先輩が、部屋のドア越しにお義母さまと話してる。
うつ伏せになったわたしの上に乗って、逞しい先輩のものをゆっくりと抜き差ししながら。
……先輩、何してるの……?
「いやー、いろはちゃんはほんとに良い子ねぇ」
「ああ、そうだと思う」
二人がまるで普段通りの会話をする。わたしは声を上げないことに全神経を集中させているから、会話の内容がきちんと入ってこない。
「ぱっと見た時は今どきの可愛い子っていう印象だったけど……それだけじゃなくて、受け答えもしっかりしてるし、家事だって手伝ってくれるし。あんた、正直可愛くてしょうがないでしょ?」
「……まあ、な」
「あっはっはっは! 良いわねぇ、若いって。まあ、あんたたちの場合は年取っても変わらなそうだけど」
「……ぅぅぅ……っ」
わたしが寝ていると思っているから、途切れ途切れでも頭に入ってくる会話の内容が、すごくむずむずすることばっかりだ。後でお礼を言いたくなったけど、起きてたのがバレちゃうよなぁ……。
先輩はわたしの両手をぎゅっと握る。愛情と束縛の念を同時に感じる行動に、身体の奥底がきゅんと反応してしまう。
ていうか……先輩、もしかしてわざとわたしのことを話してる? 普段なら人と話しててわたしのことをのろけたりとか滅多にしないのに。……もしかして、や、もしかしなくても、遠回しにわたしのことを責めようとして――
「……ひゃぅっ」
耳に息を吹きかけられて、思わず声が出てしまった。慌てて横を見ると、先輩がにやりと笑っている。く、くそぉ……邪悪なおサルさんめぇ……!
「あら? いろはちゃんどうしたの?」
わたしの今の声が聞こえてしまったようだ。ピンチ。
「なんでもない。ただの寝言だよ」
「ならいいんだけど。寝言まで凶悪に可愛いわねぇ……」
ピンチ回避。自分で言うのも恥ずかしいけど、お義母さま、わたしにメロメロじゃない?
先輩をジト目で見ると、くすりと笑って口をわたしの耳元に近付けた。肌を撫でる先輩の吐息に恍惚を覚えてしまう。
「いろはは可愛いし……こんな状況でも責められるのが気持ち良くて仕方ない、淫乱な子だよな」
「……っ」
わたしにしか聞こえない囁き声で言われた瞬間、ぞわりとした波が身体中に広がって、先輩を締め付けているあそこが急激に収縮し始める。先輩はどこか嬉しそうに「ぅぁ……っ」と呻くと、そのまま腰を動かし始めた。先輩の身体を迎え入れることにわたしの身体が悦びを覚えて、奥の奥まで突き入れられる度にわたしの思考が焼き切れていく。
「……ぅぅぅ……ぅぅぅ……ひぅぅぅ……っ」
「小町はどうしてる?」
「……ぅぅぅぅ……っ」
わたしの奥の奥に押し付ける腰の動きがねちっこい。ぐりぐりされる度に頭がおかしくなる。
「ああ、小町なら今朝ごはんを作ってくれてるわよ。いやー本当に可愛いわねぇ小町は」
「ひぐっ、ひぃんっ、んぅぅぅぅ……っ」
音を立てないように、小刻みに腰を振ってくる。お汁がびちゃびちゃとかき出されて、恥ずかしさでまた感じてしまう。先輩の枕に、わたしの涙や汗や……申し訳ないけど涎も染み込んでいく。
「息子に妹のノロケをするな……」
「はへぁぁ……っ」
左右にぐりぐりと押し付けながら捻じり込んできて、涙を流しながら震えてしまう。小さく焦れったく訪れる快楽の波に、足をばたつかせながら溺れる。
だめ、だめ、だめ、こんなの。
おかしくなる、おかしくなるから……。
「いろは、そろそろ一回イっとくか」
「へぁ……っ?」
意識が朦朧としていると、先輩が囁きかけてくる。わたしはもう汗だくだったけど、先輩もじっとりと汗をかいていた。
先輩は一度繋いでいた手を離してわたしたちの上に布団をかぶせると、もう一度手を繋いでゆっくりと腰を引いた。何かとんでもないことが起きそうで、唇がふるふると震える。
「今だったら、十秒もかからないか」
「……っ」
先輩の言葉に、何をせんとしているかが分かってしまう。慌てて枕に力いっぱい顔をうずめると、「わかってるな。えらいぞ」と頭を撫でられた。
「せぇ……のっ」
お義母さまがドアの向こうにいるのに。まだ会話しているのに。
先輩が、全力で腰を打ち付けた。
ばちゅんっ、という音と共に、遥か向こうで聞こえていた遠雷の音が急に近付いてくる。来てくれそうで来てくれなかった、大きな絶頂の波が物凄い速さで押し寄せてくる。
腰を打ち付ける音は、布団に包まると思いの他軽減されていた。ベッドがぎしぎしと言う音の方が目立つくらいだ。
先輩は腰を一度突き入れると、そのまま続けざまに……何回も腰を打ち付けてきた。
ばちゅんっ、ぱちゅっ、ぱんっ、じゅぷっ、ぐぱんっ、ずぱんっ、ずりゅりゅりゅ……。
「はへぁ、ひっ、ひぃぃっ、ひぐっ、もっ、らめ、いっ、いっ、ひぅぅぅ……んはぁっ!」
枕に顔を押し付けたまま、わたしはあっという間にイってしまった。結合部からぷしゅぷしゅと液体を噴き出して、びくびくと身体を戦慄かせる。やっとイけた喜びと、全力で息を荒げる訳にはいかないもどかしさとで、頭の中がごちゃごちゃになっていた。
幸いお義母さまには気付かれなかったようだけど、うぅぅ、恥ずかしいよ、恥ずかしいよぉ……っ!
「あら、もしかしていろはちゃん、起きた?」
わたしの喘ぎ声が聞こえたのか、お義母さまの柔らかい声が聞こえる。わたしはう~とうなりながら先輩を睨んで(わたしの涙目の顔を見てときめくのやめてほしい。うそ、やっぱやめてほしくない)、絶頂の余韻に浸かったまま何とか口を開く。
「は、はい。今起きました。おはようございます」
「起こしちゃったかしら、ごめんね」
「い、いえ! 大丈夫です」
「じゃあついでに、わたしのことは何て呼ぶんだっけ?」
先輩のドS根性は、もしかしたらこの人のものを受け継いだのかもしれない。
「……お、お義母さま……」
「うはぁ……っ」
顔が熱くなるのを感じながら答えると、ドアの向こうで恍惚とした声が聞こえた。楽しい家族だなぁ……。
どうやら今度は、わたしとの会話が始まるようだ。
このタイミングで、わたしは仕掛けることにした。下手をすれば自爆しちゃうけど。
「先輩」
小声で話しかけると、先輩が首を傾げて「なんだ?」と無言で答える。先輩の脇腹をぺちぺちと叩くと、意図を察してくれたのか自分のものをずるりと引き抜いてくれる。しかし引き抜く直前で名残惜しくなったのか、お尻を掴まれてもう三回だけ入れられた。どれだけわたしが好きなんだこの人……。
先輩との繋がりが解けると、わたしはよろよろと起き上がって、くるりと半回転して先輩と向き直る。
「んむっ」
「んむ……っ!?」
飛びつくようにして先輩の唇を奪うと、そのまま押し倒した。もちろん音は聞こえないように。
「ちゅぷっ、れろ、ちゅりゅりゅ、んふぅぅ……んむふぅぅ……ちゅく、ちゅぷぷぷ……んむふぅぅぅっ!」
「!?」
キスをしながら腰を上げて先輩のものを掴んで、そのまま挿入する。先輩は驚きで目を見開いている。ずぶずぶとわたしの穴が埋まっていく感覚はそれだけで意識が飛びそうになるけど、わたしから責めていると不思議と我慢出来た。
先輩がわたしとドアの方にしきりに視線を泳がせる。
ここまで散々恥ずかしい目に遭わされたんだから、今度はわたしの番。
「い、いろは、お前……っ」
唇を離すと、先輩が上ずった声で話しかけてくる。にっこりと目を細めて笑いかけると、先輩のものがぐっと大きくなった。興奮してくれてるんだ。
「うふふ……せんぱい。おしおきですよ」
よぉし、ここから反撃だ。
続く。
いろはすでした。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!