1.
「行けー! そこだー!」
「……」
先生は缶ビール片手に、テレビ画面の中の熱い戦闘シーンで興奮して腕をぶんぶんと振り回している。たまにこめかみに先生の裏拳が飛んで来るので、マジで避けないと死んじゃう。競馬で熱くなってるおっちゃんとかでこう言う人居そうだなぁ……。
迫りくる先生の凶拳をかいくぐりながら見ていたアニメも、一番の見せ場である最後の戦闘を終え、一緒に戦った仲間と迎える感動的なラストシーンに突入する。
先生をチラ見すると、ハンカチで目を拭いながらおいおいと泣くと言うあまりにベタな事をやっていた。こんな事、本当にする人居たんだ……。先生の目の輪郭がマンガみたいにおいおいと泣いてる目になってんだけど。
……しかし、アニメを見始めた時から、気になっていた点が一つある。
先生との距離が近い、と言うか、完全にくっ付いている。0距離だ。太腿は常に接触していて、足を伸ばせば足を絡ませて来るし、時折腕も組んで来る。俺は素肌でなくとも、薄着の先生の素肌ががんがん触れてしまう。胸がもにゅんと当たってくると正直やばい。多分俺は今、人生で一番挙動不審になっていると思う。
そんな状態の為、正直アニメの内容がどんなものか全然入って来なかった。と言うか、タイトルさえ覚えていない。えっと、すさまじいバトルシーンと感動のラスト……トトロだったかな?
って言うか、この距離で先生の拳が来るのはマジで恐かった。間合いが近いなんてもんじゃない。
エルボーもちょいちょい来るしなぁ……。
アニメは無事大団円を迎え、それを号泣しながら見ていた先生は涙を拭くと、ふうと満足気に息をついた。
やっとこの状態から解放される……。
と、思っていたら、先生がくりんとこちらに向き直ってにかっと笑う。歯、綺麗だなこの人……。
「いやー、感動したなぁ……。それじゃ、次のを見る前に……」
ん?次?
「比企谷、君も暑いだろう? 薄着になりたまえ」
はい?
笑顔でびしっと指を差された。いや、は、ええ?
「分かりづらかったか? まあ、脱ぎたまえ」
より直接的になった……だと……?
先生、すんごいにこにことしてる。
こんだけ楽しそうに言われると、断るに断れないです……。
渋々と上着を脱いで、Tシャツとジーンズ姿になる。
すると、先生は腕を組んで怪訝な顔をした。
「あー……違う違う。ジーンズも脱ぎたまえ」
「……へっ?」
面喰らった。この人何言ってんの……?
「ここには私と君しか居ないんだ。もっと開放的になっても良いだろう」
先生は真顔でそれっぽい事を言うと、にかっと笑った。
「いや、でも……」
さも正論っぽく言ったけど全然正論じゃないし、俺今パンツ姿になったら相当まずいんですけど。千葉の山で例えようとしたら、500m以上の山が無いのは千葉県だけだと言う事を思い出した。だからもういいや。もこっとしてるよ、はいはい、もこっとしてますとも!
全力で渋っている俺を見て、先生はぴんと何か閃いた顔をした。え、なに?
「仕方無いな……では、君がジーンズを脱いでくれたら、私も下のホットパンツを脱ごう」
はい?
にかっと笑って言われた。何そのおいしい交換条件?
そんな事を言われたら、出す答えなど当然決まっている。
「分かりました。じゃあ、脱ぎます」
無駄に爽やかに言っちゃって、プチ自己嫌悪。
しかし先生は俺以上に爽やかに、両手を腰に当てて答えた。
「よし」
この卑猥な流れで、こんな爽やかなやりとりが生じる筈がないんだけどな……おかしいな……。
まあ、何はともあれ、僕は脱ぎます。
「はい、脱ぎました……よ……」
ぱんぱんに張ったパンツ姿で振り向くと、黒色の薄く扇情的なデザインのショーツを履いた先生が立っていた。
あまりのスタイルの良さと、大人の女性にしか出せないであろう色気。
その妖艶な姿に見惚れていると、先生が目を細めて妖しく笑う。
「ふふ、なんだ?こんなにぱんぱんにさせて」
そう言って、竿の部分をぎゅむっと掴む。
「うあぁっ!?」
思わず声を上げてしまった。
「ふふっ……では、次はこれを見ようか」
先生は俺の竿を握ったまま、妖しい笑みを浮かべてもう一つのDVDケースを取り出した。
DVDタイトル『女教師と男子生徒の濃厚プレイ~先生の自宅で一晩中~(無修正版)』
ほーん?一晩中何すんだよ。寝てたの?ならただの添い寝だな。それも中々だけど。しかも無修正?どこで手に入れたのそれ?
……っつーかもう、意図が露骨すぎていよいよ本気でやばい。
先生は俺がげんなりした様子を見つめて、再びにやりと笑う。この人、悪い笑い方似合うなぁ……。
「さ、見ようか」
「うぐっ、ちょ、ちょっと」
先生は俺の声を意に介してくれず、俺は竿を掴んだまま引っ張られて座らされた。
……もっとじっくり来るのかなーと思ったら、これもう後1時間以内に色々と大人の階段上りそうなんですけど。
……攻略されちゃうの、もうばっちり受け入れてる感があるぞ、俺……。
2.
「いや、ちょ、先生、え?」
先生が陣取った場所に、戸惑いが隠せない。
先生はAVを再生すると、俺の後ろに回りこみ、胸を背中に押し当てて、両手を俺の亀頭と竿に添えた。
「まあまあ、せっかくの機会だし、楽しもう」
先生は悪びれもせずふふっと笑った。
AVの内容自体はよくある感じで、安っぽい演技で女教師と生徒のやり取りが交わされ、二人は学校でキスをする。そして、そのまま女教師の部屋に連れ込まれると、二人は盛った様に互いの口内を貪り合いながら、服を脱いで行く。
お互いに触り合い、愛撫し合い、互いの性器を刺激し合い――。
「ちょ、うわ、先生……くぅ……」
内容が進むごとに、先生の俺に対する行動はどんどん露骨になって行く。
どのシーンかなどは実際ほとんど関係が無く、取り敢えずひたすら俺のモノをいじくって来る。
そして、興奮するシーンの度に、耳元で「おお……」と息混じりの声を漏らし、時折パンツの中にまで滑り込ませた指が亀頭や竿、玉を好き放題に弄り回す。
どこまでもエロくてたまらないが、同時に、どこまでももどかしい行為。
頭が、どうにかなりそうだった。
女教師がいよいよ生徒と本番……と言うシーンまで来ると、先生がリモコンに手を伸ばし、突然一時停止をした。加えて、今までずっと動き続けていた手も止まる。
「静さん? どうして……」
うわ、すんごい物欲しそうな声を出しちゃった。
きっと、今の俺は物凄くがっついている目をしていると思う。
先生は問いかけに応じることなくふふっと笑うと、俺の正面に回り込んだ。
そして、無言のまま突如として上のブラトップと下のショーツを脱ぎ捨てる。
「ちょ、ちょっと静さん!? 何やって……!」
手で顔を隠し、再び『><』みたいな顔になってしまった。
音がしなくなり、そろりと細めを開ける。
そこには、一糸纏わぬ先生が居た。
グラマラスな身体のライン、形の良い胸、薄ピンクの綺麗な胸の突起。
その肢体を手で隠す事も無く、顔はほんのり赤らんで、潤んだ目でこちらを見つめている。
あまりにも綺麗だった為先生に見惚れてしまい、顔を覆っていた手を気付いたら下ろしてしまっていた。
「ふふ……良い反応がもらえて何よりだ」
先生は前に屈んで俺の顔をゆっくり覗き込むと、ゆっくりと微笑んだ。
そして、にこーっと笑った次に、にやーっと笑う。超楽しそうで何よりです……。
にしても、笑い方のレパートリー多いなこの人……。
「比企谷、君もだ」
「へ? ……おわっ!?」
先生は俺のTシャツを引っ掴むとずばっと引き上げて脱がし、続いてパンツも同じ勢いで剥ぎ取ってしまった。何これ、俺襲われるの?やばい!今までのも十分やばいんだけど。
ってか先生、何でこんな脱がすの上手いの?痴女なの?言ったらぶん殴られそうだから絶対言えないけど。
ちなみに、パンツを剥ぎ取られる時、その勢いでひっくり返りそうになった。あそこでひっくり返ってたら一生忘れられない素敵なトラウマになるくらい恥ずかしい思いをしたと思う。危なかった……。
互いに全裸になった状態で、先生は正面に座って膝立ちになり、俺の胸板に手を添えて、ゆっくりと押し倒して来た。その際の表情があまりにも艶っぽくて、あと胸がたまんなすぎて、見惚れて何の抵抗も出来なかった。後者の要素がでかいかな、ふふ。
ぽすっと仰向けに倒れた俺の上に、先生は上から覆いかぶさり、再び真っ直ぐ見つめて来た。
「なあ、比企谷。君さえ良ければ、私は君に色々な事をしたいのだけれど……どうかな?」
「や、ここまで来てその質問て。選択肢なんてもはや『はい』or『YES』or『ぜひ』くらいしか無いじゃないですか……」
ほんと、一択しか無い。一択しか。
「ほう。では、どれを選ぶんだ?」
俺に拒絶の意志は無いとは分かりつつも、心無しか先生の表情は硬い。
今日の先生は、大人ぶってはいても幾度と無く勇気を振り絞ってくれていたのではないか。
何となく、そう思った。
だから、彼女の緊張を解こう、俺なりに彼女の気持ちに応えようと、その頬に手を添えた。
「……ぜひ」
「……そう、か。そうか、そうか……」
何度も確認して、噛み締めるかのように言うと、先生の顔が綻び、心の底から幸せそうに笑った。
……え、なにこの人。死ぬ程可愛いんですけど。
「それじゃあ……」
言葉少なに言うと、先生は俺に覆いかぶさり、ゆっくりと唇を重ねた。
「んむっ、んっ、ふむっ、んちゅるっ、んぐっ、んぐっ……」
愛おしそうに身体を密着させ、汗でしっとりと湿った豊満な肉体を押し当ててくる。俺のモノは先生の太腿に挟まれ、良い様にぐりぐりと擦られていた。
最初は目を閉じていたが、ようやく状況に慣れて来てうっすらと目を開けると、先生も同じように薄目を開けていて、ぱっちりと目が合ってしまった。
一瞬、互いの動きが止まる。
「……」
先生の頬が朱に染まるのが分かった。そして、再び目を閉じ、口内に舌をねじ込んで来る。
カーペットの上で、互いに衣服を全て剥いだ状態での、濃厚な口付け。
途中で俺が上になったりもしつつ、気付けば、数分もの間ひたすら唾液の交換をしていた。
「……ぷはっ。ふふ、なんだ、比企谷……。中々のテクニックじゃないか」
「からかわないでくださいよ……夢中でしてただけです」
そう、必死も必死。初めてのチュウがこれってハードル高すぎるだろ……。
「……そうか」
先生は俺の答えを聞いて満足そうに頷く。大人な対応と、少女っぽさが同居した不思議な表情だった。
そして、ゆっくりと一度瞬きをすると、長い睫毛が微かに揺れた。
「……それじゃ、ベッドに行こうか」
先生は上から覆いかぶさっている俺の頬に手を伸ばすと、優しく、優しく笑った。
続く。
甘々な展開でございますよ。まあこの作品自体甘々でしか書くつもりが無いのですが。
今日でこの小説を書き始めてからちょうど1ヶ月になります。毎日書いているため、第1話が遠い昔の事の様に思えますw
毎日たくさんの方に見て頂けていて、本当に嬉しいです!
甘々なエロを受け入れて下さる方が沢山いらっしゃるのかなと。こんなんばっか妄想してますよ、ええ←
感想を書かれる方も、良い人ばかりだなと思います。あとどんな人が居るかと考えると……全裸待機の人くらいでしょうか←
しばらくこのままで続きます。ハイペースで話が積み上げられるので、たまに読み返して頂けると嬉しいです。誤字は見付けても放置してる場合がよくあるので、放っておいて下さいませ←
いつものように、ご感想・リクエストお待ちしております(^^)小町といろはすがむずいぞぉぉぉぉ……。
勢いでゆきのんエピソードの続きが書けたので、明日はそちらを上げます。
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!