由比ヶ浜マ――彼女の手が、椅子に座る俺の腰に巻かれたタオルの中で妖しく動く。
「うふふ……とっても大きいですね」
「……っ」
え、なに、今そういう設定なの?
「お顔も可愛いし……」
え、なに、リップサービスも充実してるの?
「なんだか……」
え、なに、顔が急に近付いて――
「……んむっ……」
俺の肉棒を手で弄りながら、彼女がゆっくりと唇を重ねてきた。
彼女の唇と双丘が帯びている湿り気が、浴室の湿り気と合わさって更に艶めかしいものになっている。
甘い吐息を漏らしながら、彼女は俺の口内に舌を侵入させて淫猥に舐り立てる。
ちゅぴちゅぴと舌を吸い立てる音が浴室に反響して、卑猥な音色に聴覚が犯される。
「んふぅっ……んっ、んっ、ちゅりゅっ、ちゅぷ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅぱ……ちゅぷぷ、ちゅぴぴ……っ」
音が響くのが分かっているからなのか、敢えてやっているとしか思えないくらい音を立てて、口でのまぐわいをねちっこく続ける。
そうしている間も手のひらで亀頭と陰嚢をしゅるしゅると撫でられ、腰ががくがくと前後に揺れる。
目を開けて彼女を見ると、俺の反応をつぶさに観察しようとしているかのように、妖しく目を細めてこちらをじっと見ていた。安らぎとほんのわずかな恐れが同時に湧き起こる。
これ、このままだとタオルを巻いたまま一回出しちまうんじゃねぇか……? と思っていると、隣から犬のような唸り声が聞こえた。
「う~……」
「……結衣……」
口を離して結衣に目を向けると、俺の太ももに手を添えた結衣が膨れっ面で見つめていた。や、そりゃそうだよね……。
どうしたもんかと困っていると、彼女が俺に軽く口付けして、結衣にくるりと顔を向けた。
「結衣、すっごくもどかしいし嫉妬してると思うけど……それは、ヒッキーくんがこんなに夢中になっているからでしょう?」
「う、うん……」
「そうよね。だからこそ、今わたしがやっていることを……結衣がすごく嫉妬してしまっていることを、今度は結衣がヒッキーくんにやってあげたら……それだけ、ヒッキーくんは今と同じように、いいえそれ以上に、夢中になってくれると思うの」
「……そ、そう、かな……う、うん、言われてみればたしかに……」
「だから、ね? 今は苦しいでしょうけど、後々……ううん、この後すぐにでも、結衣がヒッキーくんを幸せにしてあげられるから……我慢してちょうだい?」
「う、うん……わかった」
結衣が胸の前で手をぐっと握りしめて頷いた。
す、すげぇ。丸め込み方が巧みにも程がある。流石っすガハママさん。
さて、と彼女が言うと、再び俺に顔を向けてにこりと微笑んだ。
「それじゃあ……キスの続きをしましょうか」
「え」
「だめ……ですか?」
言って、彼女が上目遣いで俺を覗き込み……唇で首をはむっと咥えた。
「あむっ、ちゅるるっ、ちゅっ、ちゅぴっ、ちゅりゅりゅ……っ」
「ちょ、ちょっと待ってください。します、しますから」
顎の下を襲うくすぐったさと悦楽に耐え兼ねて、ものの数秒で降伏してしまった。
俺の返事を聞いて、彼女がぱっと口を離し、にっこりと微笑む。
「本当? じゃあ……」
タオルの下に手を潜り込ませて、唇をもう一度重ねてきた。
視界を彼女の可愛らしい顔に覆われる直前、一瞬だけ目に入った結衣の表情は、再びぷっくりと頬が膨らんでいた。
× × ×
「……ぷはっ。うふふ~……それじゃ、今度こそお身体洗いますね」
「…………」
口付けを終えた彼女が、さっと切り替えて次の行動に移ろうとするが、俺はそれどころじゃなかった。
キス、なっが。
しかも、キスしながら手で弄られて、イク寸前で何度も止める焦らしプレイをされたもんだから、なんかもう目が血走っている気がしてならない。
彼女が手を持ち上げてタオルを外す。分かってはいたが、欲情しきった肉茎は予想通り、いや予想以上に凶悪に反り返っていた。
「ふわ……っ」
結衣が可愛らしい声を上げて、肉槍に見惚れる。
その目は既に発情していて、鼻をすんすんと鳴らす度に上気した身体がぶるりと震えた。
いつもならこのまま、ぷるぷるの唇を割り開いて口でしてもらうところなんだけど……今はそうもいかない。
なんだか、俺も結衣もおあずけを食らっているような気分だ。……つくづく、今の状況は不思議でしょうがない。
「ふんふんふ~ん♪」
彼女が楽しさ全開と言った風に準備をするのを、俺と結衣がじっと見つめる。
結衣の視線は彼女と俺の脚の根本を行ったり来たりしていて、まるで落ち着かない。
「……結衣、その、なんだ……あんまり見られると……」
「う……ご、ごめん……」
なんだか変な時間が流れている。気まずい訳ではないんだけども。
彼女は、空の洗面器を自分の前に置くと、スポンジに熱いお湯を染み込ませた。
そしてそこにボディソープを4~5回程プッシュして、お湯を足しながらスポンジをわっしゅわっしゅと揉んで泡立てる。
ほんの僅かな間に、彼女の手が見えなくなる程大量の泡が出来上がった。
用意していた洗面器に作った泡を落とすと、手にローションを垂らし、500円玉くらいの量が出たのを確認してそれを洗面器の泡に混ぜ込んだ。
ふわふわの泡にとろみが加わって、急に泡が艶を帯びた気がした。
とろとろぬるぬるでふわっふわの泡が出来上がると、彼女はシャワーヘッドを手に取り、お湯を自分の腕にかけた。
どうやらお湯の温度を確認していたようで、数秒浴びて小さく頷くと、俺に手を前に出すよう促して、そっとシャワーをかけてくれた。
「熱くないですか?」
「あ、はい。ちょうど良いです」
敬語を使われると、まるで本当にそういう人に相手をしてもらっているような気分になる。
妙にこそばゆいし隣からのジト目の圧がやばい。
首や肩にお湯をかける時、俺の顔に水しぶきがかからないようにとヘッド周りを手でガードしていた。
気遣いがすごいなと思ってちらりと隣に目をやると、結衣は俺にジト目を向けつつも彼女には勉強熱心で真剣な視線を注いでいた。
なんだこの状況……。
きゅっと蛇口をひねる音がして、シャワーが止まる。彼女の手が洗面器の泡の中にすっぽりと入り込むと、鼓動がどくんと早くなった。
両手いっぱいに泡を掬って、俺の目の前に持ってくる。自分で摘んできた花を見せる子供のような無邪気な笑顔を浮かべたかと思うと、ちゅっと俺の唇を塞いだ。
……結衣が目の前にいなかったら、これは本当にやばかったな……。
泡が俺の胸にふわりと着地して、彼女の両手でぬるりと広げられる。
温もりといやらしさが同居した不思議な泡の感触に陶然としていると、そのまま首から腕、腰から足にまで彼女の手が伝い、ゆっくりと身体全体が泡立てられていく。
「これ……すげぇ気持ち良いっす……」
温泉にでも浸かっているかのような声音に自分でも驚く。
彼女は俺の言葉を聞いて、あらあらと嬉しそうに笑った。
「それは良かったです……それでは、こんなのはどうでしょうか?」
「え?」
聞き返すと、彼女は俺の身体に塗っていた泡を、今度は彼女自身の身体の胸に塗り始めた。
「ん……っ」
艶めかしい吐息にごくりと喉が鳴る。
彼女の柔肉は手の動きに沿ってむにむにと形を変えて、徐々に白いヴェールに覆われていく。
双丘が雲に覆われてほとんど見えなくなると、お腹にも同様に塗りつけた。
……これって……まさか……。
「うふふ……失礼しますね」
「うぉ……っ」
女の人に洗ってもらうからこそ出来ることに想像が行き着いて胸を高鳴らせていると、彼女が俺の腹に手を添えて、滑るように背中に手を回した。
そして、妖艶に微笑むと、ゆっくりと豊満な身体を近付けてきた。
続く。
由比ヶ浜マでした。ぼちぼちガハマさんも出動します。
参考資料をがっつり見ながら書いてます。中々楽しいものですね。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!