――舌を出すんだ――
いろはに命令をすると、一瞬逡巡する素振りを見せたが、俺に見せるつもりがあるのかないのか、ほんの少しだけ喜悦に口角を上げたのが見えた。
おしおきにより身体がいつもよりも高まってしまい、元々感じやすいキスで更に感じるようになって、立派な愛撫と化している。
それが怖くて今まで積極的なな口付けは避けていたというのに、この子は……。
返事を促そうと、いろはの頬に手を添えてそろそろと撫でる。
「……はっ、はぃ……っ、ひぅぅぅ……っ」
いろはがためらいながらもおずおずと舌を差し出す。
目をうっとりと細めて、顔を震わせながらもめいっぱい舌を伸ばすその姿は、たまらぬ程健気で愛おしくて、下半身がざわりと疼く。
極上のご馳走を食べるような気分で、いろはの舌に吸い付く。
ずぞぞ、ちゅぶ、ちゅろろ、じゅぶぶ……。
「ぅ……んぐっ、あへぁ、ひぃんっ、ひぃぃん……っ」
様子を見ながら、わざと大きな音を立ててすすり、いろはの舌を咥え込んでいく。
いろはは自らの舌が俺の口に飲み込まれていくのを陶然と見つめながら、シーツを固く握りしめている。
咥える限界の所まで吸い付いたところで、一気に顔を引いて、唇でいろはの舌をぎゅっと挟んでしごき始めた。
ずっちゅ、ずちゅ、ぢゅりゅ、ずちゅく……。
「っ!? ひぃぃぃんっ! ひぅっ、はへぁっ、あぁぁ~~~~……っ!」
突然始まった唇の往復運動にいろはは身悶えて、俺の動きを押さえようとしたのか、両手両足を必死で俺に絡めてきた。
しかし力の抜けた女の子の拘束に大した意味はなく、この抵抗も可愛らしいものにしか思えない。
いろはの行動に対して、俺は更にいろはの身体全体を締め付けるように力を込めて抱きしめて、いろはの側頭部を押さえ付けて桃色の舌を蹂躙する。
「あぇぇ……あへぁ……へひぁぁぁぁ……っ」
涙を流しながら、口を閉じることが出来ずに口の端から唾液を垂れ流すいろはに見惚れる。
その間も舌を唇で強く挟んでしごき上げて、時折舌先をこすり合わせつつざらざらの感触を楽しんでいると……いろはの舌がひくひくと甘く淫靡に戦慄いた。
……これは……そろそろか……?
いろはの舌を解放してやると、いろはの舌先と俺の唇の間に欲情の糸が引いて、重力に従ってとろりといろはの口内に流れ込んだ。
「んくっ、こくっ、んふぅぅ……。……あっ、ひぅぅっ、もっ、もうっ、やぁっ、これ、もう――っ」
「……イクんだな?」
「……っ」
俺の言葉に、いろはがこきゅっと息を呑む。
さっきの反応からして、もう少し嬲ってやれば絶頂に達するのは、今までの経験上明らかだった。
「どうする? そろそろお互いに――」
舐め合うか――と言おうとすると、いろはがきゅっと俺を抱きすくめた。
突然の事態に一体なんぞやと動揺していると、いろはがしゃくり上げるのが聞こえた。
「あぅっ、あぅぅ、ひっ、ひっく、も、もう……せんぱいのキスがえっちすぎて、我慢出来なくなっちゃいましたぁ……っ」
背中をざわりと嗜虐心がなぞった。
いろはの頭を撫でながら、耳に唇を押し当てて囁く。
「じゃあ、どうしたいんだ?」
ひぅっ、といろはが小動物のように頼りない声を上げて身体をびくりと跳ねさせると、同じく俺の耳に唇を押し当ててきた。
「……えっち、したいです」
睾丸がずくんと疼く。
「どんな風にしたいんだ?」
「……せ、せんぱいに、力任せに、獣みたいに、いっぱい腰を打ち付けられたいです」
耳にかかる吐息が熱くなる。
「それで?」
「あぅ……そ、それで、せんぱいの……太くて熱くて硬いのでごりごりと中をえぐられて、声にならないくらい気持ち良くなって身体がびくんてなって……」
「……なって、どうなりたいんだ?」
「……せんぱいの熱くて白いの、いっぱい、いっぱい、出して欲しいです」
「……わかった」
いろはが囁く淫猥な言葉に、焼け付くような幸福感を覚える。
これはきっと性欲を満たす行為で、愛欲を満たす行為で、嗜虐心を満たす行為で、庇護欲を満たす行為で、征服欲を満たす行為で……愛情を満たす行為なんだろう。
いろはから身体を離して足元に移動して、いろはの足を開くとその間に座った。
目の前には、とろとろに熱を持ったいろはの身体と、期待に満ち満ちたいろはの顔と、蹂躙されるのを心待ちにしている淫裂がある。
いろはが、シーツを握りしめて、こきゅっと喉を鳴らした。
× × ×
――今日は、多分、本当にやばい。
わたしは、確信に近いレベルでそう思っていた。
先輩のおしおきは強烈だった。
次におしおきする時は~なんて話をしたけど、正直……2回もこんなことをされたら、わたしはもう先輩に毎日いじめ抜かれないと生きていけない身体になってしまうのではないか、そう思ってる。
先輩はきっと律儀に考えてくれるから、わたしが望んだらいくらでももっと焦れったくて、もっと気持ち良くて……もっと、わたしがおかしくなるようなことをしてくれるから、余計に。
そんなおしおきの後のキスで、わたしは初めて先輩とキスした時ともまた違う緊張と不安に襲われた。
そして予想通り、いつも程激しくなく、むしろ優しいくらいの先輩の責めで、神経回路が焼き切れるんじゃないかってくらいの快感が頭の中で火花みたいに弾け飛んだ。
そして先輩に促されるまま、正確に言えばそこまで言えと命令された訳でもないのに、恥ずかしい言葉を言っておねだりしてしまった。
先輩と行為を重ねる上で慣れてきてしまったとはいえ、今日はいつも以上にするすると喋ってしまった。
明らかに心も身体も高まってるって、きっと先輩にバレちゃってる。
どうしようかな、えへへ。
……って、そうじゃなくて。
そういった経緯があって(そもそもおしおきの原因はわたしが一人でしてたことだし、それによって高まってた部分も大きい。上塗りに上塗りに上塗りを重ねてしまった)、今、わたしの身体は多分、相当やばい。
口を責められても、胸を責められても簡単にめちゃくちゃになってしまうのに……わたしは、先輩に一番の快楽を望んでしまった。
今、先輩の目の前でわたしは、仰向けになって足を広げて、あられもない姿を見せている。
何一つ隠せない、隠さない、隠そうとしない。
身も、心も。
あぁ、そう言えばもう一つの穴はまだ何もしてないなぁ、今度じっくりと遊んでもらおうかな……って、なんでわたしはこの期に及んで今後の展望を考えてるんだ。
現実逃避……にもならないか。
多分今考えたことは、遅かれ早かれやっちゃうんだろうなぁ。
まあそれは良いとして。
「いろは……行くぞ」
「……っ」
先輩が愛おしくなるくらいに硬くなった逞しいモノを、わたしの足の根元にぺちぺちと当てて、ゆっくりと下にずらしてくる。
わたしの返事を待ってくれてるけど、これ、頷いた瞬間に気絶しちゃうんじゃないかなぁ……でも、それがたまらなく怖くて、たまらなく楽しみに思っちゃってる。
そんな事を考えながら、ゆっくりと頷く。
先輩が、わたしの手を見てちょいちょいと手招きした。
「……?」
なんだろうと思いながらも手を差し出すと、その手をぐっと握られた。
一体なんで……?
あ。
「……っ」
何が起きるかが分かって、全身の産毛が逆立った。
「……行くぞ」
もう一度、先輩が言う。
今度は、わたしの返事を待たずに、わたしの手をぐっと引っ張って――先輩が腰を突き立てた。
続く。
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!