※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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1.

先生に付いて行くと、駐車場に辿り着いた。

「さあ、まずは車に乗ってくれ」

「え?あ、はい……そんなに遠くに行くんですか?」

「や、その、近場だと他の生徒に見られる可能性があるし、電車に乗っても似たような事が有り得るだろう?ならば多少遠くに車で行こうと思ってな」

……んん?

「そうですか……ん、でも夏は気にしなかったじゃないですか?」

「あ、えっと、そこは、まあ、気にするな。さあ、行こう」

……めっちゃ気になるんですけど。

しっかし、先生の車本当にかっこ良いな。男気溢れてる。……いつもならそこで『だから男が気後れしちゃうんだな』って思って終わるんだけど……今日は何かやばい。何がやばいってマジでやばい。

 

車に乗りながら、ぽつぽつと会話をする。この密閉空間で、今のこの心境で、先生と二人きりと言うのはどうにも緊張してやばい。手汗が止まらない。

「今日はどこまで行くんですか?」

「ああ、20分程で着く場所にあるカフェに行こうと思ってな。中々落ち着いた雰囲気の、良い所だぞ」

「へえ。……ちなみに、以前行った時はどなたかと?」

「……一人だよ、もちろん」

「……あ、まあ、一人でカフェなんてよくありますもんね」

「いつもはラーメン屋や居酒屋の様な場所にばかり行っているから、全然落ち着かなかった……」

あれ、フロントガラス越しの空が滲んで見える。何でだろう?

「一人だとどうにも性に合わなかったが、誰かと行ったら良い時間を過ごせると思ってな……」

ふと先生の顔を見た時の、前を向いたままのにこやかな笑顔に思わず見惚れる。あと、コートを脱いだ先生のそれはそれは見事なパイスラにも見惚れた。慌てて視線を逸らしたけど。やばい、油断したら3分くらい凝視しちゃいそう。

……大人の世界だと、バッグだけじゃなくて車でもパイスラが見られるのか……。超どうでも良い事だった。

 

 

2.

先生の言った通り、20分もすると少し開けた場所にある、落ち着いた雰囲気のカフェに辿り着いた。

先生の車を降り、カフェの入り口まで来た所でふと悩む。

……こう言う状況だと、どちらが先に入ると良いのん?

同年代なら、まあ男の俺が先に入るのが程良いのだろうけど。この状況。いつもなら男気溢れる先生に先陣を切ってもらって何ら問題無いんだけど、今日は先生何かもうすんごい可愛いし……。

俺が悶々と数秒程考えていると、先生は見透かす様に微笑んで、俺の腰に手を当てた。

「はは……どうしたんだ?さ、行こう」

にこやかに微笑みながら、俺が先生の半歩先を行く様に押してくれた。同時な様で、ほんの少しだけ俺が先に入る。そのため、自然と店員さんも俺に話しかけて来る。……ぜ、絶妙な加減……。流石やでえ……。

 

カフェの中は広々としており、テーブルは椅子の所とソファの所があった。どのテーブルもお洒落なパーテーションで仕切られていて、他の客の会話がほとんど聞こえないようになっている。なるほど、これは落ち着く。

「こちらにどうぞ」

店員さんの後ろを付いて行く。平塚先生の希望もあり、ソファがあるテーブルに行く事にした。

腰を下ろすと、ふかっ、と言う柔らかい感触と共にゆっくり身体が沈み込む。

「……ふう。どうだ?ここは」

「凄く良いですね。近かったらまめに来たくなるくらいに……は……」

言葉の途中で思わず止まりかけてしまった。

ソファに腰を下ろして、膝をぴたっと閉じて足を斜めに流してにこやかに微笑む先生が、あまりにも絵になっていたからだ。ストッキングに包まれた、すらりと伸びる美しい脚は何かもう撫で回したいって俺バカ野郎。

……え、何このただの超素敵な年上お姉さん?あれー、今日俺どうなるんだろ?どうもならないと思うけど。

「?どうした?」

目をいつもより少しだけ開いて、きょとんとした顔で首を少し傾げる先生の仕草がやたらと可愛い。

「あ、いえ、何でも無いです……」

MAX挙動不審状態で答えてしまった。超かっこ悪いし超気持ち悪い。

 

「せっかくだから軽く食べようか」

メニューを見ながら、先生が何気なく提案してくる。

あれ?この後ラーメン食べるんじゃないの?あれ?

「あ、はあ……」

断れない俺、超クール。

そして、飲み物と食べ物を注文する。何だかんだで食べ物が普通の昼食分くらいの量になったけど。え、あれ?ラーメン行かないの?

 

俺はカフェオレを、先生はブラックコーヒーを飲みながらのんびりと会話をする。

「実はな、もうここまで来たから言うのだが……」

……んん?妖しい予感。

「ラーメンに行くつもりは、実は無かったんだ。ウソをついてすまない。ここでしばらくゆっくりして、その時の君の具合を判断して行く場所を決めようと思っていたんだ」

「……はい?え、いや、まあ、ラーメンに行かないって言うのは別に良いですけど……なんでここに来てから言うんですか?」

ちょっとびっくりした。どう言うこと?

「……逃げられない様に」

いや、待って。先生、顔を背けながら言うのやめて。マジで重いから。そんな手の込んだ事するのん?

「……鬼ですか先生は」

「いやー、私もな?たまにはデートがしたくてな。久しく……やっていなかったし……」

俺の都合は何処へ?そんなもの最初から無かった……。

「俺しか誘う男が居なかったんですか……」

乾いた笑顔をやめてよ先生!思わず泣いちゃう!

ふと、先生と目が合う。表情は穏やかだ。

「君しか居ないと言うのも……まあ、あるが、それ以上に、君を誘いたかったのは事実だぞ?」

そう言って先生は頬をほんのり紅潮させて、右眼を閉じてウインクをした。……前半めっちゃ悲しかったのに、後半死ぬ程どきどきしたんですけど。ギャップが激し過ぎる……。

 

 

3.

「……でな?今日なんだが……」

先生が少しもじもじして立ち上がると、俺の横にまで歩いて来て、すとんと座った。距離が近い。こんな距離感、小町以外じゃ無理だよ!

息が耳にかかる程の距離で俺が前を向いたまま固まっていると、先生が俺を見つめているのが視界に入らずとも分かった。心拍数が一気に跳ね上がる。

「その……君が私の事を『先生』と呼ぶのは、周りに怪しい目で見られると思うんだ」

「あ、そ、それはそうでしゅね」

……すげえ気持ち悪い噛み方しちゃった。死にたい。

「だから、今日これからの時間だけは、名前で呼んでくれないか?」

一瞬、自分の動きがぴたっと止まるのが分かった。

ほーん?心拍数の限界にチャレンジしろとおっしゃるので?ほーん?

「あ、や、流石にしょれは……」

また噛んだ……恥ずかしいよぉ……。

俺が顔を真っ赤にして噛み噛みになっているのを、先生が微笑ましげに見つめる。

「ふふ……可愛いな君は。ほら、いいから呼んでくれ。さん付けで良いから」

俺の顔に手を添え、くりっと自分の方に向けさせる。

先生の潤んだ瞳を真正面から見据えてしまい、思わず緊張で肩が上がる。

だめだ、逃げられん。覚悟を決めろ、俺。

しばらく下あごが震えるようにぱくぱくした後、やっとの事で言葉を発する。

「……し、静、さん……」

俺が絞りに絞り出した声で名前を呼ぶと、先生はとてもとても幸せそうににこっと笑った。

「……ん、よろしい」

俺の顔に添えていた手を、頬を撫でるようにしてなぞりながら離した。

正直、あのままキスされていても、何ら抵抗せずに受け入れていたような気さえした。

 

その後はまた普通の会話に戻ったのだが、先生は一向に俺の隣を離れない。時折俺の手をきゅっと握っては、俺の反応を試すかの様な目で見て微笑んで来る。いや、まずい、これはまずい。先生みたいな年上お姉さんに遊ばれる感じが楽しいと思っちゃうこの感じはまずい。何かに目覚めそう。って言うかもう目覚めてる?あれ?

あと……ちょくちょく、俺の肩に首をこてんと預けて来る。ちょっとどきどきし過ぎて死にそうになるからマジでやめてほしい。同じ年代の子たちとはまた違う、大人な雰囲気の香水がふんわり匂って来て、正直がん勃ちです。もうバレてるのを前提で開き直らないと、恥ずかしくてやってられない。

まずい、非常にまずい。油断したら絶対にやける。そして絶対気持ち悪い顔になる。

 

 

4.

「この後なんだが……」

先生の言葉をきっかけに、時計に目をやる。1時間半くらい経っただろうか。何だかんだで結構居座っていた。すげえ疲れた……。

よく分からない達成感と疲労感に包まれている俺に、先生が言葉を続ける。

「私の家に来ないか……?」

ほーん?なんだって?

「君の反応を見る限り、もう少し一緒に居ても良いのかと思ったんだが……」

「や、それは良いですけど……何も静さんの家じゃなくても……」

確実に二人で朝を迎えちゃう気がするんですけど。そしてはいって答えちゃいそう。

しどろもどろとしながら答えると、先生が今までで一番密着して来た。腿と腿が触れ合い、胸が右肩にもにゅっと押し付けられ、右手が俺の腿を触り、左手が俺の腰に回されている。ちょ、ここ、カフェですよカフェ!忘れてませんか!

鼻と鼻どころか、唇と唇が触れ合う程の距離で、少しだけ首を傾げて、切なそうに目を細める。

そして、先生の唇が一瞬震える。

「……ダメか……?」

あかん。こんな美人のお姉さんに懇願されるような誘い方されて断れる男なんてこの世に存在しない、と言うより存在しちゃいけない。

一瞬目が高速で泳いだ後、ごくりと息を呑むと、先生から少し目を逸らす。

「……ぜひ……」

ぜひって言っちゃったよ、俺。ぜひって言っちゃった。

「……良かった」

目を細めて、幸せそうな笑みを浮かべる。そして、俺の腿を触っていた右手も俺の腰に回して、更に密着して来た。

死ぬ。どきどきで、死ぬ。

「……せ、先生、一応ここ、お店なんで……」

俺の言葉を聞いてはっとすると、先生がぱっと離れる。

「……あ、そ、そうだな、ごめんなさい」

いつもの先生なら『すまない』と言う所を『ごめんなさい』と言った事に、先生との距離感の変化を感じて、また心臓が跳ねた。

 

……あっれー?俺、今、ひょっとして……もの凄い勢いで攻略されてる?

いつもの残念な先生は何処に行ったんだよぉ!本気出したときの攻撃力高すぎるよぉ!

 

 

 

 

続く。




平塚先生って、本気の女性モードで行ったら相当強いでしょうと思ってます。妄想大爆発やでえ……!

話の順番を一部整理しました。もう少し書き進めたら、他のエピソードの順番も整理しようかと思います。

ご感想で頂いたご意見を参考に、今回から新しく更新した話には『NEW!』と付けることにしました。複数のエピソードが同時並行で進むので、これである程度分かりやすくなるかなと思います。
他のやり方で何か方法がありましたら、ぜひ教えて下さいませ(^^)!


平塚先生との濃厚な絡みは2話で終わる気があまりしないので、この後の展開も考えると恐らく後4話くらい続くかなと思います。思い付いた状況を徹底的に濃厚に書くとします。


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!お仕事や学校を一週間頑張りましょー!
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