由比ヶ浜マ――彼女が、射精を終えた肉棒を口内で愛おしそうに舌で転がす。行き過ぎない程度の程好い快楽を送り込まれて、あれだけ射精したにも関わらず彼女の舌の上でまたむくむくと屹立してしまう。
そろりと、彼女の目を見る。
「…………」
その目は明らかに、二人の今の行為がここで終わらないことを示していて。
瞳の中で揺らぐ情欲の炎を見ただけで、下腹部に獣じみた疼きが走る。
「ちゅぴ、ちゅく、ちゅぷぷ、ちゅりゅ、ずろろろろ……ぷはっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……」
「お……おぉぉ……っ」
彼女が口を離すような動きを見せたかと思いきや、口を離しながらも頬をすぼめて竿を扱き上げ、舌先で亀頭をつつき、裏筋を舌の腹でべろりと舐め上げた。
最終的には口を離したものの、そこまでのたった10秒足らずの行程で、肉竿はあっと言う間に硬くぎちぎちに反り返ってしまった。
しかも口を離した後に鈴口にキスまでしてきた。ちょっとエロ過ぎませんかね……。
彼女がにっこりと微笑んで、目の前の肉棒の竿に舌を這わせる。
「んふぅぅ……れろ、れろ……っ、……うふふ、あなたのおちんちん、まだまだ元気みたいね」
「あ、そんなエロいことされたらすぐ勃ちますよ……」
さりげなく破壊力のある言葉を言うもんだから手に負えない。
彼女が、俺の内股に手を添えてずいと身を乗り出した。
「……ねえ、ヒッキーくん……お願いがあるんだけど……」
「……な、なんでしょう?」
彼女の手の指が、しゅるりと肉竿を包み込む。
「……これ、欲しいな」
「…………っ」
――来たか。
そりゃあそうだよな、ここまでやったんだもんな。ここまでやったんだもんな。何で俺今2回言ったんだろう。
彼女の目には確かな期待が宿っていて、俺も満更でもない……どころか、パンツ一丁になってベッドに飛び込むルパンばりにやる気満々である。据え膳食わぬは男の恥とも言うし。
……でも、それでも。
頭の中にはいつだってあの子がいる。
頭をがしがしと掻いて、何とか言葉を紡ぐ。
「……あー、えっとですね、流石にそれ」
「わたしのぐしょぐしょに濡れたアソコにあなたの凶悪なおちんちんをねじ込んで、めちゃくちゃにして欲しいな」
「……っ」
「正常位でもバックでも騎乗位でも良いわ。どの体位でする時も、胸を揉みくちゃにしてほしい。胸が形をぐにゃぐにゃに変えられながら、わたしがどれだけダメと叫んでも、あなたは子宮の入り口までごりごりと抉るの。わたしの乳首を扱くのも止めてくれなくて、わたしは泣きながら何度もイっちゃうの」
「……ちょ、ちょっと、ちょっと……っ!」
はぁぁぁぁっ!?
何このおねだりの仕方!? 斬新ですね! 殺す気かよ!
このおねだりの効果は抜群で、言葉だけで肉棒は青筋立って反り返ってしまった。
「それであなたに一度射精されて気を失っちゃったわたしを、あなたは抜かないで更に責め立てるの。『なに寝てんですか、もっとちゃんと声上げてくださいよ。牝丸出しのエロい身体してるんだからそれくらい出来るでしょう』とか言いながらね」
「~~~~~~~~っ!」
やばい、やばい、やばい。
この人が描く場面が、あまりにもリアルに肉感を持って浮かんでしまう。
ていうかこの人なんだよ、М度合が増してんじゃねぇよ! 絶対ヤったら気持ち良いじゃん! 楽しそうじゃん!
「……あなたとしたら、絶対楽しいと思うんだけどなぁ……」
気持ちも通じちゃったよ。
「あ、や、その……っ」
目を泳がせて答えあぐねていると、彼女が「もう……っ」と小さく呟いて、ゆっくりと立ち上がった。そしてソファに座る俺の上に跨って膝立ちになる。
「……あなたのおちんちん、食べていーい?」
「……っ」
目の前の艶姿に、目を奪われる。
全身にぞわりとした興奮が走り、目の前の人を犯せと、完全に自分の牝にしてしまえと本能が全力で叫ぶ。
――でも、それでも、俺は……。
「あの、すいません、俺――」
やっぱりそこまでは――と言いかけた所で、勢いよくリビングのドアが開いた。
× × ×
「それ以上はだめーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
『え……』
突然の闖入者に、俺も彼女もぴたりと固まる。
ドアの方に目をやると――そこには、恋人である由比ヶ浜結衣が目に涙を溜めて、息を荒げながら立っていた。
「え、あ、え……?」
思考がストップした俺と対照的に、由比ヶ浜マ――彼女の行動は早かった。結衣が現れるやいなや俺の上から退いて、横に置いてあったウェットティッシュで手を拭き取り、それをきちんとゴミ箱に捨て、結衣の下へと歩いて行く。全裸で。
結衣は彼女の様子にものすごく慌てたけれど、彼女に対して何も出来ないでいる内に、彼女は結衣を自分の胸にすぽっとうずめて抱きしめた。
「ふわぁっ!?」
結衣の声が急にくぐもった声になる。洞窟にでも入ったんだろうか。
「……結衣、ゆきのんちゃんの家でのお泊まりはどうなったの?」
結衣をその大いなる御胸に抱きながら(大仰)、彼女が穏やかな声で話しかける。
や、なんでそんな平気そうなのあなた? 俺頭真っ白ですよ?
彼女の問いかけに対し、結衣はふるふると首を振ろうとして……諦めた。スライムの中じゃしょうがないよね。
結衣はこのままでは喋れないと気付いたのか顔を離して、拗ねた顔で俺と彼女を交互に見つめる。
「……ゆきのん、急な用事が入ってお泊まりが無くなっちゃったの。それで寄り道してから帰ってきたら、ヒッキーの靴があるし、しかもなんか変な音がするし……それで、それで……っ」
冷静に説明してくれているが、それでも結衣自身も相当混乱しているんだろう。
誰が悪いって俺と彼女が100%悪いよね。どう償えば良いのかまるで想像がつかん。
「ドアの隙間から覗いたら、ヒッキーとママが……うっ、ひっく、えぐ……っ」
結衣が段々嗚咽を漏らし始めて、胸がずきんと痛む。
「結衣……俺……」
何もかけることが出来る言葉が無いまま声を掛けると、彼女がにっこりと俺を見た。わたしが何とかするから、と目で言われてしまい、すごすごと座り直す。
「結衣……ごめんね? 結衣とヒッキーくんが毎日すごく仲良さそうにしてるのを見ちゃって、わたしもすごく……若い頃を思い出しちゃったの。だけどその気になってパパに迫っても、疲れてるからって断られちゃって……」
彼女が、結衣の肩に手を置きながら訥々と話し出す。
彼女が話していることは本当なんだろう。仕事で疲れた夫が妻との情事を断る……あらゆる所でよく聞く話だ。
「『わたし、久しぶりにパパと全力でしたいわ!』ってえっちな下着を着て言ったら、『お前は俺をミイラにする気か』って……失礼しちゃうわ、全く」
……全然、よく聞く話じゃなかった。
「それで、もうどうしても我慢出来なくなっちゃって……ヒッキーくんを誘ったのよ。かなり強引なお誘いをしたから、ヒッキーくんは悪くないわ」
腰を上げて何か言おうとしたが、今この場で俺が話して良いことなど無い気がして、何も言えない。
「結衣……ごめんなさいね? つらかったわよね?」
言って、彼女が結衣をその豊満な胸にうずめてゆらゆら揺らす。
「う~……」
結衣はと言えば、彼女の言葉を全て聞いても当然納得しきれてはいないようなのだけど、それでも段々と表情から強張りが抜けていく。スライム効果だろうか何でもないですごめんなさい反省してます。
しばらく唸っていた結衣だが、しばらくすると声を上げるのをぴたりと止めた。
「……わかった。ママ、もう大丈夫。……今度、スイパラ連れてってね」
彼女の胸からぺいっと離れると、結衣が口を尖らせて彼女を上目遣いで見つめ、何とも可愛らしい言葉を口にした。
……結衣が、本当に素敵な子なんだと改めて思った。
「うふふ……もちろん。結衣、ごめんね? ……ありがとう」
彼女もどこかほっとした様子で言って、結衣と優しく抱き合った。
身体を離すと、結衣が俺をジト目で見つめた。
「ヒッキー……」
「う……」
その視線に思わずたじろぐと、俺の前まで結衣がずんずんと歩いてくる。
あっと言う間に俺の前に仁王立ちすると、物凄い威圧感を持って俺を見下ろしてきた。あ、あれ? 結衣さん、怒るとこんな怖いんですのん?
「ヒッキー。起立」
「は、はい」
結衣に発した、初めての敬語である。
慌ててソファから立ち上がると、結衣が彼女に向けたのと同様の拗ねた顔になり、俺の手をきゅっと握って上目遣いで見つめてきた。柔らかな温もりに、彼女と重ねた時間を思い出して心が解れて、それと同時に罪悪感でずきんと胸が疼く。
「……ヒッキーのばか」
「……ごめん」
「ばかばか」
「……ごめん」
「ばかばかばかばか」
「……ごめん」
「……ほんと、ばか」
「……ごめん」
結衣が俺の胸に顔をうずめてきた。そっと抱きしめると、結衣が潤んだ瞳をこちらに向けた。
「ヒッキー……今度、旅行行こう?」
くしゃりと痛んだ心を、ぽかぽかとした温かなものが包んでいく。
「いいぞ。どこへでも連れてってやる。……それ、罰になってねぇと思うんだけど、良いのか?」
彼女にスイパラと言った時と抱いた疑問と同じものをぶつけると、結衣はふっと柔らかく微笑んだ。
「いいの! ……行き先とか、全部ヒッキーが決めるんだよ?」
「お安い御用だ」
「泊まりにしてね?」
「バイトでも何でもする。2泊3日くらいにするか」
「いっぱい甘えるよ?」
「どんとこい。俺は甘いもの好きだからな」
勢いでよく分からんことを言ってしまった。
「じゃあ……夜も、甘えていい?」
「……っ。……今までのは何だったんだってくらい甘やかしてやるよ」
「……嬉しい」
結衣が短くも幸せが滲み出た言葉を紡いで、再び俺の胸に顔をうずめた。
――本当に、この子と一緒に居られて良かった。
俺のやらかしで生じた不和が、全部とは行かずとも解消したことに安心していると――
「うふふ、良かったわ~」
『……え?』
彼女が結衣の後ろに立って、にこやかに微笑みながら結衣の肩に手を置いていた。え、何してんのこの人?
彼女が胸の前でぽんと手を合わせて、にっこりと笑う。
「それじゃ、親睦を深めようってことで……三人で一緒にお風呂に入りましょうか~」
『は?』
ずいぶんと間抜けな甲高い声が、俺と結衣の口の端からぷしゅっと漏れ出た。
続く。
由比ヶ浜マと、ガハマさんでした。
呼び方についてのご説明をします。
由比ヶ浜マの呼び方は「彼女」、ガハマさんは「結衣」で統一しています。
結衣と書いた後に彼女と書くととても分かりづらいんですが、他の呼び名を付けようがない&由比ヶ浜マ呼びでは締まらないのでこうしました。この後もこの呼び方で統一しますので、分かりづらくて申し訳ありませんが慣れて頂けるとありがたいです。
ここのシーンをどうしようかなーと思い、色々なものを参考にして結果こんな風になりました。由比ヶ浜マがガハマさんを胸にうずめるくだりだけは絶対やるつもりでしたw
ここからは糖度を更に増したてろってろのエロシーンです。甘々エロエロにしますので、どうぞご期待ください。どうなることやら……。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!