※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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(3)

 先輩の部屋に一人で入り、つい癖でドアの鍵を閉めかける。

 あぶないあぶない、これじゃただの籠城だ。

 先輩の部屋で籠城とか何それ楽しそうとか思ったけど、お腹がすぐ空いちゃいそうだなぁ。着眼点が子どもみたいだ。

「ふぅ……」

 疲れていないどころか元気いっぱいなのに、またため息を漏らす。そしてふらふらと歩いて、先輩のベッドにぽすんと座る。ここに座った時の擬音がぼすんになったら激しく危機感を抱く所だけれど、先輩とするようになってから体重が良い感じに落ちた……上に、脱衣所で自分の身体を見ると、何だか漠然と……こう、なんだろう、身体つきが……えっちになった、ような気がする。あくまで気がするって話ね、うん。

「ん……」

 ベッド際に腰掛けたまま、こてんと横に寝転がる。手は自然と内股に挟んでいた。ふへへー、こういう時は真っ先に先輩のベッドに上がって良いって先輩に許可を貰ってるもんねー。先輩のものはわたしのもの、そしてわたしは先輩のも――

「あぅ……」

 ……自爆した。すっごい恥ずかしい。

 恥ずかしくて穴に潜りたい気分なので、穴の代わりに先輩のお布団をかぶって中で丸まる。

 もぞもぞ。

 うーん、気持ち良いなぁ。

 すんすんと鼻を鳴らすと、嗅ぎ慣れた先輩の匂いがして、胸と下半身の奥底が同時にきゅんとする。

 人の家や部屋は、その場所に居る人特有の匂いがして中々慣れない。

 それはこの家にも、この部屋にも当てはまる。

 けど……それでも。

 最近は少しずつ、この部屋にわたしの匂いが混じってきたような気がする。もう半年くらいしたらもっとわたしの匂いの割合も増えて、同棲してるかのような匂いになるんだろうか。あ、やば、想像しただけで顔が熱くなってきた。どうしよう、先輩と同棲したら毎朝先輩に朝ご飯を作らきゃいけないのかな。大歓迎だよもう。

 頭の中を先輩に埋め尽くされたまま、布団の中でもぞもぞ。

 もぞもぞ。

 あー、落ち着く。

 もぞもぞ。

 あー、先輩、早く来ないかな。

 もぞもぞ。

 時計をちらり。

「……12時20分……」

 まだ全然余裕があった。それでもこの部屋で先輩のことだけ考えて15分間ごろごろしてたと思うと中々だな、わたし。ふふん。

「…………んっ」

 何とは無しにこぼした声に、不意に甘い吐息が混じった。布団で包まっているから自分の息も跳ね返ってくるけど、うん、ばっちり歯磨きしたから全く問題無いな。

 先輩に「お前の吐息が毎回甘くてどきどきすんだけど、一体何なの? 何かそういう良い匂いがするもん食べてんの? ガムとか? それとも女性ってみんなそうなの?」と聞かれたことがあったけど、別に特別な事は何もしていない。歯磨き粉の匂いならしてもおかしくはないけど……何だろう、男の子からしたら、女の子は皆甘い匂いがするのかもしれない。先輩、エッチしてるときは気付くと私のうなじの匂いとか嗅いでるしなぁ。まったくもう、おサルさんめ。

 ……とは言いつつ、わたしも結構っていうかかなり嗅いでた……。

 ていうか、女性がみんな甘い匂いがするって言ったらあなたはどうするつもりなんですかねえ。そこんとこ、わたし、気になります。

「……うー、どうしよう……」

 ベッドの中でこれだけ妄想に浸っていたら、当然そっち方面のことも思い出す訳で。いつもならもっとすぐこういう事を思い出しそうなものだけど、今日は同棲の妄想が捗ったから幾分健全な妄想が先立っていた。健全って言っちゃったよ。

 うー、だめだ。

 一度こういうことを考え出すと、もう止められない。

「……よし、これは不可抗力、不可抗力……」

 言い訳に便利だよね、不可抗力って言葉。言い訳って言っちゃった。

 まあ、こんな前置きをしておきまして。

 ちょっと我慢できないから、ここで少しだけ触っちゃおうと思う。時計を見れば12時25分。大丈夫、先輩が帰ってくるまであと35分もある。

 元々一人でする頻度はそこまで多くなかった。そして先輩とこの関係になってからはずっと二人でしていた。だから、身体がその、何て言うか……、……先輩に、開発、されてから……一人でするのは、初めてだ。

 布団が作る暗闇の中で、自分の手を見つめる。ぼんやり闇の中に浮かび上がる見慣れた手の甲に、指の腹に、指先に、先輩の感触を思い出して乗り移らせる。今わたしが見てる手は、先輩の手。そうイメージしただけで、お腹の奥がぐっと疼いた。

「……流石に、脱いだらまずいか……」

 冷静に変なことを言う。しかしこれは重要な問題だ。だって脱いでやっちゃったら多分もう何の遠慮もなくなってしまう。そして恐らく時間も忘れる。いいかわたし、絶対やるなよ? 絶対やるなよ? あれ、これ何の人たちだっけ……? 先輩が言ってた気がするけど忘れてしまった。

 ……何にせよ、今は。

 服を着てするとしよう。それで適度にすっきりして、先輩の前で余裕を演じてやるんだ。でもわたしのこういうウソって先輩にすぐバレるんだよなぁ……しかも食い気味に。あの人のTwitterのアカウント名、「おサルさん@ウソ発見器」で良いんじゃないかな。何そのおサルさん、テレビに出れそう。

「ふっ……んんっ……」

 布団に包まったまま、服の上から胸に手を触れる。身体を洗う時とはまるで違う感触と感覚で、肉の柔らかさが伝わる。

 ……自分で触ったからこそ分かる。

 確実に、柔らかくなってるぞ、わたしの胸。

 サイズは正直最近は1カップ大きくなってて、それを聞いて先輩が狂喜乱舞してて何だこのおっぱいモンスターはと冷たい目で見たんだけど、柔らかさまで増しているみたい。ああもう、どうりで最近、先輩がわたしの胸を触る時間も長くなってる訳だ。ほんと勘弁してほしい、敏感さも増してるし。胸だけで3回イカされた時は流石に気持ち良すぎて怖くなった。……まあ、その後も全く歯止めをかけずに責められ続けて、最後はみっともなくおねだりして何回も挿れられ……あう。ああもうだめだ、わたし今日は自爆してばっかりだ。

「あ、そうだ」

 服を着たままするかどうかを考えている内に、先輩の手をイメージしたのをすっかり忘れていた。よーし、集中集中……。

 ……………………。

 …………うん。

 今、わたしの手=先輩の手だ。

 それじゃもう一回、今度は先輩に触られるつもりで――

「んひぃっ!?」

 布団の中で跳ねた。

 さっきと同じように、まずは触れる程度で――と思っていたのに、先輩の手をイメージしたら……いきなり、両手で鷲掴みにしてしまった。さっきの何倍かも分からない電流が駆け抜けて、自分の胸を触っただけの筈なのに頭が真っ白になる。

 う、うそ、先輩の手って思っただけで、こんなに……?

 こ、これはだめだ、もうやめないと、戻れなく――

「んはぁっ!」

 今度は布団を蹴飛ばしてしまった。

 もうやめなきゃと思いつつも、先輩が次に何をしてくれるかをイメージしていたら……右手をショーツの上に当ててぎゅっと押し込んで、それと同時に左手は胸をさっきよりも強く揉んでしまった。背筋を弓なりに反らせてぶるぶる震えて、戻る時に勢い余って布団を蹴飛ばした。うう、先輩ごめんなさい……。

 実際、先輩は今のと同じような流れをやってくれることがある。わたしが相当高まっている時、「本当に、大丈夫だな?」と確認した上でやってくれるんだ。わたしの大事な部分が先輩の手に力強く包まれるのがあまりに気持ち良くてあまりに幸せで、この行為だけで私はすぐに果ててしまう。

「だ、だめ、だめ、だめ……」

 これ以上したら、まずいことになる。

 そんなこと、分かりきっているのに……。

 気付けば、わたしは先輩のベッドの上で衣服をするすると脱ぎ始めていた。

 

 

 

 続く。




今回投稿された時間帯は、恐らく帰路についている頃だと思います。

また1週間が始まりますね。頑張りましょう。
それでは、また明日ここでお会いしましょう!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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