右手でめぐり先輩の乳房を包み込みながら、空いた左手でリビングのドアを開ける。
ひんやりとした廊下の空気が流れ込んできて、本来であればぶるりと震える所なのだけれど。
俺も、めぐり先輩も、火照りきった身体には丁度良いと言わんばかりに、何ともない顔をしていた。
「あ……うぅ……」
めぐり先輩が発するか細い声に気付き振り向くと、焦点の定まらない瞳のまま俺の腕の中でもじもじと身体を捩っている。
部屋に行くまで我慢しようと考えた、ほんの数十秒前の自分の決意が早くも揺らぐ。
発情した乳房は手の中でマシュマロのように柔らかく形を変え、しっとりと汗ばんでいるためにワンピースが肌に貼り付き、何ともいやらしい様を演出している。
部屋に行くまで、我慢。
大丈夫、めぐり先輩にどの部屋なのかを聞いて、そこまで歩くだけだ。
一分とかかる作業じゃない。
すぐ終わらせられる。
大丈夫、大丈夫、大丈夫――。
「……えぇと、先輩の部屋はここですかね?」
「え、あ、あれ? まだ何も言ってな……ひゃぁんっ!?」
めぐり先輩の後ろに回りこんで、色付いた二つの桃を両手で鷲掴みにする。
快感によりがくがくと震え、めぐり先輩の臀丘が後ろに突き出される。そこに自分の滾った剛直をジーンズ越しに擦りつけると、めぐり先輩は内股になり子鹿のように戦慄く。
よたよたと、傍から見れば滑稽な図のまま歩く。
一つの扉の前に来て、扉に駆けられた表札の様なものを確認する。そこがめぐり先輩の部屋でないことも、自分の判断で開けても恐らく大丈夫なことも、その表札らしきものが教えてくれる。
めぐり先輩が何かを言う前に、乳房の頂点をぎちりと摘まむ。
「ひぐぅぅぅ……っ!」
おとがいを上げて喘ぐめぐり先輩に劣情を煽られながら、扉を開けた。
× × ×
「比企谷……くん……ここ、トイレだよ……っ?」
消え入りそうな声でめぐり先輩が言う。息も絶え絶えといった様子だが、まだきちんとしゃべる余裕があってどこかほっとした。
めぐり先輩が言うように、ここは紛れもなくトイレだ。目の前にはこちらを向いた洋式の便器が一つあり、広めの空間の中に小さな収納スペースがある。そこにはトイレットペーパーや消臭グッズなどの備品が置かれていて、壁にさりげなくかけられた二つの絵はとても可愛らしいものだった。
なんでここに入ったかと言えば。
単純に、何というか、もう。
我慢出来なかったからだ。
もっと言えば、めぐり先輩との今の状況をもっと楽しみたかったからだ。
部屋に行けば、お互いこれだけ発情しているんだから、何をするかはもはや目に見えている。
もちろんそれも狂おしい程に楽しみではあるのだけど。
今のうちに、もっとやってみたいことがある。
そう思った時にちょうどトイレのマークに気付き、考えるより先に身体が動いていた。
だから、何かやりたいけれど、具体的に何かやりたいことがある訳ではない。
そんな、曖昧な状態になっている。
めぐり先輩の都合をまるっきり無視してしまい本当に申し訳ないけれど。
この人の身体を沢山嬲りながら、何をするかその場その場で考えよう。
そう思いながら、二つの乳頭を人差し指と親指でにちっと摘まむ。
「ひぃぃぃんっ!」
腕の中で、めぐり先輩が跳ねた。電流を流されたかのように震えて、俺の腰に手を添えて必死で耐える。
薄布一枚で隔てられためぐり先輩の柔肌を楽しみながら、よたよたと前に進む。可愛らしい突起を生地の摩擦を利用してこしこしとしごくと、めぐり先輩の声音が益々扇情的に変化する。
「先輩。座ってもらえますか」
「え……? わ、わかった……」
手を離して指示を出すと、ぽけっとした調子で答えて便器の蓋を開けた。そして身体の向きを変えて、おずおずとした様子で俺を見つめる。
「あ、あの……」
ワンピースの裾に手を掛けようとした所で動きを止めて、恥ずかし気に上目遣いを向けてくる。
無言で頷いて促すと、観念したのかそろりと布をたくし上げて座り込んだ。
柔らかな双丘がプラスチックの器に着地するとき、くちゅりと水音がして心がざわめいた。
「ひ、比企谷くん……その、どうしたいの……かな?」
めぐり先輩は股の間に腕を挟むようにして、ワンピースの真ん中をそれとなく下に引っ張っていた。写真に収めたい。や、そうじゃなくて。
「……ちょっと、あまりにも我慢が出来なくなったもんで。……これ、お願い出来ますか?」
言って、ジーンズのチャックを開ける。その動きに気付いた途端、めぐり先輩の身体がぴくりと反応した。
中でパンツを下げ、ずるりと欲望の塊を曝け出す。めぐり先輩は目を見開いて、青筋だった凶器を見つめている。興奮により汗ばんでいる剛直の匂いに、めぐり先輩が小さく唸り声を上げた。
めぐり先輩が何か言うより先に、頭を両手でがしりと掴む。
めぐり先輩と目が合う。
めぐり先輩の瞳が揺れる。
見つめ合ったまま、ゆっくり肉棒の切っ先を近付けると、めぐり先輩はゆっくりと上下の唇を離した。中に見える紅色の粘膜に見惚れながら腰を進める。口内から這い出た粘膜が、鈴口をちろりと舐める。快感中枢を煽り立てる刺激に身震いしながら、ゆっくりと口腔を犯す。
「お……っ、んぐぅ……っ」
小さく唸って、めぐり先輩が肉槍を迎え入れる。どういう訳か視線は俺に向けたままだ。それがたまらない程蠱惑的で、今すぐ乱暴に突き入れたくなるのを必死で抑える。動きを止めることなく、ゆっくり、けれど確実に喉奥に突き進む。めぐり先輩の目に涙が浮かぶ。けれど、まるでいやがらない。それどころか、どこか喜悦の感情が見え隠れしている。喉奥に亀頭が到達する。めぐり先輩の息は荒い。鼻息が恥毛をそよがせて、溢れ出す唾液がぽたぽたと下を濡らす。
これだけしても、まだ、めぐり先輩は俺を見ている。その瞳が愛おしくなり、怖くなり、依存してしまいそうになる。
ずっとこうやって見つめていてくれるのか、ふと気になった。
「先輩……ちょっと刺激が強いですから、注意してくださいね」
「んぐ……っ?」
めぐり先輩が不思議そうに俺を見つめてくる。めぐり先輩の頭を撫でるようにして下に押して僅かに屈むと、脇にあるビデのボタンを押す。勢いを最大に設定する。
ウィィィン……という音がした瞬間、めぐり先輩ははっと目を見開いた。でももう遅い。
強烈な勢いで、めぐり先輩の秘裂にお湯が叩き付けられる。
「んぐぅぅぅぅ……んむぅぅっ!?」
尚も瞳を逸らさないめぐり先輩を見つめながら、喉奥に肉棒を突き入れる。ビデの激しい水音に紛れて、ぐぶぐぶと唾液が攪拌される淫猥な音色が聞こえる。
めぐり先輩は、それでも、尚、目を逸らさない。
めぐり先輩が俺の両膝の裏を押さえた。全身をがくがくと戦慄かせている。淫欲の坩堝に溺れ続けていて、俺にも間も無く限界が訪れた。
「せんぱ、い……俺、もう、出る、出る、出る……っ!」
めぐり先輩が、愛おしそうに目を細めて、こくりと頷いた。
――どうにも、この人にはかなわないなと思いながら、マグマの奔流が湧き上がるのを感じる。
尿道を、凄まじい速度で粘液が通過する。
包容力のある穏やかな瞳を見つめたまま、歯を食いしばる。
めぐり先輩の喉奥に、大量の白濁を叩き付けた。
「んぶぐぅっ、ごぼっ、んぐぅぅぅぅ……っ」
苦しそうに嗚咽を漏らしながら、尚も俺から目を逸らさない。その瞳が催淫剤となり、ゼリーのような粘度の欲望が、めぐり先輩の口から溢れ出す程大量に噴き出る。汗で透けたワンピースの上に、濃厚な白濁がぼたぼたと零れ落ちた。
脈動が収まると、めぐり先輩がビデのスイッチを切った。装置が引っ込む機械音と入れ替えに、狭い空間の中に静寂が訪れる。めぐり先輩の静かに昂ぶった鼻息が、行為の激しさを物語っていた。
口腔粘膜から、肉棒をずるりと引き抜く。でろりと垂れ下がった舌と肉棒の間には、幾筋もの唾液や白濁の糸が連なっている。めぐり先輩はそれを一つ一つ丁寧に咥え舐めとるが、そのうちの何本かはめぐり先輩の胸元に滴り落ちて、扇情的な染みを形作った。
「…………」
…………。
冷静に考える。
また、やりすぎたよね、俺?
わー、俺、わー、わー!
この後どう言えば良いだろうかと逡巡していると、めぐり先輩がこほんと咳払いをした。
「比企谷くん。今のは……わたしも受け入れてたから、別に怒ってないよ」
「あ、そ、そうですか……」
その言葉に心底ほっとする。
「でも、鬼畜なのは変わらないね……」
言って、胸元に視線を落とす。汗と唾液と白濁とで、恐ろしく淫猥な光景が出来上がっていた。
「あ、す、すみません……」
へどもどして謝ると、めぐり先輩がくすりと笑う。お姉さんっぽく、いたずらっぽく。
「……ずっと比企谷くんの好きなようにされちゃってたからなー。どうしよっかなー」
「すみません、ほんとすみません」
ぶらぶらさせながら、平謝りする。地獄みたいな光景だ。
「……一度着替えて、歯も磨こうかな」
「……へ?」
「それで、わたしの部屋でのんびりテレビでも見ようよ」
「……へ?」
それってまさか、これで終わりってこと……?
俺の不安を表情から感じ取ったのか、めぐり先輩は手をにょきっと伸ばして俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「今度はわたしの好きな風にさせて? 大丈夫だよ、その後はその、ちゃんと、お互いに、気分に応じてって言うか……その……」
胸の前で人差し指を合わせてもじもじする。何この人、死ぬ程可愛いんですけど。
頭をがしがしと掻いて、めぐり先輩を見つめる。可愛らしいことをもにょもにょ話しているだけなのに、さっきよりも明らかに恥ずかしがっているのが何とも愛らしい。
「……わかりました。俺も本能に流されすぎてましたんで、一旦仕切り直しましょう」
言うと、めぐり先輩がふわりと花のように笑った。
「……ん。ありがとう……ひゃ……っ?」
あまりにも可愛くって。
めぐり先輩の頭を撫でた。
ほとんど反射的に。
「……はぅ……もう、わたしの方がお姉さんなのに……」
ぶつぶつと不満を言いながらも、その表情は温かくて柔らかい。
お互いこの状況にハマってしまい、めぐり先輩がくしゃみをするまでつい夢中になって撫で続けてしまった。
くちゅんっ! って言ったよこの人。くちゅんっ! って。
可愛すぎて死ぬぞ、俺。
続く。
作品中の八幡に合わせて、僕もちょっとテンションを落ち着けました。
めぐりん編、もう少し続きます。
これで、以前から書いていたヒロインを一通り、今年に入ってから書くことが出来ました。明けましておめでとうございます(遅い)。
<小説情報募集>
久しぶりのコーナー(?)です。
今回は完全にエロ方面なんですが、「男女問わずで、絶頂の表現がたまらない」小説の情報を募集致します。書籍、Web上問わずで。
最後が弱いな~と思っていて、たまに会心の一撃が出るんですが、もっと意図的に破壊力を上げたいなと思いまして。前の文だけ見てると何のゲームだよって感じですね。
感想でもメッセージでもTwitterでも、媒体は何でも構いません。情報お待ちしております!皆さんの知識を分けて頂きたいです!
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!