自分がよく知る人の、違う一面を見るというのはとても新鮮だ。
ましてやそれが女性ならば、そんな場面を見ただけでも胸がときめき、心が躍る。
「ちょっと、静ちゃん、やめ……っ」
「はっはっは。よいではないかよいではないか」
――陽乃さんが慌てている所なんて、早々見られやしないようなぁ……と、頬を緩めながら考える。平塚先生は悪代官にしか見えない。
ソファの上で取っ組み合う2人の美人を眺めながら、あぐらをかいて緑茶を啜る。どうせこの後はとんでもないことになるだろうから、今だけはのんびりしておきたい。ちなみにお茶は留美が淹れてくれたもので、お盆に載せて持ってきてくれた。リビングに入れると恐らくトラウマになるのではという判断により、雪乃がリビングのドアを僅かに開けてお盆を受け取った。きちんとお礼を言いたかったが、如何せん俺は全裸なので声だけでお礼をした。ドアを閉める時、「……八幡の変態」とぽそりと呟いたのが、たまらなく可愛いと思ってしまった。
あぐらをかいてお茶を啜る。ただし全裸で。
そんなシュールな状況の中、何故か俺の大事な部分がさっきから指で弾かれている。
「えいっ、えいっ」
「……何してんの?」
いろはが、足を流して俺にもたれかかり、俺のアレを興味深げにぺちぺちと指で弾いている。「ほえ~……」なんて唸りながら感心してるけど、やってることは完璧に変態だからね? あと、まあまあ痛いからね?
「こら、あんまりやりすぎるなよ」
どきどきして勃とうもんなら死ぬ程恥ずかしい。頭をぽふぽふと叩くと、いろはは猫のように目を細めて俺の手に自分の手を重ねた。
「普段はこんななのに、どうして興奮するとあそこまで太く硬く長くなるのかなぁ……って思って」
「お、おう……そうか」
えらくストレートな物言いに、こちらが恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。いけない、このままでは興奮して大きくなってしまう。平常心平常心……。
「あ、おっきくなった」
……一切堪えられなかった……。
もう一度状況を整理する。
陽乃さんが平塚先生に襲われ、先生が由比ヶ浜マからそれとなく受け取った凶悪な道具で陽乃さんに悪戯をしようとしている。陽乃さんは結構本気で抵抗しているようだが、どうやら先生は本当に身体能力が高いらしく、次々と陽乃さんの身体をあれこれ(曖昧)していく。
そんな光景を見ながら、俺はあぐらをかいて緑茶を啜り、大事な部分をいろはにぺちぺちと指で弾かれている。
「お兄ちゃん、傍から見るとこの光景は頭おかしいよ」
「言うな、分かってるから」
雪乃の膝枕に「うへへ……」とキモ可愛い声を漏らしながら、小町がぽろりと冷静なことを言った。君は自由ですねぇ。
いろはを構いながら小町と会話をしていると、「よしっ」という凛とした声が聞こえた。
「比企谷、整ったぞ。さあ見るが良い」
「あ、はい」
先生の声に振り返る。
「……へ?」
ソファの上の光景に、思わず間抜けな声を漏らして。
危うく、湯呑を落としそうになった。
× × ×
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」
陽乃さんが、まるで獰猛な獣のような吐息を漏らしている。
陽乃さんは扇情的な下着を着けたまま、腕を縛られていた。後ろ手にしてがちがちに固められている。そんな体勢のためか、豊満で重力に負けない張りのある乳房が、これでもかという程に強調されている。足は横に流していて、何だか囚われのお姫様のようにも見えた。いろはとは違いアイマスクこそ付けられていないが、代わりにその瑞々しい唇は小さな赤い玉を咥え込んでいた。所謂ボールギャグというやつだ。陽乃さんはこれにより口を開けるのを強制されている。
「ヒッキーくん、わたしも協力したのよ~」
由比ヶ浜マ――彼女が嬉しそうに手を合わせて笑う。その言葉を聞いて陽乃さんの身体を良く見ると、艶めかしく透けた下着の奥に、ピンク色のローターらしきものが見えた。乳頭に1つずつ、下腹部では恐らく肉芽の上に付けていると思われる。
「うふふふ~……いきなり最大にして楽しむのも良いんだけど……」
陽乃さんがびくりと跳ねる。
「せっかくだから、『弱』よりも更に弱い『微弱』というモードにしてあげるわ~」
彼女が嬉しそうに笑い、リモコンのスイッチを入れる。
……ぶぃぃぃぃぃ……と、微かな振動音が部屋にこっそりと響くと。
「んふぅぅぅぅ……っ!」
陽乃さんが身体を屈めて快感に耐える。
「うふふ~、『弱』でもすぐにイっちゃいそうだなって思ったから、それよりも弱くしてみたけど……正解だったみたいね~」
彼女が楽しそうに笑う。普段はおっとりとした表情だが、今はその目が三日月のように細められていて、身に纏う印象をがらりと変えていた。
「比企谷。今の陽乃をどうするかは君次第だ。好きにしたまえ」
先生がそう言って、にやりと口の端を吊り上げる。こ、この人極悪だ……!
「ふーっ、ふーっ、……んんんっ、んんんん……っ!」
焦れったい刺激では達することも出来ず、もどかしげに内ももをこすり合わせる陽乃さんの仕草は見惚れてしまうほど扇情的だ。視線を巡らせると、他の皆も顔を赤らめながら陽乃さんの痴態を見つめていた。
陽乃さんをじっと見て、ふとある考えが浮かんだ。
ソファに膝を上げる。「背中、後ろに付けてください」と伝えて言う通りにさせた。陽乃さんはどこか怯えたような、それでいてどこか嬉しそうな表情を浮かべる。
陽乃さんの耳のすぐ横、ソファの背もたれに両手を付いた。ソファに手が沈み込むと、その分だけ陽乃さんの身体も沈み込む。小さな小さな、2人だけの空間が出来上がった。
「…………」
何も言わず、一切触れず、ただ陽乃さんの瞳を見つめる。陽乃さんは何かしてほしいと訴えかけるように眉根を寄せて、潤んだ瞳で俺を見つめる。そんな哀願もするりと躱して、ただただ陽乃さんを見つめる。陽乃さんの瞳に映る自分さえもよく見える程に。
「……ふぅっ、んっ……くふぅぅ……ふぅっ、んんん……っ」
俺と目を合わせたまま、陽乃さんが泣きそうな顔でふるふると首を横に振る。美しい肢体から滲み出た汗が濃厚な牝の匂いを醸し出して、勃起した肉棒は陽乃さんのへそに刺さりそうな程突き出ている。けれど、きっとこの人は俺が僅かにでも触れた瞬間に達してしまうだろう。だから、触れそうでも決して触れない。
どれくらいの時間そうしていたか分からない。それでも、俺と陽乃さんが見つめ合っている間、陽乃さんは一度も達することなく、一度も目を逸らすことなく、ただただ静かに震えていた。
「陽乃さん。うつ伏せで寝転がって、俺に向けて尻を突き出してください」
俺の声に陽乃さんがびくりと跳ねて目を瞠る。何を言ってるんだという意志を表情に滲ませながらも、身体を震わせながら俺の言う通りにして、肉付きの良い形の整った双丘をこちらに突き出した。シースルーの下着がぐっしょりと濡れていて、濃厚な牝の匂いが鼻腔を侵食して、蹂躙への欲求を駆り立てる。
ローターが肉芽に付けられているということは、このまま俺が腰を突き出せば、目の前の女性と簡単に繋がる事が出来る。物欲し気にひくつく、艶めいた双丘の肉に息を呑んだ。
「陽乃さん。俺、今から陽乃さんに挿れます。1回出すまで絶対やめません。……行きます」
「んんんん……っ!」
陽乃さんが後ろを振り向いて、何か訴えかけようとする。それが、どんな願いだったのかは分からない。
けれど、俺は決意を鈍らせることなく、目の前の熱くぬめった牝穴に躊躇なく己の欲望をねじ込んだ。
続く。
1周年記念エピソードなのに、もう2週間程やっているという事実。気長に書きます。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!