(1)
「ふぅ……」
ベッド際に座って息を吐く。
季節は春。曜日は金曜日。時間帯は深夜。時刻は……分からない。
そして、場所は由比ケ浜家の結衣の部屋。
隣に目をやると、結衣が疲れてすやすやと寝息を立てている。その寝顔は安らかそのもので、見ているだけで気持ちが穏やかになる。
「えへへぇ……ヒッキー、ヒッキー……あんっ、そこ……えへへ……」
「…………」
……え、なに、夢の中で続きをやってんの? まだやってんの? ストイックすぎない?
晩御飯を由比ケ浜マ(=由比ケ浜のママ)に頂いて(感想は伏せておく)、その後部屋に行ったら自然と……というより、即座にやっていた。ほんと即座。どうなってんのってくらい即座。部屋に入った瞬間からだった。
何となく想像はしていたけど、結衣は思っていた以上にそっち方面に興味津々だった。回数を重ねれば重ねる程自分なりに研究して上達していく。健気に「これ、気持ち良い? こっちのが良い?」などと一回一回尋ねられて、最初はそんないちいち聞かなくても……と思っていたが、感想を伝える度に上手くなっていくのを見ると、なんかもうむしろどんどん聞いてくださいってくらいの勢いになっていた。結衣自身の感度も増しているようで、、特に胸を責めると本当に大丈夫かよってくらいの勢いで身体が跳ねる。雑談していて「最近、なんか胸がまた大きくなったような……」と呟いたのを聞いたときは思わずガン見してそのまま触ってしまい、全然そんな雰囲気じゃなかったためにすんごい叱られた。ぷんぷんと怒られた。
それに加えて、どうやら騎乗位をお気に召したらしく、仰向けになった俺に乗っかって泣きそうな顔をして俺を何度も呼びながら、震える腰を前後左右にくねらせる様はあまりにも扇情的で、何度見ても鼻血が出そうになってしまう。いやもう何度でもやってほしいんですけどね。
さっきは最後に四つん這いで後ろから突いて、肉棒を包み込む結衣の柔らかい膣肉の中に大量の精液を注いだ。腕を引っ張りながら付くとたわわな乳房がぶるんぶるんと揺れて、後ろからでも躍動しているのが分かった。射精を始めると「んぁぁぁ……」と色に染まった獣じみた声を上げながら全身を痙攣させて、肉棒から白濁液を際限なく搾り取られた。仕草の一つ一つがあまりに可愛くて、あまりに艶っぽくて、普段のぽやぽやした面、しっかりした面とはまるで違う顔にいちいちどきどきしてしまう。
そんなこんなで、今は休憩中。この後続きをやるかどうかは、目が覚めた結衣のテンション次第。結衣が乗り気でないのにやっても楽しくないので、あくまで結衣に合わせることにしている。ちなみに俺がする気が無くても、結衣が上目遣いで「……したい」と言ってくると一発でその気になるから俺も単純なものだと驚く。俺から誘っても良いんだろうけど、いまいちやり方が分からない。結衣と同じことをやれば良いのか。やべぇ、絵面を想像しただけで吐きそうだ。
「……トイレ行くか」
ぼんやりした状態で、誰に言うでもなく呟く。時計の針の音もぼーっとしていると大して聞こえなくなるらしい。ぬっと首の向きを変えて時計に目をやると、深夜の1時だった。うーん、明日も休みだしなぁ、もうちょっとしたいような……と考えながら立ち上がる。
「…………」
下につと目をやると、さっきまでのこと、結衣が起きてまだその気があった時にしたいことを想像したからか、何度も出していたにも関わらずぎんぎんに勃ってしまっていた。
何だか、出しなれてどんどん回数が増えている。結衣にもなんかどんどんいっぱい出るようになってるよと言われたっけ。これがいわゆる絶倫というやつなんだろうか。
むん、分からん。
今結衣の家に誰がいるんだっけな……どっちにしろトイレはほぼ目の前だし、夜中だしいいか……と、普段ならまず有り得ないのだけれど、この時はそんな雄丸出しの格好のまま部屋を出てしまった。
ドアノブに手を掛け――ようとした、その時。
自分の手がドアノブに触れる直前に、ドアが自然と開いた。
「え……」
「あら~」
現れたのは、結衣と容姿のよく似た……というか、姉妹と言われても違和感の無い、茶髪お団子ヘアーの女性、結衣の母、由比ケ浜マだった。
ていうか、あれ、え、俺、今全裸ですよね?
× × ×
「あらあら、まあまあ……」
由比ケ浜マはお盆を片手にもって、もう片方の手は口に当てて目は驚きで見開いている。
「あ、や、その、これは、あれです、えっと、えっと……」
隠すことさえ忘れ、何これこの後俺どうなるんだろう死ぬのかな等と大混乱していると、由比ケ浜マ――取り敢えずここでは「彼女」と呼ぶことにする――がそっと一歩近づいた。いつものおっとりとした目ではなく、その瞳には確かに色が宿っていて、その目に見つめられただけで勃起が更に増してしまう。
「声が聞こえなくなったから、そろそろ差し入れでもしようかと思ったんだけど……すごい所に出くわしちゃったわね~」
何その気の利いたお節介。
「あ、や、その……」
心臓が恐ろしい程に高鳴る。彼女は俺の肉棒を見つめ続けていて、その視線だけでも狂おしい程に興奮してしまって、こんな異常な状況だと言うのに、鈴口からはぷっくりとカウパーが滲んでいる。
「ノックもしたんだけど返事が無かったから勝手に開けちゃった。ごめんね~」
「あ、すいません。気付きませんでした」
そうか。いくらなんでもこんなタイミングでいきなり開けたりはしないか。ぼんやりしていてノックの音も意識に届かなかったらしい。
「それにしても……」
「あ……」
彼女は俺の横をするりとすり抜けて部屋に入り、カフェオレとクッキーを乗せたお盆を台に置いて、くるりと踵を返して俺の手首を掴み部屋の外に出て、ドアをばたりと閉めた。春にはなったがまだ夜は薄ら寒く、当然深夜の廊下も寒くなる。……その筈なのに、興奮のせいかまるで寒くならない。なんで閉めたのかと聞くより先に、彼女が一気に近付いてきたため、その言葉は喉の奥で掻き消えた。
俺の肩に手を置いて、彼女が目の前まで顔を寄せる。
「……な~に、ヒッキーくん? こ~んな凶悪なので結衣を鳴かせてるのかしら?」
「……っ」
普段の雰囲気とかけ離れた表情に、心拍数が跳ね上がる。どこかで見た事があると思ったら、行為をしている時の結衣と似ている。しかしこちらはその雰囲気をもっと妖しく成熟させていて、その表情と声だけで軽く達してしまいそうになる。
「え、えっと……」
いやいやいやいや、そもそもこの状況何なんだよ。
深夜に全裸で部屋の外に出たら結衣の母親と出くわして? その母親と今密着しそうな程近づいてる? や、どういうこと? 俺が発端ですねすいません。
全力で目を泳がせていると、彼女がにっこりと微笑んだ。
「……結衣ったら、羨ましい」
「え……?」
この人は今なんて言ったんだ……と思っていると、彼女がにっこりと笑う。
「ヒッキーくん。LINE、お友達になりましょうか」
「え? あ、はい、え?」
突然の展開に頭が付いて行かない。しかし言われるがままに携帯を取り出してその場で連絡先の交換を行うと、彼女が突然身体を屈めて、俺の肉棒の目の前に顔を迫らせた。
「ちょ、ちょ……っ!?」
え、この人何やってんの……!? と動揺していると、彼女はすんすんと鼻を鳴らして、微かに唇を震わせて目を細めて、艶やかに微笑んだ。
「ん……やらしい匂い……」
「……っ」
はーん!? え、今、この人、はーん!?
俺が何も言えずに固まっていると、彼女はすっくと立ち上がり、再び俺に顔を寄せた。目の前で見ても、とても高校生の娘を持つ母親とは思えない艶肌に驚きを覚える。
「ヒッキーくん、明日の午前中にでも連絡するわ~。……じゃ、この後も楽しんでね」
「え、あ、はい……」
なすがままに頷くと、彼女は微笑みながらひらひらと手を振ってドアを閉めた。
「……何だったんだ……」
ぼそりと呟いて、ベッド際に力無く腰を下ろす。時間にすれば2分かそこらだったのに、どっと疲れた。
このやりとりで体力が尽きた為、その日は寝てしまった。翌朝目を覚ましすと結衣が目覚めていたので、寝てしまったことを謝ると「んーん、気にしないから大丈夫だよ」と優しく言われてほっとした。だけどその後裸で抱きついてくるのは良くないですね。柔らかいのが前に当たってまた勃ってしまってすぐやりたくなるからね!
× × ×
「それじゃまたね」
「おう。じゃあ……んん?」
「えへへ……じゃあね!」
「……おう」
さらりとした挨拶にするつもりが、突然キスされて思考が停止した。ぼんやりと手を振って、この後どうしようかと考える。
結衣は午後から用事があってその準備があるとのことで、午前中に帰宅した。何となく手持無沙汰な気分になり、勉強にもあまり手が付かないまま夜を迎えた。
続く。
はい、お久しぶりです。初めてこの挨拶を使いました。
2日間お出かけしまして、まあ超絶色々ありまして、今結構やる気に満ち満ちています。ああもう色々あった……!
2日書いてないだけで1週間書いてないような気さえしました。
思っていた以上にすっきりリフレッシュ出来たのか、今回の話やめぐりんの次話を書いていると今まで吸収した分を良い具合に活かせるようになった気がします。
また楽しみつつ書いて行きますので、よろしくお願いします(^^)
由比ヶ浜マ編ですが、以前後書きで今後書きたいものとして挙げていました。何気に書きたくてしょうがなかったです(笑)変化球としてお楽しみください。
原作で3ページ、アニメでも20秒程登場しただけのキャラをどう書くかな~と。息抜き官能エピソードにしようと思います。
連休の終わりだー!月曜から頑張っていらっしゃる方、お疲れ様です。
また、頑張りましょう。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!