※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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今日思い付きで書きました。お久しぶりのゆきのんです。

日付が変わる前に投稿しておきました。

「雪ノ下雪乃はやっぱりとても猫が好き。」の関係性を踏まえてお読み頂ければと思います。


11月11日という日を意識してみると案外楽しい。雪ノ下雪乃の場合。

 冬の気配を感じる、11月11日。

 世は休日。

 場所は、俺の自宅。

 一緒に居るのは、氷の女王もといユキペディアもとい安心の胸元もとい、雪ノ下雪乃。冒頭から失礼すぎる。

 

 今日は雪乃が家に遊びに来ていて、リビングで昼下がりの時間に2人でくつろいでいた。

 今は大して喋るでもなく、ソファで並んで座って、互いに好きな本を読んでいる。

 

 ちなみにほんのちょっと前まで雪乃は愛猫のカマクラを愛でに愛でていた。

 うちに雪乃が来たのは少しばかり久しぶりだったのだけど、何お前生き別れの親子の再会か何かなのって勢いで雪乃が感動してるのが手に取るように分かった。

 あんま顔に出さないけどね。

 この子目がマジすぎるんだもの。

 

 愛でられすぎてカマクラはずっとなーごなーご鳴いてた。

 鳴いてるというより泣いてたのかしら、愛でられすぎて……。

 

 今日は小町は友達とショッピングとのことで、帰りは夕飯前になるようだ。

 雪乃と一緒にご飯を作るから、帰りに食材を買ってくる、とえらい気合が入っていた。

 

 ちなみに、今日は友達と出かけるからと小町が言った時の俺と小町の会話。

「今日は用事あるのか」

「うん、友達と出かけてくる」

「ん、まさか毒虫も一緒じゃないだろうな……」

「お兄ちゃん、大志くんに大して厳しすぎでしょ……。何人かと行くんだけど、いるよ。大志くん」

「よし、今すぐ毒虫に予定をキャンセルさせろ。もしくはお前は家から出るな」

「それならまだ大志くんをキャンセルさせた方が良いな~」

 意外と鬼だ、こいつ。

「しかしなんだ、お前あいつとなんやかんやでよく一緒にいないか」

 言うと、小町が斜め上を向きながらくりっと首を傾げる。可愛い。

「んー、言われてみれば、かな。小町がいるグループ、よく皆で遊びに行くからね~」

「……なんだ、その、アレだ。今は何とも思ってなくとも、単純接触効果というのもあるだろ。だからほんの少しでも心配の芽を摘んでおきたいんだが……」

 言うと、小町が目をぱちくりさせて、それからけらけらと笑った。うん、可愛い。

「あはは、大丈夫大丈夫。大志くんは良い人だから」

「……っ」

 知ってる。八幡、この言葉知ってる。

 

 男に、友人関係以上の領域に踏み込ませない壁を生じさせる言葉、良い人。

 この言葉を直接又は友人伝いで聞いて、どれだけの男が心を打ちのめされたか。

 ちなみに俺はこんなこと言われたことも無ければ、友達から聞いたこともない。

 友達ってなんだっけ。

 はがないはがない(≠「僕は友達が少ない」、=「僕は友達がいない」)。

 ネットで聞いていたに過ぎない知識だ。

 

 しかしそれでも、この言葉に内包された優しさと絶対的拒絶の意志は生半可ではないことは分かる。

 毒虫さんご愁傷様ですちーっす。

 川崎大志、っべー、マジっべーわー。

 

 そんな、(川崎大志が)悲しい会話をして、小町が雪乃に夕飯を一緒に作ろうというお誘いLINEを打って、オーケーの返事を貰ってからウキウキとお出かけしたのが午前中の話。

 その後、俺も少し外に出て昼ご飯を食べ、帰宅して間もなくしてから雪乃が家に来た。

 

「……静かだな」

「ええ、そうね」

 カマクラもいなくなったリビングでは、2人がページを捲る音と時計の針の音以外にしない。2人の間に流れる静寂に気まずさは無く、心安らぐ安寧の空気がゆるりと流れている。

 

 ふと、午前中出かけた際の買い物袋に目をやる。

 ……や、だって、小町が出かける前にあんな焚き付けてきたら、ねえ?

 そんな阿呆みたいなリア充イベントになんざ興味無いと言ったら「散々イチャついておいて今更何言ってんの?」と雪乃以上の冷たい目を向けられた。妹に。

 妹さえいればいいと思っていた頃にあの目を向けられたらマジで出家する勢いで衝撃的だった。

 出家したら源氏物語の現代語訳に挑戦してみるかな。

 

 話が逸れた。

 

「あー、こほん、おこぽーん」

「……病気?」

 変な声で咳払いをしたら、雪乃が本を開いたまま、心配する気0の目を向けてきた。これから話題を切り出そうというタイミングでこれはちょっとつらい。

 

「……今の、心配する気0だろ」

 少し拗ねたように言うと、雪乃がふぅっと息を吐いて読んでいた本をぱたんと閉じた。

 

 俺に視線を向けて、ふっと優しく微笑む。

「……なぁに、心配してほしいの?」

「え……うぉ……っ!?」

 妙に優しい声で言ったと思ったら、不意におでことおでこが触れ合った。雪乃の顔が目の前に来て、ほのかに甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 

 数秒程おでこを当てると、雪乃はすっと顔を離した。

「……ん、大丈夫そうね」

「え、あー、うん、や、その、なんだ、ご心配、感謝します」

 最後にごちそうさまですと付け加えそうになって慌てて止めた。

 

 何このスキンシップ恥ずかしすぎでしょこの子なんでこんな弄ぶ系女子のスキルを身に付けてんのと動揺していると、雪乃が口に手を当てて、くすりと笑った。

「熱もないし、その挙動不審な振る舞いはいつも通りの比企谷くんね。これなら頭も大丈夫そうだわ」

「大した名医ですこと……」

 からかいついでに精神面も診断されたようです。何やこの子。

 

 ……しかし、雪乃からこういうことをしてくれると、これからの展開はかなり気が楽だ。

 ……別に俺がやりたい訳じゃないよ? 小町に煽られて、ちょっとどんな感じになるのかなーって気になっただけだよ? ひとかけらも言い訳になってなかった。

 

 頭をがしがしと掻いて、視線を宙空に彷徨わせる。

「あー……雪乃」

「なぁに?」

 甘えるモードに入ったのか、俺の肩に体重を預けてころころとすり寄りながら雪乃が答える。死にそう。

 

「今日って、11月11日だよな」

「ええ、そうね」

 

 日付の確認をしたところで、よっ、と腕を伸ばし、買い物袋を手に取る。そこから取りいだしたるは……。

 

 てれれれってってー(何故かレベルが上がる音)。

 はい、ポッキー。

 

「……今日って、11月11日だよな?」

「……ええ、そうね」

 二人の間を漂う空気が、とてもふわっとした。

 

       ×  ×  ×

 

 雪ノ下雪乃という人物は、世間の感覚とずれているところは多々あるけれど(人のことは言えないが)、俺が何を望んでいるのかは分かったようだ。訝しみ具合が半端じゃないもの。

 

「……今日は、11月11日ね」

「あ、ああ」

 あ、あれ、なんか雪ノ下さんから確認してきたよ? 確認はこれで3回目だよ? 牽制なのん?

 

「ま、まあアレだ、たまにはこういう俗っぽいこともしておいた方が、世間の感覚とずれてる俺たちにとって良い勉強になると思うんだ」

「自覚はあるのね……」

 雪乃がこめかみに手を当てて、はぁ、とため息を吐いた。

 

「それで? 比企谷くんは……それをしたい訳ね?」

「…………まあ、うん」

「躊躇するくらいならやめなさいよ……」

 またしてもため息。うーん、憂いの表情が似合うこと似合うこと。

 や、そうじゃなくて。

 

「……たしかルールのようなものがあったと思うけど」

「ああ、先に口を離した方が負けってルールだな、一般的には」

 こんなゲームをする一般があってたまるかって思ったのは内緒。

「……お互い最後まで離さなかったら?」

「……それは、まあ、ねえ?」

「にやけ顔が気持ち悪いわよ? どうしたの?」

「気持ち悪い理由を説明しろって言うのか……」

 俺の下手な笑い方に対する糾弾が半端無い。

 

 …………。

 雪乃とのやりとりから、今の状況を考察する。

 

 ……雪乃は、なんやかんやでこのゲームをやるのは吝かではないらしい。怪訝な表情はすれど、そこに拒絶の意思は見えない。優しくなったもんだ、ほんとに。俺のこの立ち位置なんだよって話だけど。

 とはいえ、ここで「さあゲームを始めよう」なんて快活に言ったらドン引きされて帰られるまであるので、やり方はきちんと考えなければならない。

 

 ここからどうゲームスタートにこぎつけようかと思案していると、雪乃が頬を微かに朱に染めて、身体をもじもじとさせた。

「……その、変な気を起こさないでね? ……あんまり頑張ると、明日動けなくなっちゃうから」

 待って待って待って待って。

 下半身がざわめいたよ、今。すーごいざわめいたよ。

 

「……お前、今の言葉こそ変な気になる起爆剤だってのは気付いてる?」

 

 言うと、雪乃が顔が更に紅潮した。

「あ……」

 小さく声を漏らして、俺の肩におでこをつけて顔を伏せてしまった。

 内心悶え狂いながら艶のある黒い髪を撫でてやると、「んぁ……」と気持ち良さそうな声が聞こえた。まさかの追い打ち。

 

「雪乃……ほら」

「ん……?」

 顔を上げさせて、勢いに任せてポッキーを薄く艶っぽい唇の隙間に差し込む。雪乃の方こそ既に変な気持ちになってるとしか思えないような陶然とした顔で、抵抗することもなくポッキーを咥えた。

 

 よし、よし、よし。

 

 何やってんだ俺、とは思いつつも。

 

 ポッキーゲーム、スタート。

 

       ×  ×  ×

 

 雪乃の二の腕を掴んで相対して、雪乃が咥えたポッキーのもう片方の端を咥えると、すぐにある結論に至った。

 

 このゲーム、少なくとも俺たちには全然意味ねぇ。本当に。

 や、他の意義ならある。

 ――そんな結論。

 

「ん……」

 雪ノ下さん、目をうっすら開けてとてつもなく色っぽい表情で待ち構えてらっしゃる。

 

 ……この子、もう、キスする気満々じゃん。

 これではポッキーゲームのどきどきも何もあったものではない。今の関係になっているからこそ楽しめる要素(初心な感じとか)もあるのではと淡い期待を抱いていたのだけれど、それは雪乃によって可愛く打ち砕かれた。

 

 ここで、前述の他の意義についてもう一度考える。

 

 今回の意義……それは、ポッキーを俺が食べ進む間、雪乃が緊張感を高めながら口付けを待つ顔を目の前で拝めるということ。

 優しい表情や甘える表情を見せてくれるようになったけれど、それでも基本はクールなのは変わらない。それがまた良いんだけど。

 そんな雪乃が、緊張で震えながら唇が触れ合う瞬間を待ちわびている……最高としか言いようが無い。

 実際、雪乃のこの顔が拝めるならこのゲームを毎日でもやりたいまである。それくらい、魅力的な表情だった。

 

 行くぞ、と目配せをして食べ進めていく。

 かりかりかりかり。

 かりかりかりかり。

 じゃーがーり間違えた。

 かりかりかりかり。

 

「…………っ」

 雪乃は微かに顔を震わせながらも、その手をゆっくりと俺の背中に回してきた。俺もそれに合わせて二の腕を掴んでいた手を雪乃の華奢な背中に回す。いよいよポッキーゲームの意味が無い。

 

 ポッキーがあと3分の1程度になったところで、顔をゆっくりと斜めに傾けた。

 食べ進む。

 雪乃の腕に力が入る。

 食べ進む。

 俺の腕にも力が入る。

 食べ進む。

 雪乃の甘い吐息が、鼻腔を優しく癒した。

 ――ちゅっ。

「んふぅ……っ」

 唇が触れ合うと、雪乃が一瞬だけ目を見開いて、すぐにうっとりと細目になった。

 

       ×  ×  ×

 

 唇を重ねるだけの時間はほんの数秒で。

 唇の隙間を舌先でなぞり、何往復かすると、柔らかな上下の唇がゆっくり開いた。

 心地良い興奮に包まれながら口内に舌を割り入れると、口腔粘膜を舐る前に、雪乃から積極的に迎え入れてきて、俺の舌を咥え込んできた。

 

「はぷっ、ちゅりゅっ、くちゅり、ちゅる、ちゅぷ、んふぅぅ……んっ、んっ、んんっ……」

 ……変な気を起こすなって方が無理だろう、これ。ていうかあなたの方が完全に変な気になってますやん。

 

 雪乃の口の中にはポッキーの甘味が色濃く残っていて、味も匂いも雪乃本来の甘さと混じって、味覚も嗅覚も触覚も恍惚としてしまう程甘ったるい。

 

「んっ、んむちゅるっ、ちゅぷりゅ、はむっ、んむふぅっ、んふぅぁぁ……っ」

 雪乃の表情はすっかり蕩けきっていて、可能な限り身体を密着させようと必死ですり寄って甘えてくる。

 こうなった時の雪乃は本当に可愛く色っぽくて……例え気絶する程責めても、目を覚ましてすぐに甘えて行為を求めてくる。

 それほど発情している状態というのは、経験的に見れば分かるようになっていた。

 

 ――今日って何の日だったっけ、と真面目に思い出せないまま、ふと思う。

 ……もう、最後までしちゃうか。

 

「んふぅん……っ!」

 雪乃の背中に回していた手をそっと双丘に伸ばし、服の上からさわさわとまさぐる。

 口付けで熱っぽく高まっている身体には刺激が強いようで、こんな序の口の愛撫でも達してしまいそうな程に身体を震わせている。

 

 二の腕を掴んでソファに押し倒し、服のボタンに手を掛ける。

「んっ、ふぅんっ、ふぁっ、あっ、そ、それは……んふぁぁっ!」

 この期に及んで抵抗する素振りを見せたので、少し強めに乳肉を下から掬うように揉んでやると、あごを反らせて可愛く鳴いた。

 

「あっ、あぁっ、あぁぁ……っ」

 するするとボタンを外して上着をはだけさせると……ほとんど中が透けてしまう、白のレースの下着を着けていた。

 

「お、お前、いくらなんでもこれは……」

 極上のご馳走を目の前にしたように見とれて、ごくりと喉を鳴らす。

 

「や、こんなに早く……っ」

 雪乃が腕を交差させて顔を覆い、口を恥ずかしそうにもにゅもにゅと動かした。

 

「……もう、我慢出来ねぇぞ……っ」

 白磁の如き肌が紅潮しているのを見て益々欲情して、艶美な布に包まれた柔肉に手を伸ばす。

 

 ――すると。

 ――手のひらが着地する寸前に、とたとたと足音が聞こえた。

 

 ばん、と。

 突然、リビングのドアが開いた。

 

「やー、忘れ物しちゃって一旦帰ってきちゃったにゃーーーー!?」

 

 はい、台無し。

 ただの語尾が可愛い子になっちゃった。

 

「………………………………」

 俺、手を伸ばして、わきわきしたまま無言。

 

「………………………………」

 雪乃、はだけた上着で下着が見えないようにしつつ、無言。

 

「…………………………てへっ☆」

 小町ちゃん、すごいチャーミングにテヘペロを決めてくれました。

 今この場で見なかったら、撫で回したいレベルで可愛かったんだけど。

 今は往復ビンタしたい勢い。

 

 やがて、雪乃がゆっくりと口を開いた。

「……小町さん、正座」

「……はい」

「……比企谷くんも」

「俺も!?」

 

 この後、俺は野獣と化した罪を責められ(それはお前があんなエロいから……と反論したら、顔を真っ赤にしながらすごい冷たい目で睨むという器用なことをされて反駁を潰された)、小町はきちんとノックしなかったことを責められた(だってまさか昼間からリビングであんなイチャつくなんて……と小町がぼそっと呟いたことに対して、前例はあるだろうと俺が答えたらまた真っ赤な顔で絶対零度の瞳で睨まれた。理不尽だ、マジで)。

 

 兄妹揃って正座させられた状態で、小町が話しかけてきた。

「……お兄ちゃん」

「……なんだ」

「この、バカップル」

「うぐ……」

「おだまり」

『はい……』

 この後、小町はお出かけの途中だったため割とすぐ解放されたが、俺はもうしばらく正座させられた。

 このままだと足が壊死すると思い、ポッキーを手に取って、

「本当にすまん。仕切り直させてくれ、すぐにでも」

 と言うと、雪乃は顔を真っ赤にして、文句を言いつつもオーケーしてくれた。何だこの可愛い子。

 

 

 

 お終い。




勢いで書いたら2話分の尺になりました。

木曜日も頑張りましょう。
それでは、また明日もここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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