にちり、と。
陽乃さんの花びらに男根の切っ先を宛がうと、たっぷりと分泌された愛液が粘っこい音を立てた。竿に手を添えて、割れ目を上下になぞっていくと、ひくついた淫裂がいやらしく裏筋をしゃぶり、挿入への期待感をぞくぞくと高めてくれる。
「あっ、あぁっ、あぁぁ……っ」
陽乃さんは全身を脱力させたまま、力無い声を上げた。汗で髪が額に張り付き、天性の美貌が淫靡な魅力を纏って極上のものとなっている。虚ろな視線が俺を捉えているが、その瞳に拒絶の色は無い。
「陽乃……入れますからね」
なるべく落ち着いた声で言ったつもりだが、緊張で微かに上ずっていた。陽乃さんは俺の言葉を聞くと微かに目を見開いて、やがて唇を引き結んでシーツを掴んだ。ぎりぎり見える程度で頷いて俺を見つめて、泣きそうな顔で微笑む。この人を自分のものに出来る……という征服感が心を包む。浅ましい欲望だと分かっていても、陽乃さんの表情を見たら止められない。
肉竿をなぞった時、どこで一番切っ先が沈み込むかも何となく分かっていた。そこへ亀頭を持っていき、ゆっくりと沈み込ませていく。
じゅぶりと亀頭を挿入した瞬間。
極上の肉悦が、肉茎を包み込んだ。
「う……ぁ……っ」
生き物のように蠢く肉襞が男根の上半分を包み込み、ざわざわと締め付けてくる。悦楽のさざ波が下腹部から全身を這い回って、入れただけで口が開いて呆然としてしまう程気持ちが良い。
「う……くぁ……」
あっと言う間に湧き上がる射精の欲求を、歯を食いしばって耐える。こんなにきつく締めつけられるものなのかと驚いていた。締め付けは強くなるばかりで、まるで男性器官を押し出そうとしているかのように思える。あれだけ濡れていたのに、徐々に膣内が乾いていくような感覚がする。どうしたのかと思ってふと陽乃さんを見やると、その表情に違和感を覚えた。
「陽乃……?」
陽乃さんは、顔を横に向けて震えていた。そう言えば、さっき指を入れていた時と締め付ける感覚が違った。今は何だか、全身が力んでいるような……。
ピンときて、まさかと思った。
「陽乃……って、まさか……」
恐る恐る聞くと、陽乃さんがゆっくりとこちらに顔を向けた。
「あら……思ったより早くバレたなぁ……あはは。……どっちにしろ、このままじゃいられないでしょ? ゆっくり、進めて……」
「は、はい……っ」
確かに、言われた通りするしかなかった。俺も陽乃さんも、ここまで来て後戻りなんてするつもりは無い。二人の関係を更に深めていくしかなかった。
腰を進めると、いよいよ違和感が強まってきた。締め付ける強さが増して行き、快感を通り越して軽い痛みさえ感じる。
「うっ、くぅ、うぅぅ……っ」
陽乃さんはそれ以上に苦しそうで、眉根を寄せて痛みを堪えているようだった。絶世の美貌は歪んでなお美しいのかと驚く。
ほんのついさっきまでの、この人を蹂躙したい、自分のものにしたいという欲求が、気が付けば自分の中から霧散していた。
腰を止めて、身体を屈める。豊満な乳房を包み込むように撫でて、上気した色っぽい唇を啄んだ。陽乃さんは目を見開いて驚いたが、すぐにうっとりと目を細めた。
「んんっ、くぅ……ちょ、ちょっと、んむぅ……ぷはっ、あっ、あふぁっ、こら、そんな優しいキスするなんて……生意気だぞ……っ」
お姉さん然として喋ろうとするが、その声はいつになく余裕が無くて愛らしい。
「陽乃さん……」
呼び捨ては、この場にはそぐわないと思ってやめた。
「初めて……だったんですね」
そろりと言葉を投げかけると、陽乃さんがむうっと頬を膨らませて、首に腕を絡めて抱き寄せてきた。驚いている内に唇を重ねられる。ちゅっと小さな音を立ててすぐ離されると、もっとキスしたいというシンプルな欲求に駆られた。
「わたしがモテるのは分かるでしょ?」
「……そうですね」
陽乃さんは至極いつも通りの顔をして言う。この人が言うと自慢でも何でもないから困りものだ。ただの事実報告でしかないのだから。
俺の返事に、陽乃さんはくすりと微笑む。
「わたしの性格も知ってる訳だ」
「……ほんの、ごく一部ですけど」
「それでも十分だよ。……それで、周りの男が、わたしとそう簡単に、こんな関係になれると思う?」
「……全然思いませんね」
陽乃さんが俺を抱き寄せる。首筋を撫でる艶やかなセミロングの髪がくすぐったくて身を捩ると、逃げられないようにするためか、より強く抱きしめられた。膣内の力みがほんの少し和らいでいる。
「そういうこと。途中で割に合わないって思っちゃうのかな、みんな離れて他の女の人の所に行っちゃう訳。わたしとまだ何も始まっていない内からね」
「うわぁ……美人は大変ですね」
心のそこから思ったことを口にしただけだったが、陽乃さんは目を瞠った。ぽかんとした表情はどこか子供っぽくて、あどけない表情に心がくすぐられる。
「……君ってそういうとこあるよね」
「へ……それってどういう……っ!?」
陽乃さんが突然、奪うように唇を重ねる。瑞々しい唇は先程よりも熱を帯びていて、驚きで閉じていた唇を長い舌が割り開いてくる。舌と舌が艶めかしく混ぜ合わされ、頭蓋に直接響くいやらしい舌のまぐわいに、肉竿がびきりと脈動した。
「……ぷはっ」
陽乃さんが唇を離して、やけに楽しそうに笑う。
「……何ですか、今の」
「んー? 照れ隠しかな」
「こんなアグレッシブな照れ隠しがあってたまるか……。ていうか何に対する照れ隠しですか。俺は美人は大変と言っただけ……って、あ、そういうんむっ!?」
また唇を奪われた。陽乃さんを見ると、拗ねたように眉根を寄せている。再び口内を蹂躙されると、陽乃さんの表情を見ている余裕はあっと言う間に無くなった。いつか、俺は陽乃さんとのキスだけで射精をしてしまうかもしれない。飽きるどころか、口付けを交わす度に高まっていく官能に、そんなことを思った。
「……ぷはっ。まったく君は……」
「……なんかすいません」
「ふふ、許してあげよう」
「すげぇ上からだ……」
「比企谷くん。……光栄に思いなさい?」
陽乃さんが俺の頭をくしゃりと撫で、背中に腕を回して抱きしめて、啄むようなキスをする。流れるような動きにぽかんと惚けていると、陽乃さんがいたずらっぽく笑った。
な、なんか……。
「は、陽乃さん……」
「ん? なぁに?」
目を細めて、にっこりと微笑みながら首を傾げる陽乃さんは。
「な、なんか、陽乃さん、すげぇ可愛いです」
「……え、ちょ、ちょっと……っ」
陽乃さんの顔が瞬く間に真っ赤にそまり、耳まで赤くなったところで陽乃さんが自分の腕で顔を隠した。反応の遅れが、そのまま彼女の動揺を示すようだった。
「う……っ?」
陽乃さんが顔を背けて「うぅ……」と小さく呻いているのを聞いて益々可愛いなと思っていると、乾いていた膣内に愛液がとろりと溢れ出した。温かく肉棒を包み込んで、膣粘膜との摩擦を和らげてくれる。陽乃さんも自分の身体の変化に気付いたようで、これから先見ることが出来るのか分からないくらいに、顔が真っ赤に茹で上がっている。
「陽乃さん……本当に、本当に、可愛いです……っ」
「こ、こら……っ、いい加減に……っ」
俺が本心から告げる言葉に、陽乃さんの声から益々余裕が削られていく。痛がっている時の陽乃さんよりも余裕が無いことにくすりと笑みがこぼれてしまう。
「な、何を笑ってるの。君はまったく……あ、こら……っ」
顔を隠す腕を引き離すと、陽乃さんは眉根を寄せて口を尖らせていて、まるで幼い少女が拗ねているかのようだった。
極上の美貌に見惚れて。
淫らな肢体に息を呑み。
かと思えば、こんなあどけない愛らしい面まで見せてくる。
俺はこの人の虜になっているんだと、今更ながらに気付いた。
「陽乃さん。ゆっくり、慎重にしますから」
陽乃さんの頭をくしゃりと撫でると、陽乃さんは俺の手に自分の手を重ねてむぅと唸った。
「話はまだ終わってないのに……んむっ?」
今度は俺から唇を重ねる。背中と首に腕を回すとベッドがぎしりと鳴った。少し意固地になっている上下の唇の合わせ目をなぞると、容易く舌を侵入させることが出来た。
「んむふぅぅ……んちゅっ、ちゅぷりゅっ、んふぅぅ……んんんん……っ」
陽乃さんの目がとろんと細められて、互いの唾液が混じり溢れた口内と同じように、膣内が愛液で益々温かくぬめっていく。温かくて甘い口内をたっぷりと味わって唇を離すと、今度は陽乃さんが名残惜しそうな顔をした。いてもたってもいられなくなるような愛おしさが湧いてくる。
「……腰、進めますよ」
「……うん」
陽乃さんが俺を抱きしめる。
思った以上にその身体は細くて。
その表情にはまだどこか不安が滲んでいて。
目の前の女性が、一人のとても可愛い女の子なのだと、今更ながらに気付いた。
続く。
☆☆☆祝・250万UA達成☆☆☆
本当にありがとうございます。200万達成した時に感想で「次は300万ですね」と言われた時は「流石にそこまでは毎日連載も続いてないんだろうなぁ」と思っていたんですが、依然としてがっつり続いております。もう少しの間、毎日お付き合いくださいませ。連載が全て終わるのはいつになるのか見当もつきません!w
はるのんでした。何気にもう少し続きます。楽しいなぁ……。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!