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ある日の夜、比企谷家にて。
ソファに寝転がり、PS Vitaでだらだらゲームをする。夕ご飯の後は本を読むつもりだ。マジ休みって最高。外になんて予備校以外で一歩も出るもんか。
いつも以上に光を無くした目でパンダのようにだらけていると、小町がリビングに入って来た。いつ見ても可愛い。
「ごみいちゃーん」
「おう、のっけから飛ばすじゃねえか妹よ」
入りから辛い。一応俺のこと好きだよね妹よ?
「なんかねえ、大志君が『勉強の息抜きがてら遊ばないっすか!』って誘って来たんだ」
あん?
「親父の部屋にショットガン置いてあったよな」
「比企谷家にそんな設定ありませんー」
「じゃあ『私の欲求は全て兄が満たしてくれるので近付かないで下さい』って返事しとけ」
「ごみいちゃん、流石の小町でも引くよ…」
肩を抱いて引かれた。しかし毒虫から愛しの妹を守らねばならぬ。
「適当にはぐらかしゃ良いんじゃねえの」
「んー、でも一度くらいぜひ!って言う言い方されてて…断りづらいんだよねー」
以前川崎姉弟とうちの兄妹でサイゼで話した時も思ったけど、こう言う面では少し大志…もとい毒虫に少しだけ同情する。ほんの少しね。
どうしたものかと顎に人差し指を当てつつ考えていた小町が、何かを閃いた顔をした。頭の上に電球が見える。何か技を閃いたのかな?
「あ、そだ。お兄ちゃんと沙希さんも誘って4人で遊びに行けば小町も普通に楽しめるかも!」
「ん、俺は小町だけ見て小町を撫で回してれば良いのか」
「ごみいちゃん…」
悲しいものを見る目で見るなよ。お前どこの雪ノ下だ。
しかし、案としては悪くない。外に出るのは死ぬ程面倒だが、川崎と居る分には無理して喋らなくても、もっと言えば全く喋らなくても大体何とかなる。
外に出るのは面倒だが、小町とも遊べるしな。
…外に出るのは、死ぬほど面倒だが。
「しゃあねえ、付いてってやるよ。一応念の為、背中にフライパンを忍ばせとくからな」
「?お兄ちゃん、時々意味分かんないこと言うよね」
おうふ、世界征服の夢は言っても通じないなこれは…。
「あ、それでお兄ちゃんに聞きたいんだけど、女の子を見ててキュンとする、もしくはそそる仕草ってある?」
「?それを聞いてどうするんだ」
「んー、4人で遊び行くときに役立ててみようかなって」
「待て待て待て。ならん、ならんぞ。そんなことをしてあの毒虫を徒に誘惑しようもんなら何をされるか分からんぞ。そんな毒虫から小町を守る為ならば僕は悪にでもなる」
そして家なき子になる。
「あー違う違う。お兄ちゃんに向けて役立てるの。お兄ちゃんのツボを心得ておけば、おねだりでたくさんむしり取り…得出来るかなって思って!」
これはこれで嫌だった。
言い直しても内容が内容だぞ。
「その目的だとキュンとするのは分かるけど、そそるのは何か違うだろ…」
「いいからいいから!何か無い?」
うーん…身近な女の子が雪ノ下と由比ヶ浜くらいだからなあ。あと小町天使と戸塚大天使。
あ、戸塚は性別が戸塚だったな。危ない危ない。
「んー…。…あ、泣き顔、とか結構良いかも」
雪ノ下と由比ヶ浜の和解の時のことを思い出した。あれを見た時の感情はそそるとは言わないと思うけど、何気に女の子の涙は結構好きかも。
あと、縦ロールさんが何と無く思い浮かんだ。泣いたってのは伝え聞いたことしか無いけど。
…あれ、小町がどん引いてる。
「え、なに、ごみいちゃんドSなの?その腐った目でドSはやばいよ!ハマったら女の子は抜け出せなくなりそう」
ほう…。
「マジで?」
「ちょっと、聞き直さないでお兄ちゃん。二回言うのもきついんだから」
なんかごめん…。
由比ヶ浜だったら、多分15回くらいキモいって言ってんだろうな。
「泣き顔かー…ま、泣き真似の練習くらいはしておくかな」
「ばかやろう、嘘の涙に絆される程俺の目は腐ってねえよ」
「え?腐ってるよ?」
こいつ…。
キョトンとした顔で言うんじゃねえよ。可愛いだろうが。
「そうだ、こうなるともう一つ聞いておきたいことが。沙希さんてお兄ちゃんから見てどんな人?」
「ん?ああ、川崎…口下手、怖い、ブラコン、て辺りかな。あと、黒のレー…何でもない」
「?そっか、大体お兄ちゃんと一緒だね」
え、それぞれの意味をだいぶ広く捉えてるよね?そうだよね?
黒のレースのパンツとか履いてないし。
「そっかー、でも大体分かるかも。大志君と話してる時の沙希さん、目が凄く優しいんだよね」
おお、そんな所にまで目が向いているとは。流石妹。
「あと、すんごい綺麗だよね。胸も大きいし」
「…ん?」
おい、急にどうしたんだ。
「あ、折角だからこの機会にお兄ちゃんの周りのフラグをもう一本増やしておこうかなーって」
お前はどこのマンガの淫乱ピンクだ。ハーレム計画とか言い出すんじゃねえぞ?
「ばか、俺の周りにフラグなんて一本たりとも立ってねえよ。雪ノ下の胸ばりに平野が広がってらあ」
「…ごみいちゃん…流石過ぎて、改めて引くよ。
早くごみいちゃんの引き取り手を見付けられるように、小町頑張るね!」
すげえ輝く笑顔で悲しいこと言わないで…。
「あ、雪乃さんの悪口はきちんと報告しておくから」
「何が欲しい?ハーゲンダッツ?ねえ、何?」
必死で媚びへつらった。
…と、言う訳で。
何か少し面倒なことになった。
泣き顔なあ…あ、そういや川崎文化祭のとき、一回泣きそうな顔を実際に見たっけな。
…結構そそるかも、あの顔。
いかんいかん俺、こんなので興奮してたら本当に捕まるぞ。
あ、同意の元でなら良いのか。
…いや、同意を得ること自体ねえか…。
続く。
同時に投稿したエピソードと、ゆるゆる並行しながら書こうと思います。投稿されたら『ああ、今日はこっちが書きたくなったんだな』と思って頂ければ。
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!