※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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 夏コミ本の委託についての宣伝及び祝い事がありますので、ぜひ後書きをご覧ください(^^)!


(13)

 折本かおりは快活な人物だ。

 

 さばさばとした性格。

 誰とでもすぐ仲良くなって会話を盛り上げるノリの良さ。

 そして何より表裏が無い所。

 

 中学の頃は特に言葉して考えることは無かったが、敢えて今言葉にするなら「見ていて気持ちの良い人」と言う言い方に尽きる。分かりやすい眩しさを備えているため、慕う人はその光に吸い寄せられるように集まり、光を嫌う人は明確に離れるのだ。雪ノ下や葉山とはまた違う種の魅力で、由比ヶ浜と三浦の間をとったような魅力だと思っている。

 そんな折本を、俺は近付かないフリをしながらずっと近くで見ていた。当時の俺に会えるならば教えてやりたい。あの頃は想像さえ出来なかった事態が起きているぞと。

 

――あの折本と、こんな距離に近付くだなんて、どうやって想像出来ただろうか。

 

       ×  ×  ×

 

 初めて手を繋いでからも、折本とは毎日のように会っていた。長時間会う訳ではなく、決まって夜の短い時間、折本の家から一番近い公園のベンチで話す。その行為自体は手を繋ぐ前と変わらないのだけれど……あの日を境に、話す時は手を繋ぐようになった。折本から手を繋ぐ時はこちらが驚く程自然に握ってくるのだが、俺から繋ぐ時はどうしてか毎回笑われる。

 

「だって比企谷、自分から手を繋ぐ時毎回『今から手を繋ぎます』って言わんばかりに変な咳払いするんだもん。あと急にあたしのことちらちら見始めるし。超ウケる」

「…………」

 

 もろバレな俺の仕草を綺麗に見透かされていた。めっちゃウケてた。死にそう……。

 そんなこんなで、今日も折本に会いにゆく。すっかり習慣化された行為が、どうしようも無く心地良かった。

 

       ×  ×  ×

 

 今日の折本は、何だか少しおかしい。

 手を繋ぐ前からちらちらと不自然に俺を見て、俺の言葉に対して急に生返事になって、しまいには不自然な咳払いをする。完全に手を繋ぐ前の俺だぞ……と思っていると、折本が意を決したように手を繋いできた。てっきり手を繋ぐことに緊張しているのかと思ったけれど、今の行為は至極スムーズなものだった。折本を見るとまだ挙動不審は続いている、と言うか悪化している。どうやら、手を繋いだ後にまだ何か仕掛けようとしているようだ。

 のらりくらりと会話をしてしばらく経った所で、折本が空いた右手で口を押さえてあくびをした。

 

「そろそろ帰るか」

 

 存外おとなしめのあくびに内心ときめきながら話しかけると――不意に、右肩に軽い重みを感じた。見ると、俺の右肩に折本が寄りかかっていた。ウェーブのかかった黒髪が優し気に揺れている。

 

――さっきから狙ってたのって、これか……っ!

 

 一瞬で確信する。折本はこの行為を仕掛ける為にずっと緊張していたのだ。さっきから仕掛けるという言い方に違和感しか覚えないが、まあ恋愛って駆け引きが柔らかいどうしよう重要とか言うのを小町が読んでる雑誌でめっちゃ良い匂いするどうしよう読んだことがありますし、こう言った表現も頭すりすりしてきた超可愛いどうしようアリなのではないでしょうか。

 動揺しすぎてすんごく読みづらい文になった。

 

「ん……大丈夫。ちょっと、こうしてて良い?」

 

 どう考えても断る事が出来ない状況で、完全なる事後承諾を求められた。この子怖い。このわかめの海に顔をうずめて甘い匂いに溺れたい。落ち着け俺。

 

「お、おう、イエス、マム」

「……なにそれぇ……ウケるんだけどぉ……っ」

 

 間延びした声で笑われた。仕掛けはしてきたが、眠いのは本当らしい。少し子供っぽくなり、目がとろんとして話すのも遅くなった折本は、あろうことか繋いだ手を自らのスカートの上に乗せた。俺の手が下だったため、手の甲にスカート越しとは言え折本の太ももの感触を感じて心臓がばくばくと跳ねる。緊張で死ねると思った。

 まだ夜は肌寒い。冬と春をないまぜにした冷たい風が吹き抜けると、俺と折本の距離は自然と縮んだ。

 ごくりと息を呑む。あまりに距離が近いから、今の音を聞かれていたかもしれない。

 繋いでいた手を離す。折本の左手は急に寂しくなったのか、わきわきと動いて俺の太ももに置かれた。繋いでいた右手の代わりに左手を繋いで、右腕を折本の背中に回して肩を抱き寄せた。

 

「ん……っ」

 

 一瞬ぴくりと反応した折本だったが、すぐに落ち着いた。聞こえてくる呼吸音が若干不規則になったのは気のせいだろうか。少しだけ抱き寄せる力を強くすると、折本は繋いだ手に力を込めて、小さく小さく震えた。時折もぞもぞと身じろぎするが、抱き寄せる度にその動きは止まる。

 

「あったかい……」

 

 半分目を瞑りながら、折本が子供っぽい笑みを浮かべる。柔和な笑みを見て、折本が子供の頃はこんな表情をしていたのかな……などと考えた。

 この後は会話をするでもなく、折本の肩をずっと抱きしめていた。

 

       ×  ×  ×

 

 翌日。

 公園に向かう時点で、折本が手を繋いできた。しかも距離がやたらと近い。腕がほぼ全てくっついていて、顔も自然と近くなる。顔が熱くなるのを感じながら、一体どんな悪戯心を働かせているのやら……と折本の顔を見ると、心底幸せそうに微笑んでいた。見るんじゃなかった、心臓に悪い……顔が見れない……。

 まだ公園に着いていないのに、何故か手が離れた。しかし腕が接する距離感は変えない。一体どうしたのかと見ると、俺のことをちらちらちらと見ていた。ツンデレな猫がエサを欲しがる時ってこんな仕草をするんだろうか。少なくともうちのカマクラはこんな可愛い仕草はしない。さてどうしたものか……と思い、試しに肩を抱き寄せる。

 

「……っ」

 

 折本が息を呑んで足を止めた。目が合うと見る見る内に真っ赤になり、肩を抱き寄せている右手を引き離して再び手を繋いで歩き出した。何かしらキャパオーバーだったらしい。

 

 

 初めはつらつら話すだけだった日々が少しずつ変化する。

 どちらからでもなく手を繋ぐようになり、その次は折本が肩にもたれかかってくるのを合図に肩を抱き寄せるようになった。

 焦れったい程ゆっくりと進んでいく関係性が、たまらなく心地良い。

 月明かりの下、今日も折本は俺の腕の中でうつらうつらと気持ち良さそうにしている。眠りそうで眠らない状態が気に入っているようで毎回粘っているのだが、程なくして結局寝てしまう頻度も結構なものだった。10分くらい経って起こしてやると毎回頬が仄かに赤くなる。その表情がまた愛おしかった。

 

 

 明日は金曜日。4月ももうじき終わろうとしている。

 

 

 

 続く。

 

 

 

 




 折本でした。お久しぶり。穏やかに穏やかに。

<夏コミ本委託について>
 おかげ様で大成功だった夏コミなんですが、以前から宣伝していると「当日行けないから委託を」と望まれる声が沢山ありました。
 という訳で、とらのあな様に委託しました!!言い方が合ってるか分からない!!
 サークル「やせん」名義で、4名で書いた一般紙「俺ガイルSSつ・め・あ・わ・せ」と僕含む2名で書いたR-18作品「一色いろはがエロかわすぎる!」を委託しています。
 WebSiteとらのあなにて、「やせん」と検索して頂いても大丈夫ですし、作品名や著者名で検索して頂いても大丈夫です。
 僕の方は2名で300ページとかなり肉厚なボリュームです。魂込めて甘くエロく書きました!
 数に限りがあるのでお早目にどうぞ(^^)!

<☆☆☆祝・PV20,000,000突破☆☆☆>
 突破しました!!!この作品の目次なり各話なりが2000万回クリックして頂いた訳です。誰がこんなことになると予想していた……!
 本当に、本当にありがとうございます。
 まだまだ宜しくお願い致します。

 それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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