あれから何時間経っただろう。
ソファの上で幾度と無く雪乃の子宮に精子を注ぎ、汗だくの身体を清めようと2人で風呂に入ってそこでもまぐわい、眠りに就こうと2人でベッドに潜ってそこでも繋がって……気が付けば、疲れ果てて力尽きるように眠っていた。
そうして迎えた、遅めの朝。
「ん……」
目を覚ますと、とっくに日は高く昇っていた。カーテンが開けられているのを見るに、雪乃はもう起きているんだろう。
――本格的に受験に向かう立場なのだから、2人で居ても勉強はする。それは2人で取り決めたことだった。けれど、それ以外の時は出来るだけ繋がっていたいと俺が言うと、雪乃は顔を頬を赤らめて頷いた。
「……さて、今日はどこですっかな……」
昨日の感覚を反芻しながら、今日のことに思いを馳せていると……何やら、股間が生温かい感覚に包まれていることに気付いた。
視線を下に向ける。
布団が膨らんでいた。
「…………」
布団に手を掛けて、ぺろりと捲る。
「んっ……ちゅく、れろっ、はぁ……っ、んっく、ふぅ……んぅっ……? ……あ……っ」
うっとり顔で肉棒を咥えていた雪乃が、俺の視線に気付いて耳まで真っ赤にした。
「おはよう」
「……おはよう」
髪をかき上げて、何故か澄まし顔で返された。何この腹の括り方……惚れちゃう……。
「朝ごはんにしてはだいぶ卑猥なのを食べてたな」
「セクハラよ八幡。身の程を弁えなさい」
「あれ!?」
何かすげぇ棚上げしたことを言われた気がする。
「まったく……」
俺が悪いことをしたのかと勘違いしてしまう程、極めて自然に眉根を寄せて俺を睨みつけてくる。そして布団を再びかぶったかと思うと、
「うっ……くぁ……っ」
見えなくなった下腹部に、濃厚な快楽の波が訪れる。
くちゅ、ちゅくちゅく、ぴちゃ、ちゅぷぷ、ちゅっ、ちゅぴ……っ。
人型に膨らんだ布団がもぞもぞと動き、その度に陶酔してしまいそうな愉悦が走る。
このまま一回射精しようか……と思っていると。
――ぐぅ、と腹が鳴った。
「…………」
雪乃がぺろりと布団を捲る。竿から艶やかな唇を離し、子どものように純朴な目で俺を見つめる。なんか急に恥ずかしくなった。
「……わりぃ、腹減っちまった」
顔を逸らして頬を掻きながら言うと、くすりと笑う声がした。
「……仕方ないわね。朝ご飯はもう作ってあるから、まずは食べましょう」
「マジか。ありがたい」
布団から出て俺に微笑みかける雪乃の笑みは、学校でも見ることの出来る柔らかい笑みで。
「それじゃあ……」
だからこそ、雪乃がベッドを降りようとした時、反射的に「その表情を淫猥なものに塗り替えたい。ほんの1分前までと同じ顔にしてみたい」と思ったのは、致し方無いと思う。
そんな思考を経て、俺は雪乃がベッドから足を下ろして立ち上がった瞬間――
「え……っ」
――雪乃が着ていたパジャマのズボンを下ろすと、腰を抑えてこちらへ引っ張り込んだ。ベッド際に座って足を床に付けていた俺の上に跨らせて、屹立した肉棒を一気に根本までねじ込む。
「あ……っ」
熱いぬめりに包み込まれると、雪乃は小さな声を漏らして静かに全身を痙攣させた。声とは裏腹に膣肉は妖しく蠢き、結合部からは大量の愛液が溢れ出して俺の太ももをびしょびしょに濡らした。
「……気持ち良くしてもらったからな。お返し……ってことで、どうだ?」
「……そう」
俺の言葉に、雪乃は力無く答えて頷く。俺は雪乃の両手首を掴むと、ベッドを軋ませて反動で雪乃ごと立ち上がった。立ちバックで繋がった状態で、よたよたと歩き始める。
「あっ、うぐ……だ、だめ、それ、はぁぁぁ……っ」
妖精を思わせる美しい肢体をびくびくと戦慄かせながら、俺の動きに合わせてよろよろと前に進む。口でこそ抵抗の意を示しているが、内ももを伝う大量の淫液を見ると説得力がまるで無い。
「ドア、開けてくれるか」
「んくっ……あぁぁ……っ」
片手を解放すると、ゆるりと伸びた手がドアを開ける。手を使う必要がなくなると再び手首を掴んで、幾度となく小突きながら進む。
ぐちゅっ、じゅくじゅく、ぴちゃっ、じゅくくく……っ。
「はぁっ、んふぁぁ……っ、だめっ、床、濡れちゃう……っ」
雪乃が眉根を寄せて、懇願するように振り向く。嗜虐心をそそられて淫肉をぐりぐりと抉ると、止めどなく愛液が溢れた。
「それなら出ないようにすればいいだろ」
「そんなの……むり……っ」
さらりと返された言葉に、たまらない愉悦が走る。
ああそうか、雪乃は今自分で「あなたと繋がるのが気持ち良くて抑えられない」と言ったようなものだ。身体の芯から喜びの媚電が走った。
「……すぐにリビングに行けば大丈夫だろ、ほら」
言いながら、強めに手首を引っ張って腰を打ち付ける。
「ひぐっ!? あっ、んはぁっ! だ、だめ、これ、だめ……っ!」
激しく身体を戦慄かせ上体を折り曲げるが、俺に手首を掴まれた状態で結合しているために倒れ込むことも出来ない。
新雪のような美しい背中に赤みが差して、ぽつぽつと汗が浮き出ている。押し倒したくなっても必死で我慢しながら、リビングに辿り着いた。
「お味噌汁、温めなきゃ……っ」
息も絶え絶えの雪乃が、消え入りそうな声で囁く。互いの体液を交わらせながら耳にした極めて日常的なワードに、背徳感がふつふつと湧く。
雪乃がちらりと振り向いた。
「その……入れたままで良いから、火を点けさせて?」
「あ、ああ、わかった」
雪乃が言った通りにして、繋がったままガス台の前に行く。流石に火の前で動く訳にはいかず、雪乃の腰に手を添えてじっとしていると、雪乃が手を重ねてきた。
「ごめんなさい……もっと動きたいと思っているでしょうけど……」
「や、いいって。作ってくれてること自体がありがたいんだし。ていうかこの感じ、新婚みたいでなんか……あ」
「え……」
「…………」
「…………」
事故発生。
2人とも、ものの見事に黙りこくった。
雪乃が火を止めて、お椀に味噌汁を入れた。鍋ごと持っていくのは危ないと考えたんだろう。
「……ばか。行くわよ」
「あ、ああ……わりぃ」
「別に、訂正したい訳では……」
「え、今何て……」
「行くわよ」
「あ、え、おお? おう」
なんかオットセイみたいな返事をしてしまった。
雪乃が両手にお椀を持って、俺は繋がったまま一緒に歩を進める。何だかシュールな絵面だが、お互い味噌汁をこぼすまいと緊張している。雪乃の身体の強張りがそのまま膣肉の収縮に繋がっているようで、油断すると出してしまいそうだった。
テーブルの上には、シンプルながらも美味しそうな朝食が並んでいた。
豆腐とわかめの味噌汁に焼き鮭、ほうれん草のおひたしに、たった今よそったほかほかの白米。心まで満たされるような、温かみのあるご飯だった。
なんとか胡坐をかいて座り込むと、雪乃が俺に跨ったまま2人で味噌汁を飲んだ。
「……どう?」
「ん、美味い。ありがとな」
「……そう。なら良かった」
照れくさい会話を交わしながら、ふと思う。
正直、雪乃がここまで受け入れてくれるとは想定していなかった。
……この状態、すんごく食べづらい……。ミスったな……。
そんな風に思いながら味噌汁を飲み干すと、紅い焼き鮭が目の前にぽっと出された。
「はい、あーん」
「……あーん」
柔らかな笑顔に抵抗も出来ず、口にする。程好い塩味と、焼いた部分の僅かにかりっとした食感や中の柔らかな食感を楽しむ。
「……旨い」
「そう。はい、あーん」
続け様に、今度はほうれん草のおひたしを口に入れられる。鰹節と醤油がとてもよく合っていた。
こんな風に食べさせられること、しばし。
さぞ長く感じるだろうと思いきや、気付けば全てたいらげていた。雪乃も俺が噛んでいる間に上手いこと食べていて、2人が食事を終えたのはほぼ同時だった。
食器を重ねてシンクに運び、水に浸けておく。
その間も、ずっと繋がっていた。
最初は違和感しかなかったが、本当にずっと繋がっていると案外気にならなくなるということに気付いた。
「ソファ、座るか」
「ええ」
短いやりとりを交わして、ソファに座る。すると、雪乃がすっくりと立ち上がり、結合が解かれた。何をするのかと思ったら、くるりと振り返り、俺と正面から抱き合う形で腰を沈め、肉棒を呑み込んだ。
「ふっ、くぅぅ……っ」
快感と若干の苦しさに眉根を寄せる顔は、信じられない程美しくて。食い入るように見つめていると、頬を赤らめて汗ばんだ雪乃が微笑んだ。
「……こうしていると、本当に、一緒に暮らしているみたいね」
「……っ、そ、そう、だな……っ」
心臓がばくばくと鼓動して、下腹部に血流が集中する。
「あっ……大きくなった……ふふ……っ」
雪乃が嬉しそうに言って、お腹をさする。
――その仕草が、ある特定の時期を迎えた女性のように見えて、ごくりと息を呑んだ。
雪乃も自分の発言が想起させる状況に気付いたのだろうか、首まで朱色に染まる。
俺も恥ずかしくなり、ソファの後ろにもたれかかって雪乃を抱き寄せた。
「あ……っ」
か細い声を上げて、雪乃が俺を見つめる。ほんの数センチの距離で見つめ合うと、雪乃が楽しそうにくすりと笑った。
「ねえ、八幡。……私とあなたの子供が出来たら……一体どんな子になるのかしらね?」
「っ!? お、お前、急に何言って……っ」
心臓が痛いくらいに跳ねると同時に肉茎が反応し、肉襞が心地良く締め付けてくる。雪乃の足が俺の腰に巻き付いた。
「あなたが強い家族愛を持っていることは知っているわ。あなたは誰かに身内のような感覚で接し始めると、その人にどこまでも優しくしてくれる。それまで以上に……ね。私も結構似たような所があるようだわ。だからきっと……私もあなたも、親バカになりそうね」
「こ、こら……雪乃……っ」
俺の首筋に口付けをしながら、甘い言葉が囁かれる。雪乃が言葉を発する度に、腰は動いていないのに極上の快感が肉竿を貫いて、みるみる限界が近付いてくる。
「もちろん、今は無理だし、当分先になるでしょうけど……。……ふふ、私、変なことを言っているわね」
悪戯っぽい微笑みを浮かべて、雪乃がちゅっと唇を啄んだ。
雪乃を抱きしめる力を強めると、「んはぁ……っ」と艶めかしい嬌声が耳元で漏れた。
「俺だってな……お前のこと、いつか孕ませてぇよ……っ」
「っ! ……あっ、あっ、あぁぁあぁぁ……っ!」
俺が絞り出した本音に、雪乃は目を見開いた。そして泣きそうな表情を浮かべると、唇を重ねて膣肉の締まりを一気に強めた。
腰が動かない代わりに、牡の精子を搾り取ろうと肉壺が波打ち、ざわめき、蠢いて肉竿を愛撫する。
「うぁ……っ、もう、出る、出すぞ……っ!」
絶頂の予感に震えると、雪乃が幸せそうに微笑んだ。
「きて……んっ」
唇が重なると同時に、媚溝の中で肉竿の切っ先が白く爆ぜる。
――どくっ、ぶびゅるる、びゅくく、びゅるるるる……っ。
「んふぁぁあぁぁぁ……っ、あっ、んんんんん……っ」
俺の射精に呼応して、雪乃も全身を痙攣させて絶頂に達する。口内で唾液を混じり合わせながら、牡と牝の性器が互いの汁に塗れて絡まり合う。
多幸感に包まれながら、雪乃の背中を愛おしんで抱きしめた。
× × ×
ちょっと、さっきまでのやりとりが恥ずかしすぎたようで。
「…………………………………………」
雪乃さん、ソファの上で毛布に包まって出てきてくれません。
「……あー、雪乃。洗い物は終わったぞ。……一緒に勉強したいんだが……」
俺の声に毛布に包まったゆきのん、略してもふのんがびくりと跳ねた。もふのんが顔をぴょっこり出して、おどおどと俺を見つめる。
「……その……さっきのは……つい、ちょっと、楽しくなって、つい言ってしまっただけだから……その……つい……」
ついが多いな。
「つい、って事は……うそはついてないんだろ?」
意地悪な質問をすると、雪乃は目を見開いてまた毛布に包まってしまった。うーん、もふのんったらすっかり引きこもりになってしまわれて……。
「ほらほら、出てきなさい。出てこないとヒッキーって呼ぶぞ」
言った瞬間に、毛布が跳ね上がった。
「それは……いやね」
「お、おう……」
こうかはばつぐんだった。何か悲しいけど、まあいいか。
取り敢えず2人で歯を磨こうと洗面所に向かう。
「……ん」
歯磨きをしていると、雪乃がそっと手を握ってきた。にやけそうになるのを我慢しつつ握り返す。
来年以降、今よりも互いの家で多くの時間を過ごしたり、あるいは同棲なんて出来たら……。
それはそれで、油断すると爛れた生活になりそうで怖いな、なんて思いながらも。
「……ん……っ」
歯磨きを終えて、優しく唇を重ねてくる雪乃を見つめていると――やっぱり一緒に暮らしたいなぁ……なんて、気の早いことを思ってしまった。
受験でぴりつくであろうこの1年も、雪乃と一緒なら何とでもなりそうだな……と思いながら、今度は俺から口付けをした。
2人で過ごす時間が、柔らかく過ぎていく。
……勉強の前に、洗濯をしておかないと。
お終い。
ゆきのん編の最終回でした。書いてる内に糖度が増していく不思議。
ゆきのんはまたふとした時に書こうと思います(^^)
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!