カーペットの上で、仰向けになった俺に留美が覆いかぶさる。甘えるように抱き付いてきたけれど、今の留美の雰囲気は明らかにいつもとは違う。漂う香りは甘さを増して、身体を蛇のように絡みつかせてくる。しゅる、しゅると衣擦れの音がする度に、欠けていた穴が埋まっていくかのように身体の密着度が高まっていく。
留美が俺の頬を撫でた。そして、撫でた場所をぺろりと舐める。猫が水を飲むように小さな音を立てながら。
留美の舌は頬から首へと下りてきて、首の前面にキスの雨を降らせる。時折舌を尖らせてつつかれると、まるで媚薬を注射されているような気がした。
留美の背中を抱き締めると、華奢な身体は甘えるように身をくねらせた。背中を撫でさすって徐々に下に滑らせていくと、留美の動きが止まった。耳を澄ませると、緊張したような荒い吐息が聞こえる。ごくりと息を呑んで、手を尻の上に乗せた。
「うぁ……っ」
くぐもった甘ったるい声を漏らして、留美の身体がぶるりと震えた。
本来なら、俺の手と留美の素肌との間には、ワンピースとショーツの生地があるはず。
けれど今は、薄いワンピースの下に明らかに柔らかな肉の感触がある。
留美が身をくねらせると、胸板に留美の胸がこすれる。そちらもやはり、明らかに距離が近い。
ゆっくり、ゆっくりと、手を尻肉に食い込ませる。
「んはぁぁぁ……っ」
留美が俺の耳に唇を付けて、媚薬の如き嬌声を耳に流し込んでくる。まだ少女であることを知らせる弾力性と、成熟した牝へと変貌を遂げんとしている柔らかさが両掌の中で同居している。
ゆっくりと、壊してしまわぬように慎重に揉むと、留美の身体ががくがくと震えだした。
「あっ、あぁっ、あっ、あっ、あ……っ」
浅く数回揉み、時折ぐにりと強く揉むと、留美の肢体が腕の中で跳ねた。不安を孕んだ声とは裏腹に、留美の身体はもっともっととすりついてくる。
右手は留美の尻肉を下に引っ張り、左手は上に引っ張る。今度はその逆に。そうして何往復もしていると、ふと、音が聞こえた。
それは、とても小さな音。
森の中で、木々の葉がそよ風で擦れ合うくらいの、ほんの僅かな音。
初めは気のせいだと思った。
けれど、同じ動きを繰り返していくと、聞こえていた音が気のせいではなかったことに気付く。
手の位置を少しずらして、陰部に近い部分の双丘を掴んで揉みしだく。
……ぬちゅ。
……くちゅ。
……にゅちゅく。
手の動きを変える。今度は両手同時に尻肉を外側へ引っ張り、内側へぎゅむと寄せる。
……くちゅり。
留美を見る。俺のTシャツを唇で挟んで、必死で声を抑えていた。どこまでが俺に対する誘惑で、どこまでが羞恥心が故の行動なのか、まるで読めない。それが、ひどく心をかき乱す。
留美の肩を掴んで起こす。俺は体育座りのようにして足を開き、内ももで留美を挟むような位置関係に持っていく。ぐったりと脱力した留美は、なされるがままに俺の目の前で膝立ちになった。俺の視線の先には留美の腰があり、淡い水色のワンピースには――不自然な場所に、染みが出来ていた。
「……なあ、留美」
俺の声に、留美がびくりと反応する。まるで叱られるのを怖がる子供のように瞳を揺らしたかと思えば、ちろりと舌を出して艶めかしい表情を浮かべたりする。この子の未成熟で不安定な部分が、俺をどこまでも興奮させていく。
留美の胸に手を伸ばす。小さな丘に手を乗せると、手のひらの中に小さく尖ったものが2つあった。
「……自分がどれだけ恥ずかしいことをしてるのか、分かってるのか?」
「んあぁっ!?」
言いながら乳頭をワンピースの生地越しに摘まむと、留美は俺の両手首を持っておとがいを上げた。
「ほら、どうした。分かってるのか? なあ?」
ねちっこく意地悪に聞きながら、留美の乳首を指で挟み、親指でぐにりと圧して、人差し指で軽く弾く。
「あっ、あぁぁぁ……っわ、分かってる……っ。恥ずかしい、けど、んぁ……っ、これならきっと、八幡が興奮して……んはぁっ!? ……くれる、って、思って……あぁぁぁ……っ!」
留美の健気な言葉に、思わず抱きしめたくなる。
けれど、今留美が求めてるのは、そんな甘々の優しさじゃない。
「……そうだな、確かにすげぇ興奮してる」
優しさを含んだ声で言うと、視線を下に移す。
留美の膝と膝の間に。
「……こんなにエロい汁を垂れ流してる留美を見たら……そりゃあ、な」
「……っ」
留美が視線を下げると、俺の言葉の意味を理解したのか一瞬で耳まで真っ赤になった。
ショーツを履いていないことで、何も守るものが無い状態だったからか――留美の陰部の下のカーペットは、びっしょりと濡れていた。留美の内ももを伝ったもの、淫裂からそのまま滴ったもの。様々な軌道が織り交ざって、淫猥な池を作っていた。
「あ……っ、や……っ、こ、こんなの……っ」
留美が俺の両肩を握って、泣きそうな顔で首を振る。その様がまた嗜虐心をそそり、際限なくいじめてしまいそうになる。
ワンピースの中に手を入れて、ぐしょぐしょになっているであろう陰部をたっぷりと愛撫しよう……と思って手を伸ばすと、留美の手に止められた。
「……?」
ここまで来てなんで……? と思っていると、留美が目の端に涙をためながら微笑んだ。
「……八幡、もっと、したい?」
「……そりゃ、もちろん」
「……ん、じゃあ……っ」
熱っぽい声で呟くと、留美が立ち上がった。どこに行くのかと思いきや、よたよたとした足取りで歩いて、ベッドの縁に腰掛けた。そして突然足を開いたので驚いたが、ワンピースの中の一番大事な部分が見える前に、留美の両手がベッドの縁を押さえることで綺麗に隠してしまった。それでもちらりと現れた真っ白な太ももに興奮を覚える。
「……続きは、こっちで……ね?」
――凶悪なまでの可愛さに撃ち抜かれると同時に。
――やられた、と思った。
どこまでが留美の計算かは分からないが、ここまで来たらもう、後には戻れない。留美は楽しそうに俺を見つめていて、いつ俺が白旗を上げるのかを待っている。
……焦れったい関係も、ここまでか。
思い出してみれば、最後まで行くのを一度先延ばしにして焦らしたのは留美だ。その留美が、今度は最後まで行くことを望んでいる。
きっと、今こそ一線を越えるときなのだ。
「……ああ、わかった」
頭をがしがしと掻いて腰を上げる。
留美の前に立つと、上体を屈めてキスをした。
「……んっ、ふぅんっ、ちゅくっ、ちゅるっ、ちゅぷぷ……んふぁぁ……っ」
俺の頬に手を添えて、うっとりとした留美が鳴く。
唇を離して、俺もベッドに上がる。
2人分の体重にベッドが軋むと、これからの行為の実感が湧いてくる。ここ最近何回も留美と2人でベッドに上がってはいたけれど、今日は特別だ。
留美が寝そべる。胸の上に両手を重ねて、心細そうに震える。頬に手を添えると、にこりと微笑んだ。
「……ここまで来たら、やめねぇからな」
「……ん、わかった」
短い言葉のやりとり。
それでも、心は交わし合えた。
俺は今から、目の前の愛しい女性を。
抱く。
続く。
ルミルミでした。ちなみにまだまだ続きます。
めぐりん編の話数と並びました。何気にかなり感慨深いです。
明日は定休日です。良い休日をお過ごしください(^^)!
それでは、また【明後日】ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!