めぐり先輩が紅茶を淹れたいと言って、雪乃と留美を誘ってキッチンに行こうとしたところで、何故か陽乃さんも付いていった。
なんでわざわざと思ったけれど、リビングのドアが閉まった瞬間、その理由が分かった気がした。
ばたん、という音と共に、由比ケ浜――彼女と先生が俺からするりと離れる。さよなら極楽の感触……。
しかし、腕が柔肉に包まれている間、周りの視線などで奇妙な緊張をしていたのも事実なので、これはこれで解放感があるな……と思った。
ふひーと息を吐くと――安心したのも束の間、いろはが俺にするりと近付き、流れるような動作で俺を押し倒した。
「うぐぉっ……?」
カーペットの上で馬乗りされ、思考が真っ白になる。
俺の腰の上に乗ったいろはの表情は、ほんの十数秒前までとはまるで別人で、その瞳はどう見ても行為に及ぶ時の発情した牝の目をしている。
「先輩……それで、先輩は結局誰と過ごすんですか?」
「え、や、その……」
いろはのまだあどけなさが残る顔が目の前まで近付き、亜麻色の髪の毛が頬を撫でる。
ふわりと舞った甘い匂いが鼻腔から身体の奥まで染み込み、雪乃の家に居るという事実を一瞬忘れて、俺の部屋やいろはの部屋に居るかのような錯覚を覚える。
匂いは、場所や場面を印象付けるものなのだと気付いた。
俺が答えに詰まっていると、いろははくすりと笑い、スカートの裾をちょんと摘んで――中がぎりぎり見えるかどうかという所まで捲った。
蠱惑的な仕草に目を逸らすことも出来ずに魅入られていると、そのままショーツ越しに秘部をくにくにと押し付けてきた。
艶めかしい摩擦にジーンズ越しでもはっきりと分かるくらい勃起すると、いろはは口元に淫猥な笑みを浮かべた。
裏筋にじゅくじゅくとした熱を感じて、いろはが牝の液を分泌しているのだと気付く。
……留美という純真無垢な存在が退室して、更に直近の先輩である陽乃さんとめぐり先輩がいなくなったことで、いろはの行動の枷が外れたのかもしれない。
何の遠慮も無くなったいろはの行動は、あまりに分かりやすく、本能的で、純粋で、可愛らしいものだった。
いろはが扇情的なポーズのまま、にっこりと微笑んだ。
「わたし、話数的にもかなり優位に立ってると思うんです」
「ちょっとメタすぎて何言ってるのか分かんない」
ここに来てまさかのメタ発言だった。
「先輩……先輩はこのままだと結論をはぐらかしちゃいますよね。分かってます。先輩は優しいから」
だから――と、周りの女性陣を見渡して、にっこり微笑む。
「ちゃんと答えるまで、埋めちゃいますね」
「……は?」
何その怖すぎる発言……と思った矢先、いろはが次に行動に移った。
いろはは俺の足の間に腰を下ろし、俺に膝裏を見せる形で足を上げてゆっくりとショーツを脱いで行く。
突如として目の前で展開されるストリップショーに益々目が釘付けになっていると、いろはが脱ぎ捨てたショーツを俺の足の横にそっと置いた。
そして、立ち上がったかと思うと――突然、視界が肌色と桃色に染まった。
それと同時に鼻先に仄かにしょりしょりとした感触がして、濃厚な甘酸っぱい香りが脳を貫いた。
「むぐぅぅ……っ!?」
驚きはしたが、すぐに事態は把握した。
「あは……先輩、どうですかぁ?」
間延びした甘ったるい声が、限られた視界の外から降ってくる。
出来うる限り目を動かして状態を確認すると……案の定、いろはは俺の顔に乗って淫裂を押し付けていた。
試しにちろりと舌を出してみると、熱いぬめりが舌先にとろりと乗って、艶美な吐息混じりの声が漏れ聞こえた。
「先輩。わたしと過ごしてくれるなら、わたしの身体のどこでもいいんで二回叩いてください。そしたらわたしはここをどきますから。他の人を選ぶ場合は……タップも何もしないでください。わたしはずっとここにいます」
いろは or Die ? どういうこと?
「むがむがー(何その選択肢の無さ)!?」
「あん……っ、せんぱい、だめ、ですよぉ……そんなに動いちゃ……んくふぅぅ……っ」
だめだ。
俺の囁かな抵抗も、いろはの快感に変換されて終わってしまう。
これは他のメンバーに助けを求めるしかない。
しかし……アダルト組は助けてくれる気がしない。
ていうか「んふぅ……っ」「ひき、がやぁ……んくぁぁ……っ」いつの間にか、俺の手の指が熱い滑りの中に入り混んでる。
この人ら、何どさくさ紛れで俺に愛撫させてんだよ。いつの間にやったのマジで?
…………。
……あれ、これタップすら許されない状態なのん?
ここは残りのメンバーに賭けるしか……!
足をばたばたさせて小町、結衣、川崎に助けを求めると、三人が近付いてくる気配がした。
期待を込めて、見えないながらも視線を足元に向けると、ぽしょぽしょと話し合う声が聞こえた。
「わ、わ、ヒッキーの、ものすごくぱんぱんになってる……?」
「うーん、お兄ちゃんは毎日取っ替え引っ替えですからねぇ。絶倫に磨きがかかって、そこに来てこの異常なシチュエーション……これは、お兄ちゃんがいつも以上にぎんぎんになっていると見ました!」
「あんた何者なんだよ……。で、でも、ほんとにすごいな……」
「…………」
鑑賞されてた。
そういうのいいから。
助けてー。
ぱたぱた。
「お兄ちゃんの足の動き、すっごい鬱陶しいですね。沙希さん、左足を取り押さえてもらっていいですか? 小町は右足を止めますので」
「え? あ、ああ」
「せーの、ほいっ」
「…………」
太ももを、こう、ぎゅっ、て感じで。
いともあっさり封じられた。
状況を整理しよう。
顔→いろはの淫部に埋まってる。
両手→先生と彼女の膣に指が入ってる。
両足→小町と川崎に取り押さえられてる。
JI☆GO☆KU☆!
途方に暮れていると、足の根元がむずむずした。
「すんすん……すんすん……」
……マジか。
「わ~、結衣さん……こういう時、本当にえっちですね~」
「だ、だって、すん、すん、ヒッキーのここ、本当にすごい匂いしてて、すんすん、頭くらくらしちゃう……」
犬系彼女に匂いを嗅がれていた。
あかん、結衣のこれ、匂いを嗅がれてると分かっただけで余計に……。
「あ、もっとおっきくなった」
死にたい。
ほんと助けてー。息を吸う度にいろはの卑猥な匂いが身体を満たして、もう頭がおかしくなりそうなんだよー。
「……あぐっ」
「んむ……っ?」
結衣が甘噛みをする時の声が聞こえたが、どこを噛まれたのか分からない。
何事かと思っていると――ちぃぃ、とチャックが下りる音がした。
ぞくりとした感覚が背筋を駆け抜けると、かちゃかちゃとベルトが外れる音がして、腰がぐいと浮く。
ずるりと衣服が剥ぎ取られる感触と共に、下半身が急に肌寒くなった。
……マジか。
「んむ……っ!」
「あっ、あん……せんぱい、どうしたんですかぁ……? だめですよぉ……逃げようとしたって」
逃げようとしても、いろはが更に体重をかけることで簡単に封殺されてしまう。
いろはは簡単にお姫様だっこ出来るくらい軽いんだけれど(以前やらされた。きゃーきゃー言われてすげぇ恥ずかしかった)、流石に俺の頭にだけ体重をかけられると下手な抵抗が出来なくなる。
「うわぁ……ヒッキーの、ほんとに大きい……」
肉棒の目の前まで顔を寄せたのだろうか、三人娘の髪や吐息が内股や陰嚢に触れて、ぞわぞわとした慣れない快感が下半身を蝕む。
髪の毛や息の感触は、人によって違うのだということを知った。
「さてさて……それじゃ、いただきますか」
小町が場違いな程明るい声でそんなことを言う。おい、もはや目的が分からんぞ。
「そう……だね、うん。ヒッキーのこと、気持ち良くしたいな」
「……あんたたちに負けてられないし。……こうでもしないと、あんたはあたしを選んでくれないだろうし……っ」
若干一名、無理心中じみた恐ろしいことを言っておりますけれども。
きっと今の川崎は顔を真っ赤にして可愛い顔をしているだろうということで、まあよしとする。若干怖いんだけどね、若干。
結衣と川崎が小町に続こうとする声を聞いて、未知の快感への期待で心がざわついた。
続く。
どう転んでもあと2話くらい必要になりましたw
イブは誰と~って話をしているんですが、イブの内に終わりません。何ということでしょう。
25日は0時と23時辺りに投稿しようと思います。クリスマスの内に終わるようにします。
それでは、皆さん良いクリスマスイブを(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!