※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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(15)

 めぐり先輩に、俺の数学における現状というか惨状について説明中。

 以下、俺が予め整理していた、各単元における理解度を説明している時のめぐり先輩の反応を抜粋。

「ふむふむ、まあ、ここはきちんと教科書を見ながら演習すれば大丈夫で……」

「あ、ここは全然分からないんだ。でも授業を聞いてなかったってだけならまあなんとかなるかな?」

「あれ、昨日確認したらここは初めて見たって? 本当に? 定期テストで結構問題が出る単元だよ? センターでも必ずと言っていいくらい出るよ?」

「え? 最近習ってる範囲がどこまでなのかさえ分からない? え、どういうこと? 比企谷くん、学校にはきちんと来てるんだよね?」

「……ううん、そっか、そっかぁ……」

 …………。

 ……~~~~……。

 ……っ! ……~~っ! ……~~~~っ!?

 ……………………。

「くぅぅぅ……」

 しばらくして、めぐり先輩はすっかり意気消沈といった雰囲気で机に突っ伏していた。唸り声からして既に可愛い。ぶつぶつと「まさかここまでとは……いやでも別に明日いきなりテストをする訳でもないんだし、最低限理解のきっかけさえ掴んでもらえれば……それにしても分からない範囲が……いやでもやるしかないよね……」と葛藤している言葉が呪詛のごとく溢れ出している。空也上人像みたいなノリでミニめぐり先輩が出てきたりしねぇかなぁ。そしたら3体くらい持ち帰って、夜寝る前に枕元で3体が遊んでるのを眺めて心安らかに眠りたい。

 教えてもらう立場だというのに呑気にミニめぐり先輩、略してミニぐりん(響きが歪)について妄想をしまくっていると、めぐり先輩が唐突にガバッと顔を上げて、俺を真剣な目で見つめた。

 え、あれ、もしかして妄想がバレた……? などとテンパっていると。

「比企谷くん」

「はっ、ひゃいっ」

 安定の裏返り。

「……頑張ろうね」

「……はい」

 ふんすっと息を吐きながら、胸の前で小さく両手でガッツポーズをするめぐり先輩の力強い言葉で、思った以上にこの勉強会はガチなのだということに気付いた。これならきっと大丈夫! ……何が大丈夫なのん?

 

       ×  ×  ×

 

 それからある程度経った頃。

「う~んとね? ここについてはこのページの問題を何問か解けば慣れてくると思うから……」

 うんうん唸りながら、めぐり先輩は辛抱強く俺に教えてくれていた。俺の惨状はめぐり先輩の想定を超えていたらしく、そのため初めは教え方も探り探りだったのだけれど(偉そうな言い方)、途中から慣れてきたのか、「最初の説明はきちんとする」「少しでも分かったと判断したら、手早く目の前で練習問題を解かせて、それにより俺が自立して勉強出来る状態に持っていく」という方針及び目標設定に変えたようで、きびきびと迷いなく教えてくれるようになっていた。

 めぐり先輩と二人きりだからというどきどきも、集中し始めるとあまり……というか、ほとんど感じなくなっていた。よし、この調子で……と意気込んでいると、不意に右手の小指に何かが当たった。

『あ……』

 二人同時に声を出す。

 俺の右手小指と、めぐり先輩の左手小指が、こつんとぶつかった。ただそれだけの筈なのに、じんわりと顔が熱くなっていく。めぐり先輩は平気なのだろうかと思って見てみると、もう茹でダコだった。超茹だってる。

「ごごご、ごめんね……」

 消え入りそうな声で謝りながら、そろろと手を引いて、両膝に手を置いて俯いてしまう。

「あ、や、その、大丈夫です。俺こそすいません……」

 もうめぐり先輩の手は離れているのに、俺も手を引いた。そしてめぐり先輩に釣られる様に、両膝に手を置いて俯く。

 なんか、向かいに座る先生に怒られる二人みたいな構図。

 なんだこれ。

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「……せ、先輩、続き」

「ひゃうっ!?」

「うぇっ!?」

「あ、ご、ごめん……」

「い、いえ……」

 …………。

 沈黙は金、雄弁は銀とは言うけれど。

 この場合、喋らないと死んじゃうと思った。色んな意味で。

 

       ×  ×  ×

 

 その後しばらくしてから2人とも復活して、再び勉強に励んでいた。途中消しゴムを落として、それを2人同時に触れようとしたものだから再び手が触れてしまい、2分程機能停止していた。なんだろうもうこれ超恥ずかしい。

「ちょっと休憩しよっか。ちょっと外行くね」

「あ、分かりました」

 ぱたぱたと出ていくめぐり先輩の後ろ姿を見守る。

「む……」

 からりとドアが開いて閉まる音がすると、不意に眠気が襲ってきた。慣れない早起きをしたからだろうか、うつらうつらと舟をこぐ。

「ちょっと寝てもいいか。まぁ、そんなに深くは寝ないだろうし……」

 言い訳のような独り言をふわふわと呟いて、机に突っ伏す。

 緊張も伴っていた為か疲労は予想以上に溜まっていたようで、あっさりと意識を手放した。

 

       ×  ×  ×

 

「う……ん……んん?」

 目を開けると、まず真っ暗な事に驚いた。そして今は何時で、場所はどこで、どういう状況なのかと言う事を瞬時に思い出す。ほんの2~3分寝てるつもりだけのつもりだったのだけど、予想以上に寝てしまったらしい。

 それにしても、妙に気持ち良いような……?

 机に突っ伏したまま、何事かと思考を巡らせていると、どうやら頭が撫でられているらしいという状況に気が付いた。

 ……って、あれ?

 今この状況で頭を撫でる人なんて、1人しか……?

「…………っ」

 事態を把握すると、急に心臓がばくばく鳴り出して、眠気が吹き飛ぶ。しかしいきなり起き上がっては驚かせてしまうだろうと思い、「うーん……」とわざとらしく寝起きっぽい声を出してもぞもぞと動く。

 すると、

「あ、起きた?」

 頭上から優しい声がふわりと降りてきて、寝起きの頭に穏やかに染み込む。手が離れる感触がしたので顔を上げると、めぐり先輩がとびきり優しい笑顔で微笑んでいた。どうしよう、三日三晩くらいなら不眠不休で働けちゃいそう。

「あ……」

 身体が熱くなるのを感じていると、めぐり先輩がてへへと笑う。

「たまに見える寝顔が可愛くて、ついね。……あ、考えてみたら、わたし、結構恥ずかしいことしちゃってた……? 迷惑だったかな?」

 変な時間差でめぐり先輩が顔を赤くして慌てだす。なんだこの可愛い生き物。

 慌てて首を振って、自分の気持ちを伝える。

「や、迷惑だなんてことないです。むしろもっと……あ」

「え……」

「…………」

「…………」

 2人して俯く。

「…………」

「…………」

「……むしろ」

「……むしろ?」

 ちらりと左を見やる。めぐり先輩がそろりと視線を上げて、一瞬だけ視線が交差する。

「……もっとしてもらっても、良いか、も……しれ、ません……」

「……そ、そっか……」

 2人して、再び俯く。

「…………」

「…………」

 2人して、両膝に手を置いて。

 顔を赤らめて、視線を泳がせて。

 他の生徒が登校し始めて、勉強会がお開きになるまでの時間、ずっと2人は黙っていた。

 恥ずかしい上によく分からない時間なんだから、とっととお開きにするなりすれば良かったのだけれど、何故だか2人とも、その選択肢は取らなかった。

 

 

 

 続く。




癒しのめぐりんでした。ミニぐりん。一応空也上人像をググって確認したのは内緒。
めぐりん編がエロに突入した時、皆さんがどんな反応をされるのか楽しみです。入口をまだ決めてませんが。

リクエスト、活動報告の方でまだまだ受け付けております(^^)感想に書いたら返信はしない且つ流れてしまって確認も出来なくなるので、忘れずに活動報告の方にお願いします。一人で時間を置いて何回か書いて頂いても結構です。どんなシーンにしろ、甘々で!

それでは、火曜日も頑張りましょう!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
また明日(^^)!!
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