「あ、あの、八幡、これ……んん……っ」
女の子座りをした留美が、頬を赤らめて上目遣いで見つめてくる。ぶぶぶぶ……と小さくくぐもった音が、華奢な肢体から漏れ聞こえていた。
「頑張れ頑張れ。少しずつ解れてるはずだから」
俺は震える留美の頭を撫でて、ふっと微笑んだ。
――初めて道具を使ってから数週間。
あの日から、留美の開発の日々が始まった。
行為に及んだ時に念入りに膣口を指で柔らかくするのは勿論だが、しばらくするとそれだけでは時間が足りないという結論に至った。休みの日ならばいざ知らず、平日ならば2時間も逢瀬が出来れば上等なのだ。1日の10分の1さえも開発に利用出来ていない。
そんな理由をこじつけて留美をドン引きさせつつも、俺はついに説得に成功して……日常的に、留美の膣内にローターを入れておく約束を取り付けた。今日は試験日で、一緒にいる間、のんびりと過ごしながら留美がどうなるかを見守っている。
「あっ、んぁ……んんん……っ」
初めはまだ我慢出来ていた留美だが、徐々に発情して表情が蕩けていき牝の顔に変貌してゆく。俺の肩に身を寄せて、頬ずりをしながら荒く息を吐く。艶めかしく身体をくねらせる様は、既に淫猥そのものだった。
「ほら、いつも通り、いつも通り。これからもっと凄いことをしていくんだから」
「んぁ……も、もっと凄いことって……なに?」
「……あー……いや……その……」
「……言ってよ……っ」
「……いや、その、内容的に……言ったら、怒られる気がして」
「…………」
「……いらいいらい(痛い痛い)、ふれららいれ(つねらないで)」
留美は俺の両頬をむにむにと摘まみながらも、どこか虚ろな表情をしている。あまり余裕は無いようだ。
「……これからしばらく俺ん家に来た時に練習して、慣れてきたら言うわ。そうだな、感じるのを我慢するのは無理だから、どんなに感じてても表情に出さないようにしてみてくれ」
「……わかった」
俺の言葉に、留美は渋々ながらも頷く。
留美の膣肉を解す日々は、こうして加速してゆく。
× × ×
ローターを入れる訓練を始めてからしばらく経った。
「留美、だいぶ慣れてきたみたいだな。ちょっと汗かいてるけど平気か?」
「……うん……今イってるところ」
「え……っ」
……留美のポーカーフェイスの進歩ぶりは半端ではないことになっていた。
日常会話をしながら、ちょっと暑そうかな……? と思う程度の仕草を見せたかと思えば、下腹部がぐっしょり濡れていて……なんてことが数えきれない程あった。俺にバレることなく達する時は、微かに唇を引き結んでいると気付くまでも随分時間がかかった。
「これなら、八幡が私を責めてる時に自信を無くさせることも出来そう……」
「怖いことを言うなよ……」
「嘘だって。第一今みたいな状況ならとにかく、八幡に本気で責められたら私、我慢なんて出来ないから。絶対思いっきり鳴いちゃうし」
さらりと言われた言葉に、身体中がぞくぞくした。
「……お前、自分で何を言ってるか分かってるのか?」
「……うん」
しっとりと汗を吸った髪を掬い上げ、小さな唇を奪い取る。舌をねじ込むと、日に日に色っぽさが増している少女は縋るように俺に抱き付いて、目尻をとろんと下げて、儚げに震えた。
……そろそろ、言っても良いか。
× × ×
ばか。
ばかばか。
ばかばかばか。
悪口の中でも一番単純な言葉を、本人に対してはもちろん、自分の心の中でも何度も何度も呟いていた。
――八幡が提案したのは、とんでもない内容だった。
「これを入れたまま、学校へ行ってくれ」
「……へ?」
帰り支度をしていた私に、八幡が真剣な顔をして言ってきた。その言葉が冗談でもなければ、その場のノリで言ってる訳でもないことは、八幡の表情を見ればすぐに分かった。
「え、これ、でも、え、え……?」
「……あー、いや、その、すまん。説明が足りなかった。いきなり付けて行ったら勉強どころじゃないだろうからな。初めは昼休みだけとか、本当に短い時間で良い。それでもし我慢出来ないようなら言ってくれ、すぐ止めるから。こんなのは馬鹿げてるとは思うんだが、それでも少しでも留美を解す為に出来ることを考えると、学校でも挿れる、って言う考えに行き着いてな……」
頬をぽりぽりと掻きながら言う八幡の顔をじっと見る。八幡は申し訳無さそうにしながらも、どこか頑固な表情を浮かべていた。10秒近く迷った私は、やがてふっとため息を吐いた。
「……本当に、ちょっとずつで、良いなら……」
「……ありがとな」
何で八幡がお礼を言うの、と笑うと、それもそうだな、と言って八幡が笑った。
――そんなことがあり、今は4時間目の授業が終わった直後の昼休み。綾乃とご飯を食べに行く前に、私はトイレに来ていた。
「……私、変態じゃない?」
八幡から受け取った小さなピンクの物体とリモコンを見つめて、ぽそりと呟く。試しにリモコンのスイッチを入れると、予想以上の振動に驚いて手を離しそうになる。おかしい、今までこれを自分の中に挿れても顔に出さずにいられたのに、今はその自信がまるで無い。これって今の心理状態が関係してるのかな。
どうしよう、やっぱりやめようかな。
怖くて無理だった、って言っちゃおうか。
八幡は優しいから、きっと許してくれて、また別の方法を考えてくれる。
それか、一応挿れてみたけどって嘘を吐いて、努力はしたことにして続けるのは無理そうって言っちゃおうか。
八幡は優しいから、きっと嘘だと分かっても指摘せずに許してくれる。
コードを持って道具をぷらぷらとさせながら、色んなことを考える。
「…………」
……やっぱり、そんなことは出来ない。
八幡は優しいから、次にどうすれば良いかと考えに考えて、きっと抱え込んでしまう。
一つになれなかったあの日、私も悲しかった。そして私と一緒、或いはそれ以上に、八幡も悲しんでいた。なるべく顔に出さないようにしながら、私のことも気遣って、沢山考えてくれた。きっと今回のことも、本当に沢山考えてくれたんだと思う。
……まあ、発想が変態なのは否めないんだけど。
それでも、八幡をこれ以上悲しませたくない。
――そう思って、勇気を出して下着をずらして、ローターを足の根元に近付ける。
つぷ……っ。
「あ……っ?」
思いの外あっさりと入ってしまったことに驚くと同時に恥ずかしくなる。今、明らかにぬるって入った感触があった。私、まだ何もしてないのに濡れてた……? よく見ると、ずり下ろした下着に微かに糸が光って見えた。かあっと身体が熱くなると同時に、私の中がきゅっと締まる。
「うぁぅん……っ!」
まだスイッチも入れていないのに、足ががくがくと震えた。き、今日はスイッチまで入れるのは無理みたい。でも一応、確認の為に少しだけ……一番弱くして……と、考えながらスイッチをゆっくり回そうとした、その時。
「留美ちゃーん、大丈夫? 具合悪い?」
「っ!?」
私がトイレに長居をしているのを心配して、綾乃がトイレに入ってきた。その拍子に、ほんの少しだけ回そうとしていたスイッチを、「弱」ではなく誤って「中」にしてしまう。
みぃぃぃ……と言うくぐもった音と共に、私の中が抉られた。
「んうぅぅ……っ!」
リモコンを止めれば良いのに、私は焦って両手で口を塞ぎ、立ったまま少しでも音を抑えようと内ももをこすり合わせた。音が小さくなり、代わりに頭が痺れるくらいの快感が私の頭を蝕む。
「る、留美ちゃん、本当に大丈夫?」
私の声が聞こえたのか、綾乃が個室のドアの向こう側に立ったのが気配で分かった。だめ、来ちゃだめ……っ!
「ご、ごめん、綾乃。ちょっと貧血っぽいかも……」
「えっ!? だ、大丈夫? 保健室に連れてこうか?」
「ん、もう少し休めば自分で歩けるから大丈夫。ごめんね、お昼は食べる余裕無さそう」
「分かった。気にしなくていいよ。具合が悪くなったらすぐ連絡してね?」
「ん、ありがとう」
「うん、じゃあ、お大事に」
私の震える声を体調不良と受け取ったのか、綾乃はあっさりとトイレを出て行った。私はお尻を突き出したいやらしい格好で、身体を何度もくねらせていた。
これで、お昼の残り時間はここで過ごしても怪しまれなくなった。
私は何をしてるんだろう。別に、ローターを止めるなり抜くなりして、綾乃とご飯を食べれば良かったのに。
でも、一度最大の振動で身体を抉られた私の身体は、もう疼いて疼いて止まらなくなっていた。お尻を突き出していたのは、溢れ出した液体が下着やニーソックスを濡らさないようにするためだ。
「う……うんんん……っ」
もう、だめ……。
八幡が見ても卒倒するんじゃないかってくらい、きっと今の私の表情はひどいものになっていると思う。
お尻を突き出した不格好な状態で足を上げて下着を脱いで、よろよろと後ろに下がる。
便座に腰を下ろして、足をぱかりと開ける。誰も見ていないのに、死ぬ程恥ずかしい。足を開いた途端、私の中の音が大きくなった。
ぼーっとしながら、リモコンを手にする。
左手で口を塞いで、徐に「中」から「強」に切り替えた。
「……んううぅぅぅうぅぅうぅぅぅぅんんんん……っ!」
リモコンから右手を離して、両手で口を塞ぐ。くぐもった機械音よりも大きな声で鳴いて、身体の中からじんわりと、びりびりと広がってくる快感に抗いもせず――私は果てた。口から出る筈の声を押さえたことで、まるで出口を失った分の快感まで私の身体を食い荒らしているようだった。大事な部分から、暴走した熱が液体に変わって止めどなく飛び出した。
「うんんん……うんんん……っ!」
容易く達した後もスイッチを切らず、私は繰り返し繰り返し、身体を犯す快楽に身を浸し続けた。昼休みと言う短い時間が、いつもより濃密でやけに長く感じた。
昼休み終了の5分前、これ以上続けたら5時間目に間に合わなくなると思ってスイッチを切って、コードを引っ張ってローターを抜いた。ぽたぽたと滴る透明な液体を見て、顔がかあっと熱くなった。
……何でこんなことになったんだろ。自分の意思でこんなに溺れたなんて信じられない。
八幡に報告するの、恥ずかしいなあ……。
よくよく考えなくても、別に八幡に全てありのままに報告する必要は無いんだけど。
この時の私は、どう説明すれば少しでも羞恥心を減らせるかしか考えていなかった。
こんなの、言い訳のしようが無いのに。
続く。
ルミルミでした。
基本的にこの作品は八幡とヒロインの空間をがっつり書くことが大半を占めていますが、ルミルミ編はここから少しだけ世界観を広げます。本当に少しだけですが!
このすばが好き過ぎて……!
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!