雪乃の部屋のリビングを出て、トイレの前に来たところで一息つく。
「……想像以上にやべぇな……」
トイレのドアを見つめながら、腰に手を付いて独り言ちる。
あれだけ可愛い女の子(一部は女性)に囲まれて、小町にあんなにも堂々と猥談をされては、正直たまったものではない。
視線を下にやり、「……収まったか」と、ぽつりと呟く。正直、所々でジーンズの中が痛い程に張っていたが、何とか誤魔化していた。もしかしたらバレていたかもしれないが、それはもう過ぎたことだから考えないようにしよう。
別に用を足す必要は無かったが、トイレに行くと言った手前一応行っておくか――と思い、ドアノブに手を掛けた。
「先輩」
「え……?」
背後から声がすると同時に、ドアノブを握る手に柔らかな感触が重なる。
ドアが開くと、空いていた手を引っ張られて、中に連れ込まれた。
× × ×
がちゃり、とドアの鍵が閉められる音がする。俺はドアに背を付けた状態で、呆然としながら目の前の女の子を見つめていた。
「……いろは……? お前、なんで……っ!?」
言葉を口付けで遮られ、首に細い腕がしゅるりと巻き付く。空いた手は俺の股間をまさぐり、俺が壁に追い詰められていることを良いことに出来る限り熱を帯びた身体を密着させていた。
「んんっ、ふぅんっ、ちゅく、ちゅりゅ、れろっ、れちゅっ、んふぁぁ……っ、んはぁぅん……っ」
「んっ、んぶ……っ! んっ、んんん……っ!」
口の中がいろはの淫猥な舌遣いに犯され、たっぷりと流し込まれる唾液は処理しきれずに2人の顎を伝う。股間をまさぐる手はチャックを下ろし、躊躇なくパンツの中に手を入れ、汗と先走りでぬめった亀頭を手の平でぐりぐりと刺激してきた。
時間間隔が麻痺する程濃厚に口内を犯され、ありとあらゆる思考がごちゃ混ぜになって纏まらない。互いの唇が離れる頃には、剥き出しになった肉棒が雌穴を欲してひくついていた。
「……はぁっ、はっ、はっ、はっ……」
息を荒げながら、いろはは何も喋ろうとしない。何も言わないが――その瞳の中に宿る色は、これから何をしようとしているのかをはっきりと示していた。
俺を責める気満々の、攻撃的な色と。
淫猥な行為に及ぶこと以外考えていない、発情した牝の色。
いろはが口を開く。舌をでろりと出して、顔を近付けてきた。普段の可愛らしさからは想像もつかない卑猥な表情に、この表情は自分しか見ることは出来ないのだという喜びさえ湧く。
甘い水に吸い寄せられる蛍のように、口を近付ける。
いろはの舌を食べるようにして、2人の唇が重なる。
互いの体温が薄紅色の粘膜を境に混じり合い、溶け合い、どろどろと均一化してゆく。
2人の身体は今、1つの穴を通して確かに繋がっていた。
「んふぅぅぅ……っ」
今度はこちらから唾液を流し込むと、いろはが目を潤ませて震えた。たまらなくなり、いろはの胸に手を伸ばす。上着越しに、自分の手が柔肉に沈み込む感触に陶酔していると、いろはの両手がゆらりと肉竿に伸びた。雁首に沿って指を巻き付け、陰嚢を揉み、10本の指が規則的にも不規則にも思える動きで波打ち、官能を昂ぶらせる。いろはの柔肉を乱暴に揉みしだきながら、柔らかな臀部へと手を伸ばした。
「んむふぅぅ……っ!?」
ミニスカート越しに触ると、いろはは驚きながらもうっとりとした声を上げた。ぐにゅぐにゅと揉みながら徐々にスカートを捲り上げ、やがて触れたショーツをずらして食い込ませ、もっちりとした牝尻に直接触れる。
「んっ……んふぅぅ……んはぁっ! あっ、あんっ、あふぁぁ……あぁぁ……っ」
自分から責めていた時の勢いはどこへやら、いろはは逃げるように唇を離すと、瑞々しい唇の端から2人分の唾液を垂らしながら、とろけた目をして首を横に振った。
顔が再び寄せられるが、今度はキスを望んでいる訳ではないというのが目で分かる。見守っていると、俺の耳元に唇を寄せた。耳朶に染み込む吐息がひどく熱い。
「だめ、先輩、やらっ、気持ち良い、先輩の、太くておっきぃ……お願い、舐めさせて、食べさせて……っ」
「……お……ぁ……っ」
予想を超えた直球すぎるおねだりに、牡の器官が猛り震える。
いろはは視線を落とすと、「もっと硬くなった……すごいよぉ……欲しいよぉ……っ」と、うっとり顔のままで呟き、上目遣いで俺に媚薬の如き視線を送る。俺に許しを乞うように眉根を寄せながら、足をМ字にぱっくりと開いて、ゆっくりと頭の位置を下げていく。
「……っ」
そもそも、何でいきなりこんなことをしたのかと言うことも聞けていないのだけれど。
ここまで来て、我慢出来る筈が無かった。
「……舐めるんだ」
いろはの頭を両手で掴んでそう言うと、エサを前に我慢させられていた犬が主人の許しをもらったかのように、嬉々として口を開いた。
× × ×
「ふーっ、んむふぅんっ、んちゅ、れるっ、じゅぞぞぞ……じゅぶ、ぢゅぶりゅっ、じゅぐじゅぐじゅぐじゅぐ……っ」
「ぁ……あが……っ」
肉棒の根本から先が、熱い口内に綺麗に呑まれてからは――すぐに射精してしまいそうな欲求とひたすら闘っていた。淫靡に湿った息が亀頭を包み込んで、蛇のようにうねる舌が裏筋や雁首を、丁寧を通り越して執拗に舐り回す。両手のひらで陰嚢を包み込み、惚けた表情で俺の反応を具に探る。ただただ牡の精を搾り取ることにのみ特化したような、巧みで淫らな挙動。
いろはの舌技は確かにすごいが、それでもしゃぶられる行為自体は今まで数えきれない程経験している。にも関わらず、異常な状況で興奮していたこともあってか、咥えられた直後から我慢していた射精欲求も、ものの2~3分で限界を迎えた。
「い、いろ、は……っ、出るっ、出すぞ……っ」
壁に背を付けたままずるずると腰の位置が下がっていき、快楽の波に呑まれた腰がかくかくと前後に揺れる。いろはの喉奥に亀頭を突き立てると、いろはは苦しそうな顔をしながらもいやらしく、それでいてどこか優し気に目を細めた。
唇をOの字にすぼめたかと思うと、
「ぢゅりゅるるるるる……っ」
一滴も残すことなく搾り取ろうとするように啜られて、下半身が決壊した。
――ごぼぶっ、ぶりゅりゅっ、ぶびゅるっ、びゅぶっ、びゅるるっ、びゅぶっ、ぶびゅっ、ぶびゅぶっ……。
「んふぅぅぅ……んふぅぅぅぅぅ……っ」
いろはは俺を見つめたまま、栓が壊れた蛇口の水のように溢れ出す白濁を難なく飲み込んでいく。まるで一気飲みをするかのように細い喉がごくごくと鳴り、その後も丹念に竿を舐め取られ、淫猥すぎる唇が離れる頃には、もはや射精したことを示すものは匂いしか残っていなかった。
「……ごめんなさい、先輩が色んな女の人に目移りしてるのを見て、つい……」
しゅんとして謝りながらも、竿を握って鈴口に舌を押し当てている。えっと、言動と挙動を一致させてほしいんですけど……。
「……まあ、それ、は、良い、から……っ、そろそろ戻らない、とぉ……っ!?」
謝りながらもやはり我慢出来なくなったのか、硬度を失っていない肉竿が再びいろはの口内に収まった。
「……あんまり、味わう余裕は無いからな、ほんとに。やるなら早め……うぐぁぁぁ……っ!」
いろはが俺の言葉を聞くなり、強烈に口を前後に動かし始めて。
俺は、1度目の射精をした直後、3分もしない内に、もう一度いろはの口内に欲望を注ぎ込んだ。
× × ×
「あ、お兄ちゃんおかえりー」
「お、おう」
いろはは友達と電話をするというウソをついてリビングを出ていたらしいので、先に俺が帰った。
しかし、俺が部屋に入るなり……部屋中の女性陣が俺にジト目を向けた。
「な……なんだよ?」
誰を見たら良いかも分からぬまま、疑問を宙空に投げかける。
「比企谷……これ、何の匂い?」
初めに口を開いたのは、折本だった。留美と川崎も同じことを思っているのか、俺を注視している。純粋に何の匂いなのか分かっていない、純粋な視線だ。
「や、えっと、その……っ」
言葉に詰まって周りを見渡すと、雪乃や結衣、めぐり先輩は頬を赤らめながらこちらを見つめていて、ソファの上の3人はそれはもうにこにこと俺を見つめている。超怖い。小町はにこにこと言うかにやにやしていた。
……絶対に、バレてる。
それはそうか、別に音を隠そうとなんてほとんど意識してないしな……なんて思っていると、リビングのドアががちゃりと開いた。
「すみませーん、やっと電話が終わりました……って、あれ? 何ですかこの空……気……っ」
いろはは入るなり敏感に空気を察知したようで、俺を見て「やっちゃった……」と舌をぺろりと出した。可愛いけど、今この状況でそんなことをやると寿命が縮むんだ、俺の!
「いろはさん、おかえりなさーい! それじゃランキングの続きを発表をしますねー」
「え……?」
何を言われるやらとどきどきしていたら、小町は何事も無かったかのように企画を続けようとした。俺の呆けた声を聞いて、小町がにやりと口角を上げた。
「もー、なに変な声出してんのお兄ちゃん! あ、でもですね。本当はまだまだランキングをご用意していたんですが、ちょっとしたハプニングにより予定を変更しようと思います。次のランキングが終わったら、ルール変更のお知らせをしますね」
小町の言葉に、はてと首を傾げる。
「ルールってなんだ、小町」
「ん……今日ここに皆さんが集まってから、暗黙のうちにずっと守られていた約束だよ」
小町がにっこり微笑んで言うと、可愛らしい八重歯が覗く。しかしその瞳はどこか艶を帯びていて、下半身がずくんと疼いた。
続く。
仕事で体力的・時間的余裕が無くなったので、急遽ですが明日の更新はお休みします。楽しみにしてくださっている方、申し訳ありません!
唐突なエロ。ぼちぼちこういうゾーンに入ろうかと思います。前話でソファに吸い寄せられかけた八幡に非難の声を浴びせかけた人から、さりげなくいろはすだけを除外してました。既に企んでたという意図を込めて。こういうネタバラし(?)的なのはたまに書くくらいにしておきます。
沢山のご感想ありがとうございます!「次の更新心待ち。略して小町」という、読者様の名言とはまた別に、「おでこ」が新たな挨拶として使われそうで何よりです(ただの煽り)。
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!