1.
「んあっ、そんな、いきなり、んむぅっ?んんっ、んん……」
川崎の両胸に手を伸ばしながら、さっきよりもじっくりと唇を重ねる。
彼女が差し出して来る舌を咥え、口の中で好き放題に舐り、舌を解放してやると今度は口内を隅々まで舐め尽くす。
言葉でこそ若干の抵抗の意志を示してはいるが、表情は蕩け、目はうっとりとしていて、完全にこちらの為すがままになっている。
胸は予想していた以上に大きくて柔らかく、着衣の上からでも、揉んだ時の形の変化がはっきりと見て取れる。一度揉む度に、『んああっ……』と甘い声を漏らすのは、どうしようも無い程の興奮を覚えた。
身体をより密着させ、右膝を彼女のショーツに押し当てるようにもぞもぞ動かす。すると、
「ひぃんっ!?あ、んあ、そこ、気持ち、良い……」
素直に甘えるような声を出して、耳元で息を荒げた。
もっと、これ以上の事をもっと、と焦るようにチャックに手を添えたが、ふと時計を確認すると、既に30分程経過していた。
もしかすると、係員が様子を見に来るかもしれない。
……って言うか、監視カメラとか無いよね?大丈夫だよね?
いずれにせよ、これ以上ここで続けるのは得策では無い。外には小町も待っているし。大志はきっと長い旅路についているだろう。帰って来なくても良いよ。
「川崎、一旦ここを出た方が良い。他の場所でもっと……」
と言いかけた所で、川崎が俺を更に引き寄せて、唇を奪った来た。
「んちゅるっ……んぐっ、んっ、んっ、んっ……」
今度は彼女から積極的に舌を絡ませて来る。口内を舐り回され、俺のモノが更に反応してしまう。
20秒程濃密に絡み合うと、ちゅぱっと言う音と共に彼女の唇が離れた。
「……んはっ、ふぅっ、ふぅっ……何だよ、やめちゃうのか……?」
……エッチの時は甘えるタイプ……だと……。
これがもっとちゃんとした場所だったら、もう今すぐにでも一発決めちゃいたいレベル。何この子超可愛いんですけど。
しかし、ここはもう退散しないと本気でまずい。
「今は、な。どこか良い場所を探そう」
「……しょうがねえなあ」
ぷうっと頬を膨らませる。なに、なんなのその可愛さ?素直になるとそんな可愛くなんの?たまんないっす。
先に立ち上がり、川崎の腕を引っ張って抱き起す。ついでで、少しだけ唇を重ねた。俺の首の後ろに腕を回すときの艶っぽさが、何かもう百戦錬磨の女性並だった。他の女の人知らねえけど。
お化け屋敷に入っていた記憶が何だかもう1年前くらいの事に感じられた。どんなストーリーだっけ?少女が名前を奪われて不思議な旅館で働く話?
何事も無かったかの様に受付に行くと、豪華景品として映画のファイルを差し出された。いや、頭おかしいでしょ。すごく丁寧にお返しした。ストーリーちょっと思い出しちまったじゃねえか。帰り際にスタッフの人が3人くらいでこちらをちらちらと見ながら話している様な気がしたけど、気のせいだと信じたい。マジで。きっと監視カメラなんて無かった。
2.
「あー、お兄ちゃん!沙希さん!おかえりなさーい!」
小町がけろりとした顔で、ポカリを飲んでいる。超良い笑顔。超可愛い。
…仮病モード、やめたのん?
「おう、ただいま」「……ただいま」
おいこら川崎、俺をちらっと見て顔を赤らめるのやめろ。これすぐ周りにバレるやつ。
と、思いつつ振り向いたら、小町の目が既にヤマピカリャー。何かもうヤマピカリャーを挨拶として推進したい。戸塚、言ってくんねえかなあ。
小町が俺の脇に来て、分かりやすく右手を『おーほほほ!』と言うときの形にして話しかけて来る。
「……お兄ちゃん、何かあった?って言うか何かしたでしょ?吐きなさい、おらおら」
脇腹を肘でぐりぐりする。痛い痛い可愛い痛いくすぐったい!
「……あーっと、タイミングを見て説明するわ」
遅かれ早かれ説明をする必要はあると思うので、頭をぼりぼりと掻きながら、目を逸らしつつ呟いた。
「ほっほーーーう……?ほっほーーーう……?」
なんで2回言ったんだお前。声がふくろうで目がヤマピカリャーって高度過ぎんだろ。
あ、大志いた。すげえバテてる。報われないお仕事、ご苦労様。
難なら今からシャトルランを一人でやってもらっても良いよ?一人で。
3.
時間が時間だったので、適当に昼ご飯を食べる事にした。
場所はサイゼ。一色みたいなわがままな奴が居なくて助かる。俺の性格を分かって諦めてくれてて助かる。……諦めちゃったの?
成り行きで俺の隣に川崎が、小町の隣に毒虫が座る。
お昼のピークを過ぎている為か、あまり混んでおらず過ごしやすい。マジ素晴らしい。
「じゃあ、注文は以上で」
「かしこまりました~」
店員さんの緩い声を聞きつつ注文を終える。あの人の雰囲気、城廻先輩っぽいな……。
ちょっとぽけっと見つめてたら、右腿をぎゅっとつねられた。痛みよりもびっくりが先行したんですけど。何事?
「……なーに見惚れてんだよ」
声の調子はものっすごい怖いんだけど、膨れっ面がやたら可愛いですよ、川崎さん。小声でぽしょぽしょ言う感じもグッド。……俺何の批評家?
料理が一通り揃ったので食べ始める事にする。
「よし、皆料理揃ったな。じゃあ、いただきまー」
「お兄さん、俺、まだっす!」
「お前はドリンクバーだろ?ココア飲んでりゃ永久に糖分補給出来るぞ?」
「育ち盛りにそれはきつすぎるっす!」
「うるせえ、お前はカブトムシのエサでも良いくらいだぞ」
「あんたね……」
おおう、久しぶりの川崎ストップ。凍てつく波動が飛んできた。ああ、せっかくのバイキルトが……。
……あれ、てっきりつねってくるのかと思ったら、太腿をさわさわとしてらっしゃる?何このいやらしい撫で方。顔は怖いままで下でこんな事するってどこの淫魔だよ。
……こっちも見ずにさりげなく……。……めっちゃ勃っちまったよちくしょう。
「それで、この後はどうしましょっか」
小町がお肉をもきゅもきゅと食べながら切り出す。お肉を食べてる時すら可愛いとかマジなんなのさ妹よ。ほっぺがリスみたいですよ。飲み込むときの健康的なごっくんって音が何かもうCMのオファーが来てもおかしくない。って言うか、来て!そしてぐっさんと回鍋肉食べて!あれ超美味しそう。
「ああ、そうだなー……」
考える体で、ちらりと隣の川崎を見る。
正直、今すぐにどこかに入ってさっきの続きをしたい。ちょっともう煮え滾ってる。
川崎も俺の視線に気付くとこちらを見て来た。頬を朱に染め、少しだけ息を荒げ、手を今度は内腿にまで伸ばして来て、時々股間にまで触れて来る。いや、さっきでもここまでやってなかったでしょ?一度スイッチが入るとここまで化けるの?ポテンシャルの塊や!エロ性獣やでえ!
「……小町、ちょっと良いか?」
「おや?ほいほーい」
席を立ち、小町に意味ありげに手招きをする。困った時の小町頼み。流石妹だ、事情を察したのかすぐ付いて来てくれた。
テーブルから離れた場所で、ごにょごにょと話す。兄妹密談。
「さっきの話なんだけどな。さっき、俺と川崎で…その、なんだ、キスとか……それ以上のことしてた」
「なん……ですと……!?」
小町の顔がサスペンス顔になった。眠っている毛利さんの後ろで真犯人が誰かを聞いて驚く人みたい。
「そんでな、正直もう辛抱たまらんと言うか、もう、したくて」
「……え、したいって……」
「……ああ、そりゃ、まあ……」
と口ごもっていると、小町が急に涙をどばどばと流し始めた。突然のナイアガラ。
「うう……お兄ちゃんも遂に妹離れをする日が来たんだね……小町は嬉しいような寂しいような混ざりたいような……」
「え、今最後何て」
「なんでもないよー?」
食い気味に潰しやがった…。今ちょっと半端ない背徳感が湧き上がったっつうの。
「ま、そう言うことならお任せあれ!時間的にうちには今お父さんもお母さんも居ないし、しけこむならお兄ちゃんの部屋がいいんじゃない?」
「お前、どこでそんな言葉を……」
お兄ちゃんびっくりだよ。いや、マジで。
「はいはい。それじゃ、上手いことやるからまっかせなさーい!」
腰に両手を当てて、無い胸を目一杯張ってどやぁってして来た。腹立つけど可愛いから無問題。
「すいませ~ん、お待たせしましたー!」
小町がてへぺろ顔で戻るのに同行する。おいてめえこら毒虫、小町の表情を見て『可愛いっす…』顔すんじゃねえ。両耳に手を当ててメラゾーマとマヒャドかますぞこら。君の頭でメドローア!
「それでこの後なんですけどー、ちょっと買いたいものがありまして!でも同行してもらうのは一人居れば十分なんですよね。なので、大志君一緒に来てもらえるかな?そんでお兄ちゃんと沙希さんはペアで別行動、みたいな!どうでしょう!」
おお、力任せにしつつも良い塩梅の提案を。流石だ妹。
あれ、でも、それ……。
「ん、小町はそれで大丈夫なのか?」
ちらりと毒虫の方に目をやる。『?』と言う感じで無邪気に首を傾げる様は、何も関係無い人だったら興味は一切湧かないし、今のこの状況だと殺意しか湧かないから……詰んでるよ、君。
「ん、大丈夫!……上手くやるよ」
後半を小声で言った。上手く躱してくれるんだな、安心。大志もうじき涙目。ざまあ見ろ。
「わかった。川崎、それで良いか?」
「あ、ああ……分かった……」
恥じらい方可愛過ぎんだろ。
……あれ、小町並に心の中で可愛い可愛いを連呼してる。気のせいかな?かな?
4.
サイゼを出た所で、2人ずつに分かれた。
「さて……川崎、これからなんだけど」
隣を見ると、ぽけっとしてる。どうしたの?あ、気付いた。
「!んえ!?あ、ああ、そうだな、結婚は二人とも大学を卒業してからの方が良いかな……」
「俺このタイミングでそんな将来を見据えた話を切り出すつもり無いんだけど……」
真剣に答えるのやめてくれよ。脳内が小学校低学年の乙女くらいの純粋ぶりだなこいつ。普段とのギャップが激し過ぎる……。
「……あ、そ、そうだよな……ごめん」
しゅんとしちゃった。……戸塚じゃないのに抱きしめたい……だと……?
驚きを隠せない。俺自身に。
「えーと……あれだ、俺の部屋来ないか?多分今他の場所に遊び行っても、気もそぞろで全然楽しめないと思うし」
「!い、良いのか?本当に?」
すんごい嬉しそうな顔された。密着するのやめてよ、恥ずかしいしから。ちょっと、本当に恥ずかしい!
「ああ。今日は親は遅くまで帰って来ないし、小町もしばらく遊んで来るはずだから」
「分かった。……嬉しい、な……」
小声で言った後半部分で悶え狂うかと思った。一瞬びくんって震えただけで済んだぜ!川崎に怪しまれたぜ!
「そんじゃ向かうか……お?」
携帯のバイブが鳴った。小町から?
『お兄ちゃん、こっちは理由付けてもう解散したよー!その辺ぷらついて夕ご飯も食べて来るから、思う存分しけこんじゃって!』
……最後最後。あかんて。っつかまだ5分くらいしか経ってねえぞ?メールのテンションから察するに一人で遊ぶのを満喫する気満々だな。
大志、お前が悪いんじゃない。ただ、小町がお前に興味が無いだけなんだ。
ごめんな、大志毒虫。早く別の女の子のケツを追っかけてくれ。ルパンルパ~ン。あれ、実際は『ルパンザサード』って歌ってるって聞いたときの衝撃が異常だった。
と、言う訳で、俺と小町と川崎のデートは終了。これから俺の部屋に向かいます。
……川崎の視線が熱っぽい……。興奮させんのやめてくれよ……。
続く。
毎日更新してたら、書くペース云々よりもネタが尽きるのが心配だな~と今朝思ってたんですが……原作でほんの少しだけ出た言動やちょっとしたくだりだけで、あっと言う間に1つのエピソード(3~5話分くらい)が出来る事に気付きました。書くペースを今の5倍くらいにしないと、思い付いたネタをすぐ書ききれませんw
取り敢えずゆきのんと川崎の話が一段落した時orその一歩手前くらいで、新しいエピソードを1~2つ始めたいと思います。エロばっかり書いてると頭が煩悩にまみれ過ぎて却って書きづらくなるのです。新しいエピソードではいろはすも実験的に書き始めたいと思います。
今も目次を見ると中々見づらくなっていますので、エピソードを書き終えて少し時間を置いたら、きちんと並び替えようと思います。
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!