでも、私は――」
組んでいた足を解いて、斜めに流すと、
「……君の、女だからな」
言って、目を細めて、艶めかしく微笑む。
ほーん?
「……あ、はひっ、そうでふね」
ちょっと。
いや、かなり。
ドキッとしすぎて、声が裏返った上に噛み噛みだった。
もうテンパりパラダイスである。
だめでしょ、今のはだめでしょ。
どきどきで死んじゃうんですけど。
先生はちらりと周りを窺って、近くに誰もいないことを確認すると、足の低いテーブルに手を付いて、身を乗り出した。
「それで、どうだ……似合うか?」
表情は至って真剣だ。
「あ、え、いや、その……に、似合ってると……思います」
戸惑いながらも、何とか答えた。
実際、初めてのデート――と言っても、あれは不意打ちとしか思えなかったが――の時もタイトスカートを履いていたので、似合うのは十分に分かっている。
というか、なんか、もう。
このスカート姿が似合いすぎていて、他の人――というか男に見せたくない。
戸塚以外の全男子生徒及び全男性教員に目潰しを喰らわせたいまである。
「そうか……良かった」
俺の返事を聞いた先生が、心底ほっとした顔でソファに再び腰を下ろす。
うーん。
こんな、精神面でも肉体面でも立派な大人の女性が、まだ高校生の俺に対してこうも健気っていうのは……反則にも程があるなあ。可愛すぎるでしょ。
そうだ、と。
先生はうきうきしたような表情をしながら立ち上がると、ぷいっと後ろを向いた。
俺に先生のむっちりした尻が向けられる。
え、なに、叩かれたいの?
え、なに、俺何考えてんの?
落ち着け!
「スカートだとな……その」
落ち着こうとして、カップに注がれたコーヒーを口に運ぶ俺に、先生が頬を赤く染めて顔だけ振り返る。
「学校でも……しやすい、だろう?」
「…………」
…………。
……無言で、コーヒーをこぼした。
ミルクと砂糖のたっぷり入ったコーヒーが、だばだばと顎を伝う。
「ああっ、すまない! タイミングが悪かったな」
「いや、タイミングどうこう以前に内容が……」
俺のツッコミも聞かず、先生がおしぼりを持ってかつかつと俺の下へやってくる。
……んん?
なんかこういうの、どこかでよく見るような……。
……あ、AVだ!
……だめじゃん!
「あ、ちょっと、先生?」
俺の反応も気にせずに、先生は俺の足と足との間にしゃがみ込み、手で股間をズボン越しに撫で始めた。
「せ、先生、だめですって……」
一応ズボンを拭くという体は成しているのだが、明らかに目的が別にあるとしか思えない。
目線も、表情も。
艶やかで、妖しい。
「ん? どうした?」
わざとらしくとぼけながら、制服のズボンの中でいきり立った竿を、もはやおしぼりすら横に置いて手で直接ぎゅむぎゅむと握る先生の姿に、理性が爆発寸前に追い込まれる。
「ば、場所。場所と、時間……考えてくださ……うぐっ……」
スリルも伴って、身体に叩き込まれる快感の度合いが尋常でないことになっている。
「こらこら、比企谷。こんな場所でこんな時間からそんな声を出すとは……けしからんな、実にけしからん」
先生がにこにこと悪い笑みを浮かべながら、俺の抗議などまるで聞き入れもせず手による愛撫を続ける。
……いやいやいやいや。
何この超絶恥ずかしいイベント?
死ぬよ? 俺が。恥ずかしさで。
まあ、これと同じことを先生の家でやってたら、あと1~2時間は楽しんでいたいけど。
「あっ、かはっ……」
小刻みに震え始めた俺を見て、先生が手の動きは止めずに立ち上がり、嬉しそうに微笑む。
「イキそうか? 比企谷、イクのか?」
耳元で囁かれ、更に限界が近付く。
「も、むり、です……」
呟いた瞬間。
「そうか」
ぱっ、と。
先生はいともあっさりと手を放した。
「…………へ?」
このとき発した一文字は、さぞ間抜けな響きだったろう。
それくらい、気の抜けた声を上げてしまった。
先生は何も言わぬまま最初に居た場所に戻ると、にっこり微笑む。
「けしからん、と言ったろう? 第一、今こんな場所で射精したら、君は5・6限、そして放課後とどうするつもりだったんだね? 精液の匂い……男は嗅ぎ慣れた匂いだし、女子は匂いそのものに敏感だ。きっと白い目で見られるぞ。……それに、部室でそんな匂いを漂わせてみたまえ。……心配、してしまうぞ?」
…………。
台詞の最後に頬を赤らめて、ぷいっと横を向いて流し目を送る仕草は超可愛かったけど。
超可愛いけど!
「いや、そもそも……やり始めたのは先生ですよね?」
「ああ、そうだな。一度やってみたくてな」
すごい快活に、にぱっと笑った。
清々しいなあ、この人……。
……いや、それでも。
「どうしてくれるんですか、これ……」
いきり立った股間をさすりながら、物悲しげに言った。
「ふむ……ああ、そうだ」
先生は何か思い付いた顔をして、手をぽんと叩いた。
「さっきは部室でどうのこうのと言ったが、今日は雪ノ下も由比ヶ浜も所用で来られないそうじゃないか」
「あ、そう言えば由比ヶ浜からは聞きました。雪ノ下もなんですか?」
「そうだ。……だから」
何も、特別な身体の動きはしていない。
ただ、舌。
先生が軽く、舌なめずりをした。
それだけで、心臓が跳ね上がる感覚を覚えた。
「……放課後、特別棟の職員用トイレの前に来たまえ」
いやらしく口の端を上げた先生の笑顔に、目を奪われる。
鼓動が聞こえそうな程の高まりを覚えながら、ごくりと息を呑む。
「……は、はい」
まるで面接に臨んでいるかのように、手を膝に置き、背筋を伸ばしながら答えた。
「ふふ……忘れるなよ?」
そう言った先生の表情は、よく見慣れた、素敵な笑顔だった。
続く。
突然の平塚先生。
息抜き・筆休めがてら書いてみました。日本語の使い方がおかしいですが気にしない。
このエピソードは何話か書きますが、明日からまたしばらくの間は他4編を進めたいと思います。
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!