※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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「はい、次の初心(うぶ)度ランキングですが……こちらは今回、2名のみのランクインとさせて頂きます」

 

 小町の言葉に、はてと首を傾げる。

 

「あれ、そんなに少ないのか?」

「うん。何やかんやでお兄ちゃん、大体の女の子とすぐキスしてるか、身体を触ってるか、股間をまさぐられるかしてるからね」

 

 小町の言葉に、大体の人がすっと目を逸らした。ああ、ランクインする人が大体分かったぞ……。

 それでは、と小町が言って、楽しそうに微笑む。

 

「第2位の発表からです!」

 

 言って、またしてもドラムロールの音を始める……が、今度は「ジャン!」というまでの時間がやたら短い。明らかに飽きてきてるだろ、お前。

 

「第2位は……めぐりさん!」

 

 周囲からほんわかとした拍手が起きる。本人は「え、ええ? そ、そうなの……?」と両頬に手を当てて困惑している。頬がほんのり紅潮していて……あー、だめだ、今日は話題も話題だから、色々とやばい。留美や折本や川崎もいるから我慢しないと……って、3人がいなくても我慢しないといけないだろ俺。ううむ、頭の中がすっかりピンク色に……。

 

「めぐりさんはなんと、キスしたのが第19話だったんですね。それまでのピュアなことピュアなこと。しかしその分、その後のエッチシーンはピュアさとのギャップが相俟ってたまらなかったですね!」

「ちょ、ちょっと小町さん……っ!?」

 

 めぐり先輩が目を見開いて慌てる。あれ、これってもしかして、ランキング発表にかこつけた、ただのイジり大会なんじゃあ……?

 

「ちなみにあまり発揮されるシーンはありませんでしたが、めぐりさんは髪を撫でられるととろっとろになっていましたね。次のアフターではぜひとも、お兄ちゃんに抱かれながら延々と頭を撫でられて何時間も繋がる……といったラブラブなエッチをしてもらいたいものです」

「…………」

 

 めぐり先輩が両手で顔を覆って、頭から湯気を出しながら俯いてしまった。こ、こいつ鬼だ……!

 

「それでは、そんなめぐり先輩に称号を授けたいと思います」

 

 あ、めぐり先輩が顔を上げた。顔面蒼白にも程がある。

 

「めぐりさんには……『純情おでこ』の称号を授けましょう! きっとお兄ちゃんは目を閉じているめぐりさんの綺麗なおでこに、まあ、アレをですね、たっぷりとまぶしたいなーと思ってるはずです!」

「急におでこ……」

 

 めぐり先輩が儚げにツッコんで(激レア)、舞い落ちる木の葉のごとくはらりと倒れ込んだ。近くにいた雪乃、結衣、いろはが慌てて介抱する。パッと見だと貧血にしか見えない。

 いやあ楽しいなー、と小町が楽しそうに笑う。妹が楽しそうでお兄ちゃん嬉しいよ……でも加減はしてあげてね……。あと俺の性癖をさりげなく加えるのをやめてほしい。予想なのにばっちり当たってるから余計にいやだ。

 

「それでは第1位の発表です!」

 

 完全に飽きたのか、ドラムロールを一切せずにただためただけで「ん~~~~……ジャンっ!」と言った。もはやジャンの意味も分からない。

 

「第1位は……留美ちゃんです!」

 

 めぐり先輩&介抱している3人が抜けたため、若干まばらになった拍手が湧く。みんな律儀だな……。

 

「留美ちゃんがキスをしたのは、なんと第23話! 2人はLINEでのやりとりも含めてピュアな交流をかなりしてきましたね」

 

 留美の解説に、留美が女の子座りをしたまま膝に手を置いて俯いている。一瞬覗いた耳が真っ赤になっていたけれど、これは言わないでおこう。

 

「そんな留美ちゃんに称号を授けたいと思」

「それって拒否は出来ない……ですか……?」

 

 留美が食い気味に、しかも慣れない敬語で小町の話をカットした。うんうん、今までの流れ的にね、きついよね。

 留美の必死な形相を見て、小町がうんうんと頷く。

 

「そうだね、いやなら言わない方が良いかなぁ。それでは、『耳プレイ』ちゃんに称号を授けるのはまた今度ということで……」

「……~~~~っ!」

「うおぅっ!? お、おい、留美、大丈夫か!?」

 

 小町がさり気なく(さり気なくないけど)混ぜ込んだ辱めの称号に留美は耐え切れなくなったようで、俺に駆け寄って飛び込み気味に抱き付き、胸板におでこをこすりつけた。

 抱きながら、耳元で囁いたり舐めたりするのがこの子には効果覿面だと思うから是非――という信じられないくらいエロ丸出しのアドバイスを、小町が俺の耳元で囁く。留美が何かを聞く余裕が無いのを良いことに行った、大胆な行為だった。ううむ、後でおしおきしなければいけないな、うん。

 

       ×  ×  ×

 

「ねえねえ、比企谷くん」

 

 小町が次のランキング発表をする前に、ちょっと休憩させてと言って唐突にティータイムを始めた、その矢先のこと。

 ソファに座っていた陽乃さんが、日本酒(八海山とか言ったか。俺も名前くらいは知っている)を掲げて、珍しく芯から楽しそうに話しかけてきた。

 

「……どうしました」

 

頬が紅潮して何とも色っぽい陽乃さんを直視出来ずに目を背けると、くすくすと楽しそうに笑う声が聞こえた。

 

「ふふ、比企谷くんは今日も可愛いねぇ。どう、お姉さんたちと一緒に呑まない?」

 

 何かと思えば、未成年飲酒の誘いだった。

 

「何言ってんすか、そんなのするわ……け……っ」

 

 視線をソファに移した瞬間、言葉を失う。

 陽乃さんは俺に話しかけながら、ちらりとミニスカートの裾を捲り。

 平塚先生は暑そうな振る舞いを大袈裟にして、豊かな双丘の谷間をちらちらとこちらに見せ。

 由比ヶ浜マ――彼女は、俺を見て蠱惑的に目を細め、ぺろりと舌なめずりをしている。

 う、うおぉぉぉ……。

 酒は飲まないけど、あそこに行ってみてぇぇ……!

 男としての嘘偽りない欲望が迸った。

 あそこに行ったら、極楽が待っている。確信出来る。

 しかし、もしかしたら今日ここで、俺は赤玉を出してしまうかもしれない。打ち止めになるかもしれない。

 強烈な誘惑と、それに伴う危機感。

 

「や、まあ、酒は絶対飲みませんけど……」

 

 言いながら、何とはなしに立ち上がる。

 そのままソファの方にふらりと歩を進めそうになったところで――自分に注がれる、痛いくらいの視線に気付いた。痛いくらいと言ったけど、本当に痛い。

 

「八幡……」

「ヒッキー……」

「八幡……」

「比企谷くん……」

「比企谷、あんた……」

「え、なに、比企谷ってそんなスケベだったの?」

 

 怨嗟さえ混じった声に、身体の動きをぴたりとと止める。

 ちなみに前から順に雪乃、結衣、留美、めぐり先輩、川崎、折本です。呼び名が一部かぶっちゃうね!

 どうしよう、このままソファに向かったら俺は死んじゃうかもしれない。

 

「ほえ?お兄ちゃん、なんで立ってんの?」

 

 紅茶を飲んで気を緩めまくっていた小町が、今頃気付いたのかこちらを見る。

 

「や、その、ああ……うん。ちょっとトイレに行くわ。途中で悪いな」

「うんにゃ~、もうちょい休むつもりだったから良いよ~。行ってらっしゃ~い」

 

 日常系4コマ漫画のキャラばりにゆるゆるした表情で、小町が俺を見送る。行動を無理やり変えるのに、何ともタイミングの良い助け船だった。感謝するぞ妹よ。視線が痛いけど、まあこの後ランキング発表が再開されればうやむやになるだろう。

 リビングのドアを閉める時、視界の隅で誰かが立ち上がるのが見えた気がした。

 

 

 

 続く。

 

 

 




 まだまだ続きます。急におでこ。
 落とし所を考えてないので、それなりに皆ではしゃいで、その後それなりに(性的に)はしゃいだら唐突に終わると思います。超自由。

 沢山のご感想ありがとうございます。評価時のコメントも物凄く嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ楽しんでいってくださいませ(^^)!

 それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
 今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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