――うつ伏せになって、枕に顎乗せてくれ――
先輩の声が、耳の中にとろりと流れ込む。わたしに声をかけると、先輩はすぐに身体を起こした。わたしの身体を散々弄って、先輩の我慢も限界みたいだ。小さく頷いて身体の向きを変えようとしたら、あそこがこすれていやらしい水音がした。先輩をちらりと見ると、その視線はわたしのあそこに向けて一心に注がれている。
ほんとにもう。先輩も、わたしも、こういう行為に飽きるどころかどんどんハマっていく。
うつ伏せになって、枕を抱きしめて先輩に流し目を送る。ちょっとだけお尻をくいくいと突き出すと、先輩が夢遊病みたいにふらりと腕を伸ばして、わたしのお尻をがっしりと掴んだ。寝る前までにもう数えきれないくらい出したっていうのに、先輩のものはぎんぎんに立っていた。
知ってるんだ。
わたしは、これが自分の中に入ってきたら、先輩と繋がったら。
もう、何も考えられなくなるって。
知ってるんだ。
だから、心が震えるんだ。
先輩がわたしのお尻を力強く揉む。
「ひんっ……はっ、はぅっ、んひぃぃぃ……っ」
あそこに熱いものを宛がってにゅこにゅこと擦り、お尻の割れ目で挟んでこすり立てる。ああもう、先輩ってば。自分だけじゃなくて、わたしまできちんと我慢の限界に追い込むつもりなんだ。
「せ、せんぱい……せんぱいぃぃ……っ」
先輩の動きに合わせてお尻をへこへこと突き出しながら、懇願の声を上げる。呼吸がさっきからまるで整わなくてなっていて、もう、先輩にめちゃくちゃにされることしか考えられなくなっていた。
はやく、早く、速く。
きて、きて、きて……っ。
先輩の先っぽが、あそこにぴとりと宛がわれた。
手が、震える。
ああ、もう、逃げられない。逃げたくない。逃がさないでほしい。
先輩の腰が、一息に打ち付けられる。
「ひっ――」
快感に塗れた声を上げそうになって、わたしは枕に顔をうずめた――
× × ×
いろはの中に肉槍を突き入れると、いろはが枕に顔をうずめた。焦らした甲斐があって、最初から既に小刻みに痙攣している。
「うっ……くぉぉ……っ」
……まあ、そんなことを言っても、俺は俺であっと言う間に射精してしまいそうなんだけど。
奥まで突き入れて子宮口に亀頭をぐりぐり押し付けていると、いろはが顔を枕にうずめながらも物欲しそうに腰を突き出してきた。ねっとりとした腰遣いは、速く動かさなくとも俺を射精に導けるほどに蠱惑的でいやらしい。
いろはを蕩けさせるまで我慢出来るかな……と心配したのだけど、ふとある考えが浮かぶ。
「いろは……」
囁くと、いろはの身体がぴくりと揺れた。返事をする代わりに、すっかりいやらしい肉付きになった尻を左右にゆっくり振る。なんでこんなに俺を興奮させる返事が出来るんだろう。
「一回、出すからな」
「……ふぇ……はぁぅうぅぅぅ……っ?」
少し腰を引いて、膣の半ば辺りで射精をする。最大限に高まってからの射精ではないので量はそれなりだが、それでもいろはの中を余す事無く白濁で満たしていく。
「はひっ、ひぃんっ? なんれぇ……っ?」
いろはが驚きながらも腰を動かし、精を搾り取る。こちらに向けた顔はとろとろに蕩けていて、射精一発でいろはが牝になったことを示していた。
ゆっくりと抽送をして、膣肉に白濁を塗り付け、染み込ませていく。今日は序盤からいろはを精液に酔わせてしまうことにした。これならば二回目以降はもっと長持ちするし、出したら出したでいろはは更に喜んでくれる。
「せんぱ……い……これ、やばいれすっ、あたまのなかぼーっとして……あぁぁ……っ」
いろはの声が猫撫で声になり、膣肉の収縮が増す。牡の精を全身を使って受け入れようとしているのが分かる。
「じっくりやるからな……」
言って、いろはの尻をベッドに押し付け、いろはの身体に密着する。じっとりと汗をかいたいろはの白い背中に胸板を押し付けると、酩酊しているかのような調子で「あうぅ……」と声が漏れた。
「せんぱい……きもい、いい、よぉ……っ、ひぃぃぃん……っ」
従順になりきっている恋人の甘える声を聞いて、狂ったように腰を振りたくなる欲求を必死で堪えながら。
再び、いろはを犯し始める。
× × ×
朝から全力で腰を振ったら、いくら枕に顔をうずめてもわたしの声が漏れてしまうと思ったのか、もしくは腰が打ち付けられる音が聞こえると思ったのか、それは分からないけれど。
先輩は、わたしの思考を丹念に一つ一つ溶かしていくかのように、ゆっくりと腰を動かし始めた。正直、これだけでも相当「効く」んだけど、初めに一回出されたのが予想外に効果が大きかった。
温かくてぬるぬるしたものが、わたしの中に満遍なくまぶされて、塗り込まれて、それが先輩が腰を動かすごとに益々わたしの中に染み込んでいく。
今までだって十二分に感じていた、「わたしの身体が先輩だけのものになる」という感覚が、輪をかけて強まっていく。身も心も先輩に浸って、溺れていく。
「ふっ、ふぐぅっ、ひぐっ、へぁぁぁ……っ」
口を枕に押し付けて、必死で声を抑える。本当は、泣きながら腰を振っておねだりして、力いっぱい声を上げたかった。でも、今は我慢しながらしているこの状況が、たまらなく焦れったくて興奮する。二つの欲求が頭の中でせめぎ合って、思考がくしゃくしゃになっていた。
「いろは……っ」
先輩がずっしりと体重をかけながら、わたしの名を呼ぶ。先輩、こういう時ちょっと泣きそうな声になるんだよなぁ。わたしが死ぬ程ときめいているのを分かってるんだろうか、まったくもう。
先輩が、枕を握り込んだわたしの手を取った。指を絡めてぎゅっと握り締めて、身体の密着度が益々高まる。先輩の腰遣いは依然として焦れったいほどゆっくりで、先輩の体重が心地良くかけられているからわたしは腰を動かすことも出来なくて、イキたくてしょうがなくなる。
「ひぐぅ……っ、せんぱい、わたし、もう……」
枕から口を離し、声を出さないよう我慢して先輩に囁きかける。
「……イキたいか?」
先輩の甘い誘惑の声に、こくこくと頷く。視界が滲んでるのは、幸せすぎるからかもしれない。
「……腰の音が朝から聞こえるのはどうかと思ってたんだが……ちょっとだけなら大丈夫だよな、うん」
先輩が張る予防線に、絶対ちょっとじゃ済まないでしょそれ……とは思いながらも、わたしも既に我慢の限界なので、先輩の言葉に同意の頷きを返す。
「じゃあ、行くぞ。口、押さえとけよ」
先輩に言われて、口をきちんと枕に押さえつける。今のわたしは絶対顔がにやけてると思う。
先輩が腰を引く。じっくりと時間をかけてためを作っているようで、たまらない昂揚が湧き起こる。
ああ、これでやっと――と思っていると。
――こんこん。
『え……』
予期せぬノックの音に、二人して間抜けな声を漏らした。
× × ×
「八幡、もう起きてる?」
「え……な、なんだよ?」
部屋をノックしたのはお義母さまだった。やっぱりこの言い方恥ずかしい。
よほど予想外だったのか、先輩の声が上ずっている。
この状況……どうしよう。もし開けられたら……と、固まったまま心配していると。
「……鍵はかけてるから」
先輩がわたしの心を見透かしてそう言うと、わたしの頭をくしゃりと撫でた。あ、やば、今すごいときめいた。また惚れちゃった。
先輩の不意打ちに心臓をばくばく言わせていると、先輩がドア越しにお義母さまとの会話を続ける。
「いつ帰ってきてたんだ?」
「んー、昨日の夜遅く。すぐ寝ちゃったけどね」
お義母さまの言い方からして、わたしと先輩がしていた声は聞こえてない……のかな? 何にせよ、遅くまでお仕事お疲れ様です……。
「小町に聞いたんだけど、いろはちゃんが泊まりに来てるんですって?」
先輩の身体がぴくりと動く。繋がったままで敏感になってるからやめてぇ……っ!
「ま、まあ、うん」
「今、いるんでしょ?」
んん? 話の流れがまずいことになってきてる?
「……いる。けど、まだ寝てるわ」
「そっかそっか。おしゃべりしたかったんだけどまだ早いわね」
ほっと胸を撫で下ろす。どうやらこのくだりはここで終わるみたいだ。
それにしても……今の会話を聞いていて、思うことが一つある。
ドアの向こうから聞こえるお義母さまの声はとっても温かくて、心がぽわぽわとする。
あとでいっぱいお話しよう――そう思った。
「まあ、そうだな。後で行くわ」
「わかった。いやー、いろはちゃんはほんとに良い子よねぇ――」
あれ、会話がまだ続くの……? と思った矢先。
「……っ」
先輩が、もう一度わたしの身体にのしかかって。
ゆっくりと腰を動かし始めた。
「……ぅぅぅ……っ」
ずぶずぶとわたしの身体を貫く逞しいものに、全身が悦びでぶるぶると震えてしまう。
うそ、でしょ……?
そんな風に思いながらも、枕に顔をうずめるわたしの顔は、きっとにやけてしまっている。
わざわざ鏡で見なくても、十分すぎる程にそれが分かった。
続く。
いろはすでした。書きたいくだりがどんどん追加されて行きます。
書きたいことを書きたいように、なるべく妥協しないで書くということを意識しているので(綺麗に終わらせるというのはもっと別のタイミングでやれば良いと思ってます)、自分でもいつ終わるか分からないまま書いてたりします。それを楽しみつつ。
そう言えば、昨日で連載開始から11ヶ月経過していました。日々の密度が濃すぎて。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!