めぐり先輩の優しさに甘えて。
めぐり先輩に対して調子に乗って。
めぐり先輩に泣かれて。
めぐり先輩に土下座して。
めぐり先輩に許してもらって。
めぐり先輩の部屋に行くことになった。
こう言うと、俺のクズ具合とめぐり先輩の天使具合が際立つな。
あとめぐり先輩って言葉がゲシュタルト崩壊しそう。
それでは……と、めぐり先輩の部屋に行こうとして、二人の格好をはたと見る。
「…………」
……いくら身体が火照ってるといっても、お互い全裸なのはまずいよな……。
めぐり先輩は同じことを思ったのか、気恥ずかしそうに俺をちらりと見た。
「あはは……流石に寒いよね。一旦、服着よっか」
「そ、そうですね」
めぐり先輩の上目遣いって、なんか小動物みたいですげぇ愛くるしいんだよな……などと考えながら、二人でたははと笑い合う。
部屋に行って、一刻も早く続きをしたいという思いが溢れてきて。
慌てないように心掛けて、けれど結局慌てて、ぱたぱたと服を着る。
行為をする為に、脱いだ服を着るという行為は中々シュールなものだった。
さささっと下着と上着、ジーンズを着用して、さあ出陣だ――と意気込むと。
「…………」
めぐり先輩はまだ、恥ずかしそうに足の根本と胸を手で隠して、もじもじとしていた。
何ぞやと思い視線を辿ると、そこにはびしょびしょに濡れたショーツが。
あー……。
やってしまったな、俺。
「…………」
そんなことを考えていると。
ふと、悪いにも程がある考えが浮かんだ。
これくらいならやってくれるかな……良いよな。ね、きっと大丈夫! うん!
「先輩」
「あ、な、なに?」
このタイミングで声を掛けられると思っていなかったのか、俺の呼び掛けにびくんと身体が跳ねた。
身体の跳ね方って色々あるんだなぁ……と反省具合0の卑猥なことを考えてしまい、首をぶるぶると振って妄想を跳ね除ける。
「下着……着けなくて良いんじゃないですか。移動するだけですし。…………どうでしょうか」
エロい妄想を跳ね除けておいて、言う台詞がこれである。
……『絶対エロいと思うんで見てみたいです』という本音中の本音だけは言わずに何とか我慢したのだけれど。
「……っ」
それでも、めぐり先輩の顔は――見ているこっちが恥ずかしくなるくらい、耳まで真っ赤に染まった。
× × ×
「あ、え、そ、そんな……」
「良いじゃないですか。廊下を移動するくらいですし。その……湿ったのを履いたら、それこそ風邪ひいちゃいますよ」
「~~~~っ!?」
おお。
めぐり先輩が茹で上がったまま俺の胸元に飛び込んできて、胸をぽかぽかと叩いてきた。
やだ何これ、ずっと叩かれていたい……。
何に目覚めてんだ俺は。
まあ、しょうがないよね。良い匂いだし。
時間いっぱい匂いを嗅いでいたいまである。何の時間だよ。
しばらく無言のまま、めぐり先輩の頭をくしゃくしゃと撫でる。
撫でる際にふわりと香る匂いに安らぎを感じていると、めぐり先輩は叩き疲れたのか、割と早い内に手の動きが止まった。
うー、という唸り声が、骨を伝って直接脳に響く。
何とも可愛らしい拗ねた声が、身体を心地良く包み込んだ。
「……比企谷くんのえっち」
「……承知してます」
「変態」
「そりゃそうですよね」
「……でも、そんなとこも……」
「……え?」
「何でもない」
続きが鬼のように気になるタイミングで、めぐり先輩は俺の胸元からふわりと離れた。
何すかそれ、続きはどこで視聴出来るんですか、とは思いつつも。
「…………っ」
俺から逸らした顔が、首まで真っ赤に染まっていて。
一目見ただけで、どう考えても照れ隠しだなと分かった。
顔がにやけるのを必死で抑えていると、めぐり先輩が身体を屈め、ワンピースを手に取った。
「……良いんですか」
一応聞いてみると、めぐり先輩が頬を膨らまして恨めし気に見つめてきた。
「……だって、誰かさんがわたしの下着を履けない状態にしちゃったのは事実だし」
ワンピースを羽織りながら、めぐり先輩が言う。
拗ねた表情を作る顔は、どこまでも可愛らしくて。
頬がゆるんゆるんにふやけるのを堪えるので精一杯だ。
「でも、何だかんだめぐり先輩も「比企谷くん?」なんでもないですごめんなさい」
何でこの人、笑顔のままで瞳の温度を一気に下げられるのん? 女の人って怖いよぉ……。
調子に乗ると、天使でも、女神でも、怒るものは怒る。
そんな当たり前のことを知って、なんだか妙に嬉しくなった。
まずは反省しろって話なんだけどね。
まったく……とぶつくさ言いながら、めぐり先輩が俺に背を向けてボタンを留めていく。
愚痴を言う様ですら可愛いのだから、この人は一体何をすれば可愛くないのかと逆に考えてしまうくらいには可愛い。
なんだろう、ごついことをさせれば良いのだろうか。
ボクシング? ああだめだ、グローブに振り回される様子を想像したら既に鬼可愛い。
柔道? あゝだめだ、めぐり先輩と乱取りしたい。そんで「やぁ!」とかやたら可愛い気合の声を入れながら俺を投げようとするのを紙一重で避け続けて、とことん息切れさせたい。俺性格悪すぎるな。
あとは……戦車かな? 嗚呼だめだ、きりりとした顔で戦車に乗って、ふとした時に汗ばんだ顔を拭いて「ふぅ……」とか言って爽やかな笑みを浮かべられたら成仏してしまう。アニメチェックしねぇとなぁ……。
「はい」
めぐり先輩のifストーリーに熱く思いを馳せていると、めぐり先輩がくるりと振り返った。
さて、下着無しというのが一体どれだけの破壊力を――
「う……お……っ!?」
俺の想像力はどれだけ貧困だったのか。
俺の想定はここまで甘かったのか。
そんな風に思った。
上下の下着を着けずに(上がどうこうというのは言及しなかったが、上だけ着けるということはしなかったらしい。バランスの問題とかがあるのだろうか)白のワンピースを着用するという状況は、想像を絶する破壊力を持っていた。
前のボタンをきっちり閉めたことで、却って強調される胸部と、浮かび上がる二つの頂点。
汗をかいたこともあってか、生地がしっとりと肌に貼り付いた臀部。
さっきはこの人を裸にした事で完全に理性が飛んだというのに。
服を着ている今でも、ちょっと前屈みになるか、同じ体勢でちょっと俺に尻を向けただけで、簡単に俺の理性は爆ぜてしまいそうだった。
「ひ、比企谷くん……」
「あ」
気付くと、俺はめぐり先輩の両肩を掴んでいた。
軽くではあるけれど、決して逃がすまいとする意志を自分の握力から感じる。
……俺、どんだけ盛ってんだよ……。発情期の犬もびっくりだぞ、おい。
「や……その、すいません」
「う、ううん……」
慌てて手を離すと、めぐり先輩は恥ずかしそうに目を逸らして、ちらりと流し目を送った。
つい先程までとは違った熱を持った視線に、どくんと心臓が鳴る。
「それじゃ……行きましょうか、部屋に」
「う、うん……きゃっ!?」
驚いたような声が上がる。
めぐり先輩の背中に右腕を回し、そのまま脇の下をすり抜けて、乳房を掴んで抱き寄せていた。
生地越しに形の整った乳房を触ると、5本の指が気持ち良く沈み込んだ。
「ひ、比企谷……くん……っ?」
ビンタされても仕方ないかと思ったのだけど。
めぐり先輩は、驚きこそすれ、俺を呼ぶ声に嫌悪の色は無くて。
むしろ――
「ひあぁぁぁんっ!?」
――乳房の形を指で存分に変えても、甘い嬌声を上げるくらいには受け入れてくれている。
下着無しでワンピースを着てもらうという希望は通ってはいたけれど。
先程の泣かれた件もあるので、ちょっとどきどきしながらやったのは事実だった。
結果、なんとかなった。
めぐり先輩、本当に寛大だ。
一安心。
ほっ。
「どうしました? 行きましょうよ」
平然と言ってのけて、リビングの入り口へと向かう。
「あっ……んくぅっ、あぅ……あっ、あぁっ、わ、わかったから、行くから、そん、な……手で、しない、でぇ……っ」
見る見る内に淫熱を帯びていく声音と、穏やかながらも確かな獣性を帯びて揺らめく瞳にくらくらするが、これ以上は部屋に行くまで我慢だと必死で言い聞かせる。
それでも、もう少しだけ強く揉んでみる。
手にすっぽりと収まるサイズの乳房が、指を動かした分だけ淫らに形を変える。
めぐり先輩は俺の手を握り返して、困ったように眉根を寄せて、口を引き結んで俺を見つめた。
だめだよ、と目が言っている。
それは、分かっている。それも十分な程に。
「…………」
それでも。
視線を下に移した時に見える、めぐり先輩が履いている、温かそうなスリッパに広がる染みは。
めぐり先輩の発情の具合を、あまりにも分かりやすく示していた。
こんなものを見てしまって、平常心でいられる訳が無い。
左手でドアノブに手を掛ける際、両手の動きが連動しているのかと思う程自然に右手も動かす。
乳を搾るようにゆっくり右手で揉みしだくと、めぐり先輩は両足をがくがくと震わせて、可憐な顔を羞恥と興奮で美しく歪めた。
続く。
2日のお休み及び、11日ぶりの本編でした。なんだか帰ってきた感じがします。
コミケも含めて、長旅だった……。色々なものが見えた日々でした。
☆☆☆☆☆祝・全話PV1000万突破☆☆☆☆☆
ついに大台を突破しました。なんですかもうどれだけありがたいんですか。
今まで読んで、感想やメッセージを送ってくださった皆さんに、心の底から感謝致します。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
それでは、次は新年にお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!