※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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(12)

 陽乃さんと一緒に自室に入ると、すぐ後ろでかちゃりと聞き慣れた音がした。

「……ええっと……?」

 見ると、陽乃さんが極めて自然な手つきで部屋の鍵をかけている。

 ……いやいやいやいや。

「ん、どうしたの?」

 なんで俺が何かおかしな反応をしたのかなと錯覚しそうな勢いできょとんとしてるんですかね?

「え、や、なんで鍵――」

「わたしここに座っていいかなー」

 俺の話を遮り、しかも俺の返事を聞かないまま、陽乃さんがベッドに腰掛けた。ぎしっとベッドが軋む音がして、陽乃さんがすぐさま我が家であるかのようにくつろぎはじめる。

「……は、はい……」

 ずっと自分が使ってきたベッドに目をやれば、あの、雪ノ下陽乃が居る。今のこの状況を改めて認識して、ごくりと息を呑んだ。

 先は長そうだ。

 

       ×  ×  ×

 

 俺がカーペットの上のクッションに腰を下ろした直後、お茶を持ってきてくれた小町が部屋をノックした。俺が返事するよりも先に陽乃さんが「は~い」とやけに明るい声音で返事をして鍵を開けた。さりげなさすぎて一歩も動けませんでした、はい。

 鍵を開けたという行為に驚いたのだろう、小町が、

「お兄ちゃん……いくらなんでも、もうなの……?」

 台にお盆を乗せながら、小町がジト目を俺に向ける。もう、何だよ。

「待て待て。早まるな、俺は何もしていない」

 何を言ったら弁解出来るんだろうかと焦っていると、首にするりと熱を帯びた何かが巻き付いてきた。

「あら、これからするんでしょ? 小町ちゃん、変な声が聞こえちゃったらごめんね?」

『…………~~~~~~~~っ!?』

 俺に後ろから抱き付いた陽乃さんが、とんでもないことを言った直後に俺の耳たぶをぱくりと咥えた。

 小町は耳まで真っ赤にして髪の毛を半ば逆立てて、口をぱくぱくさせている。はわわわと可愛い声を上げながら、ぎぎぎと首を不自然に動かして俺と目を合わせた。

「お、お、お、お兄ちゃん……明日お兄ちゃんの顔を見た時、一皮剥けてることを信じてるよ……っ!」

「待て待て待て待て、お前何言って……」

 感動なんだか子どもの巣立ちを寂しく思う親心なんだかよく分からない涙を流しながら、小町が俺のツッコミも意に介さず部屋を去った。足音から察するに、どうやら自室ではなくリビングに行ったようだ。「にゃあぁぁぁぁぁ!」とか叫ぶのやめろよ恥ずかしいから。

「……ちょーっと刺激が強すぎたかな? 後で謝っとかないと」

 俺に抱き付いたまま、陽乃さんが反省の弁を口にする。真面目なことを言ってるけど、喋る度に耳に息がかかってぞくぞくするんで離れてもらえませんかね。

「や、もう、小町までその調子に巻き込むのはやめてくださいよ。俺はまだ良いですけど」

 少し声音に棘が混じってしまっただろうか、陽乃さんが身体が強張り、しゅんとするのが分かった。

「……ごめんね?」

「あ、や、まあ、その、今後気を付けてもらえば……」

 急にしおらしくなられても困る。覗かせている顔をちらりと見ると、心底悔やんでいるのか眉根を悲し気に寄せていて、そのギャップに内心どきどきしてしまう。

 この後なんて繋げば良いものかと考えていると、

「お詫びに……」

 短く告げて、陽乃さんが俺の身体の向きをくるりと反転させて、そのまま俺の唇を奪った。

 

       ×  ×  ×

 

「んちゅっ、ちゅぷっ、ちゅく、ちゅぴっ、ずろろろ……」

「~~~~~~~~っ」

 謝罪ってなんだっけ……まあ良いか、と思考が吹き飛んでしまう程の、濃厚な口付け。唇をはむはむと咥えられ、歯列を舐められ、舌を吸われ、陽乃さんの口内で吸われた舌がねっとりと味わわれる。口だけでなく手も動いていて、張り詰めた股間を愛おしそうに擦っている。

 あまりに突然な方向転換に、頭がおかしくなりそうだ。

「……ぷはっ。ちょ、ちょっと、雪ノ下さん……」

 肩を押さえて引き離すと、俺の手が触れているからか、微かに震えながら陽乃さんが笑う。その目にははっきりと色が宿っていて、本能だけで動けるのならば今すぐ押し倒したくなった。

「あれ……いやだった?」

 困ったように眉根を寄せながらもその口元はうっすら笑みを浮かべていて、首を傾げながら両手で俺の股間を弄んでくる。

 陽乃さんは胸元が大きく開いたニットとミニのプリーツスカートという出で立ちで、正直家に入った瞬間から内心股間がまずいことになっていた。抜かずに溜まっているものの量が多すぎて、今すぐこの胸を揉みしだいて気絶させてやりたい……なんて、気遣いの欠片も無いことを考えてしまうくらいには、頭の中が色欲に侵食されている。

「あれれー、だめ? 本当にだめ? 本当に?」

 嘘みたいに同じ表情のまま、俺の制止を意に介さずじりじりと近付いて、股間を撫でる手の動きを速める。ジーンズ越しに踊る手のひらの感触に、確実に射精の衝動が高まっていることが分かる。

「ちょ、雪ノ下さん、本当に……っ!」

 今はだめです――と言って、無理やり引き離す。俺の言葉と挙動に一瞬きょとんとしてから、陽乃さんはにやりと笑みを浮かべた。

「ふーん、そっか、『今は』だめなんだね」

「あ、や、今のは……」

 言葉の綾で――と言葉を続ける前に、陽乃さんがぱっと離れる。

「うん、じゃあやめとく。まずはせっかく貰ったお茶を飲まないとね」

「あ、え? あ……はい……」

 にぱっと笑うその表情は、ほんの10数秒前までとはまるで別人のものだった。

 

       ×  ×  ×

 

 お茶を飲んでいる間も、陽乃さんは初めに座ったベッド際から動かない。二人の間の1mに満たない距離は、いつもならまるで気にしないものなのだけど、ほんのついさっきまでと比べると果てしなく遠く感じる。それがどうにももどかしい。

「ふー、ごちそうさま。小町ちゃん、お茶淹れるの上手いねー。後で言っておこっと」

「はぁ、ありがとうございます」

 小町が褒められるのは嬉しいことなんだが……今の状況が状況なだけに、どうしても生返事になってしまう。

 陽乃さんはベッドからひょいと降りると、テーブルに置いてあるお盆に湯呑を置いた。……俺の肩に手を置いて。

「…………」

 何この焦れったい感じ……とやきもきしていると、肩に手を置いたまま陽乃さんがにんまり笑顔で覗き込んできた。

「……なぁに、そんな不満げな顔して」

「……なんでもないですよ」

「そ」

 素っ気ない返事をしたかと思うと、俺の唇にちゅっと羽のように軽い口付けをして、再びベッドに戻った。

「……………………」

 はーん!?

 さっきから何なわけ!? マジウケるんですけど!? や、ウケねぇけど。

 一人で流れを完成させるくらいには混乱した。実にメダパニ。

「え、えーと、雪ノ下さん、どうします? ご飯とか」

 多分追及しても無駄なので、話題をさっさと切り替えることにする。

 部活に行ってからの帰宅だったので、時間はもう夕飯時だった。今の今まですっかり日常の感覚が飛んでいたが、よくよく考えなくても腹が減っている。部屋に来る前に考えるべきことだった。

「あ、そうだね。比企谷くんもご飯食べてないよね?」

 この言い方からすると、陽乃さんも食べていないようだ。

「そうですね。学校から直帰したんで」

「あはは、良いねー。奥さん一筋の旦那って感じで」

「何言ってんですか……」

 けらけらと笑われて、顔が熱くなるのを感じながら俯く。

 陽乃さんが頬に人差し指を当てて、天井を見上げながら小さくんーと声を上げる。この世で誰も勝てないんじゃないかと思うくらいにはあざとい。俺の心拍数をいたずらに上げるのはほんとにやめてほしい。

「今日は親御さん居ないんだよね?」

「なんで知ってんですか……そうですよ」

 確かに今日は、両親揃って居ない。どちらも会社関係の旅行だか飲み会だかが入っていたはずだ。プライベートにも割り込んでくる会社のそういうシステムには一生馴染めそうにない。

「小町ちゃんに聞いたんだ。それじゃあ……」

 ベッドから降りて、俺の目の前まで来て身体を屈める。目の前に強烈な谷間が見えて顔を逸らそうとしたら、ものの見事に顔を掴まれて視線を固定された。え、なんで俺の目をあなたの顔じゃなくて谷間に向けさせるの? あー、手を突っ込んだら1日中入れてられそうだなぁ……や、そうじゃなくて。

 脳内が大混乱に陥っていると、陽乃さんが耳元に唇を寄せる。陽乃さんがこういった行動をする度に、この人の声も吐息も、その全てが男の生殖機能を最大限に活発化させる為にあるように思えてしまう。

 陽乃さんが絶妙な間を空けて、妖しい口調で一言。

「お姉さんが、晩御飯作ってあ・げ・る」

「~~~~~~~~~っ……」

 道を歩いていていきなりリバーブローを食らった、というくらいの衝撃。

 焦るな、俺。落ち着け、俺。こういうベタなのって皆好きだからこそベタであり続けるんだよな……や、落ち着け、俺。

「……こ、小町に作ってもらうよう頼みま」

「えー、良いでしょう?」

「ちょ……っ!?」

 俺の提案の言葉を叩き切って、陽乃さんが俺に覆いかぶさってきた。そして俺の身体にその豊満な肢体を密着させて、耳にぴったりと唇を付けて囁いてくる。

「比企谷くんのためにご飯作りたいんだってばー。ねー、良いでしょう?」

「ちょっ、ほんと、ちょっ……!」

 情けない声を上げながら必死で振りほどこうとするが、陽乃さんのすらりと伸びた腕と足は、こちらの力の入れように関係無くするすると絡み付いてきて離さない。

 陽乃さんの甘えた声が俺を動揺させる為だと分かっているのに、それでも頭が心地良く痺れてしまう。

 や、別に陽乃さんに作ってもらっても良いんだけど。絶対旨いんだろうし。

 ただ、完全にペースを持って行かれるのは――

「作らせてくれなかったらヒマになっちゃうから、小町ちゃんが作ってくれてる間比企谷くんのこれ、ずっと弄ってようかな」

「え……」

 同じく耳元で囁かれた言葉だが、その声音の温度差にぞっとした。陽乃さんの目を見ると、まるで猛禽類のような瞳孔をしていて心臓がキュッと締め付けられる。締め付けられるのに……股間が異常なくらい反応してしまう。

「や、それは流石に……」

「わたし、男の人の潮吹きって見てみたかったんだー。比企谷くんはわたしが擦るとすーごい感じてくれるみたいだし、多分出来るよ。ああ、どうしようかなあ、どっちもすごく魅力的だなー」

 わざとらしい台詞と共に、流れるような動作で俺のジーンズのチャックを開け、パンツの中に手をするりと侵入させ、すべすべの指を肉棒に絡ませてきた。数瞬遅れてぞわぞわとした感覚が身体中を駆け巡るのと同時に、俺がやるより手際が良いんじゃないかという程の速さでするりと肉棒が外にひきずり出される。

「ちょ、ちょっと……っ」

「あー、残念だなー、料理作りたかったなー。でもその分潮吹きが見れるんだから良いかー。……何回見れるかな?」

 陽乃さんは手では肉棒を擦り上げて亀頭をくちゅくちゅと楽し気に鳴らしているが、声音は凍てつく程冷たい。

 ……っていうか、これは、もう、ペースどうこう言っている場合ではない。

「……わかりました、料理、お願い、します……っ」

 言うと、陽乃さんの顔がぱぁっと明るくなる。

「ほんと? わー、ありがとう! じゃあお礼に……」

「うぐぁっ!?」

 これで手が止まると思いきや、急激にしごき始めた。先走り汁が潤滑油になって、まるで痛むことなく一気に射精の衝動が高まる。

 まずい、まずい、まずい。

 出したい気持ちはあるけれど、なんかここで出すのは悔しい。なんか違う気がする。……何とか止めないと。

 ――そう思って、

「雪ノ下さん、良い加減に……っ!」

「んむっ……?」

 陽乃さんの肩を掴んで逆に押し倒しながら、その唇を奪った。

 

 

 

 続く。




☆☆UA130万達成☆☆
昨日の時点で祝えてたんですがwなんかもう走り続けてると、こういう祝い事を忘れそうになります。全話PV(ページビュー)がもうじき600万に到達しそうなのに今気付きました。うおう。引き続き頑張ります。ぬん。

はるのんでした。
はるのん編は本番前のシーンでずっと書きたかったくだりがあるので、そこをかなりがっつり書きます。ちなみにそこまで行くにももう数話かかるので、安定の長丁場になるかと。

活動報告のリクエスト、今も受け付けております。というか年中無休です!wなのでどしどしどうぞ!活動報告でこんなにコメント貰えるのかってびっくりしてます。超ありがとうございます!!

この作品だけに注力しているとオリジナルがずっと書けないなーと思ったので、GJ部テイストのゆるゆるなやつを書き始めています。取り敢えず3話分程書きました。
これならばストーリーが無い分ある程度書けば投稿出来ると思いまして。
理想は小説(この作品・日常系のオリジナル小説・ストーリーのあるオリジナル小説)を書き進めつつ、本を読みつつ、色々な勉強をしつつ……という生活を送ることなんですが、睡眠時間を削らなくてもきびきび動けばやれそうなんですよね。ちょこちょこやって行きます。むん。この作品にだけ心血を注いでいるという状況で無い方が、良い塩梅でゆるさが出せるかとも思いますので!

今日で平日も終わりますね。連休があまりor全く関係無かった方は本当にお疲れ様です。もう1日頑張りましょう!

それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!

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