※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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 川崎と濃厚な時間を過ごした、次の日。

――川崎と繋がるまで、あと2日。

「……いやいやいや……」

 

 朝起きるなり、自分の身体に起きている異変に驚いた。

 

 まず一つ目は、身体が軽いこと。昨日川崎と散々卑猥な交わり方をしたからさぞや疲れているだろう……と思ったのだけど、あらゆるストレスが吹き飛んだ上でぐっすりと寝たからか、いつもと同じくらいの睡眠時間にも関わらずすこぶる調子が良い。

 

 そして二つ目は……男の生理現象でよく見られる朝勃ちが、いつもよりもかなり露骨であること。目覚める直前に川崎の夢を見ていたためか、夢精こそしていないものの限界まで張り詰めた肉竿が、寝巻のズボンをぎりぎりと引っ張っていた。

 

 今すぐここで2回くらい自慰をしないと収まらないんじゃないか……? と思っていたのだけれど。部屋の前を小町がとてとてと歩いていく足音が聞こえて、ふと冷静になった。ドアをしばしじっと見つめて視線を下ろすと、もう膨らみは収まっていた。それでも、部屋でじっとしていればまたムラムラしてしまう気がする。

 なので、いつもよりもだいぶ早く学校へ行くことにした。

 

 小町に「あれー? お兄ちゃん早いね。沙希さんと朝から学校でイチャつく気? 健全なんだか不健全なんだにゃー! やめてやめて! 髪くしゃくしゃにしないで! セットに時間かかるんだから!」などと言われながら朝ごはんを食べて、早々と身支度を整える。小町はご飯を食べるとテレビを点けてソファでくつろぎ始めた。学校が始まるぎりぎりまでゆっくりするとのことだ。タンクトップにショートパンツという健康的な格好だが、ちらりと覗いた白い太ももを見た瞬間に、脳裏には別の女性の肢体が鮮明に浮かんで、慌てて顔を逸らしてごくりと喉を鳴らした。小町は俺の反応にきょとんとしていたが、「どうしたのお兄ちゃん? ……まあいっか、行ってらっしゃい」と言ってにひっと笑った。うむうむ、今日も我が妹は可愛い。

 

 半袖のシャツを着て外に出ると、ふわりと夏の匂いがした。まだ朝だから、これから気温がぐんと上がっていくのだろう。雲は春の頃よりもぐっと白く濃くなり、楽し気に空を揺蕩っている。

 

 今日も学校で勉強をして、帰るだけ。

 それだけのはずなのに、妙に心が弾んだ。

 

       ×  ×  ×

 

 そういや前に早く来すぎたとき、あいつはもう教室にいたよな……と思い出しながら、総武高の廊下を歩いていく。自転車でここまで来るときにじっとりと汗をかいていたが、屋内はひんやりとしているため汗は引いていた。誰ともすれ違うことのない廊下は、大きくもない足音を心地良く響かせる。リノリウムの床と学校指定のシューズというのは、狙い澄ましたかのように相性が良いな……なんてことを考えている内に、自分のクラスの教室に着いた。誰がいるかを確認もせず、まあ誰もいないだろうと高を括ってドアを開けると……自分の席の隣に、昨日ずっと一緒に過ごしていた、青みがかった黒髪の少女が座っていた。

 

「……おはよ」

「……うす」

 

 川崎の挨拶は、まるで昨日までの関係がリセットされたかのように聞こえるが、実際は今の短い挨拶の言葉さえ上ずっていた。俺の声も、多分震えていた。

 鞄を置き、椅子に腰を下ろすと、川崎がぴくりと反応した。川崎が俯いているのを見てから、俺は左手で頬杖をつき、左側にある窓の外を見つめる。川崎がどんな表情をしているか分からないし、2人とも間違いなく緊張している。なのに、不思議と居心地が良い。この子となら、きっと部屋で何も喋らずに各々が好きなことをやっていても安らげるんだろうなと思った。

 机に載せていた右肘にそっと手が添えられた。振り返ると、川崎は俯いたまま、左手で俺の右腕に触れていた。もう一度窓の方を向いて、右手で川崎の左手を握る。川崎はびくりと反応したが、手をきゅっと握ると動かなくなった。しっとりとかいた汗で互いの手のひらが密着して、仄かな興奮を覚える。指を絡めて握ると、隣から甘い吐息が漏れた。ちらりと覗き見ると、空いた右手は太ももに置いて、耳まで赤くして俯いている。肩は上がって、だいぶ強張っていた。時計を見る。登校が早い生徒でも、まだまだ来ることはないだろう。時間の余裕を認識した途端に、官能の波がざわりと肌を撫でた。

 絹糸のような指と交わりながら、ぽつぽつと会話を始める。

 

「……今日の1限って、古文だったか」

「……うん」

「予習、やったか?」

「……あんたはやれたの?」

「ん……正直めちゃくちゃ眠かったけどな。寝る前になんとか」

「……そ。あたしはあの後は……もう疲れすぎて無理だったから、朝やった」

「……そうか」

 

 取り留めのない会話が、ゆらりと現れてすぐに消えた。

 視線を、川崎の胸元に移す。

 ワイシャツの生地は薄く、汗をかけば中の下着が見えてしまいそうになる。川崎はどういう訳か以前よりもボタンをきちんと留めるようになり、悩ましい谷間が見えなくなってしまったのだが……それが却っていやらしく感じられる。

 

「あ……や……っ」

 

 俺の露骨な視線を感じ取った川崎は、もじもじと身体を揺らす。羞恥から起こした行動は、豊満な肉体を却って艶っぽく見せてしまう。ちょっとだけ泣きそうになりながら俺の視線を恥ずかしがる川崎は、今すぐ押し倒したくなるほど可愛くて色っぽい。

 繋いでいた手をほどいて、柔らかな太ももを撫でた。

 

「きゃ……っ!? ……ぁ……うあ……っ」

 

 膝から脚の根本まで、短いスカートを押しのけながらゆっくりと撫でていく。ショーツが見えそうで見えないように加減しながら、川崎の甘やかな表情を堪能する。川崎は目を泳がせ、途中である一点をじっと見つめてはすぐに目を逸らしていた。川崎とのやりとりでパンパンに膨れ上がったスラックスが、川崎の熱っぽい視線に何度も撫でられる。

 川崎の左手首を右手でがしりと掴むと、何も言わずにこちらの股間の上まで引き寄せた。

 

「あ……っ」

 

 川崎はごくりと息を呑み、流し目でこちらを見た。微かに開いた唇を見ただけで、心臓がどくんと波打つ。

 しばらくじっとしていると、川崎は観念したかのように股間の膨らみに触れた。

 

「……や……っ、おっきい……っ」

 

 昨日も聞いた言葉ではあるが、こうも可愛らしく色っぽい声で言われたら何度聞こうとも興奮する。おずおずと触れる川崎の手のひらに包まれた肉竿がむくむくと大きくなると、「え、うそ、まだ……っ?」と、これまた愛らしい反応を返してくれる。

 

「昨日あれだけ出したんだけどな。何か今日は昨日よりも溜まってるみたいだ」

「そう……なの……?」

 

 下腹部への甘ったるい愛撫に身体を震わせながらも川崎に説明する。

 普通ならば、昨日はあれだけ出したんだから、今日はもう沢山だ……と思うのかもしれない。

 けれど、エネルギーは使わなければ最大量が減っていくもので、使えば使うほど湯水のように湧き出るものだ、という言葉も聞いたことがある。

 その理屈で言えば……俺の性欲は、昨日の行為を機に、ぐんと跳ね上がったのかもしれない。

 俺の言葉を聞いた川崎が、声を震わせた。

 

「……あ、あたしも……なんか、変なの……」

「……どんな風に?」

 

 再び太ももを撫でて、スカートの中をまさぐりながら尋ねる。

 

「な、なんていうか……今日起きてからも、ずっと身体が熱くて……。最初熱があるのかと思ったけど、計ってもいつも通りだし、むしろ身体の調子は良くて……。それで、ずっと身体が熱いまま教室に来て、比企谷の顔を見た途端に、もっと……っ」

「……そうか」

 

 川崎は気付いているのだろうか。

言葉を紡ぐ度に、肉竿をまさぐる手の動きがいやらしくなり、自分の足を徐々に開いていっていることを。

 

 川崎の顔を見る。

 2人の目が合った。

 いつもは気が強くてちょっと怖い瞳が、かよわくも色っぽく揺らいでいる。

 

 ああ、これはちょっと、だめかもしれない。

 夜まで、我慢出来ないかもしれない。

 

「……川崎、すまん」

「……なにが?」

「……他の人が来る前に、2~3回しないか。お互いに」

「……っ」

 

 俺の言葉に、川崎は目を見開いて首まで赤くする。俺の声音が切実だったからか、川崎は「何をバカなことを」なんてことは言わず、唇を引き結んで逡巡した。

 

「……ちゃんと、場所、考えられる? ……それなら、いいけど」

「大丈夫、……人目にはつかないはずだ」

 

 俺の言葉を聞くと、川崎は肉竿から手を離し、すっと立ち上がった。柔らかな手触りにずっと溺れていたい気もしたが、今は場所の確保が優先だ。

 廊下を見渡して、まだ誰もいないことを確認する。

 

「こっちに行くか」

「ん、わかった」

 

 平静を装っているつもりでも。

 2人の声は、興奮で上ずっていた。

 

 

 

 続く。

 

 

 

 




 サキサキでした。淡々と、でもちゃんと熱量を持った文を書こうと試行錯誤しています。

 それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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